アリッサ配合錠

添付文書情報2024年12月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏性素因のある患者。
2.2. エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある]〔8.8、8.12、8.14、8.15参照〕。
2.3. 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがあり、出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある]〔8.8、8.12、8.15参照〕。
2.4. 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがある]〔11.1.1参照〕。
2.5. 35歳以上で1日15本以上の喫煙者[心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔8.7、9.1.2、9.1.5、11.1.1参照〕。
2.6. 前兆を伴う片頭痛(閃輝暗点を伴う片頭痛、星型閃光を伴う片頭痛等)の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.7. 肺高血圧症を合併する心臓弁膜症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔9.1.14、11.1.1参照〕。
2.8. 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.9. 血栓性素因のある患者[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.10. 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.11. 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある]〔8.6、11.1.1参照〕。
2.12. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.13. 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある]。
2.14. 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある(また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある)]〔11.1.1参照〕。
2.15. 高血圧<軽度高血圧を除く>のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある(また、症状が増悪することがある)]〔9.1.9、11.1.1参照〕。
2.16. 妊娠中に黄疸、妊娠中に持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある]。
2.17. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔8.16、8.17、9.5妊婦の項参照〕。
2.18. 重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.19. 骨成長が終了していない可能性がある患者[骨端早期閉鎖を来すおそれがある]。
- 効能・効果
- 月経困難症。
- 用法・用量
- 1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って(ピンク色錠から開始する)28日間連続経口投与する。以上28日間を投与1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期の錠剤を投与し、以後同様に繰り返す。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 毎日一定の時刻に服用させること。
7.2. 服用開始日
本剤を初めて服用させる場合、月経第1日目から服用を開始させ、服用開始日が月経第1日目から遅れた場合、妊娠のリスクを考慮し、飲みはじめの最初の1週間はホルモン剤以外の避妊法を用いること。
7.3. 本剤の投与にあたっては、不正性器出血の予防及びホルモン剤服用中の妊娠のリスクを最小限にとどめるため、飲み忘れ等がないよう服用方法を十分指導すること。
7.4. 万一前日の飲み忘れに気付いた場合、直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用する。2日以上服薬を忘れた場合は、気付いた時点で前日分の1錠を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用し、その後は当初の服薬スケジュールどおり服用を継続すること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤を避妊目的で使用しないこと(日本人における避妊目的での有効性及び安全性は確認されていない)。
8.2. 本剤の服用により、年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがあるので、次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(緊急対応を要する血栓症の主な症状:下肢の急激な疼痛・下肢の急激な腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢脱力・四肢麻痺、構語障害、急性視力障害等)。
患者に対しても、緊急対応を要する血栓症の主な症状(下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等)があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう説明すること〔11.1.1参照〕。
8.3. 本剤の服用中に、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕(血栓症が疑われる症状:下肢疼痛・下肢腫脹・下肢しびれ・下肢発赤・下肢熱感、頭痛、嘔気・嘔吐等)。
8.4. 血栓症のリスクが高まる状態(体を動かせない状態、顕著な血圧上昇、脱水等)が認められる場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.5. 本剤服用患者には、投与開始時及び継続時に次について説明すること〔11.1.1参照〕。
・ 血栓症は生命に関わる経過をたどることがあること。
・ 血栓症が疑われる症状があらわれた場合や、血栓症のリスクが高まる状態になった場合は、症状・状態が軽度であっても直ちに服用を中止し医師等に相談すること。
・ 血栓症を疑って他の医療機関を受診する際は、本剤の使用を医師に告知し、本剤による血栓症を念頭においた診察を受けられるようにすること。
8.6. 本剤服用中にやむを得ず手術が必要と判断される場合には、血栓症の予防に十分配慮すること〔2.11、11.1.1参照〕。
8.7. 年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告があるので、本剤服用患者には禁煙するよう指導すること〔2.5、9.1.2、9.1.5、11.1.1参照〕。
8.8. 服用中に不正性器出血が発現した場合、通常は投与継続中に徐々に減少するが、長期間持続する場合は、腟細胞診等の検査で悪性疾患によるものではないことを確認の上、投与すること〔2.2、2.3参照〕。
8.9. 服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあり、不正性器出血の発現の可能性及び妊娠のリスクが高くなるので注意すること。
8.10. 本剤投与により希発月経等の月経異常や不正性器出血がみられることを患者にはあらかじめ十分に説明し、通常の月経に比べて出血量が多く持続日数が長い場合あるいは月経の発来がない場合には、医師へ相談するよう指導すること。不正性器出血が続く患者には必要に応じて血液検査等を実施し、異常が認められた場合には鉄剤の投与又は本剤の投与中止など適切な処置を行うこと。
8.11. 本剤は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤であることから、黄体ホルモン又は卵胞ホルモンを含有する薬剤(経口避妊剤等)を使用している場合は、本剤の投与開始前に中止させ、また、本剤投与中にこれらの薬剤を使用しないよう患者に指導すること。
8.12. 本剤の投与にあたっては患者の病歴調査及び検診が必要である。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査及び臨床検査が含まれる。本剤投与中は6ヵ月ごとの検診を行い、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行うこと。また、1年に1回、子宮頸部の細胞診の実施を考慮すること〔2.2、2.3、9.1.1参照〕。
8.13. 本剤投与中は経過を十分に観察し、期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続せず、他の適切な治療を考慮すること。
8.14. 乳癌の検査は、患者に自己検診を行うよう指導すること〔2.2、9.1.3、9.1.4参照〕。
8.15. 器質的疾患を伴う月経困難症患者に対する本剤の投与にあたっては、器質的疾患の増悪の有無を確認するため、不正性器出血の発現に注意し、定期的に内診及び超音波検査等による診察を行うこと(本剤投与中に腫瘤が増大するなど器質的疾患の増悪が認められる場合や、臨床症状の改善がみられない場合は、他の治療法も勘案したうえで投与継続の判断を行うこと。特に、子宮内膜症性卵巣のう胞(卵巣チョコレートのう胞)は、頻度は低いものの自然経過において悪性化を示唆する報告があるので、画像診断や腫瘍マーカー等の検査も行うこと)〔2.2、2.3参照〕。
8.16. 本剤の投与に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認すること〔2.17、9.5妊婦の項参照〕。
8.17. 服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、投与継続に先だって妊娠していないことを確認すること〔2.17、9.5妊婦の項参照〕。
8.18. 妊娠を希望する場合には、本剤の服用を中止後、月経周期が回復するまで避妊させることが望ましい。
9.1.1. 子宮筋腫のある患者:定期的に内診や画像診断等の検査を行うなど慎重に投与すること(症状が増悪することがある)〔8.12参照〕。
9.1.2. 40歳以上<1日15本以上の喫煙者には投与しない>の患者:一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがある〔2.5、8.7、11.1.1参照〕。
9.1.3. 乳癌の既往歴のある患者:乳癌が再発するおそれがある〔8.14参照〕。
9.1.4. 乳癌の家族歴又は乳房結節のある患者:定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること(エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もある)〔8.14参照〕。
9.1.5. 喫煙<35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しない>者:心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある〔2.5、8.7、11.1.1参照〕。
9.1.6. 肥満の患者:血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある〔11.1.1参照〕。
9.1.7. 血栓症の家族歴を持つ患者:血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある〔11.1.1参照〕。
9.1.8. 前兆を伴わない片頭痛のある患者:脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある〔11.1.1参照〕。
9.1.9. 軽度高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者:血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある(また、症状が増悪することがある)〔2.15、11.1.1参照〕。
9.1.10. 耐糖能の低下している患者(糖尿病患者及び耐糖能異常の患者):十分コントロールを行いながら投与すること(耐糖能が低下することがある)。
9.1.11. ポルフィリン症の患者:症状が増悪することがある。
9.1.12. てんかん患者:症状が増悪することがある。
9.1.13. 遺伝性血管浮腫及び後天性血管浮腫のある患者:症状が増悪するおそれがある。
9.1.14. 心臓弁膜症<肺高血圧症又は心房細動合併・亜急性細菌性心内膜炎既往は禁忌>の患者:血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある〔2.7、11.1.1参照〕。
9.1.15. 心疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留又は体液貯留により症状が増悪することがある。
9.1.16. テタニーのある患者:症状が増悪することがある。
9.2.1. 重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者:投与しないこと(ドロスピレノンのアルドステロン拮抗作用によりカリウム値が上昇するおそれがある)〔2.18参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害又は急性腎障害を除く>のある患者:ドロスピレノンのアルドステロン拮抗作用によりカリウム値が上昇するおそれがある。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある)〔2.12参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>のある患者:代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル)[ドロスピレノンの血中濃度が上昇するおそれがある(ドロスピレノンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる)]。
2). フルコナゾール[ドロスピレノンの血中濃度が上昇するおそれがある(フルコナゾールはドロスピレノンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる)]。
3). ボリコナゾール[ドロスピレノンの血中濃度が上昇するおそれがある(ボリコナゾールはドロスピレノンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる)]。
4). カリウム製剤(塩化カリウム<製剤>、グルコン酸カリウム<製剤>等)、ACE阻害剤(カプトプリル、エナラプリル等)、アンジオテンシン2受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル等)、カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム等)、非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意すること(これらの薬剤による血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる<危険因子>腎障害患者、血清カリウム値の高い患者)]。
5). リファンピシン、バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール等)、ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム等)、カルバマゼピン、ボセンタン、モダフィニル、トピラマート[ドロスピレノンの効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある(これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、ドロスピレノンの代謝を促進すると考えられる)]。
6). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[ドロスピレノンの効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(この食品は薬物代謝酵素を誘導し、ドロスピレノンの代謝を促進すると考えられる)]。
7). テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン等)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリン等)[本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある(これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる)]。
8). テルビナフィン塩酸塩[黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で月経異常があらわれたとの報告がある(機序不明)]。
9). Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩等)[これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある(これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる)]。
10). 血糖降下剤(インスリン製剤、スルフォニル尿素系製剤、スルフォンアミド系製剤、ビグアナイド系製剤等)[血糖降下剤の作用が減弱するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する(本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血栓症(四肢血栓症、肺血栓症、心血栓症、脳血栓症、網膜血栓症等)(頻度不明):下肢の急激な疼痛・下肢の急激な腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢脱力・四肢麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.4-2.11、2.14、2.15、8.2-8.7、9.1.2、9.1.5-9.1.9、9.1.14参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 生殖器:(5%以上)月経中間期出血(74.8%)、重度月経出血(16.8%)、希発月経、骨盤痛、(1~5%未満)異常子宮出血、過少月経、頻発月経、子宮頸管ポリープ、(1%未満)無月経、卵巣のう胞、子宮平滑筋腫、CA125上昇、腟分泌物、(頻度不明)腟感染、月経前症候群、腟出血、子宮出血、異常消退出血、過長過多不規則月経、性交出血、外陰腟障害、外陰腟そう痒症、子宮内膜障害、子宮痙攣、異所性妊娠、性交困難。
2). 乳房:(5%以上)乳房痛、(1~5%未満)乳房不快感、(1%未満)乳頭痛、乳房良性腫瘍、(頻度不明)乳房障害、乳房腫瘤、乳腺線維腺腫、乳房腫脹、乳汁分泌障害、乳腺炎、乳頭障害、乳房変色。
3). 消化器:(5%以上)悪心、(1~5%未満)下痢、便秘、腹部膨満、腹痛、(1%未満)腹部不快感、嘔吐、(頻度不明)消化不良、消化管運動障害、口内乾燥、口渇、口内炎、胃腸炎、胃食道逆流性疾患、上腹部痛、鼓腸、大腸炎、過敏性腸症候群。
4). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(1~5%未満)傾眠、浮動性めまい、回転性めまい、(1%未満)片頭痛、前兆を伴う片頭痛、耳痛、感情不安定、自律神経失調、閉所恐怖症、抑うつ気分、気分の落ち込み、易刺激性、(頻度不明)末梢性ニューロパチー、錯感覚、神経過敏、不眠症、うつ病、不安障害、情動障害、ストレス、無為、健忘、リビドー障害、リビドー減退。
5). 循環器:(1%未満)動悸、発作性頻脈、心電図QT延長、心電図T波逆転、胸部不快感、(頻度不明)静脈瘤、高血圧、血圧上昇、低血圧。
6). 肝臓:(頻度不明)肝酵素上昇、血中ビリルビン上昇、γ-GTP上昇。
7). 腎臓:(1%未満)頻尿、(頻度不明)夜間頻尿、腎機能検査異常、尿臭異常、尿路感染。
8). 血液:(1~5%未満)フィブリンDダイマー上昇、可溶性フィブリンモノマー複合体上昇、トロンビン・アンチトロンビン3複合体上昇、貧血、(1%未満)鉄欠乏性貧血、(頻度不明)血糖値上昇、ヘモグロビン低下、血清フェリチン低下、尿中血陽性、血中カリウム上昇。
9). 内分泌・代謝系:(1%未満)食欲亢進、(頻度不明)脂質異常、食欲障害。
10). 筋・骨格系:(1~5%未満)筋痙縮、(頻度不明)背部痛、四肢痛、四肢不快感、関節腫脹。
11). 皮膚:(1~5%未満)ざ瘡、湿疹、(1%未満)発疹、蕁麻疹、(頻度不明)皮膚そう痒症、皮膚炎、皮膚色素沈着障害、皮膚変色、多毛症、脱毛症、脂漏、皮膚乾燥、皮膚腫脹。
12). 眼:(頻度不明)視力障害、霧視、ドライアイ。
13). その他:(1~5%未満)倦怠感、浮腫、ほてり、(1%未満)膀胱炎、多汗症、寝汗、疲労、発熱、(頻度不明)高体温症、体液貯留、末梢性浮腫、顔面腫脹、口唇腫脹、過敏症、高カリウム血症、膀胱痙縮、体重変動、体重増加、異常感、疼痛、胸痛、真菌感染。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(エステトロール水和物を用
いたラット及びウサギの生殖発生毒性試験では、臨床曝露量未満に相当する用量から胚毒性及び胎仔毒性作用が認められている)〔2.17、8.16、8.17参照〕。
授乳しないことが望ましい(類薬において、母乳中への移行や母乳の量的質的低下、児において黄疸、乳房腫大が報告されている)。
- 小児等
- 小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 外国での疫学調査の結果、静脈血栓症のリスクは、経口避妊剤を服用している女性は服用していない女性に比し、3.0~3.5倍高くなるとの報告があり、また、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤服用開始の最初の1年間において最も高くなるとの報告がある(さらに、外国での大規模市販後調査の結果、初めて経口避妊剤の服用を開始した時だけでなく、4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3ヵ月間が特に高いとの報告がある)。
15.1.2. 外国での疫学調査の結果、経口避妊剤の服用により乳癌及び子宮頸癌になる可能性が高くなるとの報告がある。
15.1.3. 外国で、経口避妊剤を2年以上服用した場合、良性肝腫瘍が10万人当たり3.4人発生するとの報告がある。また、肝腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性がある。一方、悪性肝腫瘍(肝癌)の発生率は極めて低く、100万人当たり1人に満たない。
15.1.4. 外国で、経口避妊剤の服用により全身性エリテマトーデス悪化(SLE悪化)、アナフィラキシー、溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれたとの報告がある。
15.1.5. 外国で、経口避妊剤の服用による角膜厚の変化等によりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力変化・視野変化、コンタクトレンズ装用時の不快感等がみられたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報エステトロール水和物及びドロスピレノンを臨床曝露量を超える用量(曝露量としてエステトロールは約20倍、ドロスピレノンは約3.4倍)で反復投与したサルにおいて、心機能や全身への影響を伴わない心室組織学的変化が観察されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康女性(10名)に本剤を単回経口投与した時の薬物動態学的パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
健康女性(35例)に本剤を1日1回24日間又は28日間反復投与した時の投与14日目の薬物動態学的パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
健康女性(28例)に本剤を食後投与した時、エステトロールのCmax及びAUC0-infはそれぞれ絶食下投与の51%及び101%であった。ドロスピレノンのCmax及びAUC0-infはそれぞれ絶食下投与の75%及び108%であった(外国人データ)。
16.3 分布
In vitro試験において、エステトロールの血漿蛋白結合率は45.4~50.4%であり、ドロスピレノンの血清蛋白結合率は95~97%であった。
16.4 代謝
エステトロールの血漿中主代謝物はエステトロール‐16‐グルクロニドであり、その生成には主にウリジン二リン酸‐グルクロン酸転移酵素(UGT)2B7が関与する。エステトロールはin vitroでチトクロームP450(CYP)による顕著な代謝を受けず、CYP及びUGTの各分子種に対し顕著な阻害を示さなかった。ドロスピレノンの血漿中主代謝物は、ラクトン環の開環により生成する酸性型及び4,5‐ジヒドロドロスピレノン‐3‐硫酸である。ドロスピレノンはin vitroでCYP3A4により僅かに代謝される。
16.5 排泄
[14C]‐標識エステトロール水和物を健康女性に経口投与後312時間までの放射能排泄率は、尿中に約69%、糞中に約22%であった(外国人データ)。ドロスピレノン及びその代謝産物の排泄は、経口投与後10日以内にほぼ完了し、未変化体としての尿及び糞中への排泄はごくわずかである。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能障害のある成人にエステトロール水和物20mgを単回経口投与した時のCmaxは、肝機能正常者と比較して、軽度肝機能障害者(Child‐Pugh分類A)では1.7倍、中等度肝機能障害者(Child‐Pugh分類B)では1.9倍、また重度肝機能障害者(Child‐Pugh分類C)では5.4倍に増加した。AUC0-infは、軽度肝機能障害者では1.1倍、中等度肝機能障害者では1.03倍、また重度肝機能障害者では1.9倍に増加した(外国人データ)。
16.6.2 腎機能障害患者
腎機能障害のある成人にエステトロール水和物20mgを単回経口投与した時のCmaxは、腎機能正常者と比較して、軽度腎機能障害者(eGFR:60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)では1.1倍、中等度腎機能障害者(eGFR:30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)では1.4倍、また重度腎機能障害者(eGFR:30mL/min/1.73m2未満)では1.6倍に増加した。AUC0-infは、軽度腎機能障害者では1.4倍、中等度腎機能障害者では2.0倍、また重度腎機能障害者では2.1倍に増加した(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
月経困難症患者(本剤群:20~49歳、平均34.6歳、プラセボ群:20~49歳、平均32.6歳)を対象とした無作為化プラセボ対照比較試験において、月経困難症スコア合計値注1)の投与前注2)から4周期注3)投与後までの変化量(平均値±標準偏差)は、本剤群では-2.3±1.59(70例、投与前:4.7±0.89(81例))、プラセボ群では-0.9±1.26(74例、投与前:4.7±0.86(79例))であった。両群間の差(本剤群-プラセボ群)の最小二乗平均値は-1.4(両側95%信頼区間:-1.8~-1.0)であり、本剤のプラセボに対する優越性が検証された[p<0.001、投与群及び月経困難症診断カテゴリー(機能性、器質性)を固定効果、ベースライン観察期の月経困難症スコア合計値を共変量とする共分散分析、LOCF]。投与前から4周期注3)投与後までにおける本剤群の副作用は79%(64/81例)に認められ、主な副作用(10%以上)は月経中間期出血60.5%(49例)、重度月経出血14.8%(12例)であった。投与前から13周期注3)投与後における本剤群の副作用は93.8%(76/81例)に認められ、主な副作用(10%以上)は月経中間期出血79.0%(64例)、重度月経出血23.5%(19例)であった。
注1)月経困難症スコア合計(月経困難症の程度+鎮痛薬の使用)
→図表を見る(PDF)
注2)無作為化の直前2回の月経周期における月経困難症スコア合計値の高い方
注3)28日間を1周期とした
18.1 作用機序
本剤は、排卵抑制作用及び子宮内膜増殖抑制作用により、月経困難症に対して有効性を示すと考えられる。
18.2 ステロイドホルモン受容体に対する作用
In vitro受容体結合試験において、エステトロールは、ヒトエストロゲン受容体α及びβに対して選択的な結合親和性を示した。ドロスピレノンは、ヒトプロゲステロン受容体に対してと黄体ホルモンと同程度の結合親和性を、また鉱質コルチコイド受容体に対しても結合親和性を示した。
18.3 排卵抑制作用
健康成人女性20例(20~34歳)を対象とした国内第II相試験において、本剤を3周期投与し、3周期目にHooglandスコア注4)により評価した結果、排卵抑制作用が認められた。
注4)Hooglandスコア:最大卵胞径、血中プロゲステロン及びエストロゲン濃度に基づく排卵抑制効果スコア
18.4 子宮内膜に対する作用
健康成人女性20例(20~34歳)を対象とした国内第II相試験において、本剤を3周期投与し、3周期目に経腟超音波検査法により子宮内膜厚を測定した結果、子宮内膜の菲薄化が認められた。
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- 分割:不可
- 粉砕:不明
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