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ホストイン静注750mg

販売名
ホストイン静注750mg
薬価
750mg10mL1瓶 6419.00円
製造メーカー
ノーベルファーマ

添付文書情報2023年01月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
ヒダントイン系製剤
一般名
ホスフェニトインナトリウム水和物注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者。
2.2. 洞性徐脈、高度刺激伝導障害のある患者〔11.1.7参照〕。
2.3. タダラフィル投与中<肺高血圧症を適応とする場合>、マシテンタン投与中、エルバスビル投与中、グラゾプレビル投与中、チカグレロル投与中、アルテメテル・ルメファントリン投与中、ダルナビル・コビシスタット投与中、ドラビリン投与中、ルラシドン投与中、リルピビリン投与中、ニルマトレルビル・リトナビル投与中、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン投与中、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド投与中、EVG・COBI・FTC・TAF投与中(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、DRV・COBI・FTC・TAF投与中(ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、EVG・COBI・FTC・TDF投与中(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル)、ソホスブビル・ベルパタスビル投与中、ソホスブビル投与中、レジパスビル・ソホスブビル投与中、ドルテグラビル・リルピビリン投与中、カボテグラビル投与中の患者〔10.1参照〕。
効能・効果
1). てんかん重積状態。
2). 脳外科手術時又は意識障害時(頭部外傷時等)のてんかん発作の発現抑制。
3). フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法。
(効能又は効果に関連する注意)
フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法に用いる場合には、フェニトインの経口投与により発作がコントロールされているてんかん患者で、一時的にフェニトインの経口投与が不可能となった場合にのみ投与すること。
用法・用量
通常、成人又は2歳以上の小児には、次の用法及び用量にて投与すること。
〈てんかん重積状態〉
初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして22.5mg/kgを静脈内投与する。投与速度は3mg/kg/分又は150mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5~7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
〈脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制〉
初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして15~18mg/kgを静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5~7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
〈フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法〉
ホスフェニトインナトリウムとして経口フェニトインの1日投与量の1.5倍量を、1日1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 急速に静脈内投与した場合、心停止、一過性血圧低下、呼吸抑制等の循環障害・呼吸障害を起こすことがあるので、用法・用量を遵守すること(また、衰弱の著しい患者、高齢者、心疾患、肝障害又は腎障害のある患者等では、通常の投与速度よりも、より緩徐に投与するなど注意すること)〔9.1.1-9.1.4、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、9.8.1、11.1.7参照〕。
7.2. 維持投与は、初回投与から12~24時間あけて行うこと。また、本剤を投与しても発作が止まらない場合、他の抗てんかん薬の投与を考慮し、本剤の追加投与はしないこと(血漿蛋白との結合部位においてホスフェニトインとフェニトインの置換が生じることにより、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある)。
7.3. 初回投与、維持投与前には、可能な限り血中フェニトイン濃度を測定し、過量投与とならないよう注意すること。なお、初回投与時に神経症状等が発現した患者では、血中フェニトイン濃度の測定を行うとともに、維持投与速度の減速を考慮すること〔12.臨床検査結果に及ぼす影響の項参照〕。
7.4. 経口投与が可能になった場合は速やかに経口フェニトイン製剤に切り替えること(国内では、3日間を超えて連用した経験がない)。
7.5. 本薬(ホスフェニトインナトリウムとして)の分子量はフェニトインナトリウムの約1.5倍である。
7.6. フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法における用法は、フェニトイン経口投与時と同じ用法とすること。
肝機能障害患者
8.1. 投与に際しては、心電図、血圧、呼吸機能等のバイタルサインのモニタリングを実施するなど、慎重に患者の状態を観察すること。また、意識障害、血圧低下、心抑制、呼吸障害があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔11.1.7参照〕。
8.2. 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと〔9.1.1、9.8.2参照〕。
8.3. 連用する場合には、定期的に肝機能・腎機能、血液検査を行うことが望ましい〔9.1.4、9.1.5、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.4、11.1.5、11.1.12参照〕。
8.4. 本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する(眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある)。
8.5. 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続したフェニトインの血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うこと〔11.1.10参照〕。
9.1.1. 虚弱者:連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある(また、心停止、呼吸停止が起こりやすい)〔7.1、8.2、11.1.7参照〕。
9.1.2. 低血圧のある患者:心停止、呼吸停止が起こりやすい〔7.1、11.1.7参照〕。
9.1.3. 心疾患のある患者:心停止、呼吸停止が起こりやすい〔7.1、11.1.7参照〕。
9.1.4. 低アルブミン血症の患者:血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある〔7.1、8.3、11.1.7参照〕。
9.1.5. 血液障害のある患者:血液障害が悪化するおそれがある〔8.3、11.1.4参照〕。
9.1.6. 甲状腺機能低下症の患者:甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。
9.1.7. 糖尿病の患者:2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。
腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない(血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある)〔7.1、8.3、11.1.7、11.1.12、16.6.1参照〕。
肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない(肝障害の悪化、また、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある)〔7.1、8.3、11.1.5、11.1.7、16.6.1参照〕。
相互作用
本剤は、フェニトインのプロドラッグである。フェニトインは、主として薬物代謝酵素CYP2C9及び一部CYP2C19で代謝される。また、CYP3A4、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). タダラフィル<肺高血圧症を適応とする場合><アドシルカ>、マシテンタン<オプスミット>、エルバスビル<エレルサ>、グラゾプレビル<グラジナ>、チカグレロル<ブリリンタ>、アルテメテル・ルメファントリン<リアメット配合錠>、ダルナビル・コビシスタット<プレジコビックス配合錠>、ドラビリン<ピフェルトロ>、ルラシドン<ラツーダ>〔2.3参照〕[これらの薬剤の代謝が促進され血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による)]。
2). リルピビリン<エジュラント>〔2.3参照〕[リルピビリンの血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による)]。
3). ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッド>〔2.3参照〕[ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下するため、効果が減弱し耐性が発現する可能性がある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による)]。
4). リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン<オデフシィ配合錠>〔2.3参照〕[リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
5). ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド<ビクタルビ配合錠>〔2.3参照〕[ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの効果が減弱し耐性が発現する可能性がある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
6). ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド<シムツーザ配合錠>〔2.3参照〕[ダルナビル・コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
7). EVG・COBI・FTC・TAF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)<ゲンボイヤ配合錠>〔2.3参照〕[エルビテグラビル・コビシスタット・テノホビルアラフェナミドの血中濃度低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
8). EVG・COBI・FTC・TDF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル)<スタリビルド配合錠>〔2.3参照〕[エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
9). ソホスブビル・ベルパタスビル<エプクルーサ配合錠>〔2.3参照〕[ソホスブビル及びベルパタスビルの血漿中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
10). ソホスブビル<ソバルディ>、レジパスビル・ソホスブビル<ハーボニー配合錠>〔2.3参照〕[これらの薬剤の血漿中濃度が低下することがある(フェニトインのP糖蛋白誘導による)]。
11). ドルテグラビル・リルピビリン<ジャルカ配合錠>〔2.3参照〕[ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による)]。
12). カボテグラビル<ボカブリア>〔2.3参照〕[カボテグラビルの血漿中濃度が低下し効果が減弱するおそれがある(フェニトインのUGT1A1誘導作用による)]。
10.2. 併用注意:1). ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール:①. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている)]。
②. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている)]。
2). クロバザム、タクロリムス:①. クロバザム、タクロリムス[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(機序は不明である)]。
②. クロバザム、タクロリムス[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
3). ルフィナミド:①. ルフィナミド[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(機序は不明である)]。
②. ルフィナミド[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
4). カルバマゼピン:①. カルバマゼピン[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(カルバマゼピンが肝代謝を抑制する)]。
②. カルバマゼピン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること(カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
③. カルバマゼピン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
5). バルプロ酸:①. バルプロ酸[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(バルプロ酸が肝代謝を抑制する)]。
②. バルプロ酸[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用
が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること(バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、非結合型フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている)]。
③. バルプロ酸[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用
が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
6). ラモトリギン、デフェラシロクス、カナグリフロジン、ラルテグラビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する)]。
7). ポサコナゾール[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインのUGT1A4及び/又はP糖蛋白誘導による)]。
8). クマリン系抗凝血剤:①. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[フェニトインの血中濃度が上昇することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること;フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する)]。
②. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること(フェニトインによる蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する)]。
③. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
9). アミオダロン、アロプリノール、イソニアジド、エトスクシミド、オメプラゾール、クロラムフェニコール、ジスルフィラム、シメチジン、ジルチアゼム、スルチアム、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、チクロピジン、パラアミノサリチル酸、フルコナゾール、フルボキサミン、ホスフルコナゾール、ミコナゾール、メチルフェニデート、エソメプラゾール、セリチニブ[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている)]。
10). フルオロウラシル系薬剤(テガフール製剤、ドキシフルリジン等)、三環系抗うつ剤(イミプラミン等)、四環系抗うつ剤(マプロチリン等)、トラゾドン[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(機序は不明である)]。
11). テオフィリン、アミノフィリン:①. テオフィリン、アミノフィリン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
②. テオフィリン、アミノフィリン[テオフィリンの血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
12). リファンピシン、アパルタミド、レテルモビル[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
13). ジアゾキシド、シスプラチン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン等)、シプロフロキサシン、ビガバトリン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
14). イリノテカン[イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
15). 主にCYP3A4の基質となる薬剤(アゼルニジピン、イトラコナゾール、イマチニブ、オンダンセトロン、キニジン、クエチアピン、ジソピラミド、ニフェジピン、フェロジピン、プラジカンテル、ベラパミル等、副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)、卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等)、PDE5阻害剤(タダラフィル<勃起不全・前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合><シアリス、ザルティア>、シルデナフィル、バルデナフィル))、パロキセチン、フレカイニド、メキシレチン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
16). CYP3A及びP糖蛋白の基質となる薬剤(アピキサバン、リバーロキサバン、ミラベグロン、レンバチニブ等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素及びP糖蛋白誘導による)]。
17). P糖蛋白の基質となる薬剤(グレカプレビル・ピブレンタスビル、テノホビルアラフェナミド、ニンテダニブ、ダビガトラン等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインのP糖蛋白誘導による)]。
18). シクロスポリン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による、また、フェニトインが吸収を阻害する)]。
19). 甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
20). カスポファンギン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている)]。
21). ドルテグラビル、ドルテグラビル・ラミブジン、ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン[ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による)]。
22). ドキシサイクリン[ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
23). アルベンダゾール[アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し効果が減弱することがある(機序は不明である)]。
24). 非脱分極性筋弛緩剤(ベクロニウム等)[フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある(機序は不明である)]。
25). 血糖降下剤(インスリン、経口血糖降下剤)[血糖降下剤の作用が減弱され高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること(フェニトインのインスリン分泌抑制作用による)]。
26). アセタゾラミド[クル病、骨軟化症があらわれやすい(フェニトインによるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている)]。
27). アセトアミノフェン[フェニトインの長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている)]。
28). ロルラチニブ:①. ロルラチニブ[ALT及びASTが上昇するおそれがあるので、併用は可能な限り避けること、やむを得ず併用する場合には、肝機能検査を実施する等の十分な観察を行うこと(機序は不明である)]。
②. ロルラチニブ[ロルラチニブの血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による)]。
29). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[フェニトインの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.2. 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.1.3. SLE様症状(頻度不明):発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)〔8.3、9.1.5参照〕。
11.1.5. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ-GTP上昇や黄疸が認められた場合には、投与を中止すること〔8.3、9.3肝機能障害患者の項参照〕。
11.1.6. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7. 心停止、心室細動、呼吸停止(いずれも頻度不明):投与速度や患者の状態により、これらの症状があらわれることがある〔2.2、7.1、8.1、9.1.1-9.1.4、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、9.8.1参照〕。
11.1.8. 強直発作(頻度不明)。
11.1.9. 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 小脳萎縮(頻度不明):長期投与例であらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.11. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.12. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)〔8.3、9.2腎機能障害患者の項参照〕。
11.1.13. 悪性症候群(頻度不明):発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1~5%未満)アレルギー反応、(頻度不明)蕁麻疹、中毒性皮疹。
2). 感染症:(頻度不明)敗血症。
3). 血液及びリンパ系:(1~5%未満)白血球増加症、(頻度不明)貧血、白血球減少症。
4). 内分泌系:(頻度不明)尿崩症。
5). 代謝及び栄養:(1~5%未満)血糖値上昇、(頻度不明)低カルシウム血症、アシドーシス。
6). 精神神経系:(5%以上)眼振、めまい、ふらつき、傾眠、失調性歩行、(1~5%未満)頭痛、片頭痛、昏睡、落ち着きのなさ、気分不良、浮遊感、倦怠感、睡眠障害、意識レベル低下、振戦、錯乱状態、失神、協調運動異常、反射亢進、頭蓋内圧上昇、動作緩慢、歩行障害、構語障害、反射減弱、多幸感、感覚鈍麻、神経過敏、うつ病、感情不安定、人格障害、運動過多、ニューロパシー、ミオクローヌス、錯感覚、不安、嗅覚錯誤、錐体外路障害、伸展性足底反応、(頻度不明)脳症、せん妄。
7). 眼:(1~5%未満)複視、弱視。
8). 耳:(1~5%未満)耳鳴、難聴、(頻度不明)聴覚過敏。
9). 心及び血管系:(5%以上)血圧低下、(1~5%未満)心拍数増加、血圧上昇、頻脈、動悸、徐脈、チアノーゼ、不整脈、血管炎、(頻度不明)心不全、ショック、心房細動、房室ブロック、播種性血管内凝固、心筋梗塞、血栓症。
10). 呼吸器:(1~5%未満)呼吸数増加、呼吸数減少、過換気、咳嗽、しゃっくり、(頻度不明)呼吸不全、無呼吸、肺炎、慢性閉塞性肺疾患。
11). 胃腸:(1~5%未満)悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常、(頻度不明)嚥下障害。
12). 肝胆道系:(5%以上)肝機能異常、(1~5%未満)ALT上昇、(頻度不明)AST上昇、γ-GTP上昇、胆汁うっ滞。
13). 皮膚及び皮下組織:(5%以上)皮膚そう痒症、(1~5%未満)皮膚水疱、発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚変色、斑状出血、多汗症、口唇炎、(頻度不明)紅斑性皮疹、紅斑、血管浮腫。
14). 筋骨格系:(1~5%未満)筋痛、関節痛、背部痛、筋力低下、筋痙攣、(頻度不明)CK上昇。
15). 腎及び尿路:(5%以上)尿蛋白陽性、(頻度不明)乏尿、血尿。
16). 全身及び投与局所:(5%以上)発熱、(1~5%未満)疼痛、浮腫、無力症、胸痛、口渇、注射部位腫脹、注射部位紅斑、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、擦過部位腫脹、(頻度不明)多臓器不全、溢血。
高齢者
9.8.1. 本剤の初回投与量の減量を考慮又は投与速度の減速を考慮し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(心抑制、呼吸抑制が起こりやすい)〔7.1、11.1.7参照〕。
9.8.2. 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある)〔8.2参照〕。
授乳婦
9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(1). 妊娠中にフェニトインを投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
(2). 妊娠中のフェニトイン投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
(3). 妊娠中のフェニトイン投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
(4). 本薬をラットの交配前から妊娠期間中に投与した場合、胎仔の脳奇形及び心血管系奇形等がみられた。また、周産期の投与では、母動物に分娩遅延、母動物致死量低下がみられ、新生仔回避行動増加傾向がみられた。
(5). 妊娠期間中にフェニトインを投与されたラットの新生仔においては、新生仔行動発達抑制、新生仔自発運動増加あるいは新生仔自発運動減少、新生仔異常回転運動、新生仔迷路学習抑制等の報告がある。
9.5.2. 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。
(1). 妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用してフェニトイン投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例がフェニトイン単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
(2). 妊娠中のフェニトイン投与により、血中葉酸低下が生じるとの報告がある。
授乳しないことが望ましい(ヒト、ラット及びウサギにおいて、乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
2歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 本剤は、使用直前に適宜希釈すること。
14.1.2. 液に不溶性異物又は微粒子が認められる場合は本剤を使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 投与にあたっては、投与速度を適切に調節できる方法で行うこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. フェニトイン製剤では、血清免疫グロブリン異常(IgA異常、IgG異常等)があらわれることがある。
15.1.2. フェニトイン製剤では、経腸栄養剤投与中の患者で、血中フェニトイン濃度が低下したとの報告がある。
15.1.3. 5日間を超える投与期間においては、安全性及び有効性の体系的な評価は行われていない。
15.1.4. フェニトインと他の抗てんかん薬(フェノバルビタール、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
15.1.5. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6~3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。

16.1 血中濃度
健康成人に本剤750mgを25mg/分又は75mg/分の速度で静脈内投与したときの血漿中の未変化体濃度(添付文書の図1)、総フェニトイン濃度(添付文書の図2)及び非結合型フェニトイン濃度(添付文書の図3)の推移(平均±標準偏差)、及びそれぞれの薬物動態パラメータを表1に示す。
図1 血漿中の未変化体濃度

図2 総フェニトイン濃度

図3 非結合型フェニトイン濃度

表1 本剤750mgを静脈内投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

健康成人に本剤375mg(10名、平均体重64.5kg)及びフェニトインナトリウム注射液250mg(10名、平均体重63.9kg)を、それぞれ30分かけて静脈内投与したときの薬物動態パラメータを表2に示す。
表2 本剤375mg及びフェニトインナトリウム注射液250mgを30分間で静脈内投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
日本人患者における血漿中フェニトインの蛋白結合率は85.7~88.1%であり、年齢により大きな差異は認められなかった。
16.4 代謝
本剤投与後に、アルカリホスファターゼによりフェニトインの他、ホルムアルデヒド及びリン酸塩が生成し、ホルムアルデヒドはすみやかにギ酸塩に変化する。フェニトインは、主としてCYP2C9により代謝を受け、また一部CYP2C19によっても代謝を受ける。[10.参照]
16.5 排泄
本剤投与後、体内でホスフェニトインは2時間以内にフェニトインにほぼ完全に変換され、フェニトインは、肝で主として5‐(4’‐hydroxyphenyl)‐5‐phenylhydantoin(p‐HPPH)及びそのグルクロン酸抱合体に代謝され、尿中に排泄される。尿中には未変化体のホスフェニトインは検出されず、フェニトインは投与量の2%未満であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害及び腎機能障害患者の薬物動態(外国人)
健康成人、肝硬変患者及び腎不全患者各4例に、本剤375mg(投与速度12.5mg/分)を投与したときの血漿中総フェニトインの薬物動態パラメータは次のとおりであった。[9.2、9.3参照]
→図表を見る(PDF)

16.7 薬物相互作用
16.7.1 ジアゼパムとの併用(外国人)
健康成人9名(平均体重77.2kg)を対象に本剤(1,125mg)とジアゼパム(10mg)を静脈内に併用投与した時、血漿中フェニトインのCmax及びAUCtは、ジアゼパム非併用時と比較してそれぞれ7.8%及び1.8%減少した。一方、血漿中ジアゼパムのCmaxは、本剤非併用時と比較して10%減少し、AUCtは16%増加した。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(非盲検試験)
〈てんかん重積状態〉
てんかん重積状態の患者26例を対象に、非盲検下で、本剤18又は22.5mg/kgを3mg/kg/分(150mg/分を超えない)の速度で静脈内投与(初回投与)し、必要な場合には1日1~2回、5又は7.5mg/kgを1mg/kg/分の速度で維持投与した。初回投与日における本剤投与前後、初回投与前後2日間での発作消失又は50%以上の発作回数減少を認めた症例の割合は、それぞれ64.0%(16/25例)及び65.4%(17/26例)であった。主な副作用(10%以上)は、血圧低下5件(19.2%)、眼振、浮動性めまい各4件(15.4%)、尿中蛋白陽性3件(11.5%)であった。
〈脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制〉
脳外科手術又は頭部外傷の患者21例を対象に、非盲検下で、本剤15又は18mg/kgを1mg/kg/分の速度で静脈内投与(初回投与)し、必要な場合には1日1~2回、5又は7.5mg/kgを1mg/kg/分の速度で維持投与した。初回投与前後7日間において、14/21例においては投与前後ともにてんかん発作は認められず、6/21例ではてんかん発作の消失又は減少が認められた。また、投与前にてんかん発作が認められなかった1例において、本剤投与後にてんかん発作の発現が認められた。主な副作用(5%以上)は、血圧低下3件(14.3%)、発熱、口渇、ALT増加、肝機能異常各2件(9.5%)であった。

18.1 作用機序
18.1.1 ホスフェニトインは、生体内でアルカリホスファターゼにより活性代謝物(フェニトイン)に加水分解されるプロドラッグである。
18.1.2 フェニトインはマウス、ラット等の最小電撃けいれん閾値やペンテトラゾールけいれん閾値に対してほとんど作用を及ぼさないが、最大電撃けいれんに対してそのパターンを変える作用があり、最大電撃けいれんの強直相を強く抑制する。
18.1.3 フェニトインは神経膜を安定化し、シナプスにおけるpost‐tetanic potentiation(PTP)を抑制する。
18.2 抗けいれん作用
18.2.1 フェニトインの抗けいれん作用は、けいれん閾値を上昇させることによってもたらされるのではなく、発作焦点からのてんかん発射のひろがりを阻止することによるものと考えられている。
18.2.2 フェニトインをマウスに静脈内投与すると、最大けいれん抑制作用は約30分後にピークとなり、その値は1.5時間持続し、以降徐々に減少する。

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