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イーケプラ錠500mg

販売名
イーケプラ錠500mg
識別コード
ucb 500
薬価
500mg1錠 138.00円
製造メーカー
ユーシービージャパン

添付文書情報2023年06月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗てんかん剤
一般名
レベチラセタム錠
禁忌
本剤の成分又はピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)。
2). 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法。
用法・用量
成人:通常、成人にはレベチラセタムとして1日1000mgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日3000mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として1000mg以下ずつ行うこと。
小児:通常、4歳以上の小児にはレベチラセタムとして1日20mg/kgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日60mg/kgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として20mg/kg以下ずつ行うこと。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤を強直間代発作に対して使用する場合には、他の抗てんかん薬と併用すること(強直間代発作に対する本剤単独投与での臨床試験は実施していない)。
7.2. 腎機能障害を有する成人患者に本剤を投与する場合は、次に示すクレアチニンクリアランス値を参考として本剤の投与量及び投与間隔を調節すること(また、血液透析を受けている成人患者では、クレアチニンクリアランス値に応じた1日用量に加えて、血液透析を実施した後に本剤の追加投与を行うこと)、なお、ここで示している用法及び用量はシミュレーション結果に基づくものであることから、患者ごとに慎重に観察しながら、用法及び用量を調節すること〔9.2.1、9.2.2、9.8高齢者の項、16.6.1、16.6.2参照〕[1)クレアチニンクリアランス≧80mL/min:1日投与量1000~3000mg、通常投与量1回500mg1日2回、最高投与量1回1500mg1日2回、2)クレアチニンクリアランス≧50-<80mL/min:1日投与量1000~2000mg、通常投与量1回500mg1日2回、最高投与量1回1000mg1日2回、3)クレアチニンクリアランス≧30-<50mL/min:1日投与量500~1500mg、通常投与量1回250mg1日2回、最高投与量1回750mg1日2回、4)クレアチニンクリアランス<30mL/min:1日投与量500~1000mg、通常投与量1回250mg1日2回、最高投与量1回500mg1日2回、5)透析中の腎不全患者:1日投与量500~1000mg、通常投与量1回500mg1日1回、最高投与量1回1000mg1日1回、6)血液透析後の補充用量:通常投与量250mg、最高投与量500mg]。また、腎機能障害を有する小児患者についても腎機能の程度に応じて、本剤の投与量及び投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。
7.3. 重度肝機能障害のある患者では、肝臓でのクレアチン産生が低下しており、クレアチニンクリアランス値からでは腎機能障害の程度を過小評価する可能性があることから、より低用量から開始するとともに、慎重に症状を観察しながら用法及び用量を調節すること〔9.3.1、16.6.3参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、少なくとも2週間以上かけて徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.2. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3. 易刺激性、錯乱、焦燥、興奮、攻撃性等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもあるので、本剤投与中は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること〔8.4、11.1.6、15.1.1参照〕。
8.4. 患者及びその家族等に攻撃性、自殺企図等の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること〔8.3、11.1.6、15.1.1参照〕。
9.2.1. 腎機能障害のある患者〔7.2、16.6.1参照〕。
9.2.2. 血液透析を受けている末期腎機能障害のある患者〔7.2、16.6.2参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)〔7.3、16.6.3参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.1.3. 重篤な血液障害(頻度不明):汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、血小板減少があらわれることがある。
11.1.4. 肝不全、肝炎(いずれも頻度不明):肝不全、肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。
11.1.5. 膵炎(頻度不明):激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値上昇が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6. 攻撃性、自殺企図(いずれも1%未満):易刺激性、錯乱、焦燥、興奮、攻撃性等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもある〔8.3、8.4、15.1.1参照〕。
11.1.7. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.9. 悪性症候群(頻度不明):発熱、筋強剛、血清CK上昇、頻脈、血圧変動、意識障害、発汗過多、白血球増加等があらわれた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと(また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(3%以上)浮動性めまい(10.4%)、頭痛(11.8%)、不眠症、傾眠(27.9%)、(1~3%未満)感覚鈍麻、気分変動、振戦、易刺激性、痙攣、抑うつ、(1%未満)激越、健忘、注意力障害、幻覚、運動過多、記憶障害、錯感覚、思考異常、平衡障害、感情不安定、異常行動、協調運動異常、怒り、ジスキネジー、不安、体位性めまい、睡眠障害、緊張性頭痛、精神病性障害、パニック発作、譫妄、(頻度不明)錯乱状態、敵意、気分動揺、神経過敏、人格障害、精神運動亢進、舞踏アテトーゼ運動、嗜眠、てんかん増悪、強迫性障害。
2). 眼:(1~3%未満)複視、結膜炎、(1%未満)霧視、眼精疲労、眼そう痒症、麦粒腫。
3). 血液:(3%以上)好中球数減少、(1~3%未満)貧血、血中鉄減少、鉄欠乏性貧血、血小板数減少、白血球数増加、白血球数減少。
4). 循環器:(1%未満)心電図QT延長、高血圧。
5). 消化器:(3%以上)腹痛、便秘、下痢、胃腸炎、悪心、口内炎、嘔吐、齲歯、(1~3%未満)歯肉炎、痔核、胃不快感、歯痛、(1%未満)消化不良、口唇炎、歯肉腫脹、歯周炎。
6). 肝臓:(1~3%未満)ALP増加、(1%未満)肝機能異常。
7). 泌尿・生殖器:(1~3%未満)膀胱炎、尿中ブドウ糖陽性、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、月経困難症、(1%未満)頻尿。
8). 呼吸器:(3%以上)鼻咽頭炎(30.2%)、咽喉頭疼痛、上気道炎症、(1~3%未満)気管支炎、咳嗽、鼻漏、咽頭炎、インフルエンザ、鼻炎、(1%未満)鼻出血、肺炎。
9). 代謝及び栄養:(3%以上)食欲不振。
10). 皮膚:(3%以上)湿疹、(1~3%未満)皮膚炎、皮膚そう痒症、発疹、ざ瘡、(1%未満)脱毛症、単純ヘルペス、帯状疱疹、皮膚白癬感染、(頻度不明)多形紅斑、血管性浮腫。
11). 筋骨格系:(3%以上)背部痛、(1~3%未満)肩痛、筋肉痛、筋骨格硬直、関節痛、(1%未満)頸部痛、四肢痛、筋力低下。
12). 感覚器:(1~3%未満)耳鳴、(1%未満)回転性めまい。
13). その他:(3%以上)倦怠感、発熱、体重減少、(1~3%未満)血中トリグリセリド増加、胸痛、体重増加、(1%未満)無力症、疲労、末梢性浮腫、抗痙攣剤濃度増加、(頻度不明)事故による外傷(事故による皮膚裂傷等)。
高齢者
クレアチニンクリアランス値を参考に投与量、投与間隔を調節するなど慎重に投与すること(高齢者では腎機能が低下していることが多い)〔7.2、16.6.1、16.6.4参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のようなリスクを考慮し治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・ ヒトにおいて、妊娠中にレベチラセタムの血中濃度低下したとの報告があり、第3トリメスター期間に多く、最大で妊娠前の60%となったとの報告がある。
・ ラットにおいて胎仔移行性が認められている。
・ 動物実験において、ラットではヒトへの曝露量と同程度以上の曝露で骨格変異及び軽度の骨格異常増加、成長遅延、仔死亡率増加が認められ、ウサギでは、ヒトへの曝露量の4~5倍の曝露で胚致死、骨格異常の増加及び奇形増加が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は国内・海外ともに実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
本剤は高温高湿を避けて保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている〔8.3、8.4、11.1.6参照〕。
15.1.2. 外国人成人てんかん患者1208例を対象としたプラセボ対照臨床試験の併合解析において、非精神病性行動症状の有害事象(攻撃性、激越、怒り、不安、無力感、離人症、抑うつ、情動不安定、敵意、運動過多、易刺激性、神経過敏、神経症、人格障害)の発現率は本剤群で13.3%、プラセボ群で6.2%であった。同様に、外国人小児てんかん<4~16歳>患者198例を対象としたプラセボ対照臨床試験における当該有害事象(攻撃性、激越、怒り、不安、無力感、離人症、抑うつ、情動不安定、敵意、運動過多、易刺激性、神経過敏、神経症、人格障害)の発現率は本剤群で37.6%、プラセボ群で18.6%であった。
また、外国人小児てんかん<4~16歳>患者98例を対象とした認知機能及び行動に対する影響を評価するプラセボ対照臨床試験において、探索的な検討であるが、プラセボ群と比較して攻撃的行動悪化が示唆された。

16.1 血中濃度
16.1.1 成人
(1)単回投与
健康成人にレベチラセタム250、500、1000、1500、2000、3000、4000注)、5000mg注)(各投与量6例)を空腹時に単回経口投与したとき、すべての投与量でレベチラセタムの血漿中濃度は投与後ほぼ1時間に最高値を示し、消失半減期(t1/2)は投与量にかかわらず7~9時間であった。
注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。

単回投与時の薬物動態パラメータ
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注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。
(2)反復投与
健康成人にレベチラセタムとして1回1000mg又は1500mg(各投与量6例)を1日2回7日間投与したとき、投与1日目(初回投与時)と7日目(最終回投与時)の血漿中濃度は共に投与後約2~3時間にCmaxを示し、その後約8時間の消失半減期で低下した。また、血漿中濃度は投与3日目には定常状態に達すると推測された。
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(3)点滴静脈内投与と経口投与の比較
健康成人25例にレベチラセタム1500mgを15分間点滴静脈内投与又は経口投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。経口投与時と比較して、点滴静脈内投与時のCmaxは約1.6倍高く、AUC及びt1/2は類似していた。なお、レベチラセタム経口投与時の生物学的利用率は約100%であった。

単回投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.2 小児
6~12歳の小児てんかん患者にレベチラセタムとして20mg/kgを単回経口投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度は投与後ほぼ2時間に最高値を示し、消失半減期は6時間であった(外国人データ)。
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16.1.3 母集団薬物動態解析
成人:日本人及び外国人の健康成人及びてんかん患者(クレアチニンクリアランス:49.2~256.8mL/min)から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、見かけの全身クリアランス(CL/F)に対して、体重、性別、CLCR及び併用抗てんかん薬、見かけの分布容積(V/F)に対して体重、併用抗てんかん薬及び被験者の健康状態(健康成人又はてんかん患者)が統計学的に有意な因子として推定された。
小児:小児(4~16歳)及び成人(16~55歳)のてんかん患者から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、CL/Fに対して体重及び併用抗てんかん薬、V/Fに対して体重が統計学的に有意かつ臨床的に意味のある因子として推定された。小児及び成人てんかん患者の血漿中薬物濃度をシミュレーションした結果、小児てんかん患者に10~30mg/kgを1日2回投与した際の血漿中薬物濃度は、成人てんかん患者に500~1500mg1日2回投与した際と同様と予測された。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人12例に、レベチラセタム1500mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時と比べて、食後投与時ではtmaxが約1.3時間延長し、Cmaxは30%低下したが、AUCは同等であった。
16.3 分布
日本人てんかん患者の見かけの分布容積は、母集団薬物動態解析の結果、0.64L/kgと推定され、体内総水分量に近い値となった。外国人健康成人17例を対象にレベチラセタム1500mgを単回静脈内投与したとき、分布容積の平均値は41.1L(0.56L/kg)であり、体内総水分量に近い値であった。
in vitro及びex vivo試験の結果、レベチラセタム及び主代謝物であるucb L057の血漿たん白結合率は、10%未満である。
16.4 代謝
レベチラセタムは、肝チトクロームP450系代謝酵素では代謝されない。主要な代謝経路はアセトアミド基の酵素的加水分解であり、これにより生成されるのは主代謝物のucb L057(カルボキシル体)である。なお、本代謝物に薬理学的活性はない。
in vitro試験において、レベチラセタム及びucb L057はCYP(3A3/4、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び1A2)、UDP‐グルクロン酸転移酵素(UGT1A1及びUGT1A6)及びエポキシドヒドロラーゼに対して阻害作用を示さなかった。また、バルプロ酸ナトリウムのグルクロン酸抱合にも影響を及ぼさなかった。
16.5 排泄
健康成人(各投与量6例)にレベチラセタム250~5000mg注)を空腹時に単回経口投与したとき、投与48時間後までの投与量に対する尿中排泄率の平均値は、未変化体として56.3~65.3%、ucb L057として17.7~21.9%であった。
外国人健康成人男性4例に14C‐レベチラセタム500mgを単回経口投与したとき、投与48時間後までに投与量の92.8%の放射能が尿中から、0.1%が糞中から回収された。投与48時間後までの投与量に対する尿中排泄率は、未変化体として65.9%、ucb L057として23.7%であった。
レベチラセタムの排泄には糸球体ろ過及び尿細管再吸収が、ucb L057には糸球体ろ過と能動的尿細管分泌が関与している。
注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能の程度の異なる成人被験者を対象に、レベチラセタムを単回経口投与したとき、見かけの全身クリアランスは腎機能正常者(CLCR:≧80mL/min/1.73m2)と比較して、軽度低下者(CLCR:50~<80mL/min/1.73m2)では40%、中等度低下者(CLCR:30~<50mL/min/1.73m2)で52%、重度低下者(CLCR:<30mL/min/1.73m2)で60%低下した。レベチラセタムとucb L057の腎クリアランスはクレアチニンクリアランスと有意に相関した。[7.2、9.2.1、9.8、16.6.4参照]
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16.6.2 血液透析を受けている末期腎機能障害患者
血液透析を受けている末期腎機能障害の成人被験者にレベチラセタム500mgを透析開始44時間前に単回経口投与したとき、レベチラセタムの非透析時の消失半減期は34.7時間であったが、透析中は2.3時間に短縮した。レベチラセタム及びucb L057の透析による除去効率は高く、81%及び87%であった。[7.2、9.2.2、13.2参照]
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16.6.3 肝機能障害患者
軽度及び中等度(Child‐Pugh分類A及びB)の成人肝機能低下者にレベチラセタムを単回経口投与したとき、レベチラセタムの全身クリアランスに変化はみられなかった。重度(Child‐Pugh分類C)の肝機能低下者では、全身クリアランスが健康成人の約50%となった(外国人データ)。[7.3、9.3.1参照]
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16.6.4 高齢者
高齢者におけるレベチラセタムの薬物動態について、クレアチニンクリアランスが30~71mL/minの被験者16例(年齢61~88歳)を対象として評価した結果、高齢者では消失半減期が約40%延長し、10~11時間となった(外国人データ)。[9.8、16.6.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェニトイン
フェニトインの単剤治療で十分にコントロールできない部分発作又は二次性全般化強直間代発作を有する成人てんかん患者6例を対象に、レベチラセタム3000mg/日を併用投与したとき、フェニトインの血清中濃度や薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。フェニトインもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.2 バルプロ酸ナトリウム
健康成人16例を対象に、バルプロ酸ナトリウムの定常状態下においてレベチラセタムを1500mg単回経口投与したとき、バルプロ酸ナトリウムはレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった。レベチラセタムもバルプロ酸ナトリウムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.3 経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの合剤)
健康成人女性18例を対象に、経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.03mg及びレボノルゲストレル0.15mgの合剤を1日1回)及びレベチラセタムを1回500mg1日2回21日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。各被験者の血中プロゲステロン及び黄体形成ホルモン濃度は低濃度で推移し、経口避妊薬の薬効に影響を及ぼさなかった。経口避妊薬は、レベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.4 ジゴキシン
健康成人11例を対象に、ジゴキシン(1回0.25mgを1日1回)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回7日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはジゴキシンの薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。ジゴキシンもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.5 ワルファリン
プロトロンビン時間の国際標準比(INR)を目標値の範囲内に維持するよう、ワルファリンの投与を継続的に受けている健康成人26例を対象に、ワルファリン(2.5~7.5mg/日)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回7日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはワルファリン濃度に影響を及ぼさず、プロトロンビン時間も影響を受けなかった。ワルファリンもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.6 プロベネシド
健康成人23例を対象に、プロベネシド(1回500mgを1日4回)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回4日間反復経口投与したとき、プロベネシドはレベチラセタムの薬物動態には影響を及ぼさなかったが、主代謝物ucb L057の腎クリアランスを61%低下させた(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 生物学的同等性
健康成人26例にレベチラセタム500mg(ドライシロップ50%を1g又は500mg錠を1錠)を空腹時単回投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。ドライシロップ50%と500mg錠は生物学的に同等であることが確認された。

単回投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)〉
17.1.1 国内第III相試験(成人、単剤療法)
最近てんかんと診断された部分発作を有する16歳以上の患者を対象として、本剤1000~2000mg/日(1000mg/日を投与中に発作がみられた場合は2000mg/日に増量)又は3000mg/日(発作の有無にかかわらず、3000mg/日に強制漸増)を単剤にて経口投与したとき、主要評価項目である1000~2000mg/日群の最終評価用量における6ヵ月間発作消失患者の割合は、73.8%(45/61例)であった。1000~2000mg/日群の最終評価用量での1年間発作消失患者の割合は59.0%(36/61例)であった。また、3000mg/日群における6ヵ月間発作消失患者の割合は22.2%(2/9例)、1年間発作消失患者の割合は11.1%(1/9例)であった。
副作用発現頻度は54.9%(39/71例)であった。主な副作用は傾眠32.4%(23/71例)であった。また、臨床検査値異常(副作用)は、ALT増加1.4%(1/71例)、γ‐GTP増加1.4%(1/71例)、好中球数減少1.4%(1/71例)、尿中ケトン体陽性1.4%(1/71例)であった。
17.1.2 国内第II/III相試験(成人、併用療法)
本剤1000mg/日、3000mg/日及びプラセボを12週間経口投与(既存の抗てんかん薬との併用)した場合、主要評価項目である週あたりの部分発作回数減少率は次表のとおりであり、プラセボ群と本剤群(1000及び3000mg/日)並びに本剤1000mg/日群の間で統計学的な有意差が認められた(それぞれp<0.001並びにp=0.006、投与群を因子、観察期間における対数変換した週あたりの部分発作回数を共変量とする共分散分析)。なお、各群における50%レスポンダーレート(週あたりの部分発作回数が観察期間と比べて50%以上改善した患者の割合)は、プラセボ群13.8%(9/65例)、1000mg/日群31.3%(20/64例)、3000mg/日群28.6%(18/63例)であった。
→図表を見る(PDF)

増量期間及び評価期間の副作用発現頻度は1000mg/日投与群で56.9%(41/72例)、3000mg/日投与群で54.9%(39/71例)であった。主な副作用は1000mg/日投与群で、傾眠13.9%(10/72例)、鼻咽頭炎8.3%(6/72例)、浮動性めまい8.3%(6/72例)、3000mg/日投与群で傾眠9.9%(7/71例)、鼻咽頭炎8.5%(6/71例)、浮動性めまい5.6%(4/71例)であった。
17.1.3 国内第III相試験(成人、併用療法)
本剤500mg/日、1000mg/日、2000mg/日、3000mg/日及びプラセボを12週間経口投与(既存の抗てんかん薬との併用)した場合、評価期間における観察期間からの週あたりの部分発作回数減少率(中央値)は、それぞれ12.92%、18.00%、11.11%、31.67%及び12.50%であり、主要評価項目である本剤1000mg/日群、3000mg/日群及びプラセボ群の3群間での評価期間における観察期間からの週あたりの部分発作回数減少率に、統計学的な有意差は認められなかった(p=0.067、Kruskal‐Wallis検定)。なお、各群における50%レスポンダーレートは、プラセボ群11.6%(8/69例)、500mg/日群19.1%(13/68例)、1000mg/日群17.6%(12/68例)、2000mg/日群16.2%(11/68例)、3000mg/日群33.3%(22/66例)であった。
増量期間及び評価期間の副作用発現頻度は、500mg/日投与群60.6%(43/71例)、1000mg/日投与群61.4%(43/70例)、2000mg/日投与群58.6%(41/70例)、3000mg/日投与群64.3%(45/70例)であった。主な副作用は500mg/日投与群で、鼻咽頭炎14.1%(10/71例)、下痢9.9%(7/71例)、浮動性めまい7.0%(5/71例)、傾眠7.0%(5/71例)、1000mg/日投与群で、鼻咽頭炎18.6%(13/70例)、傾眠10.0%(7/70例)、2000mg/日投与群で、傾眠17.1%(12/70例)、鼻咽頭炎15.7%(11/70例)、挫傷7.1%(5/70例)、3000mg/日投与群で鼻咽頭炎21.4%(15/70例)、傾眠17.1%(12/70例)、好中球数減少7.1%(4/70例)であった。
17.1.4 国内長期継続投与試験
国内第II/III相試験(成人、併用療法)を完了した患者151例を対象として、本剤1000~3000mg/日を1日2回に分けて経口投与したときの部分発作回数は次のとおりであった。
本試験に参加した被験者のうち、76例がその後計画された継続試験に移行し本試験を終了した(33~36ヵ月で1例、36~48ヵ月で47例、48ヵ月以降で28例)。

副作用発現頻度は92.1%(139/151例)であった。主な副作用は鼻咽頭炎55.6%(84/151例)、頭痛24.5%(37/151例)、傾眠22.5%(34/151例)であった。
17.1.5 国内第III相試験(小児)
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分発作を有する4歳以上16歳未満の小児てんかん患者73例を対象として、本剤40又は60mg/kg/日(体重50kg以上は2000又は3000mg/日)を1日2回に分けて14週間経口投与(既存の抗てんかん薬との併用)したとき、主要評価項目である観察期間からの週あたりの部分発作回数減少率の中央値(95%信頼区間)は、43.21%(26.19%、52.14%)であり、発作頻度の減少が認められた。
また、小児てんかん患者55例に14週以降も本剤20~60mg/kg/日(体重50kg以上は1000~3000mg/日)を1日2回に分けて継続投与したときの部分発作回数は次のとおりであった。

副作用発現頻度は58.9%(43/73例)であった。主な副作用は、傾眠42.5%(31/73例)であった。また、臨床検査値異常(副作用)は、好中球数減少1.4%(1/73例)、白血球数増加1.4%(1/73例)であった。
〈他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法〉
17.1.6 国際共同第III相試験(成人)
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない強直間代発作を有する16歳以上のてんかん患者251例(日本人43例を含む)を対象として、本剤1000若しくは3000mg/日(1000mg/日から投与を開始し、投与8週までに発作がみられた場合は2週間隔で1000mg/日ずつ3000mg/日に増量)又はプラセボを28週間経口投与(既存の抗てんかん薬との併用)したとき、主要評価項目である観察期間からの週あたりの強直間代発作回数減少率は次表のとおりであり、プラセボ群と本剤群の間で統計学的な有意差が認められた(p<0.0001、投与群及び国を因子、観察期間における週あたりの強直間代発作回数を共変量とする共分散分析)。
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は23.8%(30/126例)であった。主な副作用は傾眠2.4%(3/126例)であった。また、主な臨床検査値異常(副作用)は、尿中蛋白陽性7.1%(9/126例)、血小板数減少4.0%(5/126例)、好中球数減少3.2%(4/126例)であった。
17.1.7 国内第III相試験(小児)
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない強直間代発作を有する4歳以上16歳未満の小児てんかん患者13例を対象として、本剤40又は60mg/kg/日(体重50kg以上は2000又は3000mg/日)を24週間経口投与(既存の抗てんかん薬との併用)したとき、主要評価項目である観察期間からの週あたりの強直間代発作回数減少率の中央値(95%信頼区間)は、56.52%(-15.74%、98.18%)であった。
副作用発現頻度は38.5%(5/13例)であった。副作用は傾眠23.1%(3/13例)、運動緩慢7.7%(1/13例)、頭痛7.7%(1/13例)、下痢7.7%(1/13例)であった。また、臨床検査値異常(副作用)は、心電図QT延長7.7%(1/13例)であった。
17.1.8 長期継続投与試験(成人及び小児)
国際共同第III相試験若しくは小児国内第III相試験を完了、又は国際共同第III相試験を効果不十分のため投与20週以降に中止した日本人患者44例を対象として、成人(16歳以上)では本剤1000~3000mg/日、小児では本剤20~60mg/kg/日(体重50kg以上は1000~3000mg/日)を経口投与したとき、強直間代発作回数は次のとおりであった。

副作用発現頻度は38.6%(17/44例)であった。主な副作用は傾眠11.4%(5/44例)であった。また、臨床検査値異常(副作用)は、心電図QT延長4.5%(2/44例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加2.3%(1/44例)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加2.3%(1/44例)、C‐反応性蛋白増加2.3%(1/44例)、体重増加2.3%(1/44例)であった。

18.1 作用機序
レベチラセタムは、各種受容体及び主要なイオンチャネルとは結合しないが、神経終末のシナプス小胞たん白質2A(SV2A)との結合、N型Ca2+チャネル阻害、細胞内Ca2+の遊離抑制、GABA及びグリシン作動性電流に対するアロステリック阻害の抑制、神経細胞間の過剰な同期化の抑制などが確認されている。SV2Aに対する結合親和性と各種てんかん動物モデルにおける発作抑制作用との間には相関が認められることから、レベチラセタムとSV2Aの結合が、発作抑制作用に寄与しているものと考えられる。
18.2 てんかん発作に対する作用
古典的スクリーニングモデルである最大電撃けいれんモデル及び最大ペンチレンテトラゾール誘発けいれんモデルなどでは、けいれん抑制作用を示さなかったが、角膜電気刺激キンドリングマウス、ペンチレンテトラゾールキンドリングマウス、ピロカルピン又はカイニン酸を投与のラット、ストラスブール遺伝性欠神てんかんラット(GAERS)、聴原性発作マウスなどの部分発作、全般発作を反映したてんかん動物モデルにおいて、発作抑制作用を示した。
18.3 抗てんかん原性作用
扁桃核電気刺激キンドリングラットにおいて、キンドリング形成を抑制した。
18.4 中枢神経に対するその他の作用
ラットのMorris水迷路試験において認知機能に影響を及ぼさず、ローターロッド試験では運動機能に影響を及ぼさなかった。また、中大脳動脈結紮ラットにおいて神経細胞保護作用を示した。

一包可:不明

バラ包装

分割:可能
粉砕:可能
製造販売会社
ユーシービージャパン
販売会社
 

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