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ノルスパンテープ5mg

販売名
ノルスパンテープ5mg
識別コード
ノルスパンテープ 5mg
薬価
5mg1枚 1579.10円
製造メーカー
ムンディファーマ

添付文書情報2023年10月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の解熱鎮痛消炎剤
一般名
ブプレノルフィン貼付剤
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な呼吸抑制状態及び呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制が増強されるおそれがある]。
効能・効果
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な次記疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛:1)変形性関節症、2)腰痛症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は、非オピオイド鎮痛剤の投与を含む保存的治療では十分な鎮痛効果が得られない患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とする日常生活動作障害を有する変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛の管理にのみ使用すること。
5.2. 慢性疼痛の原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
用法・用量
通常、成人に対し、前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用する。
初回貼付用量はブプレノルフィンとして5mgとし、その後の貼付用量は患者の症状に応じて適宜増減するが、20mgを超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 初回貼付時
7.1.1. 初回貼付72時間後までブプレノルフィンの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要するため、必要に応じて他の適切な治療の併用を考慮すること。
7.1.2. 他のオピオイド鎮痛剤から本剤へ切り替える場合には、切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の鎮痛効果の持続時間を考慮して、本剤の貼付を開始すること。なお、高用量(経口モルヒネ換算量80mg/日超)のオピオイド鎮痛剤から切り替えた場合には、十分な鎮痛効果が得られないおそれがあるので、注意すること。
7.2. 貼付方法
血中濃度が上昇するおそれがあるので、毎回貼付部位を変え、同じ部位に貼付する場合は、3週間以上の間隔をあけること。
7.3. 増量
本剤貼付開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調節を行い、鎮痛効果が十分得られない場合は、ブプレノルフィンとして5~10mgずつ貼り替え時に増量する。
7.4. 減量
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと(副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと)。
7.5. 投与の継続
本剤貼付開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討し、また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
7.6. 投与の中止
7.6.1. 本剤の投与を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
7.6.2. 本剤の投与を中止し他のオピオイド鎮痛剤に変更する場合は、本剤剥離後24時間以上の間隔をあけること。また、ブプレノルフィンのμオピオイド受容体への親和性は他のオピオイド鎮痛剤より強いため、本剤の投与を中止し他のオピオイド鎮痛剤に切り替え直後には他のオピオイド鎮痛剤の鎮痛効果が十分に得られないことがあるので、注意すること。
肝機能障害患者
8.1. 本剤を変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛以外の管理に使用しないこと。
8.2. 本剤は、変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ用いること。
8.3. 本剤の使用開始にあたっては、主な副作用、具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。特に呼吸抑制、意識障害等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指導すること。また、本剤使用中に本剤が他者に付着しないよう患者等に指導すること〔14.1.2、14.2.1-14.2.5、14.3.1-14.3.5、14.4.1-14.4.4、14.5参照〕。
8.4. 悪心・嘔吐、食欲不振、便秘等の消化器症状が高頻度にあらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用、便秘に対する対策として緩下剤の併用を行うなど適切な処置を行うこと。また、鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど、本剤投与時の副作用に十分注意すること。
8.5. 体重減少を来たすことがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には定期的に体重計測を実施するなど患者の状態を慎重に観察し、徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
8.6. 本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。
8.7. 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至るおそれがあるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。
8.8. 連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。
8.9. 重篤な副作用が発現した患者については、本剤剥離後のブプレノルフィンの血中動態を考慮し、本剤剥離から24時間後まで観察を継続すること。
8.10. 本剤貼付中に発熱又は激しい運動により体温が上昇した場合、本剤貼付部位の温度が上昇しブプレノルフィン吸収量が増加するため、過量投与になるおそれがあるので、患者の状態に注意すること。また、本剤貼付後、貼付部位が電気パッド、電気毛布、加温ウォーターベッド、赤外線灯、集中的な日光浴、サウナ、湯たんぽ等の熱源に接しないようにすること。本剤を貼付中に入浴する場合は、熱い温度での入浴は避けさせるようにすること。
8.11. 眠気、めまい、ふらつきが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.12. 鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
9.1.1. 呼吸機能低下している患者:呼吸抑制があらわれるおそれがある。
9.1.2. QT延長を起こしやすい患者(不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤投与中の患者等):QT延長を起こすおそれがある。
9.1.3. 薬物依存・アルコール依存又はその既往歴のある患者:依存性を生じやすい。
9.1.4. 脳器質的障害のある患者:呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を起こすおそれがある。
9.1.5. ショック状態にある患者:循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.6. 麻薬依存患者:麻薬拮抗作用を有するため禁断症状を誘発するおそれがある。
9.1.7. 麻痺性イレウスの患者:消化管運動を抑制する。
9.1.8. 胆道疾患のある患者:オッディ括約筋収縮を起こすおそれがある。
9.1.9. 高熱のある患者:本剤からのブプレノルフィンの吸収量が増加し、血中濃度が上昇するおそれがある。
腎機能障害患者:作用が増強するおそれがある。
肝機能障害患者:作用が増強するおそれがある。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、全身麻酔剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、オピオイド鎮痛剤、骨格筋弛緩剤、アルコール[呼吸抑制、低血圧、深い鎮静、又は昏睡が起こることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(相加的に中枢神経抑制作用が増強する)]。
2). CYP3A4誘導作用を有する薬剤(フェノバルビタール、カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の血中濃度を低下させるおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 呼吸抑制、呼吸困難(頻度不明):本剤による呼吸抑制には、人工呼吸又は呼吸促進剤(ドキサプラム塩酸塩水和物)が有効であるが、麻薬拮抗薬(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン等)の効果は確実ではない。
11.1.2. ショック、アナフィラキシー(頻度不明)。
11.1.3. 依存性(頻度不明):長期の使用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。長期使用後、急に投与を中止すると、不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合は徐々に減量することが望ましい。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)過敏症(口腔咽頭腫脹、舌腫脹等)。
2). 血液:(1%以上~10%未満)貧血、リンパ球数減少。
3). 精神神経系:(10%以上)浮動性めまい、頭痛、傾眠(30.3%)、(1%以上~10%未満)不安、不眠症、(1%未満)不快気分、気分動揺、落ち着きのなさ、うつ病、神経過敏、リビドー減退、感覚鈍麻、味覚異常、蟻走感、振戦、片頭痛、(頻度不明)錯乱状態、感情不安定、激越、離人症、多幸気分、幻覚、悪夢、精神病性障害、離脱症候群、錯感覚、注意力障害、協調運動異常、構語障害、記憶障害、失神、痙攣、攻撃性。
4). 感覚器:(1%以上~10%未満)回転性めまい、(1%未満)流涙増加、眼乾燥、頭位性回転性めまい、耳鳴、(頻度不明)霧視、縮瞳。
5). 循環器:(1%以上~10%未満)動悸、ほてり、(1%未満)頻脈、高血圧、潮紅、徐脈、低血圧、(頻度不明)狭心症、血管拡張、起立性低血圧。
6). 呼吸器:(1%以上~10%未満)あくび、(1%未満)鼻漏、息詰まり、喘息増悪、(頻度不明)咳嗽、しゃっくり、過換気、低酸素症、鼻炎、喘鳴。
7). 消化器:(10%以上)便秘(33.7%)、悪心(62.5%)、嘔吐(35.7%)、(1%以上~10%未満)下痢、口内乾燥、胃不快感、上腹部痛、胃炎、(1%未満)腹痛、消化不良、口内炎、嚥下障害、(頻度不明)鼓腸、憩室炎、イレウス。
8). 肝臓:(1%以上~10%未満)肝機能異常、γ-GTP増加、(1%未満)AST増加、ALT増加、(頻度不明)胆道仙痛。
9). 皮膚:(10%以上)適用部位紅斑、適用部位そう痒感、(1%以上~10%未満)接触性皮膚炎、適用部位皮膚炎、適用部位湿疹、適用部位変色、適用部位小水疱、多汗症、(1%未満)皮膚そう痒症、発疹、全身性そう痒症、皮膚乾燥、蕁麻疹、適用部位刺激感、適用部位発疹、適用部位びらん、(頻度不明)適用部位浮腫。
10). 腎臓・泌尿器:(1%以上~10%未満)排尿困難、(1%未満)尿閉、血中クレアチニン増加、BUN増加、(頻度不明)尿失禁、排尿躊躇。
11). 臨床検査:(1%以上~10%未満)血中尿酸増加、心電図QT延長、体重減少、(1%未満)LDH増加、血中トリグリセリド増加、尿沈渣陽性、血中ブドウ糖増加、尿中蛋白陽性。
12). その他:(10%以上)食欲減退、(1%以上~10%未満)脱水、無力症、悪寒、異常感、けん怠感、末梢性浮腫、口渇、胸部不快感、(1%未満)転倒、性機能不全、高尿酸血症、背部痛、筋痙縮、筋肉痛、冷感、発熱、疼痛、顔面浮腫、(頻度不明)筋力低下、胸痛、インフルエンザ様疾患、浮腫。
高齢者
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(他のブプレノルフィン製剤による妊娠中の大量投与により、新生児に禁断症状がみられたとの報告があり、動物実験(ラット皮下投与試験)で、死産仔数増加並びに出生仔体重増加抑制等が報告されている)。
本剤投与中は授乳を避けさせること(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)〔16.3.4参照〕。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 包装袋を開封せず交付すること。
14.1.2. 本剤の使用開始にあたっては、患者等に対して具体的な使用方法、使用
時の注意点、保管方法等を患者向けの説明書を用いるなどの方法によって指導すること〔8.3、14.2.1-14.2.5、14.3.1-14.3.5、14.4.1-14.4.4、14.5参照〕。
14.2. 薬剤貼付部位の注意14.2.1. 本剤は前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部以外に貼付しないこと(膝や腰部に貼付した場合、十分な血中濃度が得られないおそれがある)〔8.3、14.1.2参照〕。
14.2.2. 体毛のない部位に貼付することが望ましいが、体毛のある部位に貼付する場合は、創傷しないようにハサミを用いて除毛する(本剤の吸収に影響を及ぼすため、カミソリや除毛剤等は使用しない)〔8.3、14.1.2参照〕。
14.2.3. 貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付する(清潔にする場合には、本剤の吸収に影響を及ぼすため、石鹸、アルコール、ローション等は使用しない)。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと〔8.3、14.1.2参照〕。
14.2.4. 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。血中濃度が上昇するおそれがあるため、同じ部位に貼付する場合は、3週間以上の間隔をあけること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.2.5. 活動性皮膚疾患や創傷面等がみられる部位は避けて貼付すること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.3. 薬剤貼付時の注意14.3.1. 本剤を使用するまでは包装袋を開封せず、開封後は速やかに貼付すること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.3.2. 包装袋は手で破り開封し、本剤を取り出すこと〔8.3、14.1.2参照〕。
14.3.3. 本剤をハサミ等で切って使用しないこと。また、傷ついた本剤は使用しないこと〔8.3、14.1.2参照〕。
14.3.4. 本剤を使用する際には、ライナーを剥がして使用すること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.3.5. 貼付後、約30秒間手のひらでしっかり押え、本剤の縁の部分が皮膚面に完全に接着するようにすること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.4. 薬剤貼付期間中の注意14.4.1. 本剤が他者に付着しないよう注意する(本剤の他者への付着に気付いたときは、直ちに剥離し、付着部位を水で洗い流し、異常が認められた場合には受診する)、海外において、オピオイド貼付剤を使用している患者と他者(特に小児)が同じ寝具で就寝するなど身体が接触した際に、誤って他者に付着し有害事象が発現したとの報告がある〔8.3、14.1.2参照〕。
14.4.2. 本剤が皮膚から一部剥離した場合は、再度手で押しつけるか又は皮膚用
テープ等で剥離部を固定するが、粘着力が弱くなった場合は、直ちに同用量の新たな本剤に貼り替えて7日間貼付し、その場合は現在の貼付部位とは異なる部位に貼付すること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.4.3. 使用済み製剤は粘着面を内側にして貼り合わせた後、安全に処分すること〔8.3、14.1.2参照〕。
14.4.4. MRI(核磁気共鳴画像法)による検査を実施する場合は前もって本剤を除去する(本剤の貼付部位に火傷を引き起こすおそれがある)〔8.3、14.1.2参照〕。
14.5. 薬剤保管方法の注意本剤を子供の手の届かない、高温にならない所に保管すること〔8.3、14.1.2参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人における単回貼付試験
健康成人(27例)に本剤5~20mgを単回7日間貼付したときの血漿中ブプレノルフィン濃度は貼付開始約72時間で定常状態に達し、本剤貼付後168時間(本剤除去)まで安定した推移を示した。(日本人データ)

→図表を見る(PDF)

16.1.2 患者における反復貼付試験
変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛のある患者(各27例)に、本剤5mgから開始し、5~20mgの範囲で7日間毎に適宜漸増して最長12週間反復貼付したとき、血漿中ブプレノルフィン濃度(トラフ値)はほぼ一定で推移し、蓄積性は認められなかった。(日本人データ)
16.1.3 高齢者における血中濃度
健康な高齢者(10~12例、65~77歳)に本剤10mg製剤1枚を単回7日間貼付したとき、又は本剤5~20mg製剤を13日間反復貼付したとき、健康成人(11~12例、21~45歳)と比較してAUC0-t、Cmax及びt1/2に明らかな差は認められなかった。(外国人データ)
16.1.4 肝障害患者における血中濃度
軽度及び中等度の肝障害患者(12例、Child‐Pugh分類でグレードA及びB)にブプレノルフィンとして0.3mgを10分かけて静脈内持続注入したとき、健康成人(12例)と比較してAUC0-t及びt1/2に大きな差は認められなかった。(外国人データ)
16.1.5 腎障害患者における血中濃度
腎機能障害患者(9例、BUN:11.3~25.5mmol/L、血清クレアチニン:420~1031μmol/L)にブプレノルフィンとして0.3mgを単回静脈内投与したとき、健康成人(6例)と比較してt1/2及びCLに大きな差は認められなかった。また、腎機能障害患者(8例、血清クレアチニン:250μmol/L以上、クレアチニン・クリアランス:9mL/min未満)にブプレノルフィンとして0.6mgを単回静脈内投与し、引き続き0.3mg/hで静脈内持続注入したとき、健康成人(12例)と比較してCLに大きな差は認められなかった。(外国人データ)
16.1.6 血中濃度に及ぼす局所加温の影響
健康成人(20例)に本剤10mg製剤を貼付し、貼付開始後2日目及び4日目に2時間単位で各3回、加温パッドにて貼付部位を加温(38℃)したとき、加温時の平均血漿中ブプレノルフィン濃度は、非加温群と比較して約1.3~1.5倍増加したが、AUC0-tに大きな差は認められなかった。(外国人データ)
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
健康成人(36例)に単回7日間貼付したときの絶対的バイオアベイラビリティ(F)は、約15%であった(ブプレノルフィン0.6mgを24時間静脈内持続注入したときの投与量あたりのAUCと比較)。(外国人データ)
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合
ヒトにおけるブプレノルフィンの血漿蛋白結合率は約94%であった。
16.3.2 組織への分布
[3H]‐ブプレノルフィンをCD‐1マウスに単回静脈内投与したとき、放射能は全身に分布し、小腸を除く各組織で投与後0.25時間後に最高濃度を示した。投与0.25時間後に高い放射能濃度がみられた組織は、脳、腎臓、肝臓、すい臓及び小腸であった。
16.3.3 胎児移行性
ブプレノルフィンは、ヒト胎盤を通過する。ブプレノルフィンは新生児の血液、尿及び胎便中に検出される。(外国人データ)
16.3.4 母乳中への移行
ブプレノルフィンは母乳中へ移行することが確認されている。(外国人データ)[9.6参照]
16.4 代謝
ブプレノルフィンは肝臓で代謝され、活性代謝物であるノルブプレノルフィンが生成される。ヒト肝ミクロソームを用いた検討により、ノルブプレノルフィンへの代謝にはCYP3A4が関与していることが確認されている。ブプレノルフィンとノルブプレノルフィンはいずれもグルクロン酸抱合される。(in vitro)
16.5 排泄
健康成人にブプレノルフィンを経口投与又は筋肉内投与したとき、投与量の約70%が糞中に排泄された。
また、健康成人にブプレノルフィンを皮下投与、舌下投与又は経口投与したとき、投与量の2~13%が代謝物として尿中に排泄された。(外国人データ)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ミダゾラム
健康成人12例に本剤10mg製剤1枚を単回7日貼付中、ミダゾラム1mgを本剤貼付6日後に静脈内投与したとき、ブプレノルフィンの血漿中濃度推移はミダゾラムの投与前後でほぼ同様であった。ミダゾラム投与後の呼吸数の平均値はおおむね基準値(12-24回/分)内で推移した。(外国人データ)
16.7.2 プロクロルペラジン
健康成人12例に本剤10mg製剤1枚を単回7日貼付中、25mg含有プロクロルペラジン坐剤を本剤貼付6日後に直腸内投与したとき、プロクロルペラジン投与日におけるブプレノルフィンの最高血漿中濃度と平均血漿中濃度はプロクロルペラジン投与前日に比べて有意に低かった。呼吸数はすべて基準値(12-24回/分)内であった。(外国人データ)
16.7.3 ケトコナゾール
健康成人20例に本剤10mg製剤1枚を単回7日貼付とケトコナゾール200mgを1日2回反復経口投与したとき、ブプレノルフィンのAUCとCmaxは影響を受けなかった。(外国人データ)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相比較試験
(1)変形性関節症に伴う慢性疼痛のある患者を対象とした第III相比較試験
股関節又は膝関節の変形性関節症と診断され、一定量の非ステロイド性消炎鎮痛剤の経口投与により十分な鎮痛効果が得られない慢性疼痛患者(本剤投与群66例、プラセボ群74例)を対象に、非盲検下で2~4週間かけて5~20mgの範囲で適宜漸増した後、二重盲検下で本剤又はプラセボを最大12週間貼付したとき、主要評価項目であるFASにおける二重盲検下での鎮痛効果不十分注4)をイベントとしたイベント発生までの期間は、プラセボ群と比較し本剤群で有意に長かった(p=0.0211、ログランク検定)。
注4)鎮痛効果不十分(1)又は2)を満たす):
1)過去24時間以内の平均疼痛強度(0~10)が本剤貼付前の値に比べて2ポイント以上低下していない日が3日連続した場合。
2)疼痛のため鎮痛療法の変更や追加が必要になった場合。

用量漸増期に認められた主な副作用は、悪心(50.8%)、便秘(28.2%)、嘔吐(27.6%)、傾眠(23.8%)、浮動性めまい(14.9%)、適用部位そう痒感(14.9%)であった。二重盲検相で認められた主な副作用は、悪心(20.9%)、嘔吐(16.4%)、適用部位そう痒感(14.9%)、適用部位紅斑(11.9%)、便秘(10.4%)であった。
(2)腰痛症に伴う慢性疼痛のある患者を対象とした第III相比較試験
腰痛症と診断され、一定量の非ステロイド性消炎鎮痛剤の経口投与により十分な鎮痛効果が得られない慢性疼痛患者(本剤投与群69例、プラセボ群69例)を対象に、非盲検下で2~4週間かけて5~20mgの範囲で適宜漸増した後、二重盲検下で本剤又はプラセボを最大12週間貼付したとき、主要評価項目であるFASにおける二重盲検下での鎮痛効果不十分注5)をイベントとしたイベント発生までの期間は、プラセボ群と比較し本剤群で有意に長かった(p=0.0025、ログランク検定)。
注5)鎮痛効果不十分(1)又は2)を満たす):
1)過去24時間以内の平均疼痛強度(0~10)が本剤貼付前の値に比べて2ポイント以上低下していない日が3日連続した場合。
2)疼痛のため鎮痛療法の変更や追加が必要になった場合。

用量漸増期に認められた主な副作用は、悪心(63.2%)、傾眠(29.7%)、嘔吐(29.7%)、便秘(26.5%)、浮動性めまい(20.0%)、適用部位そう痒感(14.6%)であった。二重盲検相で認められた主な副作用は、悪心(15.9%)、適用部位そう痒感(14.5%)、嘔吐(10.1%)、接触性皮膚炎(10.1%)、適用部位紅斑(10.1%)であった。

18.1 作用機序
受容体結合試験の結果、ブプレノルフィンはヒト組み換えμ(ミュー)オピオイド受容体に対してKi=0.16nM、κ(カッパ)オピオイド受容体に対してKi=0.06nM、δ(デルタ)オピオイド受容体に対してKi=1.79nM及びORL‐1(オピオイド受容体様1)受容体に対してKi=15.44nMの親和性を示した。また、機能活性試験の結果、ブプレノルフィンはヒト組み換えμオピオイド受容体に対してEC50=0.76nM、κオピオイド受容体に対してEC50>20,000nM、δオピオイド受容体に対してEC50=52,458nM及びORL‐1受容体に対してEC50=67nMの効力を示した。これらの結果から、ブプレノルフィンはμオピオイド受容体を介してアゴニストとして作用し、強力な鎮痛作用を示すものと考えられている。(in vitro)
18.2 鎮痛作用
ブプレノルフィンは、マウス、ラット及びウサギにおいて、化学刺激、熱刺激、圧刺激及び電気刺激を侵害刺激として用いたいずれの試験においても、モルヒネより強く、かつ長い鎮痛効果を示した。ブプレノルフィンは、オピオイド受容体に作用し、中枢神経系の痛覚伝導系を抑制することにより鎮痛効果を発揮すると考えられている。

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