ネバナック懸濁性点眼液0.1%

添付文書情報2023年11月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 内眼部手術における術後炎症。
- 用法・用量
- 通常、手術前日より、用時よく振り混ぜた後、1回1滴、1日3回点眼する。但し、手術日は術前3回、術後1回点眼する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 眼の感染症を不顕性化するおそれがあるので、観察を十分に行い、感染を起こした場合は投与を中止すること。
9.1.1. 角膜上皮障害のある患者:角膜びらん、さらに角膜潰瘍、角膜穿孔へと進行するおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ヒダントイン系抗てんかん剤(フェニトイン等)、クマリン系抗凝固剤(ワルファリン等)、サルファ剤(スルファメトキサゾール等)、スルホニル尿素系血糖降下剤(グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド等)[これらの薬剤の作用を増強するおそれがある(本剤は、血漿アルブミンとの結合力が強いので、これらの薬剤の遊離型が増加する)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 角膜潰瘍、角膜穿孔(いずれも頻度不明):角膜びらん等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 眼:(0.1~1%未満)眼異物感、アレルギー性結膜炎、眼そう痒症、眼脂、結膜炎、眼瞼炎、角膜炎、角膜障害、(頻度不明)眼瞼縁痂皮、眼痛、結膜充血、流涙増加、虹彩炎、眼部不快感、角膜沈着物、脈絡膜滲出、霧視。
2). その他:(頻度不明)過敏症、悪心、皮膚弛緩症、頭痛。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊娠後期の女性:投与しないことが望ましい(プロスタグランジン生合成阻害剤による胎児の循環器系への作用(動脈管閉鎖)が報告されている)。
9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)では、胎盤移行性が認められており、経口投与したラットでは生存率の低下に至る難産・分娩異常、着床後胚死亡率増加、胎仔体重低下・胎仔成長低下、生存胎仔数減少等が、ウサギでは臍帯ヘルニア、心臓奇形、大血管奇形、頭蓋骨奇形、椎骨奇形、胸骨分節奇形、肋軟骨奇形が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)では、乳汁中への移行が認められており、ラットで授乳期間中の出生仔体重低下及び出生仔死亡率増加が用量依存的に認められた)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 使用時、キャップを閉じたままよく振ってからキャップを開けて点眼すること。
・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼した後、開瞼すること。
・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるため、本剤投与時にコンタクトレンズを装用しないこと。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外の添付文書において、アセチルサリチル酸、フェニル酢酸誘導体、その他、非ステロイド性抗炎症剤と交叉感受性をもつ可能性があるので、これらの薬剤に過敏な患者には本剤の投与に際して注意が必要であるとの記載がある。
15.1.2. 海外の添付文書において、非ステロイド性抗炎症剤では、血小板凝集阻害作用をもつため、非ステロイド性抗炎症剤を眼に投与することにより、眼手術時に前房出血を含む眼組織の出血時間延長させる可能性があるとの記載がある。
16.1 血中濃度
健康被験者にネパフェナク点眼液0.1%を1日3回4日間点眼投与後の血漿中ネパフェナク及びその活性代謝物のアンフェナクの定常状態における平均Cmaxはそれぞれ0.203±0.119ng/mL、0.382±0.170ng/mLであった。また、血漿中ネパフェナク及びアンフェナクのTmaxはそれぞれ0.31±0.14時間及び0.60±0.21時間、t1/2は0.7±0.2時間及び3.3±1.3時間であった。
16.3 分布
16.3.1 房水中濃度
ウサギにネパフェナク点眼液0.1%を右眼に単回点眼投与後の房水中ネパフェナク及びアンフェナク濃度のTmaxはそれぞれ15分及び2時間であり、Cmaxはそれぞれ448ng/mL、29.7ng/mLであった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
白内障手術患者を対象にしたプラセボ対照二重遮蔽比較試験において、術後2週間投与後の治癒率(フレアスコア及びセルスコアが0の症例の割合)及び眼無痛率(眼痛スコアが0の症例の割合)は次のとおりであった。
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本剤群の副作用発現頻度は1.9%(2/107例)であった。本剤群の副作用は、眼の異物感及び眼脂が各0.9%(1/107例)であった。
17.1.2 国内第III相実薬対照比較試験
白内障手術患者を対象にした実薬対照二重遮蔽比較試験において、術後2週間投与後の治癒率及び眼無痛率は次のとおりであった。
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本剤群の副作用発現頻度は3.0%(7/235例)であった。本剤群の副作用は、眼そう痒症、眼の異物感、結膜炎、アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、角膜炎及び角膜障害が各0.4%(1/235例)であった。
17.1.3 国内第III相非対照試験
硝子体手術、線維柱帯切除術、レーザー虹彩切開術、レーザー線維柱帯形成術及びレーザー後嚢切開術患者を対象にした一般臨床試験において、術後2~4週間投与後の治癒率及び眼無痛率は次のとおりであった。
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副作用発現頻度は0.9%(1/112例)であった。副作用はアレルギー性結膜炎0.9%(1/112例)であった。
17.1.4 国内第III相比較試験
白内障手術患者を対象にした二重遮蔽比較試験における術後5週目までの嚢胞様黄斑浮腫(CME)発症率(蛍光眼底造影で嚢腫腔への色素の貯留を認める症例の割合)は本剤で14.3%(4/28)、フルオロメトロン点眼液0.1%で81.5%(22/27)であった(χ2検定:p<0.0001)。
本剤群で副作用の報告はなかった。
18.1 作用機序
ネパフェナクは、点眼投与後角膜を透過し、加水分解酵素によりアンフェナクへと代謝される。したがって、ネパフェナクの作用機序は、アンフェナクのシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン生合成阻害であると考えられる。
ネパフェナクのCOX‐1に対するIC50値は64.3μMであった。ネパフェナクの活性代謝物であるアンフェナクのIC50値はCOX‐1に対しては0.25μM、COX‐2に対しては0.15μMであった(in vitro)。
18.2 抗炎症作用
ウサギの前房穿刺誘発血管透過性モデルにおいて、ネパフェナク0.1%の点眼投与は房水へのタンパク流入量を61%抑制した。また、組織損傷に伴うPGE2蓄積も阻害した。
18.3 鎮痛作用
ネコ角膜をCO2により化学的な反復刺激をして角膜のポリモーダル侵害受容器応答に及ぼすネパフェナクの影響を検討したところ、ネパフェナク0.1%の点眼投与は角膜の刺激誘発性ポリモーダル侵害受容器刺激応答を速やかに低下した。
- 製造販売会社
- ノバルティス ファーマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
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