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エースコール錠1mg

販売名
エースコール錠1mg
識別コード
SANKYO 261
薬価
1mg1錠 20.00円
製造メーカー
アルフレッサ ファーマ

添付文書情報2023年05月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
一般名
テモカプリル塩酸塩錠
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度呼吸困難を伴う血管浮腫を発現するおそれがある]。
2.3. デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中、トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中(PVA:ポリビニルアルコール)又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中の患者〔10.1参照〕。
2.4. アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた血液透析施行中(AN69を用いた血液透析施行中)の患者〔10.1参照〕。
2.5. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.6. アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔10.1参照〕。
2.7. アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬投与中(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)の患者、あるいはアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬投与中止から36時間以内の患者〔10.1参照〕。
効能・効果
高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症。
用法・用量
通常、成人にはテモカプリル塩酸塩として1日1回2~4mg経口投与する。ただし、1日1回1mgから投与を開始し、必要に応じ4mgまで漸次増量する。
生殖能を有する者
8.1. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.2. 手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン変換酵素阻害剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある)。
9.1.1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。
9.1.2. 高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
9.1.3. 重症高血圧症患者:低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある)。
9.1.4. 厳重な減塩療法中の患者:低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある)。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:クレアチニンクリアランス値が30mL/min以下、又は血清クレアチニン値が3mg/dLを超える場合には、投与量を減らすか、又は投与間隔をのばすなど慎重に投与すること(過度の血圧低下が起こるおそれがある)。
9.2.2. 血液透析中の患者:低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある)。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:肝機能が悪化するおそれがある。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されているので、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(1). 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性の場合、本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
(2). 妊娠する可能性のある女性:次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
相互作用
10.1. 併用禁忌:1). デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行、トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行(PVA:ポリビニルアルコール)又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行<リポソーバー、イムソーバTR、セルソーバ>〔2.3参照〕[ショックを起こすおそれがある(陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートによりブラジキニンの産生が刺激され、さらに本剤が、ブラジキニンの代謝を抑制するため、ブラジキニンの血中濃度が上昇する)]。
2). アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析<AN69>〔2.4参照〕[アナフィラキシーを発現することがある(陰性に荷電したAN69膜によりブラジキニンの産生が刺激され、さらに本剤が、ブラジキニンの代謝を抑制するため、ブラジキニンの血中濃度が上昇する)]。
3). アリスキレンフマル酸塩<ラジレス>(糖尿病患者に使用する場合(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く))〔2.6参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
4). アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬<ARNI>(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物<エンレスト>)〔2.7参照〕[血管浮腫があらわれるおそれがあるので、本剤投与終了後にARNIを投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと、また、ARNIが投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止すること(併用により相加的にブラジキニンの分解が抑制され、ブラジキニンの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
10.2. 併用注意:1). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤(塩化カリウム<補給剤>等)[血清カリウム値が上昇するおそれがある(<機序>本剤はアンジオテンシン2産生を抑制し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させる<危険因子>腎機能障害のある患者)]。
2). 利尿降圧剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)[本剤初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと(利尿降圧剤によるナトリウム排泄によって、レニン-アンジオテンシン系が亢進されているため、本剤によりアンジオテンシン2の産生が抑制されると、降圧作用が増強されると考えられており、なお、最近利尿降圧剤投与を開始した患者では特に注意すること)]。
3). リチウム製剤(炭酸リチウム)[他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用
によりリチウム中毒(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル水和物)を起こすことが報告されている(明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、本剤がナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる)]。
4). ニトログリセリン[降圧作用が増強されるおそれがある(両剤の降圧作用による)]。
5). アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)。eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
6). アンジオテンシン2受容体拮抗剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
7). 非ステロイド性消炎鎮痛剤:①. 非ステロイド性消炎鎮痛剤[降圧作用が減弱するおそれがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある)]。
②. 非ステロイド性消炎鎮痛剤[腎機能を悪化させるおそれがある(プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。
8). カリジノゲナーゼ製剤[過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある(血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血管浮腫(頻度不明):呼吸困難を伴う顔面腫脹、舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、このような場合には、気管の閉塞を起こしやすくなるので、直ちに投与を中止し、アドレナリンの皮下注射、気道確保など適切な処置を行うこと。また、腹痛を伴う腸管血管浮腫があらわれることがある。
11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、ALP上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.3. 血小板減少(頻度不明)。
11.1.4. 高カリウム血症(頻度不明)。
11.1.5. 天疱瘡様症状(頻度不明):紅斑、水疱、そう痒、発熱、粘膜疹等があらわれることがある。
11.1.6. 汎血球減少、無顆粒球症(いずれも頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~0.5%未満)発疹、そう痒、(頻度不明)蕁麻疹。
2). 血液:(0.1~0.5%未満)白血球減少、好酸球増多、(頻度不明)貧血、血小板減少。
3). 精神神経系:(0.1~0.5%未満)めまい、頭痛・頭重、(頻度不明)眠気。
4). 消化器:(0.5%以上)胃部不快感、(0.1~0.5%未満)嘔気、食欲不振、下痢、(頻度不明)嘔吐、腹痛。
5). 肝臓:(0.5%以上)AST上昇、ALT上昇、(0.1~0.5%未満)ALP上昇、LDH上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇、肝機能異常。
6). 循環器:(頻度不明)動悸、低血圧。
7). 腎臓:(頻度不明)BUN上昇、血清クレアチニン上昇。
8). その他:(0.5%以上)咳嗽(4.5%)[男性3.1%、女性5.7%]、CK上昇、(0.1~0.5%未満)血清カリウム上昇、口渇、抗核抗体陽性例、(頻度不明)低血糖、嗄声、胸部不快感、咽頭不快感、顔面潮紅、倦怠感、味覚異常、浮腫。
高齢者
低用量(例えば1mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること(妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺低形成等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある)〔2.5、9.4.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
吸湿及び光により、微黄~微黄白色に変化及び含量低下のおそれがあるので、アルミピロー開封後は湿気を避け、遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより低血糖が起こりやすいとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
テモカプリル塩酸塩0.5mg、1.25mg、2.5mg、5.0mgをそれぞれ健康成人男性6例に空腹時単回経口投与したとき、テモカプリル塩酸塩は速やかに吸収され、主に肝臓で加水分解を受け、活性体(テモカプリラート)に変換される。血漿中では主に活性体として存在し、その血漿中濃度は投与後1~1.6時間で最高に達した。最高血漿中濃度は用量依存的に上昇し、8.4~174.7ng/mLであった。また、未変化体のAUCを活性体のそれと比較すると、いずれの投与量においても3%以下と低く、4時間後までに血漿中から消失した。
テモカプリル
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テモカプリラート
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16.1.2 連続投与
健康成人男性6例にテモカプリル塩酸塩2.5mgを1日1回朝食後7日間経口投与したとき、1日目と7日目のテモカプリラートの血漿中濃度は同様な推移を示した。また、2日目以降の最低血漿中濃度はほぼ一定であり、蓄積性はみられなかった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性6例に対し、食後にテモカプリル塩酸塩2.5mg経口投与したとき、吸収に遅延が認められたものの空腹時と有意な差はなかった。
16.3 分布
16.3.1 血清蛋白結合率
限外ろ過法により求めた14C‐テモカプリラート(1μg/mL)添加時の血清蛋白結合率は次表のとおりである(in vitro)。
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16.5 排泄
16.5.1 単回投与
テモカプリル塩酸塩0.5mg、1.25mg、2.5mg、5.0mgをそれぞれ健康成人男性6例に空腹時単回経口投与し、累積尿中回収率を求めた。その結果、尿中排泄のほとんどはテモカプリラートであり、またそれは肺などの体内血管のアンジオテンシン変換酵素との強い親和性で保持されていると考えられる。1.25mg以上ではその体内血管保持量で尿中排泄率を補正すると約34~35%と一定であった。
体内保持量補正後のテモカプリラート累積尿中排泄率
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16.5.2 連続投与
健康成人男性6例にテモカプリル塩酸塩2.5mgを1日1回朝食後7日間経口投与したとき、テモカプリル及びテモカプリラートの各投与後24時間目までの累積尿中排泄率は、テモカプリルでは1日目と2日目以降で有意差はなく、また、テモカプリラートでは2日目以降ほぼ一定で蓄積性はみられなかった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
健康成人男性6例(I群)と種々の腎機能低下患者12例を重症度ごとに6例ずつ2群(II、III群)に分けた計18例に対し、それぞれにテモカプリル塩酸塩2.5mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態は、次表のとおりである。
テモカプリルのCmaxとAUC0-24hは腎機能の低下に伴い増大が認められ、I群とII群間で有意な差が認められた。
テモカプリラートにおいては、t1/2とAUC0-24hに腎機能低下に伴い軽度の増大が認められたが、いずれのパラメータにおいても有意な差は認められなかった。
また、テモカプリラート及びテモカプリルの24時間までの尿中排泄率は、腎機能の低下に伴い低下したが、血中動態の変動が少ないことから尿中以外の経路、おそらく胆汁を介した糞中への排泄が多いものと示唆された。
患者背景
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注)本剤の承認を受けた用法及び用量は1日1回1~4mgである。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
軽症・中等症の本態性高血圧症患者242例に対し、テモカプリル塩酸塩を1日1回1~4mg又は対照薬としてエナラプリルマレイン酸塩を1日1回5~20mg、観察期として4週間以上、治療期として12週間投与する二重盲検比較試験を実施したところ、有効率はテモカプリル塩酸塩投与群で68.3%(84/123例)、エナラプリル投与群で68.9%(82/119例)であった。
副作用発現頻度は、テモカプリル投与群で8.1%(10/123例)であり、主な副作用は咳嗽6.5%(8/123例)であった。
17.1.2 国内臨床試験
各種高血圧症患者を対象としたテモカプリル塩酸塩の一般臨床試験において、効果判定の対象となった708例中、テモカプリル塩酸塩1日1回1mg~4mgの投与症例519例の有効率は、75.3%(391/519例)であった。臨床試験成績の概要は次のとおりである。
・疾患別臨床効果
軽症・中等症の本態性高血圧症患者では74.7%、重症高血圧症患者では72.7%であり、腎実質性高血圧症患者では78.6%、腎血管性高血圧症患者では100.0%と優れた有効率が得られた。
・他剤併用剤数と種類
本態性高血圧症では、サイアザイド系利尿降圧剤1剤併用を中心に、重症・二次性高血圧症では、サイアザイド系利尿降圧剤、ループ利尿剤、カルシウム拮抗剤、交感神経遮断剤、血管拡張性降圧剤などを1剤あるいは2剤以上の併用で使用された。
・長期投与試験
本態性高血圧症(軽症・中等症)に対し、本剤を単独又はサイアザイド系利尿降圧剤との併用で、12ヵ月間投与した結果、単独・併用ともに安定した降圧効果が得られた。
・生活の質(quality of life)への影響
軽症・中等症本態性高血圧症患者に本剤を投与し、QOLへの影響を検討した結果、QOLの総合判定で改善及び不変が88.7%、65歳以上の高齢者では90.9%であり、優れたQOLの改善効果が認められている。

18.1 作用機序
テモカプリル塩酸塩はプロドラッグであり、体内で活性体であるテモカプリラートに変化し、アンジオテンシン変換酵素を阻害して、アンジオテンシンIIの生成を抑制することにより降圧作用を示す。
18.2 収縮抑制反応
テモカプリラートによるウサギ肺アンジオテンシン変換酵素に対する50%阻害濃度(IC50値)は約3.6nMと低濃度であった。テモカプリラートはラット大動脈標本におけるアンジオテンシンIの収縮反応を濃度依存的に抑制し、その抑制作用は持続的であった(in vitro)。
18.3 降圧作用
18.3.1 テモカプリル塩酸塩は経口投与により、腎性高血圧ラット、高血圧自然発症ラット、正常ラット及びDOCA食塩高血圧ラットの順に強い降圧作用を示したが、心拍数には影響を与えなかった。
18.3.2 テモカプリル塩酸塩を高血圧自然発症ラットに21週間連続経口投与すると、降圧作用は単回投与時より増強された。この時、血管平滑筋細胞のカルシウムチャンネル活性が低下し、血管の筋原性緊張が低下していた。
18.3.3 テモカプリル塩酸塩を高血圧自然発症ラットに投与すると、総末梢血管抵抗、特に腎血管抵抗が低下し、血圧が下降した。血圧下降時にも各種臓器血流の減少はほとんどなく、肝臓及び腎臓の組織血流は増加した。また、心臓に対する後負荷が減少したため、心拍出量が増加した。
18.3.4 テモカプリル塩酸塩を高血圧自然発症ラットに長期投与することにより、肥大心の縮小が認められ、血漿中の心房性ナトリウム利尿ホルモン濃度が低下した。
18.3.5 テモカプリル塩酸塩を高血圧自然発症ラットに利尿剤と併用することにより、降圧効果が増強された。

一包可:条件付可

無包装状態試験:湿度・光条件→性状変化・含量規格外低下

分割:条件付可
粉砕:条件付可
製造販売会社
アルフレッサ ファーマ
販売会社
 

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