テゼスパイア皮下注210mgシリンジ

添付文書情報2023年12月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 最新のガイドライン等を参考に、中用量又は高用量の吸入ステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身性ステロイド薬の投与等が必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
5.2. 本剤は既に起きている気管支喘息の発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないため、急性の発作に対しては使用しないこと。
- 用法・用量
- 通常、成人及び12歳以上の小児にはテゼペルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを4週間隔で皮下に注射する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤の投与開始後に喘息症状がコントロール不良であったり、悪化した場合には、医師の診療を受けるように患者に指導すること。
8.2. 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
8.3. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理のもとで慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与の適用後、本剤投与後に副作用
の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
9.1.1. 長期ステロイド療法を受けている患者:本剤の投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと(ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと)。
9.1.2. 寄生虫に感染している患者:本剤の投与開始前に寄生虫感染を治療すること。また、患者が本剤投与中に寄生虫感染し、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、本剤の投与を一時中止すること(本剤は胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し、TSLP受容体との相互作用を阻害し、TSLPは、一部の寄生虫(蠕虫)感染に対する免疫応答に関与している可能性がある)。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な過敏症(頻度不明):本剤の投与開始数時間以内又は遅発性(数日後)にアナフィラキシーや発疹等の重篤な過敏症があらわれることがある。
11.1.2. 心臓障害(頻度不明):長期の海外臨床試験において、プラセボ群と比較して本剤群で、冠動脈障害、不整脈、心不全の発現頻度が高かったとの報告がある。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(1%未満)発疹。
2). 注射部位:(1%以上)注射部位反応(紅斑、腫脹、疼痛等)。
3). 筋骨格系:(1%未満)関節痛。
4). 感染症:(1%未満)咽頭炎。
- 高齢者
- 一般的に生理機能が低下している。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(カニクイザル)で本剤が胎盤を通過することが示唆されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(カニクイザル)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 投与60分前に冷蔵庫から取り出し、本剤を外箱に入れたままの状態で室温(25℃以下)に戻しておくことが望ましい。
14.1.2. 使用前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認する(不溶性異物又は変色が認められる場合は使用しない)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮下注射は上腕部・大腿部又は腹部に行うこと。腹部へ投与する場合はへそ回りを外して注射すること。また、投与毎に注射部位を変えること。
14.2.2. 皮膚が敏感な部位、皮膚に傷・紅斑・硬化がある部位には使用しないこと。
14.2.3. 本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
20.1. 激しく振とうしないこと。
20.2. 凍結を避けること。
20.3. 光曝露を避けるため、本剤は外箱に入れて保存すること。
20.4. 本剤を冷蔵庫から取り出した後は25℃以下で保存し、30日以内に使用すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報重症喘息患者を対象とした第3相国際共同臨床試験(NAVIGATOR試験)において、推奨用法・用量にて本剤を52週間投与された患者の4.9%(26/527例)はいずれかの時点で抗薬物抗体陽性(ADA陽性)を示し、このうち本剤投与後のADA発現は1.9%(10例)であった(ADAの力価は概して低値で、一過性であり、また、0.2%(1例)に中和抗体が認められた)。ADAの発現による本剤の薬物動態、薬力学、並びに有効性及び安全性に対する影響を示唆する成績は得られていない。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人にテゼペルマブ35、105及び280mg注)を皮下単回投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりである。投与量35~280mgの範囲で、テゼペルマブの血清中濃度は用量に概ね比例した増加を示した。
注)本剤の承認用量は1回210mgである。
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
第III相国際共同臨床試験(NAVIGATOR試験)において、中用量又は高用量の吸入ステロイド及びその他の長期管理薬で治療してもコントロール不良な成人及び12歳以上の小児喘息患者(日本人を含む)にテゼペルマブ210mgを4週間に1回反復皮下投与したときの血清中トラフ濃度は次記のとおりである。テゼペルマブ投与後の平均血清中トラフ濃度は投与回数と共に増加し、投与12週時までに定常状態に達した。
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
外国人健康被験者にテゼペルマブ210mgを皮下投与したときの絶対バイオアベイラビリティは81%であった。
16.3 分布
母集団薬物動態解析において、テゼペルマブの中央コンパートメント及び末梢コンパートメントの分布容積は、体重70kgの患者においてそれぞれ3.91L及び2.17Lと推定された。
16.4 代謝
テゼペルマブはモノクローナル抗体であり、体内に広く分布するタンパク質分解酵素による分解により消失すると推定される。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 第III相国際共同臨床試験(NAVIGATOR試験)
本試験は、中用量又は高用量の吸入ステロイド(ICS)及びその他の長期管理薬で治療してもコントロール不良な成人及び12歳以上の小児喘息患者1,061例(日本人患者97例を含む)を対象としたランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験を実施した。中用量又は高用量ICS及びその他の長期管理薬の併用下で、本剤210mg又はプラセボを4週に1回(Q4W)、52週間皮下投与した。主要評価項目である投与52週時までの年間喘息増悪発現率は次のとおりであり、プラセボ群と比較して本剤210mg Q4W群で有意に低下した。
投与52週時までの年間喘息増悪率(NAVIGATOR試験、FAS)
→図表を見る(PDF)
テゼペルマブ210mg Q4W群での副作用は8.7%(46/528例)に認められた。主な副作用は、頭痛1.5%(8/528例)及び注射部位紅斑1.5%(8/528例)であった。
18.1 作用機序
テゼペルマブは胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に対するヒトIgG2λのモノクローナル抗体であり、ヒトTSLPに結合し、ヘテロ二量体のTSLP受容体との相互作用を阻害する。TSLPは喘息における炎症誘導経路の上流に位置する上皮細胞由来サイトカインであり、喘息に伴う気道炎症の発症及び持続において重要な役割を果たしている。喘息では、アレルギー性及び非アレルギー性曝露のいずれによってもTSLP産生が誘導される。テゼペルマブでTSLPを阻害することにより、血中好酸球、IgE、FeNO、IL‐5、IL‐13等の炎症に関連する広範囲のバイオマーカー及びサイトカインが減少し、気道過敏性が軽減する。
18.2 効能・効果を裏付ける薬理作用
18.2.1 TSLP機能的活性に対する中和作用
TSLP受容体を安定発現する細胞株を用いたin vitro細胞増殖アッセイで、テゼペルマブは、組み換え型及び天然型ヒトTSLPに誘発される細胞増殖を抑制し、IC50値はそれぞれ37pM及び33pMであった。
表面プラズモン共鳴法による評価で、テゼペルマブはヒト及びカニクイザルのTSLPに結合親和性を示し、それぞれのKD値は15.8pM及び32.2pMであった。
18.2.2 全血アッセイにおけるTSLP誘導活性に対する抑制作用
テゼペルマブはヒト全血の存在下でTSLPに結合し、TSLPタンパク質添加に誘発されるシグナル伝達を阻止するとともに、TSLPのヘテロ二量体受容体を介したシグナル伝達を阻害した。
18.2.3 In vivo試験
BALB/cマウスの卵白アルブミン(OVA)誘発アレルギー性気道炎症モデルにおいて、感作誘導中及びOVA曝露期の前に、抗マウスTSLP代替抗体(M702)の投与により、対照ラットIgG投与マウスと比較して気管支肺胞洗浄液中の細胞数及びメタコリン曝露に対する気道過敏性が抑制された。
- 製造販売会社
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