プロゲホルモン筋注用25mg

添付文書情報2022年02月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉重篤な肝障害・重篤な肝疾患のある患者〔9.3.1参照〕。
2.2. 〈効能共通〉妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[妊娠ヘルペスが再発するおそれがある]。
2.3. 〈無月経〉妊婦又は妊娠している可能性、〈月経困難症〉妊婦又は妊娠している可能性、〈機能性子宮出血〉妊婦又は妊娠している可能性、〈黄体機能不全による不妊症〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.4生殖能を有する者の項、9.5.1参照〕。
- 効能・効果
- 無月経、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産。
(効能又は効果に関連する注意)
〈切迫流早産、習慣性流早産〉本剤を妊娠維持の目的で投与する場合は、黄体機能不全によると考えられる流早産に留めること(また、妊娠状態が継続しているか否か確かめること)。
- 用法・用量
- プロゲステロンとして、通常成人1日10~50mgを1~2回に分けて筋肉内注射する。
- 生殖能を有する者
- 9.1.1. 心疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留や体液貯留により症状が増悪するおそれがある。
9.2.1. 腎疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留や体液貯留により症状が増悪するおそれがある。
9.3.1. 重篤な肝障害・重篤な肝疾患のある患者:投与しないこと(症状が増悪することがある)〔2.1参照〕。
〈無月経、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症〉生殖能を有する者:無月経、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症の場合、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断などにより、妊娠していないことを十分に確認すること〔2.3、9.5.1参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹等。
2). 肝臓:(頻度不明)AST上昇・ALT上昇等。
3). 電解質代謝:(頻度不明)ナトリウム貯留や体液貯留による浮腫、体重増加等。
4). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、下痢等。
5). 精神神経系:(頻度不明)頭痛、眠気、倦怠感等。
6). 投与部位:(頻度不明)疼痛、発赤、硬結等。
- 授乳婦
- 9.5.1. 〈無月経〉妊婦又は妊娠している可能性、〈月経困難症〉妊婦又は妊娠している可能性、〈機能性子宮出血〉妊婦又は妊娠している可能性、〈黄体機能不全による不妊症〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.3、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
9.5.2. 〈効能共通〉黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体ホルモン剤又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 筋肉内注射にのみ使用すること。
14.1.2. 筋肉内注射にあたっては組織・神経等への影響を避けるため、次の点に注意すること。
・ 神経走行部位を避けること。
注射針を刺入した時、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合には直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
・ 繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えること。
・ 注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
プロゲステロンを100mg注)含有する油性注射液を卵胞期の女性8人と閉経後の女性4人に筋注したところ、血中のプロゲステロン濃度は急速に上昇して、投与後4時間から8時間後に最高値(平均68ng/mL)を示し、以後漸減して48時間後までは持続するが、72時間後にはほとんど血中から消失した。
また、プロゲステロンを50mg、25mg、10mg筋注した場合も同様のパターンを示し、最高血中濃度はそれぞれ50ng/mL、28ng/mL、7ng/mLであった(外国人データ)。
注)本剤の承認された1回用量は、プロゲステロンとして50mgまでである。
18.1 作用機序
プロゲステロンは天然の黄体ホルモンで、妊娠の成立と維持をつかさどる。
18.2 子宮内膜に対する作用
プロゲステロンはエストロゲンにより肥厚増殖した子宮内膜に作用して、腺の拡張、分泌能の亢進、血管の新生拡張などのいわゆる分泌期を形成する。この状態で妊娠が成立しなければ、黄体機能の衰退に伴い、分泌期内膜の剥脱とともに月経が発来する。
18.3 子宮筋に対する作用
プロゲステロンは子宮筋の自発性収縮を抑制するとともに子宮筋のオキシトシン感受性を低下させ、絨毛血行を良好にして子宮の安静を保つ作用を有する。
18.4 妊娠維持作用
妊娠動物の黄体を剔除すると流産が惹起されることや、妊娠初期の卵巣剔除動物にプロゲステロンを投与すると妊娠が維持されることから、プロゲステロンは着床から胎児にいたる全過程で重要な役割を果たしていると考えられている(ウサギ、ラット)。
18.5 性中枢に対する作用
プロゲステロンが排卵を抑制することは古くから明らかにされており、妊娠時に排卵が起こらないのはプロゲステロンにより下垂体性ゴナドトロピンが抑制されることによると考えられている。一方、排卵前日にプロゲステロンを投与すると排卵が促進されることも認められており、プロゲステロンには投与時期により性中枢抑制作用と促進作用の相反する作用を有することが認められている(ウサギ、ラット、ニワトリ、サル)。
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- 持田製薬
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