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インスリン グラルギンBS注カート「リリー」

後発医薬品
販売名
インスリン グラルギンBS注カート「リリー」
薬価
300単位1筒 715.00円
製造メーカー
日本イーライリリー

添付文書情報2021年01月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
すい臓ホルモン剤
一般名
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)注射液(1)
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 低血糖症状を呈している患者〔11.1.1参照〕。
2.2. 本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
インスリン療法が適応となる糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
2型糖尿病においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
用法・用量
通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は朝食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する。なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
ただし、必要により前記用量を超えて使用することがある。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
7.2. 糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
7.3. 中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、次を参考に本剤の投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行うこと。
7.3.1. インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤に変更する場合:通常初期用量は、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量と同単位よりも低用量を目安として投与を開始する〔8.3参照〕。
7.3.2. インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合
・ インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の1日1回投与の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持続型インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
・ インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の1日2回投与の中間型インスリン製剤から本剤への切り替えに関しては、国内では使用経験がない。
7.4. インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は中間型インスリン製剤から本剤への切り替え直後に低血糖を起こすことがあるので、中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、併用している速効型インスリン製剤、超速効型インスリンアナログ製剤又は他の糖尿病用薬の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となることがあるので注意すること。
7.5. インスリン製剤以外の他の糖尿病用薬から本剤に変更する場合又はインスリン製剤以外の他の糖尿病用薬と本剤を併用する場合、投与にあたっては低用量から開始するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行うこと。
7.6. 本剤の作用は皮下に注射することにより、明らかなピークを示さず、ほぼ24時間持続する特徴を有することから、特に他のインスリン製剤からの切り替え時など、低血糖発現状態の変化に十分注意すること〔18.1参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の自己注射にあたっては、次の点に留意すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認したうえで、医師の管理指導の下で実施すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、必ず専用のインスリンペン型注入器の取扱説明書を読むよう指導すること。
8.2. 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること〔9.1.3、11.1.1参照〕。
8.3. インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時には、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量よりも低用量での切り替えを考慮するとともに、インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時及びその後しばらくの間は血糖モニタリングを慎重に行うこと(本剤とインスリン グラルギン300単位/mL製剤では薬物動態が異なる、インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時に低血糖の発現が増加した)〔7.3.1、11.1.1参照〕。
8.4. ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがあるので、経過を観察しながら慎重に投与すること。
8.5. 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性神経障害)があらわれることがあるので注意すること。
8.6. 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.7. 低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。
8.8. 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、次の点を患者に指導すること。
・ 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと〔14.1.2参照〕。
・ 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.9. 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがあるので、血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと(血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている)。
9.1.1. 手術、外傷、感染症等の患者:インスリン需要の変動が激しい。
9.1.2. 自律神経障害のある患者:低血糖の自覚症状が明確でないことがある。
9.1.3. 低血糖を起こしやすい次の患者又は状態。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 下痢、嘔吐等の胃腸障害。
・ 飢餓状態、不規則な食事摂取。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取。
〔8.2、11.1.1参照〕。
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(血糖降下作用が増強される)]。
2). モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する)]。
3). 三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある)]。
4). サリチル酸誘導体(アスピリン、エテンザミド)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有し、また、末梢で弱いインスリン様作用を有する)]。
5). 抗腫瘍剤(シクロホスファミド水和物)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある)]。
6). クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)、クロラムフェニコール[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序不明)]。
7). サルファ剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられており、腎機能低下、空腹状態遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる)]。
8). シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン分泌作用
を認めたとの報告がある)]。
9). フィブラート系薬剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する)]。
10). レセルピン[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
11). チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド)、ループ利尿剤(フロセミド)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(カリウム喪失が関与すると考えられており、カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある)]。
12). 副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン、トリアムシノロン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する)]。
13). ACTH(テトラコサクチド酢酸塩)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加し、糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する)]。
14). アドレナリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する)]。
15). グルカゴン、甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する)]。
16). 成長ホルモン(ソマトロピン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する)]。
17). 卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン)、経口避妊薬[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でインスリンの作用
に拮抗する)]。
18). ニコチン酸[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす)]。
19). 濃グリセリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する)]。
20). イソニアジド[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する)]。
21). ダナゾール[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン抵抗性を増強するおそれがある)]。
22). フェニトイン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン分泌抑制作用を有する)]。
23). ブセレリン酢酸塩[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、耐糖能を悪化させることがある)]。
24). フェノチアジン誘導体[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明であるが、動物実験(ラット)において、インスリン分泌が低下したとの報告がある)]。
25). 蛋白同化ステロイド(メスタノロン)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明)]。
26). ソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド酢酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある)]。
27). ペンタミジンイセチオン酸塩[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(膵臓のβ細胞に作用し、初期に低血糖、それに引き続いて高血糖を起こすことがある)]。
28). β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール、セリプロロール塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制し、また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性があり、また、インスリン感受性は薬剤により増強あるいは減弱することが報告されている)]。
29). 炭酸リチウム[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、インスリン分泌が減少したとの報告、逆に低血糖が発現したとの報告がある)]。
30). クロニジン[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、血糖値が低下したとの報告、逆に血糖値を上昇させたとの報告があり、また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(0.7%):脱力感、倦怠感、高度空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。低血糖が無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与中あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。
α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時に低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。低血糖症状が認められ経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので持続的に観察すること〔2.1、8.2、8.3、8.7、9.1.3、9.2.1、9.3.1、9.8高齢者の項、10.2参照〕。
11.1.2. ショック、アナフィラキシー(頻度不明):全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒感。
2). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇等)。
3). 眼:(0.1~5%未満)糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪。
4). 注射部位:(0.1~5%未満)浮腫、疼痛、そう痒感、硬結、(頻度不明)発赤、蕁麻疹、腫脹、炎症、リポジストロフィー(皮下脂肪萎縮・皮下脂肪肥厚等)、皮膚アミロイドーシス。
5). その他:(頻度不明)ナトリウム貯留、浮腫。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい)〔11.1.1参照〕。
授乳婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること(通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する)。
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること(インスリンの需要量が変化しやすい)。
小児等
定期的に検査を行うなどして投与すること(成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化する)。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤のカートリッジにインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤と混合してはならない。
14.1.2. 皮下注射は、腹部、大腿部、上腕部、臀部等に行うが、同一部位内で投与する場合は前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること〔8.8参照〕。
14.1.3. 静脈内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
14.1.4. 1本を複数の患者に使用しないこと。
14.1.5. 本剤は必ず弊社専用のインスリンペン型注入器を用いて使用する(他の注入器を用いて使用してはならない)。
20.1. 本剤は無色澄明な液剤である。液中に塊が見られた場合は使用しないこと。
20.2. 薬剤保存時の注意20.2.1. 凍結を避け、遮光して2~8℃で冷蔵保存すること。
20.2.2. 使用開始後は、30℃以下で保存し、28日以内に使用すること。
20.2.3. 本剤をインスリンペン型注入器に装着したまま冷蔵庫に保存しないこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖を起こしやすいとの報告がある。
15.1.2. ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されているので、併用
する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。

16.1 血中濃度
〈本剤〉
16.1.1 血清中インスリン濃度(C‐ペプチド補正)
24時間正常血糖クランプ法実施下で、健康成人に本剤又は標準製剤0.5単位/kg注8)を単回皮下投与したときの血清中インスリン濃度(C‐ペプチド補正)の結果を次に示す。薬物動態パラメータ(AUC0-24及びCmax)について、本剤の標準製剤に対する最小二乗幾何平均値の比の90%信頼区間は80~125%の範囲内であり、両剤の同等性が確認された(外国人データ)。
図1)本剤又は標準製剤0.5単位/kgの単回皮下投与後の血清中インスリン濃度(C‐ペプチド補正)推移(4期クロスオーバー法)

表1)本剤又は標準製剤0.5単位/kgの単回皮下投与後の薬物動態パラメータ(4期クロスオーバー法)
→図表を見る(PDF)

〈ランタス注〉
16.1.2 反復投与
1型糖尿病患者15例に各患者の至適用量(平均24単位)を11日間、腹部に反復皮下投与したとき、ランタス注を用いて補正した血清中遊離インスリン濃度推移からランタス注の蓄積性は認められなかった(外国人データ)。
16.8 その他
〈本剤〉
16.8.1 血糖降下作用
24時間正常血糖クランプ法実施下で、健康成人に本剤又は標準製剤0.5単位/kg注8)を単回皮下投与したときの血糖降下作用(最大グルコース注入率及び累積グルコース注入量)の結果を次に示す。最大グルコース注入率及び累積グルコース注入量について、本剤の標準製剤に対する最小二乗幾何平均値の比の95%信頼区間は80~125%の範囲内であり、両剤の同等性が確認された(外国人データ)。
図2)本剤又は標準製剤0.5単位/kgの単回皮下投与後のグルコース注入率の推移(4期クロスオーバー法)

表2)本剤又は標準製剤0.5単位/kgの単回皮下投与後の最大グルコース注入率及び累積グルコース注入量(4期クロスオーバー法)
→図表を見る(PDF)

注8)本剤の承認された用量は、「通常、成人では、初期は1日1回4~20単位皮下注射する」である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈本剤〉
17.1.1 国際共同第III相試験(1型糖尿病試験成績)
成人1型糖尿病患者を対象としたインスリンリスプロ1日3回食前皮下投与併用時における本剤と標準製剤1日1回皮下投与を比較する、無作為化、非盲検、第III相国際共同試験[本剤群269例(日本人49例)、標準製剤群267例(日本人51例)]を実施した。主要評価項目である24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)の群間差(本剤群-標準製剤群)は0.108%(95%信頼区間:-0.002~0.219%)注1)であり、本剤は標準製剤に対して非劣性であることが示された(非劣性マージン:0.4%)。
さらに、52週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)の群間差(本剤群-標準製剤群)は0.020%(95%信頼区間:-0.099~0.140%)注1)であり、24週時と同様の結果が得られた。
また、本剤群と標準製剤群間で抗体価は類似しており、抗体価とHbA1c、インスリン投与量、低血糖の発生率及び頻度との間には関連がなかった。
副作用発現頻度は、本剤投与群で6.3%(17/268例)であった。主な副作用は、低血糖3.7%(10/268例)及び注射部位反応0.7%(2/268例)であった。
注1)実施国、投与群、基礎インスリン投与時間(日中、夕方/就寝前)、ベースライン値を説明変数とした共分散分析モデル
図1)HbA1cの変化量の推移

〈ランタス注〉
17.1.2 国内第II/III相試験
(1)1型糖尿病試験成績
1型糖尿病試験(1日4回頻回注射法、就寝前投与、28週間:速効型インスリン製剤との併用)はランタス注群:128例、NPHヒトインスリン群:130例を対象に行われた。ランタス注はNPHヒトインスリンと比べHbA1c値(JDS値)の変化度において非劣性であることが検証された(p<0.0001)。また、ランタス注はNPHヒトインスリンと比べFBG値を有意に低下させた。1日血糖プロファイルでは、ランタス注は投与開始時に比べ28週時で朝食前、夕食前及び夕食後の血糖値を有意に低下させた。症候性低血糖の発現率は投与期間全体では両群間で差はなかった。夜間低血糖はランタス注群で発現件数が少ない傾向を示した。有害事象、重症低血糖及び抗体産生において群間に有意差は認められなかった。副作用の発現率は、ランタス注群10.1%(14/138例)であり、主な副作用は、低血糖及び糖尿病性網膜症がそれぞれ1.4%(2/138例)であった。
→図表を見る(PDF)

(2)2型糖尿病試験成績
2型糖尿病試験(1日1回朝食前投与、28週間:スルホニルウレア剤、α‐グルコシダーゼ阻害剤及びビグアナイド剤との併用)はランタス注群:141例、NPHヒトインスリン群:134例を対象に行われた。ランタス注はNPHヒトインスリンと比べHbA1c値(JDS値)の変化度において非劣性であることが検証された(p<0.0001)。ランタス注はNPHヒトインスリンと比べFPG及びFBG値を有意に低下させ、朝食前投与でも翌日の朝食前血糖値を低下させた。食事の時間帯で両群とも症候性低血糖の発現がみられ、11時から13時においてはランタス注群に比べてNPH群で多くみられた。症候性低血糖、夜間低血糖及び重症低血糖の発現率に両群間で差は認められなかった(p=0.8056、p=0.3363、p=0.4985)。また、因果関係が否定できない有害事象において両薬剤間で差はなかった。副作用の発現率は、ランタス注群7.0%(11/158例)であり、主な副作用は、糖尿病性網膜症が2.5%(4/158例)であった。投与28週間後に両薬剤群で抗体上昇が一部で認められたが、臨床症状・検査値には関連する所見はなかった。
17.2 製造販売後調査等
〈ランタス注〉
17.2.1 海外市販後臨床試験(小児1型糖尿病)
1~5歳注3)の1型糖尿病患者125例を対象として行われた臨床試験(NPHヒトインスリン対照、24週間投与)において、主要評価項目を低血糖発現率として検討した結果、ランタス注はNPHヒトインスリンに対し、低血糖発現率に関して非劣性は確認できなかった(非劣性限界値:1.15)。平均1日血中グルコース及びHbA1cの変化量は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

治験薬投与後の有害事象は、ランタス注群64.5%(40/62例)、NPHヒトインスリン群68.3%(43/63例)であった。
注3)ランタス注群において、評価対象症例は2歳以上であった。

18.1 作用機序
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]は、中性のpH領域で低い溶解性を示すように設計されたヒトインスリンアナログである。インスリン グラルギン(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]の注射剤である本剤は酸性(約pH4)の無色澄明な溶液であるが、皮下に投与すると中和され微細な沈殿物を形成する。この沈殿物からインスリン グラルギン(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]が緩徐に放出されることから、その血中濃度推移はなめらかで明らかなピークを示さず予測可能であり、作用がほぼ24時間持続する。
インスリン及びインスリン グラルギン(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]を含むそのアナログの主要な活性は、グルコース代謝の調節にある。インスリン及びそのアナログは、末梢におけるグルコースの取り込み、特に骨格筋及び脂肪による取り込みを促進し、また肝におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。更に、蛋白分解を阻害し、蛋白合成を促進するとともに、脂肪細胞における脂肪分解を阻害する。インスリン グラルギン(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]は、インスリン受容体に対してインスリンと同程度の結合親和性を示し、インスリン受容体を介してインスリンと同様の作用を示すと考えられる。[7.6参照]
18.2 受容体結合親和性
In vitroにおけるインスリン受容体及びIGF‐1受容体に対する結合親和性は、インスリン グラルギン(遺伝子組換え)と同程度であった。

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