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ソマチュリン皮下注60mg

販売名
ソマチュリン皮下注60mg
薬価
60mg1筒 173149.00円
製造メーカー
帝人ファーマ

添付文書情報2020年12月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
一般名
ランレオチド酢酸塩キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). 次記疾患における成長ホルモン分泌過剰状態、IGF-1分泌過剰状態(ソマトメジン-C分泌過剰状態)及び諸症状の改善:先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)。
2). 甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
5.2. 〈甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉治療の際は、まず外科的処置を考慮すること(本剤は、外科的処置の施行が困難な患者、外科的処置で効果が不十分な患者又は周術期のリスク低減のため術前に甲状腺機能の改善を図る必要がある患者に使用すること)。
用法・用量
通常、成人にはランレオチドとして90mgを4週毎に3ヵ月間、深部皮下に注射する。その後は患者の病態に応じて60mg、90mg又は120mgを4週毎に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉注射部位は原則として臀部の上部外側とすること。
投与の際は、深部皮下への投与となるよう注射針を皮膚面に垂直に根元又は許容される深さまで素早く刺すこと。投与毎に注射部位を左右交互に変え、同一部位へ連続して注射しないよう、局所を十分観察して投与すること〔14.2.2-14.2.4参照〕。
7.2. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉用量は120mgを上限とし、成長ホルモン濃度、IGF-1濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、先端巨大症・下垂体性巨人症の場合、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
7.3. 〈甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉用量は120mgを上限とし、甲状腺刺激ホルモン濃度、甲状腺ホルモン濃度及び臨床症状により、30mg単位で適宜増減できる。なお、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍の場合、120mgまで増量しても、改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
7.4. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉中等度から重度肝機能障害又は中等度から重度腎機能障害のある患者では、60mgを開始用量として4週毎に3ヵ月間、深部に皮下投与した後、120mgを上限として30mg単位で適宜増減すること〔9.2.1、9.3.1、16.6.1、16.6.2参照〕。
7.5. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉本剤60mg又は90mgにて良好で安定した状態を示す患者には、本剤120mgに用量変更し、投与間隔をそれぞれ8週毎又は6週毎に延長できる場合があるが、延長する際には患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉本剤の投与中はインスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等のバランスが変化することにより、一過性低血糖又は一過性高血糖を伴うことがあるので、投与開始時及び投与量を変更する場合は患者を十分に観察すること。
8.2. 〈効能共通〉本剤の投与により徐脈があらわれることがあるので、特に心疾患を有する患者では、本剤の投与開始時に患者の状態を十分に観察すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.3. 〈効能共通〉本剤の投与中に甲状腺機能低下を伴うことがあるので、甲状腺関連所見が認められた場合には甲状腺機能検査を行うこと。
8.4. 〈効能共通〉本剤の投与により胆石の形成又は胆石症悪化(急性胆嚢炎、膵炎)が報告されているので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に(6~12ヵ月毎に)超音波、X線による胆嚢及び胆管検査を受けることが望ましい。
8.5. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉下垂体腺腫は進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分観察すること(腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと)。
8.6. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉成長ホルモン及びIGF-1(ソマトメジン-C)を定期的に測定することが望ましい。
8.7. 〈甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉甲状腺刺激ホルモン濃度及び甲状腺ホルモン濃度を定期的に測定することが望ましい。
9.1.1. 心疾患を有する患者:本剤の投与開始時に患者の状態を十分に観察すること(本剤の投与により徐脈があらわれることがある)〔8.2、11.1.1参照〕。
9.2.1. 中等度から重度腎機能障害のある患者〔7.4、16.6.1参照〕。
9.3.1. 中等度から重度肝機能障害のある患者〔7.4、16.6.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). シクロスポリン<経口剤>〔16.7.1参照〕[シクロスポリンの血中濃度が低下することがある(本剤がシクロスポリンの消化管吸収を阻害するため)]。
2). インスリン製剤及び血糖降下薬[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある)]。
3). ブロモクリプチン[ブロモクリプチンのAUCが上昇したとのオクトレオチド<類薬>の報告がある(機序は不明である)]。
4). CYP3A4で代謝される薬剤(キニジン等)[主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させることがある(本剤が成長ホルモンの産生を抑制することにより、CYP3A4で代謝される薬剤のクリアランスを低下させる可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 徐脈(3.7%):徐脈が認められた場合、β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者では、必要に応じてこれらの用量を調節すること〔8.2、9.1.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(5%未満)貧血。
2). 胃腸:(5%以上)下痢、白色便、腹痛、腹部膨満、鼓腸、悪心、(5%未満)腹部不快感、嘔吐、便秘、硬便、血中アミラーゼ増加、消化不良、膵炎、(頻度不明)脂肪便、膵酵素減少。
3). 全身:(5%以上)倦怠感、(5%未満)異常感、疲労、発熱。
4). 肝・胆道系:(5%以上)胆石症、(5%未満)AST増加、ALT増加、血中ビリルビン増加、ALP増加、γ-GTP増加、(頻度不明)胆管拡張、AST異常、ALT異常、血中ビリルビン異常、胆管炎。
5). 皮膚・皮下組織:(5%以上)脱毛、(5%未満)発疹、蕁麻疹、紅斑。
6). 筋・骨格系:(頻度不明)筋骨格痛、筋肉痛。
7). 精神・神経系:(5%未満)頭痛、傾眠、浮動性めまい、(頻度不明)不眠、嗜眠。
8). 内分泌系:(5%未満)TSH減少、プロラクチン減少。
9). 代謝・栄養障害:(5%未満)ヘモグロビンA1c増加、耐糖能異常、低血糖、血中ブドウ糖増加、血中ブドウ糖減少、糖尿病、コントロール不良の糖尿病、高血糖、食欲減退。
10). 注射部位:(5%以上)硬結、疼痛、そう痒感、(5%未満)紅斑、(頻度不明)腫瘤、結節、膿瘍。
11). その他:(5%未満)体重減少、高血圧、(頻度不明)ほてり、血中ナトリウム減少。
高齢者
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で、本薬0.45mg/kg/日を胎仔の器官形成期に13日間反復投与した場合、胚死亡率増加・胎仔死亡率増加が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 投与前(30分程度)に冷蔵庫より取り出し、室温に戻すこと。
14.1.2. 投与直前にラミネート包装を開封すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 深部皮下に投与し、静脈内には投与しないこと。
14.2.2. 神経走行部位及び血管内への注射を避け、原則として臀部の上部外側の深部皮下に投与すること〔7.1参照〕。
14.2.3. 投与毎に注射部位を左右交互に変え、同一部位へ連続して注射しないよう、局所を十分観察して投与すること〔7.1参照〕。
14.2.4. 注射針を皮膚面に垂直に根元又は許容される深さまで素早く刺し、プランジャーをゆっくりと20秒程度かけて最後まで押し切ること〔7.1参照〕。
14.2.5. プランジャーの先端がシリンジの端まで到達していることを目視で確認すること。
14.2.6. 注射針を刺した状態で針刺し事故防止装置が働かないよう、プランジャーを押したまま注射部位より注射針を抜き取り、その後プランジャーを押す力を緩めること。
14.2.7. 注射部位をもまないように患者に指導すること。
20.1. 冷蔵(2~8℃)で、ラミネート包装のまま保存すること。
20.2. 本剤は滅菌済みであるため、使用直前までラミネート包装を開封しないこと。また、ラミネート包装から取り出した後は速やかに使用すること。
20.3. ラミネート包装が開封、または破損している場合、あるいはシリンジにひび・破損等の異常が認められるときは使用しないこと。
20.4. 落としたり衝撃を与えたりしないこと(破損及び不具合の原因となることがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報本剤を反復投与した患者に抗ランレオチド抗体が出現することがある。なお、抗体に起因すると考えられる特異的な副作用は認められていない。
15.2. 非臨床試験に基づく情報マウス及びラットを用いた1日1回皮下投与による2年間のがん原性試験において、投与部位<皮下>に限局した腫瘍性変化が認められている。一方、ランレオチド製剤による臨床試験において、投与部位での腫瘍発生は報告されていない。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回皮下投与
健康成人男性18例に本剤30注)又は60mgを単回皮下投与したときの血清中ランレオチド濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
(投与後84日までの図)

(投与後3日までの拡大図)

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16.1.2 反復皮下投与
〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉
先端巨大症又は下垂体性巨人症患者23例に本剤60、90又は120mgを4週毎に12週反復皮下投与したとき、血清中ランレオチド濃度は反復投与4回目でほぼ定常状態に達し、反復投与4回目の薬物動態パラメータは次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

〈甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉
甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍患者13例に本剤90mgを4週毎に反復皮下投与したとき、血清中ランレオチドのトラフ濃度の平均±標準偏差は、初回投与で1.43±0.95ng/mL(13例)、反復投与4回目で2.43±1.05ng/mL(7例)であった。
〈膵・消化管神経内分泌腫瘍〉
神経内分泌腫瘍患者28例に本剤120mgを4週毎に反復皮下投与したとき、血清中ランレオチドのトラフ濃度は反復投与3回目でほぼ定常状態に達し、その平均±標準偏差は5.32±3.31ng/mL(27例)であった。
16.1.3 定速静脈内投与
健康成人27例にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速静脈内投与注)したとき、全身クリアランスは0.38L/h/kg、定常状態分布容積は0.23L/kg、半減期は1.14時間であった。
16.3 分布
ランレオチド(12~60ng/mL添加時)のヒト血清蛋白結合率は78.6~82.6%であった(in vitro試験)。
16.4 代謝
ランレオチドはラット肝臓及び腎臓ホモジネートで代謝された(in vitro試験)。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人27例にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速静脈内投与注)したとき、未変化体の尿中排泄率は4%未満であった。
16.5.2 胆管カニューレされたSD系ラットへ14C‐ランレオチドを単回静脈内投与した結果、投与放射能の61%が胆汁中へ排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度の慢性腎不全患者(12例)にランレオチド酢酸塩7μg/kgを単回静脈内投与注)したとき、健康成人(12例)に対しAUCinfは1.8倍に上昇し、t1/2が1.8倍に延長し、全身クリアランスは43%低かった(外国人データ)。[7.4、9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
アジア人の肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B及びCの患者8例)にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速単回静脈内投与注)したとき、健康成人(12例)に対しCmaxは有意な差はみられなかったが、AUCinfは1.4倍に上昇し、t1/2は3.0倍に延長し、全身クリアランスは31%低かった(外国人データ)。[7.4、9.3.1参照]
16.6.3 高齢者
健康高齢者(65~80歳、12例)にランレオチド酢酸塩7μg/kgを20分間定速単回静脈内投与注)したとき、非高齢者(13例)に対しt1/2は1.9倍に延長したが、Cmax、AUCinf及び全身クリアランスは非高齢者と同程度であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 シクロスポリン
健康成人24例に本剤を単回皮下投与し、投与14日後にシクロスポリン300mgを12例に単回経口投与したとき、シクロスポリンの相対的バイオアベイラビリティは19%低下した(外国人データ)。[10.2参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、「先端巨大症・下垂体性巨人症」及び「甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍」では60mg、90mg又は120mgを、「膵・消化管神経内分泌腫瘍」では120mgを、4週毎に深部皮下に注射するとされている。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉
17.1.1 国内第II相試験
活動性の先端巨大症患者29例及び下垂体性巨人症患者3例による無作為化非盲検並行群間用量反応試験において、本剤60、90又は120mgを単回投与し、その8週後から4週毎に4回反復投与したときの4週後の結果は、次表のとおりであった。
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全投与期間を通じて副作用は、32例中27例(84.4%)に認められた。発現率が10%以上の副作用は、注射部位硬結17例(53.1%)、白色便13例(40.6%)、下痢10例(31.3%)、注射部位疼痛5例(15.6%)、胆石症5例(15.6%)、腹部膨満4例(12.5%)、腹痛4例(12.5%)であった。
17.1.2 国内第III相試験
活動性の先端巨大症患者30例及び下垂体性巨人症患者2例による非盲検長期投与試験において、本剤90mgを4週毎に4回投与した後、投与開始12週後及び28週後での血清成長ホルモン(GH)濃度、血清IGF‐I濃度及び臨床症状に基づく用量調節基準注1)に従って、投与開始16週後から本剤60、90又は120mgを4週毎に投与したときの結果は、次表のとおりであった。
注1)平均血清GH濃度が1μg/L未満かつ血清IGF‐I濃度が年齢・性別基準範囲内かつ臨床的活動性を示す症候がない場合は、用量を維持した。これらの条件を1つでも満たさない場合は、用量を増量した。なお、血清IGF‐I濃度が年齢・性別基準範囲の下限を下回った場合、又は臨床上問題となる副作用が発現し、医師が減量すべきと判断した場合は、時期によらず用量を1段階減量した。
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全投与期間を通じて副作用は、32例中28例(87.5%)に認められた。発現率が10%以上の副作用は、下痢17例(53.1%)、注射部位硬結11例(34.4%)、胆石症11例(34.4%)、白色便10例(31.3%)、脱毛症5例(15.6%)、注射部位そう痒感4例(12.5%)、注射部位疼痛4例(12.5%)であった。
〈甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍〉
17.1.3 国内第III相試験
甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生下垂体腫瘍患者13例(うち術前投与患者注2)6例、長期投与患者注3)7例)による国内第III相非盲検非対照試験において、本剤90mgを4週毎に4回投与した後、血中遊離サイロキシン(FT4)濃度及び臨床症状に基づく用量調節基準注4)に従って、投与開始16週後から本剤60、90又は120mgを4週毎に投与した。血中TSH濃度、血中遊離トリヨードサイロニン(FT3)濃度及び血中FT4濃度の中央値は次表のとおりであった。
注2)投与開始24週以内にTSH産生下垂体腫瘍の摘出術を施行するため本剤の投与を終了した患者
注3)術前投与患者に該当しない患者
注4)血中FT4濃度が基準値上限を超えている場合又は甲状腺中毒症の臨床症状を認める場合は、用量を1段階増量した。臨床上問題となる副作用が発現し、医師が減量すべきと判断した場合は、用量を1段階減量した。これらの条件に該当しない場合は、用量を維持した。
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副作用は、安全性評価対象13例中12例(92.3%)に認められた。発現率が10%以上の副作用は、下痢10例(76.9%)、白色便5例(38.5%)、胆石症及び注射部位硬結各3例(23.1%)、頭痛、軟便、注射部位そう痒感、倦怠感、及びグリコヘモグロビン増加各2例(15.4%)であった。
〈膵・消化管神経内分泌腫瘍〉
17.1.4 国内第II相試験
切除不能又は遠隔転移を有する神経内分泌腫瘍患者28例による国内第II相非盲検試験において、本剤120mgを4週毎に投与した結果、奏効例注5)は認められなかったが、継続試験において奏効例が1/17例に認められた。
副作用は、国内第II相非盲検試験において安全性評価対象32例中27例(84.4%)に認められた。発現率が10%以上の副作用は、注射部位硬結9例(28.1%)、白色便6例(18.8%)、鼓腸4例(12.5%)であった。継続試験においては17例中15例(88.2%)に認められた。発現率が10%以上の副作用は、白色便5例(29.4%)、注射部位硬結4例(23.5%)、糖尿病4例(23.5%)、鼓腸3例(17.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、腹部膨満、腹痛、下痢、注射部位疼痛及び倦怠感が各2例(11.8%)であった。[5.3参照]
注5)完全奏効又は部分奏効の症例
17.1.5 海外第III相試験
切除不能又は遠隔転移を有する無症候性の膵・消化管神経内分泌腫瘍患者204例による海外第III相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験において、本剤120mgを4週毎に96週間投与した結果、無増悪生存期間(PFS)の中央値は本剤群で96週を超え、プラセボ群で72週(95%信頼区間:48.6-96.0)であり、プラセボ群と比較し本剤群で有意なPFSの延長が認められた(ハザード比0.47、95%信頼区間0.30-0.73;層別ログランク検定p=0.0002)。
図 無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

本剤120mg群の副作用は、101例中50例(49.5%)に認められた。発現率が10%以上の副作用は、下痢26例(25.7%)、腹痛14例(13.9%)であった。[5.3参照]

18.1 作用機序
ソマトスタチンは、下垂体前葉において5種類のヒトソマトスタチン受容体(hsst)サブタイプのうち主に2型(hsst2)及び5型(hsst5)との結合を介して、成長ホルモン分泌を抑制することが知られている。ソマトスタチンの類縁体であるランレオチド(酢酸塩)はhsst2及びhsst5に対して高い結合親和性を示した。
18.2 血清成長ホルモン(GH)濃度低下作用
ラットにおいて、ランレオチド(酢酸塩)の単回皮下投与により血清GH濃度が低下した。
18.3 甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度低下作用
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)刺激により血漿中TSH濃度を上昇させたラットにおいて、ランレオチド(酢酸塩)の単回皮下投与により血漿中TSH濃度が低下した。
18.4 腫瘍増殖抑制作用
ヒト膵癌由来MIA PaCa‐2細胞株及び結腸・直腸癌由来COLO320DM細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、ランレオチド(酢酸塩)は腫瘍増殖抑制作用を示した。

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