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トルリシティ皮下注0.75mgアテオス

販売名
トルリシティ皮下注0.75mgアテオス
薬価
0.75mg0.5mL1キット 2749.00円
製造メーカー
日本イーライリリー

添付文書情報2023年02月改定(第5版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
一般名
デュラグルチド(遺伝子組換え)キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない]。
2.3. 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない]。
効能・効果
2型糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤の適用は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
用法・用量
通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
7.2. 投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば気づいた時点で直ちに投与しその後はあらかじめ定めた曜日に投与、3日間(72時間)未満であれば投与せず次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤はインスリンの代替薬ではないため、本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること(類薬において、インスリン依存状態の患者で、インスリンからGLP-1受容体作動薬に切り替え、急激な高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシスが発現した症例が報告されている)。
8.2. 投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3~4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
8.3. 本剤は持続性製剤であり、本剤中止後も効果が持続する可能性があるため、血糖値の変動や副作用予防、副作用発現時の処置について十分留意すること〔16.1参照〕。
8.4. 本剤の使用にあたっては、患者に対し、低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔9.1.3、11.1.1参照〕。
8.5. 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること〔11.1.1参照〕。
8.6. 急性膵炎が発現することがあるので、急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること〔9.1.2、11.1.3参照〕。
8.7. 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、慎重に対応すること〔9.1.2、11.1.3参照〕。
8.8. 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること〔11.1.6参照〕。
8.9. 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、甲状腺関連の異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導すること〔15.2参照〕。
8.10. 本剤の自己注射にあたっては、患者に十分な教育訓練を実施した後、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもと実施すること。また、本剤の自己注射にあたっては、器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。本剤の自己注射にあたっては、添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
8.11. 本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用
を有しており、本剤とDPP-4阻害剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
9.1.1. 重症胃不全麻痺等の重度胃腸障害のある患者:使用経験がなく、胃腸障害の症状が悪化するおそれがある。
9.1.2. 膵炎の既往歴のある患者〔8.6、8.7、11.1.3参照〕。
9.1.3. 低血糖を起こすおそれがある次の患者又は状態。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取。
〔8.4、11.1.1参照〕。
9.1.4. 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者:腸閉塞を起こすおそれがある〔11.1.4参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、インスリン製剤、SGLT2阻害剤等)〔11.1.1参照〕[低血糖の発現に注意すること(血糖降下作用が増強される)。特にスルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する場合、低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること(血糖降下作用が増強される)]。
2). 血糖降下作用が増強される薬剤(β-遮断剤、モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤等)〔11.1.1参照〕[血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(血糖降下作用が増強される)]。
3). 血糖降下作用が減弱される薬剤(アドレナリン、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモン等)[血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(血糖降下作用が減弱される)]。
4). クマリン系薬剤<経口>(ワルファリンカリウム<経口>)〔16.7参照〕[ワルファリンのtmaxが4~5.5時間遅延したとの報告があり、類薬<エキセナチド>で出血を伴うINR増加が報告されている(本剤の胃内容物排出遅延作用による)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(頻度不明):低血糖症状(脱力感、高度空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常等)があらわれることがある。また、DPP-4阻害剤で、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合は、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時に低血糖症状が認められた場合は、ブドウ糖を投与すること〔8.4、8.5、9.1.3、10.2、17.1.1-17.1.4、17.2.1参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー、血管浮腫(頻度不明):蕁麻疹、口唇腫脹、咽頭浮腫・喉頭浮腫、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 急性膵炎(0.1%):嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、膵炎と診断された場合には、本剤を再投与しないこと〔8.6、8.7、9.1.2参照〕。
11.1.4. 腸閉塞(頻度不明):高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.4参照〕。
11.1.5. 重度の下痢、嘔吐(頻度不明):重度下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至った例も報告されている。
11.1.6. 胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)〔8.8参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(1%未満)心拍数増加[心拍数の増加が持続的にみられた場合には患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと]、(頻度不明)洞性頻脈、*PR間隔延長/*第一度房室ブロック[*:房室ブロックを有する患者等に投与する場合には、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと]。
2). 消化器:(5%以上)便秘、悪心、下痢、(1~5%未満)食欲減退、消化不良、嘔吐、腹部不快感、腹痛、腹部膨満、(1%未満)胃食道逆流性疾患、おくび、胃炎。
3). 肝胆道:(頻度不明)胆石症。
4). 注射部位:(1~5%未満)注射部位反応(紅斑、炎症、そう痒感、腫脹、発疹等)。
5). 過敏症:(1%未満)過敏症反応(浮腫、蕁麻疹等)。
6). その他:(1%未満)疲労。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)〔16.6.3参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与しないで、インスリン製剤を使用
すること(妊娠ラット又はウサギに本剤(ヒトに週1回本剤0.75mgを皮下投与した場合の血漿中曝露量の71又は21倍以上)を投与した場合、母動物摂餌量減少及び母動物体重低下に起因した胎仔発育遅延や胎仔骨格への影響が認められ、妊娠及び授乳期のラットに本剤(ヒトに週1回本剤0.75mgを皮下投与した場合の血漿中曝露量の27倍)を投与した場合、雌出生仔記憶障害が認められたが、新生仔ラットに本剤(ヒトに週1回本剤0.75mgを皮下投与した場合の血漿中曝露量の149倍)を投与した場合、記憶障害は認められなかった)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤の乳汁中への移行は不明である)。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与前の注意注入器の破損又は異常がないこと、薬液が無色澄明で浮遊物がないことを確認すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮下注射は腹部・大腿部又は上腕部に行う。同じ部位の中で注射する場合、毎回注射する場所を変更すること。
14.2.2. 本剤は希釈せずに皮下投与すること。静脈内及び筋肉内に投与しないこと。
20.1. 凍結を避け、2~8℃で遮光保存すること。凍結した場合は、使用しないこと。
20.2. 室温で保存する場合は、14日以内に使用すること。室温で保存する際には、遮光にて保存し、また30℃を超える場所で保存しないこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報国内第3相臨床試験における抗デュラグルチド抗体発現割合は1.4%(13/910例)であった。
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットを用いた長期がん原性試験において、甲状腺C細胞腺腫及び甲状腺C細胞腫瘍(腺腫及び癌の合算)の発生頻度の増加が認められた(ヒトに週1回本剤0.75mgを皮下投与した場合の血漿中曝露量の12倍以上)。rasH2トランスジェニックマウスを用
いた短期がん原性試験では、腫瘍の発生は認められなかった。
甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌又は多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある患者に対する本剤の安全性は確立していない〔8.9参照〕。

16.1 血中濃度
日本人2型糖尿病患者24例に本剤0.75mgを週1回反復皮下投与したとき、1回目及び5回目投与後の薬物動態を評価した。デュラグルチドの半減期(t1/2)は4.5日(108時間)であり、投与5回目におけるAUC0-168hrの累積係数は1.45であった。
薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を次に示す。
→図表を見る(PDF)

図1)日本人2型糖尿病患者に本剤0.75mgを週1回反復皮下投与したときの1回目及び5回目投与後の血漿中デュラグルチド濃度推移(平均値+標準偏差)

日本人2型糖尿病患者14例に本剤1注10)又は1.5mg注10)を週1回5週間反復皮下投与した試験で、血漿中デュラグルチド濃度は本剤2回目投与後に定常状態に到達した。[8.3参照]
16.2 吸収
健康成人45例に3つの異なる投与部位(腹部、上腕部及び大腿部)に本剤1.5mg注10)を単回皮下投与したとき、腹部投与に対する相対的バイオアベイラビリティ[AUC0-∞比(90%信頼区間)]は、上腕部で0.973(0.941、1.01)、大腿部で0.989(0.956、1.02)であった(外国人データ)。
健康成人に本剤0.75mgを単回皮下投与したときの絶対的バイオアベイラビリティの推定値は65%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
本剤は、一般的なタンパク異化経路によってアミノ酸に分解されると推定される。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常被験者(クレアチニンクリアランス>80mL/min)16例、軽度腎機能障害患者(50<クレアチニンクリアランス≦80mL/min)8例、中等度腎機能障害患者(30≦クレアチニンクリアランス≦50mL/min)8例、高度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス<30mL/min)8例及び血液透析を受けている末期腎疾患患者(3ヵ月以上血液透析を受けている)8例に本剤1.5mg注10)を単回皮下投与した試験において、腎機能正常被験者に対する軽度、中等度及び高度腎機能障害患者、血液透析を受けている末期腎疾患患者の本剤のAUC0-∞の比(90%信頼区間)は、それぞれ1.20(1.06、1.35)、1.28(1.13、1.44)、1.14(1.00、1.29)及び1.12(0.995、1.26)であった。また、Cmaxの比(90%信頼区間)は、それぞれ1.13(0.963、1.31)、1.23(1.05、1.43)、1.20(1.02、1.40)及び1.11(0.950、1.30)であった(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
肝機能正常被験者11例、軽度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類A)6例、中等度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B)6例、高度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類C)3例に本剤1.5mg注10)を単回皮下投与した試験において、肝機能正常被験者に対する軽度、中等度及び高度肝機能障害患者の本剤のAUC0-∞の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.774(0.649、0.922)、0.669(0.556、0.805)及び0.791(0.632、0.989)であった。また、Cmaxの比(90%信頼区間)は、それぞれ0.791(0.654、0.957)、0.703(0.582、0.849)及び0.761(0.597、0.971)であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
高齢2型糖尿病患者(29例、65~76歳)に本剤0.5注10)、0.75又は1.5mg注10)を週1回6週間反復皮下投与した試験を行った(外国人データ)。
高齢2型糖尿病患者に本剤0.75mgを投与したときのデュラグルチドの薬物動態パラメータを次に示す(外国人データ)。
→図表を見る(PDF)

母集団薬物動態解析(2型糖尿病患者487例、うち日本人152例)において、65歳未満及び65歳以上の患者の薬物動態の間に大きな違いは認められないものと推定された。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
本剤とアセトアミノフェン、リシノプリル、メトプロロール、ワルファリン、メトホルミン、ジゴキシン、アトルバスタチン、経口避妊薬及びシタグリプチンを併用した薬物相互作用試験の結果を次表に示す(外国人データ)。
→図表を見る(PDF)

注10)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。」である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相プラセボ対照二重盲検用量反応試験
食事・運動療法、又は食事・運動療法に加え経口血糖降下薬単剤投与(試験開始前にウォッシュアウト)にて治療中の2型糖尿病患者145例を対象に、本剤0.25注1)、0.5注1)、0.75mg又はプラセボを週1回(二重盲検)12週間皮下投与した。主要評価項目のベースラインから投与12週時までのHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤0.25mg注1)群-0.90±0.09%、本剤0.5mg注1)群-1.15±0.08%、本剤0.75mg群-1.35±0.09%、プラセボ群-0.18±0.09%であり、本剤0.75mg群でより低下した(p<0.001、t検定)。
投与12週時までの副作用発現割合は、本剤0.25mg注1)群3/36例(8.3%)、本剤0.5mg注1)群9/37例(24.3%)、本剤0.75mg群5/35例(14.3%)、プラセボ群2/37例(5.4%)であった。主な副作用(発現割合5%以上)は、本剤0.5mg注1)群では悪心6/37例(16.2%)、上腹部痛2/37例(5.4%)、本剤0.75mg群では便秘及び悪心が各2/35例(5.7%)であった。
投与12週時までの低血糖(症候性低血糖又は血糖値が70mg/dL以下)は本剤0.5mg注1)群1/37例(2.7%)、本剤0.75mg群2/35例(5.7%)に認められたが、第三者の手助けを必要とする低血糖は認められなかった。[11.1.1参照]
注1)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。」である。
17.1.2 国内第III相プラセボ対照二重盲検比較試験(実薬対照非盲検比較試験)
食事・運動療法、又は食事・運動療法に加え経口血糖降下薬単剤投与(試験開始前にウォッシュアウト)にて治療中の2型糖尿病患者487例(本剤群:280例、プラセボ群:70例、リラグルチド群:137例)を対象とし、本剤0.75mg又はプラセボを週1回(二重盲検)、又はリラグルチド0.9mgを1日1回(非盲検)26週間皮下投与した。主要評価項目のベースラインから投与26週時までのHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤群-1.43±0.05%、プラセボ群0.14±0.10%、群間差-1.57%(95%信頼区間:-1.79%、-1.35%)であった。またHbA1c変化量のリラグルチド群との群間差は-0.10%(95%信頼区間:-0.27%、0.07%)であり、群間差の95%信頼区間の上限が0.4%未満であることから、本剤のリラグルチドに対する非劣性が示された。
なお、ベースラインから投与52週時までのHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤群-1.39±0.06%、リラグルチド群-1.19±0.08%、群間差-0.20%(95%信頼区間:-0.39%、-0.01%)であった。
投与52週時までの副作用発現割合は、本剤群68/280例(24.3%)、リラグルチド群39/137例(28.5%)であった。主な副作用(発現割合2%以上)は、本剤群では便秘6.1%、悪心4.3%、下痢3.9%、腹部膨満3.2%、腹部不快感3.2%、リラグルチド群では悪心7.3%、便秘5.8%、食欲減退5.8%、腹部膨満5.1%、注射部位そう痒感3.6%、下痢2.2%、腹部不快感2.2%であった。
投与52週時までの低血糖(症候性低血糖又は血糖値が70mg/dL以下)は、本剤群8/280例(2.9%)、リラグルチド群4/137例(2.9%)に認められたが、第三者の手助けを必要とする低血糖は認められなかった。[11.1.1参照]
17.1.3 国内第III相実薬対照非盲検比較試験
食事・運動療法に加えスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤の単剤又は両剤で血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者361例(本剤群:181例、インスリングラルギン群:180例)を対象に、本剤0.75mgを週1回又はインスリングラルギンを1日1回26週間皮下投与した。主要評価項目のベースラインから投与26週時までのHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤群-1.44±0.05%、インスリングラルギン群-0.90±0.05%であった。HbA1c変化量の群間差は-0.54%(95%信頼区間:-0.67%、-0.41%)であり、群間差の95%信頼区間の上限が0.4%未満であることから、本剤のインスリングラルギンに対する非劣性が示された。
投与26週時までの副作用発現割合は、本剤群54/181例(29.8%)、インスリングラルギン群4/180例(2.2%)であった。主な副作用は、本剤群(発現割合2%以上)では下痢8.3%、悪心7.7%、便秘6.6%、リパーゼ増加3.3%、嘔吐2.8%、食欲低下2.8%、インスリングラルギン群では便秘、糖尿病神経障害、異常感、注射部位内出血、末梢性浮腫が各0.6%であった。
投与26週時までの低血糖(症候性低血糖又は血糖値が70mg/dL以下)は本剤群47/181例(26.0%)、インスリングラルギン群86/180例(47.8%)に認められたが、第三者の手助けを必要とする低血糖は認められなかった。
体重のベースラインから26週までの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は本剤群-0.48±0.17kg、インスリングラルギン群0.94±0.17kgであった。[11.1.1参照]
17.1.4 国内第III相非盲検併用療法長期投与試験
食事・運動療法に加えて、経口血糖降下薬単剤で血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤0.75mgを週1回52週間併用投与した。いずれの併用療法においても、投与開始初期からHbA1c及び空腹時血糖が低下し始め、52週間にわたって効果が持続した。
体重はα‐グルコシダーゼ阻害剤併用群及びビグアナイド系薬剤併用群で減少、スルホニルウレア剤併用群及び速効型インスリン分泌促進剤併用群で不変、チアゾリジン系薬剤併用群で増加した。
投与52週時までの主な副作用(発現割合2%以上)は、悪心7.4%、便秘7.1%、下痢6.3%、リパーゼ増加4.8%、食欲減退3.6%、消化不良3.3%、嘔吐3.0%、腹部膨満2.5%、腹部不快感2.0%、注射部位そう痒感2.0%であった。
投与52週時までの低血糖(症候性低血糖又は血糖値が70mg/dL以下)は、スルホニルウレア剤併用時に増加する傾向が認められたが、第三者の手助けを必要とする低血糖は認められなかった。[11.1.1参照]
表1)非盲検併用療法長期投与試験の結果
→図表を見る(PDF)

17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内製造販売後臨床試験(インスリン製剤との併用療法)
インスリン製剤(基礎インスリン療法、混合型インスリン療法、又は基礎/食前インスリン療法)にて治療中の2型糖尿病患者159例(本剤群:120例、プラセボ群:39例)を対象に、本剤0.75mg又はプラセボを週1回16週間皮下投与(二重盲検)、その後本剤0.75mgを週1回36週間皮下投与(非盲検)した。主要評価項目のベースラインから投与16週時までのHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤群-1.45±0.06%、プラセボ群0.06±0.10%、群間差-1.50%(95%信頼区間:-1.73%、-1.28%)であり、本剤のプラセボに対する優越性が示された。なお、ベースラインから投与52週時までの本剤群のHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は-1.09±0.07%であった。
投与52週時までに本剤群で認められた主な副作用(発現割合5%以上)は、便秘9.2%、食欲減退7.5%、腹部不快感6.7%、悪心5.8%、下痢5.0%、リパーゼ増加5.0%であった。
低血糖(症候性低血糖又は血糖値が70mg/dL以下)は、投与16週時までに、本剤群51/120例(42.5%)、プラセボ群12/39例(30.8%)で認められ、本剤と混合型インスリン療法が併用された1例で第三者の手助けを必要とする低血糖が報告された。[11.1.1参照]

18.1 作用機序
本剤はアミノ酸を置換したヒトGLP‐1アナログと改変ヒトIgG4 Fc領域との融合タンパク質であり、アミノ酸置換によりDPP‐4による分解に抵抗性を示し、分子量の増加により吸収速度及び腎クリアランスが低下することで作用が持続する。本剤は膵β細胞のGLP‐1受容体に結合し、細胞内cAMP濃度を上昇させ、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を亢進する。
18.2 血糖降下作用
2型糖尿病患者に本剤0.3注)、1.0注)、3.0注)及び6.0mg注)を単回皮下投与したとき、いずれの用量においてもプラセボ群に対して投与3日目の空腹時及び食後血糖値が統計学的に有意に低下した。
また、2型糖尿病患者に本剤0.75mgを週1回皮下投与したとき、投与26週時の7ポイント自己測定血糖値(毎食前及び食後2時間並びに就寝前)がすべてのポイントでベースラインから低下し、その低下は投与間隔である7日間持続した。
18.3 グルコース応答性インスリン分泌作用
ラットインスリノーマ細胞株並びにラット及びカニクイザル由来の膵島細胞を用いたin vitroインスリン分泌能試験において、本剤はグルコース低濃度条件下ではインスリン分泌作用を示さず、高濃度条件下でインスリン分泌を亢進させた。また、GLP‐1受容体拮抗薬によりこのインスリン分泌亢進作用は阻害された。ラット及びカニクイザルを用いたin vivoグルコース負荷試験において、本剤はグルコース濃度に依存的なインスリン分泌作用を示した。
2型糖尿病患者に本剤1.5mg注)を単回皮下投与したとき、グルコース急速投与によりインスリンの第1相分泌(グルコース投与直後から10分後)及び第2相分泌(グルコース投与10分後から180分後)における血中インスリン濃度AUCは、プラセボ投与時に対して増加した(外国人データ)。
18.4 グルカゴン分泌抑制作用
2型糖尿病患者に本剤0.75mgを週1回皮下投与したとき、投与26週時の空腹時血中グルカゴン濃度及び食事負荷後の血中グルカゴン濃度のAUC(食後0~3時間)は、ベースラインから低下した(外国人データ)。
18.5 胃内容排出遅延作用
2型糖尿病患者に本剤1.5mg注)を週1回4週間皮下投与したシンチグラフィーを用いた試験において、胃内の残留放射能が50%減少するのにかかる時間(t50)が約2時間遅延した。胃内容排出に対する影響(t50)は、初回投与後が最も大きく、本剤の2、3及び4回目投与の2日後では初回投与に対してそれぞれ88%、87%及び84%に短縮した(外国人データ)。[アセトアミノフェンによる評価は16.7参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。」である。

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