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ザルティア錠2.5mg

販売名
ザルティア錠2.5mg
識別コード
Z
薬価
2.5mg1錠 60.80円
製造メーカー
日本新薬

添付文書情報2022年04月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬
一般名
タダラフィル錠
警告
1.1. 本剤と硝酸剤又は一酸化窒素<NO>供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること〔2.2、10.1参照〕。
1.2. 死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること〔2.4.1-2.4.5、8.1、11.2、15.1.1参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 硝酸剤投与中又は一酸化窒素<NO>供与剤投与中(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)の患者〔1.1、10.1参照〕。
2.3. 可溶性グアニル酸シクラーゼ<sGC>刺激剤投与中(リオシグアト)の患者〔10.1参照〕。
2.4. 次に掲げる心血管系障害を有する患者[これらの患者は臨床試験では除外されている]。
2.4.1. 不安定狭心症のある患者[これらの患者は臨床試験では除外されている]〔1.2、8.1、15.1.1参照〕。
2.4.2. 心不全<NYHA分類3度以上>のある患者[これらの患者は臨床試験では除外されている]〔1.2、8.1、15.1.1参照〕。
2.4.3. コントロール不良の不整脈、低血圧[血圧<90/50mmHg]又はコントロール不良の高血圧[安静時血圧>170/100mmHg]のある患者[これらの患者は臨床試験では除外されている]〔1.2、8.1、15.1.1参照〕。
2.4.4. 心筋梗塞の既往歴が最近3ヵ月以内にある患者[これらの患者は臨床試験では除外されている]〔1.2、8.1、15.1.1参照〕。
2.4.5. 脳梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者[これらの患者は臨床試験では除外されている]〔1.2、8.1、15.1.1参照〕。
2.5. 重度腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.6. 重度肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
効能・効果
前立腺肥大症に伴う排尿障害。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の適用にあたっては、前立腺肥大症の診断・診療に関する国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、適切な検査により診断を確定すること。
5.2. 本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合は、手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。
用法・用量
通常、成人には1日1回タダラフィルとして5mgを経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 中等度腎障害のある患者では、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあること及び投与経験が限られていることから、患者の状態を観察しながら1日1回2.5mgから投与を開始するなども考慮すること〔9.2.2参照〕。
7.2. チトクロームP450 3A4<CYP3A4>を強く阻害する薬剤投与中の患者では、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、1日1回2.5mgから投与を開始し、患者の状態を観察しながら適宜5mgへ増量すること〔10.2参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 他のホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害剤と同様に、本剤は血管拡張作用
を有するため軽度の一過性血圧低下があらわれる場合がある。本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること〔1.2、2.4.1-2.4.5、15.1.1参照〕。
8.2. 4時間以上の勃起延長又は持続勃起<6時間以上持続する痛みを伴う勃起>が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
8.3. 本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること〔15.1.2参照〕。
8.4. 臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.5. 本剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴(耳鳴り、めまいを伴うことがある)があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに耳鼻科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること〔11.2、15.1.4参照〕。
8.6. 国内において他の前立腺肥大症治療薬と併用した際の臨床効果は確認されていない。
9.1.1. 陰茎構造上欠陥(陰茎屈曲、陰茎線維化、Peyronie病等)のある患者:本剤の薬理作用により勃起がおこり、その結果陰茎に痛みを引きおこすおそれがある。
9.1.2. 持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者。
9.1.3. 出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者:in vitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている(出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない)。
9.1.4. 網膜色素変性症患者:PDEの遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。
9.1.5. PDE5阻害剤投与中の患者:併用使用の経験がない。
9.2.1. 重度腎障害患者:投与しないこと(本剤の血漿中濃度が上昇し、また、これらの患者は本剤の曝露が増加する可能性があるため臨床試験では除外されている)〔2.5、16.6.1(2)参照〕。
9.2.2. 中等度腎障害患者:本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある〔7.1、16.6.1(1)参照〕。
9.2.3. 軽度腎障害患者〔16.6.1(1)参照〕。
9.3.1. 重度肝障害患者:投与しないこと(これらの患者は臨床試験では除外されている)〔2.6参照〕。
9.3.2. 軽度肝障害・中等度肝障害患者:これらの患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
相互作用
本剤は主にCYP3A4により代謝される。
10.1. 併用禁忌:1). 硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)〔1.1、2.2参照〕[併用により、降圧作用を増強するとの報告がある(NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する)]。
2). sGC刺激剤<ベルイシグアト以外>(リオシグアト<アデムパス>)〔2.3参照〕[併用により、血圧低下を起こすおそれがある(併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある)]。
10.2. 併用注意:1). CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テラプレビル、グレープフルーツジュース等)〔7.2、16.7.1参照〕[強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤、国内未発売)との併用により、本剤のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある(CYP3A4阻害によるクリアランスの減少)]。
2). HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、インジナビル、サキナビル、ダルナビル等)〔16.7.2参照〕[リトナビルとの併用により、本剤のAUCが124%増加するとの報告がある(CYP3A4阻害によるクリアランスの減少)]。
3). CYP3A4誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール等)[リファンピシンとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある(CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある)]。
4). α遮断剤(ドキサゾシン、テラゾシン等)〔16.7.3(1)参照〕[ドキサゾシンとの併用により、立位収縮期及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81及び5.33mmHg下降するとの報告があり、また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告があるので、患者背景を考慮して治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ慎重に投与すること(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。
5). 降圧剤(アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等)[アンジオテンシン2受容体拮抗剤(単剤又は多剤)との併用により、自由行動下収縮期及び拡張期血圧は最大それぞれ8及び4mmHg下降するとの報告がある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。
6). カルペリチド[併用により降圧作用が増強するおそれがある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。
7). ベルイシグアト[症候性低血圧を起こすおそれがあるので、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用すること(細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 過敏症(頻度不明):発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(1%未満)動悸、ほてり、潮紅、(頻度不明)*心筋梗塞、胸痛、*心突然死、失神、低血圧。
2). 感覚器:(頻度不明)眼痛、霧視、結膜充血、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、眼瞼腫脹、視野欠損、※非動脈炎性前部虚血性視神経症、※※突発性難聴。
3). 消化器:(1%以上)消化不良、(1%未満)胃食道逆流性疾患、下痢、胃炎、(頻度不明)腹痛。
4). 腎臓:(1%未満)腎クレアチニン・クリアランス減少。
5). 筋骨格:(1%未満)筋肉痛、背部痛、(頻度不明)四肢痛。
6). 精神・神経系:(1%以上)頭痛、(1%未満)浮動性めまい、(頻度不明)片頭痛、*脳卒中。
7). 泌尿・生殖器:(1%未満)勃起増強、自発陰茎勃起、(頻度不明)持続勃起症、勃起延長。
8). 呼吸器:(頻度不明)呼吸困難、鼻出血。
9). 皮膚:(頻度不明)多汗症。
10). その他:(1%未満)CK上昇。
*)〔1.2参照〕。
※)〔15.1.2参照〕。
※※)〔8.5参照〕。
高齢者
一般に生理機能が低下している〔16.6.3参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルの市販後の自発報告において、心筋梗塞、心突然死、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血発作等の重篤な心血管系障害がタダラフィル投与後に発現している(これらの多くが心血管系のリスクファクターを有している患者であった)。多くの事象が、性行為中又は性行為後に認められ、少数例ではあるが、性行為なしにタダラフィル投与後に認められたものもあった。その他は、タダラフィルを投与し性行為後の数時間から数日後に報告されている。これらの症例について、タダラフィル、性行為、本来患者が有していた心血管系障害、これらの要因の組み合わせ又は他の要因に直接関連するかどうかを確定することはできない。なお、性行為を控える必要がある心血管系障害を有する患者には、タダラフィルを勃起不全治療剤として使用することは禁忌とされている〔1.2、2.4.1-2.4.5、8.1参照〕。
15.1.2. 薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において男性勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルを含むPDE5阻害剤投与後に、まれに視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されており、これらの患者の多くは、NAIONの危険因子を有していた[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]、外国において、NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では、PDE5阻害剤の投与から消失半減期(T1/2)の5倍の期間内(タダラフィルの場合約4日以内に相当)は、NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている〔8.3、11.2参照〕。
15.1.3. 薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている。
15.1.4. 薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されている。これらの患者では、耳鳴りやめまいを伴うことがある〔8.5参照〕。
15.1.5. アルコール飲用時に本剤を投与した外国の臨床薬理試験(本剤10mg、20mg)[最大承認用量は5mgである]において、アルコール血中濃度、本剤の血漿中濃度のいずれも相互に影響を受けなかったが、アルコールを高用量<0.7g/kg>飲用した被験者において、めまいや起立性低血圧が報告された。
15.2. 非臨床試験に基づく情報25mg/kg/day以上の用量でタダラフィルをイヌに3~12ヵ月間連日経口投与した毒性試験において、精巣重量低下、精細管上皮変性、精巣上体精子数減少が認められたとの報告がある。ヒトにおける精子形成能に対する影響を検討した外国臨床試験の一部では平均精子濃度減少が認められたが、精子運動率、精子形態及び生殖ホルモン値はいずれの試験においても変化が認められなかった。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人36例にタダラフィル5、10、20、40mg注1)を単回経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与0.5~4時間(Tmaxの中央値、3時間)の間にピークに達した後、消失した。消失半減期は約14~15時間であった。
注1)最大承認用量は5mgである。
表1)健康成人にタダラフィル5、10、20、40mg注1)を単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
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図1)健康成人にタダラフィル5、10、20、40mg注1)を単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度推移
注1)最大承認用量は5mgである。

16.1.2 反復投与
前立腺肥大症に伴う排尿障害日本人患者12例にタダラフィル5mgを1日1回10日間反復経口投与した。定常状態でのタダラフィルのAUC及びCmaxは初回投与時と比べて約2倍に増加した。
表2)前立腺肥大症に伴う排尿障害日本人患者にタダラフィル5mgを1日1回10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
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前立腺肥大症に伴う排尿障害日本人患者を対象とした第II相二重盲検比較臨床試験において、タダラフィル2.5mg又は5mgのいずれかを1日1回反復経口投与した。5mgを投与したときの血漿中タダラフィル濃度は2.5mgの約2倍となった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人18例にタダラフィル20mg注1)を食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmax共に食事摂取による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
タダラフィルの血漿蛋白結合率は94%(in vitro、平衡透析法)であり、主にアルブミン及びα1酸性糖蛋白と結合する。
16.4 代謝
健康成人6例に14C‐タダラフィル100mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中には主にタダラフィル未変化体及びメチルカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。血漿中のメチルカテコール体はメチルカテコールグルクロン酸抱合体の10%未満であった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C‐タダラフィル100mg注1)を単回経口投与したときの、投与後312時間までの放射能回収率は糞便中60.5%、尿中36.1%であった。糞便中には主にメチルカテコール体、カテコール体、尿中には主にメチルカテコールグルクロン酸抱合体及びカテコールグルクロン酸抱合体が認められた(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎障害患者
(1)軽度及び中等度腎障害患者
健康成人12例、軽度腎障害患者(CLcr=51~80mL/min)8例、中等度腎障害患者(CLcr=31~50mL/min)8例にタダラフィル5mg及び10mg注1)を単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約100%及び20~30%増加した(外国人データ)。[9.2.2、9.2.3参照]
(2)血液透析を受けている末期腎不全患者
血液透析を受けている末期腎不全患者16例にタダラフィル5mg、10mg及び20mg注1)を単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約109%及び41%増加した(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝障害患者
健康成人8例及び肝障害患者25例注4)にタダラフィル10mg注1)を単回経口投与したとき、軽度肝障害患者(Child‐Pugh class A)と中等度肝障害患者(Child‐Pugh class B)のAUC0-∞は健康成人とほぼ同様であった(外国人データ)。
注4)軽微肝障害(脂肪肝が認められた患者)、n=8:軽度肝障害(Child‐Pugh class A)、n=8:中等度肝障害(Child‐Pugh class B)、n=8:重度肝障害(Child‐Pugh class C)、n=1。
16.6.3 高齢者
健康高齢者12例(65~78歳)及び健康若年者12例(19~45歳)にタダラフィル10mg注1)を単回経口投与したとき、Cmaxは高齢者と若年者とでほぼ同様であったが、高齢者のAUC0-∞は若年者に比べ約25%高値であった(外国人データ)。[9.8参照]
表3)高齢者及び若年者にタダラフィル10mg注1)を単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
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前立腺肥大症に伴う排尿障害の高齢者12例(70~76歳)及び非高齢者12例(42~59歳)にタダラフィル20mg注1)を1日1回10日間反復経口投与したとき、高齢者のAUC0-24とCmaxは非高齢者に比べわずかに(約13%)低かった。
表4)高齢者及び非高齢者にタダラフィル20mg注1)を10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
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16.7 薬物相互作用
16.7.1 経口ケトコナゾール
健康成人12例にケトコナゾール400mg(1日1回経口投与、国内未発売)とタダラフィル20mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxは、それぞれ312%及び22%増加した(外国人データ)。
健康成人11例にケトコナゾール200mg(1日1回経口投与)とタダラフィル10mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ107%及び15%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 リトナビル
健康成人16例にリトナビル500mg又は600mg(1日2回)とタダラフィル20mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは30%低下したが、AUC0-∞は32%増加した(外国人データ)。
健康成人8例にリトナビル200mg(1日2回)とタダラフィル20mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは同程度であったが、AUC0-∞は124%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 α遮断剤
(1)ドキサゾシン
健康成人18例にドキサゾシン8mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル20mg注1)を単回経口投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.64mmHg及び2.78mmHgであった(外国人データ)。
健康成人45例にドキサゾシン(4mgまで漸増)とタダラフィル5mgを1日1回反復経口投与したとき、ドキサゾシンの血圧降下作用に増強がみられた。この試験において、失神等の症状を伴う血圧変化に関する有害事象がみられた(外国人データ)。[10.2参照]
(2)タムスロシン
健康成人18例にタムスロシン0.4mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル10mg又は20mg注1)を単回投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ2.3mmHg及び2.2mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.2mmHg及び3.0mmHgであり、明らかな血圧への影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人39例にタムスロシン0.4mgとタダラフィル5mgを1日1回反復経口投与したとき、明らかな血圧への影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.4 その他の薬剤
他剤(ニザチジン、制酸配合剤)又はアルコールが本剤(10又は20mg)注1)に及ぼす影響について検討した結果、ニザチジン、制酸配合剤又はアルコールによる本剤の薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった。また、本剤(10又は20mg)注1)が他剤(ミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン及びアムロジピン)又はアルコールに及ぼす影響について検討した結果、本剤によるミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン、アムロジピン又はアルコールの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった(外国人データ)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相二重盲検比較臨床試験
日本人の前立腺肥大症に伴う排尿障害患者(422例)を対象にプラセボ、タダラフィル2.5mg又は5mgを1日1回12週間投与した結果、IPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で-3.8、タダラフィル2.5mg群で-4.5、5mg群で-4.9であった。変化量のプラセボ群との差は、5mg群(-1.1)が2.5mg群(-0.7)に比べて57%大きく、用量依存的な改善傾向が認められた。(試験①)
副作用発現頻度は、タダラフィル2.5mg群で4.9%(7/142例)及びタダラフィル5mg群で6.4%(9/140例)であった。主な副作用は、2.5mg群では、ほてりが2.1%(3/142例)及び動悸が1.4%(2/142例)、5mg群では、消化不良が2.1%(3/140例)及びほてりが1.4%(2/140例)であった。
17.1.2 国際共同第III相二重盲検比較臨床試験
日本、韓国及び台湾の前立腺肥大症に伴う排尿障害患者(309例)を対象に、プラセボ又はタダラフィル5mgを1日1回12週間投与した結果、IPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で-3.0、タダラフィル5mg群で-4.7であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した。5mg群では投与2週後の早期からIPSSトータルスコアの改善が認められた。また、日本人患者(173例)におけるIPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で-3.1、タダラフィル5mg群で-4.8であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した(プラセボ群との差:-1.7、p=0.036)。(試験②)
副作用発現頻度は、タダラフィル2.5mg群で9.9%(15/151例)及び5mg群で13.5%(21/155例)であった。主な副作用は、2.5mg群では、筋攣縮、筋肉痛及び頭痛が各1.3%(2/151例)、5mg群では、筋肉痛が3.2%(5/155例)、消化不良、悪心、血中クレアチンホスホキナーゼ増加及び筋緊張が各1.3%(2/155例)であった。
17.1.3 国際共同第III相二重盲検比較臨床試験
日本及び韓国の前立腺肥大症に伴う排尿障害患者(610例)を対象に、プラセボ又はタダラフィル5mgを1日1回12週間投与した結果、IPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で-4.5、タダラフィル5mg群で-6.0であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した。5mg群では投与4週後からIPSSトータルスコアの改善が認められた。また、日本人患者(449例)におけるIPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で-4.8、タダラフィル5mg群で-6.0であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した(プラセボ群との差:-1.2、p=0.017)。(試験③)
副作用発現頻度は、タダラフィル5mg群で15.0%(46/306例)であった。主な副作用は、消化不良が3.3%(10/306例)、頭痛が2.6%(8/306例)及び血中クレアチンホスホキナーゼ増加が2.0%(6/306例)であった。
表1)IPSSトータルスコアの投与前後における変化量
→図表を見る(PDF)

図1)IPSSトータルスコアの投与前後における変化量の推移(第III相二重盲検比較臨床試験(試験②))

図2)IPSSトータルスコアの投与前後における変化量の推移(第III相二重盲検比較臨床試験(試験③))

17.1.4 国内長期投与非盲検試験
第II相試験を完了した394例の被験者が42週の長期投与非盲検試験に参加した。前立腺肥大症に伴う排尿障害患者にタダラフィル5mgを1日1回54週間(二重盲検期間12週を含む)長期継続投与した結果、IPSSトータルスコアの継続的な改善の維持が認められ、長期の安全性及び良好な忍容性が確認された。
副作用発現頻度は、タダラフィル5mg群で10.7%(42/394例)であった。主な副作用は、消化不良及び胃食道逆流性疾患が各1.3%(5/394例)であった。

18.1 作用機序
タダラフィルはPDE5を阻害することにより、前立腺及び膀胱平滑筋、並びに下部尿路血管の平滑筋内cGMP濃度を上昇させる。タダラフィルによる血管拡張作用を介した血流増加が前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状緩和に寄与していると考えられる。また、前立腺及び膀胱における平滑筋弛緩が血管に対する作用を補完している可能性がある。
18.2 PDE5阻害作用
タダラフィルは選択的PDE5阻害剤である。ヒト遺伝子組み換えPDE5を約1nMのIC50値で阻害し、PDE6及びPDE11と比較するとそれぞれ700及び14倍、その他のPDEサブタイプと比較すると9000倍以上の選択性を示した(in vitro)。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明
製造販売会社
日本新薬
販売会社
 

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