マイコスポール外用液1%

添付文書情報2023年04月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 次記の皮膚真菌症の治療。
1). 白癬:足部白癬、体部白癬、股部白癬。
2). カンジダ症:カンジダ症の指間びらん症、カンジダ症の間擦疹、皮膚カンジダ症。
3). 癜風。
- 用法・用量
- 1日1回患部に塗布する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 他のイミダゾール系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
皮膚:(0.1~5%未満)皮膚亀裂、皮膚炎、皮膚そう痒、発赤、皮膚びらん、皮膚乾燥、(頻度不明)皮膚局所刺激感、紅斑、鱗屑、皮膚水疱、皮膚軟化、皮膚浮腫、じん麻疹。
- 授乳婦
- 妊婦<3ヵ月以内>又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム、ペッサリー等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 眼科用として角膜・結膜には使用しないこと。
14.2.2. 著しいびらん面には使用しないこと。
14.2.3. 亀裂、びらん面には注意して使用すること。
20.1. 火気を避けて保存すること。
20.2. 低温(約3℃以下)で凝固するので注意すること。
20.3. 合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かすことがあるので注意すること。
16.1 血中濃度
健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(背部の急性湿疹)表面200cm2に14C‐ビホナゾールの1%含有液1.56mLを塗布、6時間密封包帯した後洗浄し、118時間にわたって血中濃度を測定した場合、無傷皮膚では約10時間後、炎症皮膚では約5時間後、それぞれ約1.6ng/mL、約8.0ng/mLの最高血中濃度に達する(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 吸収率
健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(背部の急性湿疹)表面200cm2に14C‐ビホナゾールの1%含有液1.56mLを塗布、6時間密封包帯した後洗浄したところ、皮膚からの吸収率は無傷皮膚では約0.8%、炎症皮膚では3.6%である(外国人データ)。
16.2.2 皮膚浸透性
健康成人の無傷皮膚表面20cm2に14C‐ビホナゾールの1%含有液0.15mLを塗布、12時間密封包帯した後、皮膚の各層の濃度を測定した場合、次のとおりである(外国人データ)。
→図表を見る(PDF)
16.5 排泄
健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(背部の急性湿疹)表面200cm2に14C‐ビホナゾールの1%含有液1.56mLを塗布、6時間密封包帯した後洗浄したところ、5日目までの排泄は無傷皮膚では約0.4%が尿中、約0.3%が糞便中、炎症皮膚では約1.7%が尿中に排泄される。炎症皮膚での糞便中への排泄についてのデータは得られていない(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
総計315例について実施された1日1回塗布による一般臨床試験の概要は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)
17.3 その他
17.3.1 皮膚刺激性
本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人で傍脊椎側の無傷皮膚表面に1%液及び基剤を用いた単純パッチテスト及び光パッチテストの結果では、皮膚刺激指数及び光毒指数はいずれも5.0以下で、皮膚刺激性は認められていない。
18.1 作用機序
ビホナゾールは、真菌細胞に対して二元的な作用機序を有する。低濃度域では細胞膜の必須構成脂質成分であるエルゴステロールの合成を阻害し、高濃度域ではそれに加えて細胞膜のリン脂質と特異的に結合することにより膜の物性を変化させる。いずれの効果も最終的に細胞膜の構造・機能を障害し、その結果、抗真菌作用が発現される。
18.2 抗真菌作用
18.2.1 ビホナゾールは、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、酵母類(Candida属)及び癜風菌(Malassezia furfur)に優れた抗真菌作用を有する。
18.2.2 ビホナゾールは、Kimmig培地上で各種ヒト病原真菌の90%以上の菌株において4μg/mL以下の最小発育阻止濃度(MIC)を示す。
18.2.3 ビホナゾールは、発育期にある皮膚糸状菌に対して極めて低い濃度(ナノグラム単位)より菌糸の発育を抑制し、5μg/mL以上の濃度で殺真菌作用を示す。また、Candida albicansに対しては、0.125μg/mL以上の濃度で寄生形態である仮性菌糸の形成を抑制する。
18.2.4 Trichophyton mentagrophytesによるモルモット実験的白癬モデルにビホナゾール1%液を感染後3日目に1回局所適用した場合、無処置対照群では症状の増悪が認められるが、処置群では数日以内に治癒する。
18.3 感染防御効果
モルモットの背部皮膚面に1%液0.5mLを塗布し、12、24、48、72時間後にTrichophyton mentagrophytesの分生子浮遊液を接種した実験では、36~48時間にわたり感染防御効果が認められている。
- 製造販売会社
- バイエル薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。