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カルシトリオール静注液0.5μg「F」

後発医薬品
販売名
カルシトリオール静注液0.5μg「F」
薬価
0.5μg1mL1管 236.00円
製造メーカー
富士製薬

添付文書情報2024年02月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
合成ビタミンD製剤
一般名
カルシトリオール注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. ビタミンD中毒症状を伴う患者[血清カルシウム値を更に上昇させる]。
効能・効果
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤の投与は、投与開始前の血清カルシウム値が、医療機関の血清カルシウム値の基準値上限以下の患者とすること。
用法・用量
通常、成人には投与初期は、カルシトリオールとして、1回1μgを週2~3回、透析終了時にできるだけ緩徐に静脈内投与する。以後は、患者の副甲状腺ホルモン及び血清カルシウムの十分な管理のもと、1回0.5μgから1.5μgの範囲内で適宜増減し、週1~3回、透析終了時にできるだけ緩徐に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 過量投与を防ぐため、次に注意して投与すること。
7.1.1. 血清カルシウム値は、定期的(少なくとも2週に1回)に測定する。ただし、血清カルシウム値が医療機関の血清カルシウム値の基準値上限を0.5mg/dL超えた場合には、さらに測定頻度を高くし(週に1回以上)、減量等も考慮して慎重に投与すること。また、血清カルシウム値が医療機関の血清カルシウム値の基準値上限を1mg/dL超えた場合には、直ちに休薬し、休薬により血清カルシウム値が、医療機関の血清カルシウム値の基準値まで低下したことを確認した上で、休薬前の投与量を参考に、減量等も考慮して投与を再開すること。
低アルブミン血症(血清アルブミン量が4.0g/dL未満)の場合には、補正値を指標に用いることが望ましい〔8.3、10.2、11.1.1参照〕。
補正カルシウム値算出方法:
補正カルシウム値(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)-血清アルブミン値(g/dL)+4.0。
7.1.2. 過度に副甲状腺ホルモン(PTH)が低下した場合には、高カルシウム血症が発現しやすくなるおそれがあるので、PTHは少なくとも4週に1回測定し、intact-PTH値が150pg/mL以下に低下した場合には、減量又は休薬すること〔10.2、11.1.1参照〕。
7.1.3. 投与回数は、週3回を限度とする。
腎機能障害患者
8.1. 本剤の使用に際しては、他のビタミンD及びその誘導体の製剤が使用されていないことを確認すること。また、本剤投与中は、他のビタミンD及びビタミンD誘導体製剤を使用しないよう注意すること。
8.2. 連用中は、血清リン値、血清マグネシウム値、Al-Pを定期的に測定することが望ましい〔8.3、9.1.1、9.2.1、10.2参照〕。
8.3. 血清カルシウム値・血清リン値の積(Ca×P)が大きくなるほど異所性石灰化を起こす危険性が高くなるので、Ca×Pが高値にならないように注意すること〔7.1.1、8.2、9.1.1、10.2、11.1.1参照〕。
9.1.1. 高リン血症の患者:リン吸着剤(リン酸結合剤)を併用し、血清リン値を下げること〔8.2、8.3参照〕。
9.2.1. 透析中の患者:マグネシウム含有製剤との併用には注意すること(腎よりのマグネシウムの排泄が低下している)〔8.2、10.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). ジギタリス〔7.1.1、8.3、11.1.1参照〕[高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある(血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用
が増強される)]。
2). カルシウム製剤<経口>(乳酸カルシウム水和物<経口>、炭酸カルシウム<経口>等)〔7.1.1、8.3、11.1.1参照〕[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる)]。
3). マグネシウム含有製剤:①. マグネシウム含有製剤<経口>(酸化マグネシウム<経口>、炭酸マグネシウム<経口>等)〔8.2、9.2.1参照〕[高マグネシウム血症があらわれるおそれがある(本剤は腸管でのマグネシウムの吸収を促進させる)]。
②. マグネシウム含有製剤(酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等)〔8.2、9.2.1参照〕[ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがある(<機序>代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する<危険因子>高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者)]。
4). フェニトイン、フェノバルビタール[本剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(代謝酵素活性を誘導し、本剤の代謝を増加させるおそれがある)]。
5). チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)〔7.1.1、8.3、11.1.1参照〕[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(カルシウムの尿中排泄を減少させる)]。
6). PTH製剤(テリパラチド等)、PTHrP製剤(アバロパラチド)〔7.1.1、7.1.2、8.3、11.1.1参照〕[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(相加作用による)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高カルシウム血症(24.2%):本剤には血清カルシウム上昇作用が認められるので、高カルシウム血症に基づくと考えられる症状(そう痒感、いらいら感等)があらわれることがある〔7.1.1、7.1.2、8.3、10.2参照〕。
11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、呼吸困難、紅潮等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~0.5%未満)嘔気、嘔吐、食欲不振、便秘、膵炎悪化。
2). 精神神経系:(0.1~0.5%未満)いらいら感、不眠、手しびれ感、めまい、頭痛、(0.1%未満)感情鈍麻(ぼんやり)、気分不良、うつ状態悪化。
3). 循環器:(0.1~0.5%未満)高血圧、動悸、心房細動、(0.1%未満)QT延長、房室ブロック。
4). 肝臓:(0.1~0.5%未満)γ-GTP上昇、AST上昇。
5). 皮膚:(0.5%以上)皮膚そう痒感、(0.1%未満)ざ瘡、(頻度不明)発疹。
6). 眼:(0.1%未満)結膜充血。
7). 筋・骨格:(0.1~0.5%未満)関節痛、筋力低下、(0.1%未満)背部痛。
8). 代謝:(0.5%以上)高リン血症、(0.1~0.5%未満)LDH上昇。
9). 血液:(0.5%以上)好酸球増多、(0.1~0.5%未満)リンパ球減少、血小板減少、(0.1%未満)好中球増多、単球増多。
10). その他:(0.1~0.5%未満)不快感(四肢不快感、腰部不快感、肛門不快感)、(0.1%未満)顔面潮紅、胸部圧迫感。
本剤投与中にあらわれる前記のような副作用には、高カルシウム血症に基づくと思われる症状が多いので、定期的に血清カルシウム値を測定すること。
発現頻度は使用成績調査を含む。
高齢者
補正カルシウム値に注意すること(高齢者において認められた副作用の頻度及び種類は、非高齢者との間に差は認められていないが、一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットで、早期胚死亡率増加、軽度の生存胎仔体重減少(0.15μg/kg/日)が、ウサギで、生存胎仔体重減少(0.09μg/kg/日)が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されており、また、授乳中摂食抑制及び離乳後摂食抑制、眼瞼開裂遅延及び精巣下降遅延(0.45μg/kg/日)が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意他剤との混注を行わないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意静注は約30秒間かけて緩徐に行うこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回静脈内投与
健康成人男性各6例にカルシトリオールとして0.5、1、2及び3μg注1)を単回静脈内投与したときの血中未変化体の薬物動態パラメータは次のとおりであり、AUC(補正値)には用量比例性が認められた。
また、投与5分後の血中濃度(C5min)も投与量にほぼ比例して増加した。
単回静脈内投与したときの血中未変化体の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復静脈内投与
健康成人男性6例にカルシトリオールとして2μg注1)を1日おきに4回静脈内投与したとき、投与1回目と4回目の血中未変化体の薬物動態パラメータは同様であり、蓄積は認められなかった。
隔日静脈内投与したときの血中未変化体の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

注1)本剤の承認用量は、投与初期は1回1μgを週2~3回、以後は、1回0.5~1.5μgを週1~3回である。
16.3 分布
16.3.1 組織内分布
ラットに3H‐カルシトリオール0.4μg/kgを単回静脈内投与したとき、放射能は速やかに広く各組織に分布し、特に血液、肝臓、副腎、腎臓及び肺に高い濃度が認められた。ほとんどの組織で放射能は速やかに消失した。また、全身オートラジオグラフィーでは副甲状腺にも比較的高い放射能が認められた。
16.3.2 蛋白結合率
健康成人及び腎不全患者各6例の血清を使用したin vitro試験でのカルシトリオール(50及び200pg/mL)の血清蛋白結合率は95.1~98.0%であり、健康成人と腎不全患者で差は認められなかった。
16.4 代謝
16.4.1 外国人成人
外国人健康成人1例に3H‐カルシトリオールとして12.1ngを単回静脈内投与したとき、尿中放射能の大部分はカルシトリオールよりも極性の高い化合物であり、未変化体はほとんど存在しなかった。また、胆嚢切除手術後の外国人患者男女10例に3H‐カルシトリオールとして8.6~29.2ngを単回静脈内投与したとき、24時間後の胆汁中には、投与量の28.8%の放射能が認められ、その多くがグルクロン酸抱合体と推定された。
16.4.2 ラット
ラットに3H‐カルシトリオールを単回静脈内投与したとき、血液中では23位、24位あるいは26位が水酸化されたトリハイドロキシ体及び1α,25(OH)2D3‐26,23‐ラクトンが主要な代謝物であった。
また、組織中ではカルシトロイン酸が主要な代謝物であった。胆汁中にはカルシトロイン酸の抱合体が多く認められた。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人
健康成人男性5例にカルシトリオールとして3μg注2)を単回静脈内投与したとき、投与後4時間までの尿中に未変化体は検出されなかった。
16.5.2 外国人健康成人
外国人健康成人男女7例に3H‐カルシトリオールとして0.01~0.97μgを単回静脈内投与したとき、投与後6日間での尿中及び糞中排泄率は投与量のそれぞれ15.8%及び49.4%であった。また、外国人健康成人男性5例に3H‐カルシトリオールとして約10ngを単回静脈内投与したとき、投与後6時間までの胆汁排泄率は15.6%であった。
16.5.3 ラット
ラットに3H‐カルシトリオールを単回静脈内投与したとき、投与後168時間までの尿中及び糞中排泄率はそれぞれ6~14%及び72~80%であった。このうちの大部分は投与後48時間以内に排泄された。
また、ラットに3H‐カルシトリオールを単回静脈内投与したとき、投与後48時間までの胆汁排泄率は投与量の64~69%であり、腸肝循環が認められた。
注2)本剤の承認用量は、投与初期は1回1μgを週2~3回、以後は、1回0.5~1.5μgを週1~3回である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
透析期腎不全患者にカルシトリオールとして1μgを週3回12週間各透析終了時に静脈内投与したとき、トラフ値(最大透析間隔後の血中未変化体濃度)は高齢者(65歳以上)と非高齢者で同様であった。
血中未変化体濃度(トラフ値、pg/mL)
→図表を見る(PDF)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内前期第II相再試験
透析期腎不全患者110例の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした前期第II相再試験(カルシトリオール0.5~2.0μg/回注)を週3回静脈内投与)において、全般改善度評価で、「中等度改善」以上と評価された症例の改善率は81.4%(79/97例)であった。
副作用発現頻度は22.6%(24/106例)であった。主な副作用は、高カルシウム血症20.8%(22/106例)であった。
17.1.2 国内後期第II相試験
透析期腎不全患者162例の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした後期第II相二重盲検比較試験(プラセボ、カルシトリオール1及び1.5μg/回を週3回静脈内投与)において、主にintact‐PTHとHS‐PTHの抑制率から評価した全般改善度で、「中等度改善」以上と評価された症例の改善率はプラセボ群0.0%(0/19例)、1μg群51.3%(20/39例)及び1.5μg群85.4%(35/41例)であった。
副作用発現頻度は、プラセボ群5.3%(1/19例)、1μg群15.4%(6/39例)及び1.5μg群58.1%(25/43例)であった。カルシトリオール投与群で発現した主な副作用は高カルシウム血症で、1μg群5件及び1.5μg群22件であった。
17.1.3 国内後期第II相継続長期投与試験
透析期腎不全患者141例の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした後期第II相継続長期投与試験(カルシトリオール0.5~2μg/回注)を週3回静脈内投与)において、全般改善度評価で、「中等度改善」以上と評価された症例の改善率は75.0%(93/124例)であった。
副作用発現頻度は34.6%(44/127例)であった。主な副作用は、高カルシウム血症24.4%(31/127例)及びそう痒感8.7%(11/127例)であった。
17.1.4 国内一般臨床試験
高齢者(65歳以上)と非高齢者の透析期腎不全患者36例の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした国内一般臨床試験(カルシトリオール1μg/回を週3回静脈内投与)において、全般改善度評価で、「中等度改善」以上と評価された症例の改善率は高齢者群66.7%(14/21例)、非高齢者群73.3%(11/15例)と同程度であった。
副作用発現頻度は高齢者群9.5%(2/21例)、非高齢者群33.3%(5/15例)であった。主な副作用は、高齢者群で高カルシウム血症9.5%(2/21例)、非高齢者群でそう痒感20.0%(3/15例)及び高カルシウム血症13.3%(2/15例)であった。
17.1.5 国内第III相試験
透析期腎不全患者123例の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした長期投与試験である第III相臨床試験において、カルシトリオールを0.5~1.5μg/回の範囲内で、血清カルシウム上昇及び過度なPTH低下に留意しながら投与することで、PTH抑制の維持効果が持続することが示された。また、カルシトリオール投与により、二次性副甲状腺機能亢進症により亢進した骨代謝回転の抑制が認められた。
副作用発現頻度は23.2%(26/112例)であった。主な副作用は、高カルシウム血症13.4%(15/112例)及びそう痒感7.1%(8/112例)であった。
注)本剤の承認用量は、投与初期は1回1μgを週2~3回、以後は、1回0.5~1.5μgを週1~3回である。

18.1 作用機序
18.1.1 カルシトリオールは副甲状腺のビタミンD受容体(VDR)と複合体を形成し、PTH遺伝子5’上流域のビタミンD応答配列に結合して、PTHの合成・分泌を遺伝子レベルで抑制する。
18.1.2 カルシトリオールは腸管カルシウム吸収の促進により血中カルシウム濃度を上昇させ、副甲状腺のカルシウム受容体を介してPTH分泌を抑制する。
18.2 PTH分泌抑制作用
各種実験的腎不全モデル(ラット及びイヌ)においてカルシトリオールの単回及び反復静脈内投与は、PTH分泌及びPTHmRNAの発現を抑制した。

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