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ビプリブ点滴静注用400単位

販売名
ビプリブ点滴静注用400単位
薬価
400単位1瓶 305550.00円
製造メーカー
武田薬品

添付文書情報2022年12月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の酵素製剤
一般名
ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)静注用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者〔8.1参照〕。
効能・効果
ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤はゴーシェ病と確定診断された患者にのみ使用すること。
5.2. ゴーシェ病の神経症状に対する本剤の効果は期待できない。
5.3. ゴーシェ病2型患者における諸症状<特に骨症状>及びゴーシェ病3型患者における諸症状<特に骨症状>に対する本剤の効果は必ずしも十分な有効性が示されていない〔8.4参照〕。
用法・用量
通常、ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり60単位を隔週点滴静脈内投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 投与速度が速いとinfusion reactionが発現しやすいため、患者の状態を観察しながら、60分以上かけて投与すること。なお、日局注射用水で溶解し日局生理食塩液で希釈した後に投与すること〔11.1.1、14.1.1、14.1.2参照〕。
7.2. イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)から本剤に切替える場合は、目安としてイミグルセラーゼ(遺伝子組換え)と同一用量で本剤の投与を開始する。
7.3. 患者の状態に応じて本剤の用量を調整することができる(なお、体重1kgあたり60単位を超える用量は臨床試験では検討されていない)〔17.1.1-17.1.5参照〕。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤はたん白質製剤であり、アナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと〔2.禁忌の項、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 臨床試験において本剤のIgG抗体産生(1%)が報告されているため、定期的にベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。
8.3. 貧血の十分な改善効果を得るために、鉄が不足している場合は鉄剤の補給を行うこと。
8.4. 治療にあたっては、本剤のゴーシェ病2型及び3型に対する効果については、必ずしも十分な検証がなされていないことを患者に十分に説明し、インフォームド・コンセントを得ること〔5.3参照〕。
9.1.1. 本剤の成分又は他の酵素補充療法に対し過敏症の既往歴のある患者〔8.1参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction(本剤投与中又は投与開始24時間以内に発現する本剤投与と関連する反応)(頻度不明):重篤なinfusion reactionとして、アナフィラキシーをおこすことがあるので、投与中及び投与後も観察を十分に行い、重篤なinfusion reactionが認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、本剤の投与中にinfusion reaction(頭痛、浮動性めまい、低血圧、高血圧、悪心、疲労、無力症、発熱等)があらわれた場合には、重症度に応じて投与速度を下げるか、一旦投与を中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は副腎皮質ホルモン剤の投与)や緊急措置を行うこと〔7.1、8.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 神経系障害:(5%以上)頭痛、浮動性めまい。
2). 胃腸障害:(5%以上)悪心、(1~5%未満)腹痛/上腹部痛。
3). 筋骨格系及び結合組織障害:(5%以上)関節痛、背部痛、(1~5%未満)骨痛。
4). 臨床検査:(1~5%未満)活性化部分トロンボプラスチン時間延長、(頻度不明)中和抗体陽性。
5). 全身障害:(1~5%未満)疲労、無力症、体温上昇、胸部不快感。
6). 血管障害:(1~5%未満)潮紅、高血圧、低血圧。
7). 心臓障害:(1~5%未満)頻脈。
8). 皮膚及び皮下組織障害:(1~5%未満)発疹、じん麻疹、アレルギー性皮膚炎、皮膚そう痒症。
9). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1~5%未満)呼吸困難。
高齢者
副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能が低下していることが多い)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(乳汁中への移行は不明である)。
小児等
4歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 注射用水での溶解時(1). 溶解時、投与に必要なバイアル数を冷蔵庫から取り出し、室温になるまで放置する。
(2). 1バイアルにつき日局注射用水4.3mLで本剤を溶解し、1バイアルあたり4.0mL(400単位)を採取する〔7.1参照〕。
(3). 溶解するときは静かに混和し、振盪は避けること。
(4). 溶解したとき、目視で無色澄明又はわずかに白濁した液であることを確認し、変色や異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.2. 生理食塩液での希釈時(1). 注射用シリンジで日局生理食塩液(100mL)バッグ内の空気を抜く。
(2). 別の注射用シリンジを用いて、患者の体重あたりで計算した一回の投与に必要な容量をバイアルから採取する。
(3). 採取した本剤を直接日局生理食塩液バッグに加え希釈し点滴液とする〔7.1参照〕。
(4). 希釈するときは静かに混和し、振盪は避けること。
(5). 希釈時、わずかに浮遊物(白くふぞろいな形)を認めることがあるが、投与可能である。
14.1.3. 凍結、振盪は避けること。本剤は保存剤を含まないため、溶解・希釈後は直ちに使用すること(直ちに使用できない場合は、溶解後又は希釈後2~8℃で保存し、かつ溶解後24時間以内に投与を終了すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 孔径0.2μmフィルターを使用して投与すること。
14.2.2. 他剤<日局注射用水・日局生理食塩液を除く>との混注は避けること。
個包装開封後は遮光保存すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 イミグルセラーゼの治療を受けていた日本人ゴーシェ病患者6例(I型:成人2例及び小児2例及びIII型:小児2例、11~39歳)を対象に、本剤48.8~60単位/kgを60分かけて点滴静脈内投与したとき、血清中ベラグルセラーゼ アルファ濃度は点滴終了時又は終了時前に最大値までに到達し、消失は一相性を示した。初回、隔週投与25週及び51週時の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
ラットにベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)の125I標識体1.1mg/kgを単回静脈内投与したところ、投与20分後に肝臓で最も高い放射能濃度が認められ、投与放射能のうち約70%が肝臓で認められた。次いで投与放射能の3.0%が腎臓、1.5%が脾臓、0.5%が骨・骨髄に認められた。
16.5 排泄
ラットにベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)の125I標識体1.1及び11.1mg/kgを単回静脈内投与したとき、肝臓及び脾臓における組織内放射能濃度は二相性を示し、初期相の消失半減期(T1/2α)は両組織ともに約1時間、終末相の消失半減期(T1/2β)はそれぞれ約17及び13時間であった。また、投与48時間後までの投与放射能に対する尿中の累積排泄率は90.79~96.52%であった。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相臨床試験(非盲検試験)
日本人ゴーシェ病患者6例(I型:成人2例及び小児2例及びIII型:小児2例、11~39歳)に本剤を51週間(12ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。全例がイミグルセラーゼの治療を受けており、投与前のイミグルセラーゼと同一用量(最大60単位/kg)の本剤に切り替えた。ヘモグロビン濃度、血小板数、肝容積及び脾容積について効果の維持が認められた。投与51週におけるベースラインからの変化量の中央値(最小値、最大値)は、ヘモグロビン濃度-0.05(-0.7、1.0)g/dL、血小板数-6.2(-12、64)×10の3乗/μL、体重補正した肝容積0.01(-0.1、0.3)%、体重補正した脾容積0.01(0.0、0.1)%であった。治験期間中に抗ベラグルセラーゼ アルファ抗体が認められた被験者はいなかった。[7.3参照]
副作用発現頻度は50.0%(3/6例)であり、その内訳は湿疹、悪心、嘔吐、増殖性網膜症及び網膜剥離がいずれも16.7%(1/6例)であった。Infusion reactionは16.7%(1/6例)で認められた。
17.1.2 海外第III相臨床試験
(1)用量反応試験(二重盲検並行群間比較試験)
酵素補充療法の治療歴のない4歳以上のI型ゴーシェ病患者25例に本剤60単位/kg及び45単位/kg注)を51週間(12ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。投与51週時又は53週時におけるベースラインからの変化について、60単位/kg群で45単位/kg群より体重補正した肝容積及び脾容積の低下が大きかった。[7.3参照]
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は60.0%(15/25例)であり、主な副作用は、頭痛16.0%(4/25例)、低血圧及び点状出血がいずれも12.0%(3/25例)、血小板減少症、高血圧、関節痛、背部痛、浮動性めまい、傾眠、頻脈及び冷感がいずれも8.0%(2/25例)であった。Infusion reactionは56%(14/25例)で認められた。
(2)イミグルセラーゼとの非劣性試験(二重盲検実薬対照並行群間比較試験)
酵素補充療法の治療歴のない3歳以上のI型ゴーシェ病患者34例に本剤60単位/kg(17例)又はイミグルセラーゼ60単位/kg(17例)を39週間(9ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。ヘモグロビン濃度変化量について、本剤のイミグルセラーゼに対する非劣性が示された(非劣性マージン:-1g/dL)。ベースラインから投与41週時までのヘモグロビン濃度変化量の群間差(本剤-イミグルセラーゼ)は0.135g/dLであった。[7.3参照]
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は47.1%(8/17例)であり、主な副作用は、頭痛及びじん麻疹がいずれも11.8%(2/17例)であった。Infusion reactionは29.4%(5/17例)で認められた。
17.1.3 海外第II/III相臨床試験(非盲検試験)
イミグルセラーゼ15~60単位/kgを長期投与されていた9歳以上のI型ゴーシェ病患者40例に本剤をイミグルセラーゼと同一用量(最大60単位/kg)で51週間(12ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。ヘモグロビン濃度、血小板数、肝容積及び脾容積について効果の維持が認められた。投与53週(肝脾容積については51週)におけるベースラインからの変化量の中央値(最小値、最大値)は、ヘモグロビン濃度では0.03(-1.2、1.1)g/dL、血小板数9.5(-206.0、111.8)×10の3乗/μL、体重補正した肝容積は0.0(-0.5、0.6)%、体重補正した脾容積-0.10(-0.8、0.2)%であった。[7.3参照]
副作用発現頻度は27.5%(11/40例)であり、主な副作用は悪心、関節痛、疲労がいずれも7.5%(3/40例)であった。Infusion reactionは22.5%(9/40例)で認められた。
17.1.4 海外第I/II相長期継続試験(非盲検試験)
酵素補充療法を受けていない18歳以上のI型ゴーシェ病患者に本剤を60単位/kgで39週間隔週点滴静脈内投与した後、ゴーシェ病の1年後の治療基準を参考に、10例に30~60単位/kgで累積で最長89ヵ月間(7年間、前試験の投与期間も含む)隔週点滴静脈内投与した。
二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA法)で評価した骨密度(BMD)のZスコア(平均値とその95%信頼区間)について、腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験の本剤投与開始時)で-1.6(-2.2、-1.0)、大腿骨頚部BMDのZスコアはベースラインで-1.5(-2.1、-0.8)であった。ベースラインからの変化量について、腰椎のZスコアは投与24ヵ月に0.4(0.1、0.7)、大腿骨頚部BMDのZスコアは投与33ヵ月に0.4(0.2、0.6)と上昇が認められ、投与81ヵ月におけるベースラインからの変化量は、腰椎のZスコアでは0.7(0.4、1.0)、大腿骨頚部BMDのZスコアでは0.5(0.2、0.7)と、改善が認められた。[7.3参照]
副作用発現頻度は10.0%(1/10例)であり、骨痛及び疲労がいずれも10.0%(1/10例)であった。Infusion reactionは1例でのみ認められた。
17.1.5 海外第III相長期継続試験
17.1.2の(1)及び(2)並びに17.1.3の海外臨床試験に参加した93例の成人及び小児患者に継続試験が行われた。用法・用量は、17.1.2の(1)及び(2)の臨床試験の完了例には60単位/kg、17.1.3の臨床試験の完了例には前試験と同一用量を隔週点滴静脈内投与した。全例に本剤が2年以上隔週点滴静脈内投与された。18歳以上の患者で検討されたBMDについて、酵素補充療法の治療歴のない患者31例における腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験の本剤投与開始時)で-1.8(-2.2、-1.4)であり、投与24ヵ月後での変化量は0.6(0.4、0.8)と上昇した。酵素補充療法の治療歴がなく前試験でイミグルセラーゼを9ヵ月投与後に本剤を投与した患者11例における腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験のイミグルセラーゼ投与開始時)で-0.7(-2.0、0.7)であり、投与24ヵ月後での変化量は0.5(0.2、0.8)と上昇した。イミグルセラーゼの長期治療歴があり前試験で本剤投与に切り替えた患者29例における腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験の本剤投与開始時)で-0.2(-0.7、0.2)であり、投与24ヵ月後での変化量は0.08(-0.1、0.2)と維持された。大腿骨頚部のBMDに有意な変化はなかった。[7.3参照]
副作用発現頻度は25.3%(24/95例)であり、主な副作用は骨痛、疲労及び高血圧がいずれも3.2%(3/95例)であった。Infusion reactionは11.6%(11/95例)で認められた。
注)酵素補充療法の治療歴のない患者における推奨用量は60単位/kgである。

18.1 作用機序
ゴーシェ病はライソゾーム酵素であるβ‐グルコセレブロシダーゼ遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である。グルコセレブロシダーゼの活性が低下することにより、グルコセレブロシドが主にマクロファージのライソゾームに蓄積し、肝及び脾の腫大、貧血及び血小板減少症、骨痛や骨の異常及び変形をもたらす。
ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、ヒトグルコセレブロシダーゼと同じアミノ酸配列に主要糖鎖として高マンノース型糖鎖を付加した糖タンパク質である。糖鎖を高マンノース型糖鎖とすることで標的であるマクロファージのマンノース受容体を介して細胞内に取り込まれやすくし、ライソゾームに蓄積したグルコセレブロシドをグルコースとセラミドに分解する。
18.2 薬理作用
ゴーシェ病モデル動物(9V/nullマウス)にベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)及びイミグルセラーゼ(遺伝子組換え)(いずれも5、15又は60単位/kg)を反復投与した結果、いずれの酵素も肝でのグルコセレブロシド量及び脂質蓄積細胞数が減少した。なお、脾及び肺ではグルコセレブロシド量の変化は認められなかった。

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添付文書の表現とその精確な意味

添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです

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