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スイニー錠100mg

販売名
スイニー錠100mg
識別コード
Sc 312
薬価
100mg1錠 40.50円
製造メーカー
三和化学研究所

添付文書情報2022年02月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の糖尿病用剤
一般名
アナグリプチン錠
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
効能・効果
2型糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
用法・用量
通常、成人にはアナグリプチンとして1回100mgを1日2回朝夕に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を200mgまで増量することができる。
(用法及び用量に関連する注意)
重度以上の腎機能障害患者では、次を目安に用量調節すること〔9.2.1、16.6.1参照〕。
重度腎機能障害患者/末期腎不全患者:クレアチニンクリアランス<30mL/分、血清クレアチニン値>2.4mg/dLの男性、血清クレアチニン値>2.0mg/dLの女性;投与量100mg、1日1回。
末期腎不全患者については、血液透析との時間関係は問わない。
血清クレアチニン値:クレアチニンクリアランスに相当する換算値(年齢60歳、体重65kg)。
腎機能障害患者
8.1. 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔11.1.3参照〕。
8.3. 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2~3カ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
8.4. 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。
8.5. 本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しており、本剤とGLP-1受容体作動薬を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
9.1.1. 低血糖を起こすおそれのある次の患者又は状態。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取者。
〔8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者:腸閉塞を起こすおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全の患者:用量調節すること(排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇する)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.6.1参照〕。
相互作用
本剤は主に腎臓から未変化体又は代謝物として排泄され、その排泄には能動的な尿細管分泌の関与が推定される〔16.4、16.5参照〕。
10.2. 併用注意:1). 糖尿病用薬(スルホニルウレア剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)〔11.1.1参照〕[低血糖症状を発現するおそれがある(血糖降下作用が増強され、低血糖症のリスクが増加するおそれがある)。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること(血糖降下作用が増強され、低血糖症のリスクが増加するおそれがある)]。
2). 血糖降下作用を増強する薬剤(β-遮断薬、サリチル酸製剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、フィブラート系薬剤等)[血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が増強されるおそれがある)]。
3). 血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等)[血糖降下作用の減弱により血糖が上昇するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が減弱されるおそれがある)]。
4). ジゴキシン〔16.7参照〕[ジゴキシンの血漿中濃度がわずかに増加したとの報告がある(機序不明)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖:低血糖があらわれることがある。スルホニルウレア剤との併用
で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること〔8.1、8.4、9.1.1、10.2、17.参照〕。
11.1.2. 腸閉塞(頻度不明):高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.2参照〕。
11.1.3. 急性膵炎(頻度不明):持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.4. 類天疱瘡(頻度不明):水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)便秘、下痢、胃炎、腹部膨満、腹痛、腹部不快感、血中アミラーゼ上昇、悪心・嘔吐、腸炎、鼓腸、消化性潰瘍、消化不良、胃食道逆流性疾患。
2). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、そう痒。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇。
4). 精神神経系:(0.1~5%未満)めまい。
5). 血液:(0.1~5%未満)貧血、白血球数増加。
6). その他:(0.1~5%未満)便潜血陽性、鼻咽頭炎、浮腫、CK上昇、尿中血陽性、血中尿酸上昇、血中クレアチニン上昇、蜂巣炎、腎嚢胞、(頻度不明)倦怠感。
高齢者
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎仔への移行が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報雌雄ラットに本剤200、600、2000mg/kg/日(2000mg/kg/日群の雄は投与71週以降1000mg/kg/日に減量)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、2000/1000mg/kg/日群の雄で肝臓血管肉腫の発生頻度が増加し、2000mg/kg/日群の雌(60例中1例)で同様の血管肉腫が認められた。また、2000/1000mg/kg/日群の雄で膀胱移行上皮乳頭腫の発生頻度に増加傾向が認められた。ラットに本剤2000又は1000mg/kg/日を反復経口投与したときの曝露量(AUC)は、臨床での最大投与量(1回200mg、1日2回)の200倍以上又は140倍以上であった。なお、マウスを用いたがん原性試験では、腫瘍の発生頻度増加は認められなかった。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(6例)に本剤100又は200mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータを次に示す。

→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
健康成人男性(6例)に本剤200mgを1日2回、食直前に7日間反復経口投与したとき、血漿中濃度は投与2日目には定常状態に達した。投与7日目におけるCmax及びAUC0-72hの累積係数はそれぞれ0.96及び1.03であり、蓄積性は認められなかった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性(11例)に本剤100mgを食後に単回経口投与したとき、Cmax及びAUC0-24hは空腹時投与と比較してそれぞれ15%及び12%減少した。
16.2.2 吸収率
健康成人男性(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、総放射能の尿中排泄率から本剤の吸収率は少なくとも73.2%と見積もられた(外国人データ)。
16.3 分布
[14C]アナグリプチンを10~100000ng/mLの濃度でヒト血清に添加したとき、たん白結合率は37.1~48.2%であった(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人男性(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、血漿中及び尿中にはアナグリプチン及びシアノ基が加水分解された不活性代謝物(SKL‐12320)が存在した。糞中にはアナグリプチン及びSKL‐12320の他に5種の微量代謝物(投与量の1%未満)が検出された。尿糞の総計における存在比は、アナグリプチンが投与量の50.7%、SKL‐12320が29.2%であった(外国人データ)。[10.参照]
アナグリプチンはヒト肝S9による代謝をほとんど受けなかった。アナグリプチンは100μg/mLにおいてCYP1A2、CYP2C8/9、CYP2C19及びCYP3A4に対するわずかな誘導を示したが、10μg/mLではいずれに対しても誘導を示さなかった。また、アナグリプチンはCYP1A、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4に対する阻害を示さなかった。アナグリプチンのSKL‐12320への代謝においては、DPP‐4、コリンエステラーゼ、カルボキシルエステラーゼが関与することが示唆された(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人男性(6例)に本剤100mgを単回経口投与したとき、投与72時間後までのアナグリプチンの尿中排泄率は49.9%であり、投与24時間後までの腎クリアランスは315mL/h/kgであった。
健康成人男性(6例)に本剤200mgを1日2回、7日間反復経口投与したとき、投与216時間後までのアナグリプチンの累積尿中排泄率は54.2%であった。
健康成人男性(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、総放射能の73.2%が尿中に、25.0%が糞中に排泄された。尿及び糞中に排泄されたアナグリプチンの割合はそれぞれ投与量の46.6%及び4.1%であった(外国人データ)。[10.参照]
アナグリプチンはヒトP糖たん白及び有機アニオントランスポーター(hOAT1、hOAT3)等の基質であることが示された。また、有機アニオントランスポーター(hOAT3)及び有機カチオントランスポーター(hOCT2)に対する弱い阻害作用が認められた(IC50値:25.2及び33.8μg/mL)(in vitro)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度、中等度、重度腎機能障害患者、血液透析治療中の末期腎不全患者及び健康成人(各6例)に本剤400mg注1)を単回経口投与したときの、アナグリプチンのCmax、AUC0-∞及びt1/2の比(腎機能障害患者/健康成人)を次に示す。腎機能の低下に伴うAUC0-∞の増加が認められた(外国人データ)。[7.、9.2.1参照]
→図表を見る(PDF)

16.6.2 肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者(Child‐Pugh Class B)及び健康成人(各8例)に本剤400mg注1)を単回経口投与したとき、アナグリプチンのCmax、AUC0-∞及びt1/2の比(肝機能障害患者/健康成人)はそれぞれ1.07(90%信頼区間:0.78~1.48)、1.17(0.93~1.47)及び0.71(0.48~1.04)であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
2型糖尿病の高齢者(65歳以上、13例)及び非高齢者(65歳未満、56例)に本剤100mgを1日2回、12週間投与したとき、アナグリプチンのCmax及びAUC0-2hの比(高齢者/非高齢者)はそれぞれ0.97及び1.05であった。
16.7 薬物相互作用
→図表を見る(PDF)

メトホルミン塩酸塩、ピオグリタゾン注2)との薬物間相互作用を検討した結果、アナグリプチン及び併用薬の薬物動態に影響は認められなかった。シクロスポリン注2)との薬物間相互作用を検討した結果、アナグリプチンの薬物動態に影響は認められなかった。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、通常、アナグリプチンとして1回100mgを1日2回、最大投与量は1回200mgを1日2回である。
注2)外国人における成績。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
食事療法又は食事療法・運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(358例)を対象に、本剤25、50注1)、100、200mg又はプラセボを1日2回(朝夕食直前)、12週間投与したプラセボ対照二重盲検比較試験の投与12週間後における結果は次表のとおりであった。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、通常、アナグリプチンとして1回100mgを1日2回、最大投与量は1回200mgを1日2回である。
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤25mg1日2回投与群で6.8%(5/74例)、本剤50mg1日2回投与群で8.3%(6/72例)、本剤100mg1日2回投与群で12.5%(9/72例)、本剤200mg1日2回投与群で7.0%(5/71例)であった。主な副作用は、本剤50mg1日2回投与群で便秘2.8%(2/72例)であった。なお、低血糖症は本剤50mg1日2回投与群で1.4%(1/72例)、本剤100mg1日2回投与群で1.4%(1/72例)であった。[11.1.1参照]
17.1.2 国内第II/III相試験
食事療法又は食事療法・運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(244例)を対象に、本剤100又は200mgを1日2回(朝夕食前)、ボグリボース0.2mgを1日3回(食直前、参考対照)、又はプラセボを12週間投与したプラセボ及び実薬対照二重盲検比較試験の最終評価時における結果は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

参考対照であるボグリボース群については、最終評価時におけるHbA1cの投与前からの変化量は-0.32±0.37%(平均値±標準偏差、n=65)であった。本剤100mg、1日2回及び200mg、1日2回投与群におけるHbA1c変化量のボグリボース群との差はそれぞれ-0.33%(95%信頼区間:-0.49~-0.17%)及び-0.42%(-0.59~-0.25%)であった。
副作用発現頻度は、本剤100mg1日2回投与群が25.4%(16/63例)、本剤200mg1日2回投与群が24.1%(14/58例)であった。主な副作用は、本剤100mg1日2回投与群で下痢、鼓腸、AST増加、血中尿酸増加、便潜血陽性がいずれも3.2%(2/63例)、本剤200mg1日2回投与群で下痢5.2%(3/58例)、便潜血陽性5.2%(3/58例)、低血糖症3.4%(2/58例)であった。[11.1.1参照]
17.1.3 国内第III相試験(単剤療法)
食事療法又は食事療法・運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(151例)を対象に、本剤100mgを1日2回(朝夕食前又は食後)、52週間投与した非盲検試験の結果を次に示す。なお、効果不十分な場合、治療期16週以降で本剤200mg、1日2回に増量した。
治療期12週までの最終評価時におけるHbA1c変化量は、食前投与群-0.62±0.67%(平均値±標準偏差、n=80)、食後投与群-0.55±0.56%(n=70)、全例-0.59±0.62%(いずれもp<0.001、1標本t検定)であり、食前投与群と食後投与群の変化量は同程度であった。また、治療期52週(最終評価時)におけるHbA1c変化量は、食前投与群-0.66±0.85%(n=80)、食後投与群-0.58±0.82%(n=70)、全例-0.62±0.84%であった。
副作用発現頻度は、食前投与群が23.5%(19/81例)、食後投与群が15.7%(11/70例)であった。主な副作用は、便秘3.3%(5/151例)、胃炎2.6%(4/151例)であった。なお、低血糖症は0.7%(1/151例)であった。[11.1.1参照]
17.1.4 国内第III相試験(併用療法)
(1)α‐グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤との併用試験
食事療法又は食事療法・運動療法に加えて、経口血糖降下剤(α‐グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤又はチアゾリジン系薬剤)による治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(それぞれ94例、105例、136例、102例)を対象に、本剤100mg又はプラセボを1日2回(朝夕食前)、12週間併用投与したプラセボ対照二重盲検比較試験の最終評価時における結果は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

二重盲検比較試験に引き続き、各群の経口血糖降下剤と本剤100mg、1日2回を併用して40週間投与した非盲検試験の結果を次に示す。なお、効果不十分な場合、治療期28週以降で本剤200mg、1日2回に増量した。
治療期52週(最終評価時)におけるHbA1c変化量は、α‐グルコシダーゼ阻害剤併用-0.86±0.82%(平均値±標準偏差、n=62)、ビグアナイド系薬剤併用-0.49±1.15%(n=69)、スルホニルウレア剤併用-0.25±0.76%(n=90)、チアゾリジン系薬剤併用-0.73±0.78%(n=71)であった。
治療期(52週)における副作用発現頻度は、α‐グルコシダーゼ阻害剤との併用試験で23.4%(22/94例)、ビグアナイド系薬剤との併用試験で24.0%(25/104例)、スルホニルウレア剤との併用試験で31.9%(43/135例)、チアゾリジン系薬剤との併用試験で22.5%(23/102例)であった。主な副作用は、α‐グルコシダーゼ阻害剤との併用試験でヘモグロビン減少4.3%(4/94例)、ヘマトクリット減少3.2%(3/94例)、便秘、鼻咽頭炎、赤血球数減少がいずれも2.1%(2/94例)、ビグアナイド系薬剤との併用試験で便潜血陽性4.8%(5/104例)、ALT増加3.8%(4/104例)、AST増加、血中アミラーゼ増加、便秘がいずれも2.9%(3/104例)、スルホニルウレア剤との併用試験で低血糖症7.4%(10/135例)、便秘5.2%(7/135例)、ALT増加4.4%(6/135例)、便潜血陽性3.7%(5/135例)、γ‐GTP増加2.2%(3/135例)、チアゾリジン系薬剤との併用試験で低血糖症2.9%(3/102例)、腹部膨満、便秘がいずれも2.0%(2/102例)であった。なお、低血糖症はα‐グルコシダーゼ阻害剤との併用試験で1.1%(1/94例)、ビグアナイド系薬剤との併用試験で1.0%(1/104例)であった。[11.1.1参照]
(2)速効型インスリン分泌促進剤との併用試験
食事療法又は食事療法・運動療法に加えて、速効型インスリン分泌促進剤による治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(63例)を対象に、本剤100mgを1日2回(朝夕食前)、52週間併用投与した非盲検試験の結果を次に示す。なお、効果不十分な場合、治療期28週以降で本剤200mg、1日2回に増量した。
治療期52週までの最終評価時におけるHbA1c変化量は、-0.87±0.71%(平均値±標準偏差、n=63)であった。
副作用発現頻度は27.0%(17/63例)であった。主な副作用は、低血糖症9.5%(6/63例)、下痢3.2%(2/63例)であった。[11.1.1参照]
(3)インスリン製剤との併用試験
食事療法又は食事療法・運動療法に加えて、インスリン製剤による治療注2)注3)で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(123例)を対象に、本剤100mg又はプラセボを1日2回(朝夕食前)、12週間併用投与したプラセボ対照二重盲検比較試験の最終評価時における結果は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

注2)持効型又は混合型の製剤単独、あるいは速効型(超速効型含む)と持効型の製剤併用等
注3)基礎治療としてα‐グルコシダーゼ阻害剤又はビグアナイド系薬剤を併用する症例を含む
二重盲検比較試験に引き続き、インスリン製剤と本剤100mg、1日2回を併用して40週間投与した非盲検試験の結果を次に示す。なお、効果不十分な場合、治療期28週以降で本剤200mg、1日2回に増量した。
治療期52週(最終評価時)におけるHbA1c変化量は-0.72±0.64%(平均値±標準偏差、n=61)であった。
治療期(52週)における副作用発現頻度は55.8%(67/120例)であった。主な副作用は、低血糖症44.2%(53/120例)、便秘5.0%(6/120例)、腹部膨満2.5%(3/120例)であった。[11.1.1参照]

18.1 作用機序
アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP‐4)の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である。インクレチンであるグルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)はグルコース依存的なインスリン分泌促進作用等を有するが、DPP‐4により分解されて活性を失う。アナグリプチンはDPP‐4の阻害によって内因性インクレチンの分解を抑制し、その作用を高めることで血糖コントロールを改善する。
18.2 DPP‐4阻害作用
ヒトDPP‐4(組換え体、血漿及びCaco‐2細胞由来)の活性を選択的に阻害する(IC50値:3.3、5.4及び3.5nmol/L)(in vitro)。
18.3 インクレチンに対する作用
2型糖尿病患者(成人男性)において、アナグリプチン100mgを1日2回、3日間反復経口投与したところ、血漿中のDPP‐4活性を阻害し、食後の活性型GLP‐1及びGIP濃度を増加させた。
18.4 耐糖能及び糖代謝改善作用
18.4.1 成人2型糖尿病患者において、アナグリプチン100mgを1日2回、12週間反復経口投与したところ、空腹時血糖値及び食後血糖値を低下させた。
18.4.2 肥満・インスリン抵抗性動物(Zucker fattyラット)及び非肥満・糖尿病動物(GKラット)において、アナグリプチンは単回経口投与により糖負荷後の血漿インスリン濃度を増加させ、血糖値上昇を抑制した。

一包可:不明

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