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メトアナ配合錠LD

販売名
メトアナ配合錠LD
識別コード
Sc125 LD
薬価
1錠 43.60円
製造メーカー
三和化学研究所

添付文書情報2024年01月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の糖尿病用剤
一般名
アナグリプチン・メトホルミン塩酸塩配合剤(1)錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. メトホルミンにより重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されているので、乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと〔2.2、2.4、8.2、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。
1.2. 腎機能障害又は肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に投与すること。特に75歳以上の高齢者では、本剤投与の適否を慎重に判断すること〔8.2、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の各成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 次に示す患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔1.1、8.2、11.1.1参照〕。
・ 乳酸アシドーシスの既往のある患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい]。
・ 重度腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73㎡未満)のある患者又は透析患者(腹膜透析を含む)[乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔9.2.1参照〕。
・ 重度肝機能障害のある患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔9.3.1参照〕。
・ 心血管系に高度障害、肺機能に高度障害(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等)のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態にある患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい;嫌気的解糖の亢進により乳酸産生が増加する]。
・ 脱水症の患者又は脱水状態が懸念される患者(下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者、経口摂取が困難な患者等)[乳酸アシドーシスを起こしやすい]。
・ 過度のアルコール摂取者[乳酸アシドーシスを起こしやすい;肝臓における乳酸の代謝能が低下し、また、脱水状態を来すことがある]〔10.1参照〕。
2.3. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.4. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない、また、乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔1.1、8.2、11.1.1参照〕。
2.5. 栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者[低血糖を起こすおそれがある]〔11.1.2参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
2型糖尿病(ただし、アナグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
5.2. 本剤を2型糖尿病治療の第一選択薬として用いないこと。
5.3. 本剤LD(アナグリプチン/メトホルミン塩酸塩として100mg/250mg)については、原則として次の場合に使用を検討すること。
・ 既にアナグリプチン100mg1日2回及びメトホルミン塩酸塩250mg1日2回を併用し状態が安定している場合に使用を検討すること。
・ アナグリプチン100mg1日2回の単剤治療により効果不十分な場合に使用を検討すること。
・ メトホルミン塩酸塩250mg1日2回の単剤治療により効果不十分な場合に使用を検討すること。
5.5. 本剤投与中において、本剤の投与がアナグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の各単剤の併用よりも適切であるか慎重に判断すること。
用法・用量
通常、成人には1回1錠(アナグリプチン/メトホルミン塩酸塩として100mg/250mg)を1日2回朝夕に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
中等度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡以上60mL/min/1.73㎡未満)では、メトホルミンの血中濃度が上昇し、乳酸アシドーシスの発現リスクが高くなる可能性があるため、次の点に注意すること[1)メトホルミン塩酸塩を少量より開始し、効果を観察しながら徐々に増量するなど、慎重に投与量を調節することが必要であるため、本剤投与がアナグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の各単剤の併用療法より適切であるか慎重に判断すること、2)本剤に含まれるアナグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の量、次に示すメトホルミン塩酸塩単剤の1日最高投与量の目安も考慮して、本剤の投与量を決めること:(参考)中等度の腎機能障害のある患者におけるメトホルミン塩酸塩単剤の1日最高投与量の目安;①45≦eGFR<60mL/min/1.73㎡;1500mg、②30≦eGFR<45mL/min/1.73㎡;750mg(メトホルミン塩酸塩単剤の承認用法は1日量を1日2~3回分割投与であるが、本剤(アナグリプチン/メトホルミン塩酸塩として100mg/250mg)の承認用法は1回1錠を1日2回投与である)、3)投与中は、より頻回に腎機能(eGFR等)を確認するなど慎重に経過を観察し、投与の適否及び投与量の調節を検討すること](eGFR:推算糸球体濾過量)。特に、eGFR30mL/min/1.73㎡以上45mL/min/1.73㎡未満の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること〔8.2、9.2.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
肝機能障害患者
8.1. アナグリプチンにより急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔11.1.4参照〕。
8.2. メトホルミンにより、まれに重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがある(リスク因子としては、腎機能障害、肝機能障害、低酸素血症を伴いやすい状態、脱水(利尿作用を有する薬剤の併用を含む)、過度のアルコール摂取、感染症、高齢者等が知られている)。特に、脱水、過度のアルコール摂取等により患者の状態が急変することもあるので、次の点に注意すること〔1.1、1.2、2.2、2.4、11.1.1参照〕。
(1). 本剤の投与開始前及びその後も投与中は定期的に、腎機能(eGFR等)及び肝機能を確認するとともに、患者の状態に十分注意して投与の適否及び投与量の調節を検討すること。なお、高齢者等、特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に確認すること〔2.2、7.用法及び用量に関連する注意、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者、9.8高齢者の項参照〕。
(2). 脱水症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤等)との併用時には、特に脱水に注意すること〔2.2、10.2参照〕。
(3). 本剤の投与開始時及びその後も投与中は適切に、次の内容を患者及びその家族に十分指導すること。
・ 過度のアルコール摂取を避けること〔2.2、10.1参照〕。
・ 発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良等の体調不良(シックデイ)の時は脱水状態が懸念されるため、いったん服用を中止し、医師に相談すること〔2.2、9.1.1参照〕。
・ 乳酸アシドーシスの症状(胃腸障害、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等)があらわれた場合には、直ちに受診すること〔11.1.1参照〕。
(4). ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、メトホルミンの併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、検査前は本剤の投与を一時的に中止すること(ただし、緊急に検査を行う必要がある場合を除く)、ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこと(なお、投与再開時には、患者の状態に注意すること)〔10.2参照〕。
8.3. 本剤の使用にあたっては、患者及びその家族に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔9.1.2、10.2、11.1.2参照〕。
8.4. 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.2参照〕。
8.5. 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2~3カ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
8.6. 本剤と他の糖尿病用薬の併用における安全性は検討されていない。
8.7. 本剤の有効成分であるアナグリプチンとGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しており、アナグリプチンとGLP-1受容体作動薬を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
8.8. 本剤の有効成分であるメトホルミンとイメグリミンは作用機序の一部が共通している可能性があること、また、イメグリミンの国内臨床試験において、ビグアナイド系薬剤とイメグリミンを併用した場合、他の糖尿病用薬との併用療法と比較して消化器症状が多く認められたとの報告があることから、併用薬剤の選択の際には留意すること〔10.2参照〕。
9.1.1. 感染症の患者:乳酸アシドーシスを起こすおそれがある〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 低血糖を起こすおそれのある次の状態。
・ 不規則な食事摂取、食事摂取量不足。
・ 激しい筋肉運動。
〔8.3、11.1.2参照〕。
9.1.3. 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者:腸閉塞を起こすおそれがある〔11.1.3参照〕。
腎機能障害患者:腎臓における排泄が減少しメトホルミンの血中濃度が上昇するため、乳酸アシドーシス等の発現リスクが高くなる可能性がある〔1.1、1.2、9.8高齢者の項、11.1.1、16.6.1参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡未満)又は透析患者(腹膜透析を含む):投与しないこと〔2.2参照〕。
9.2.2. 中等度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡以上60mL/min/1.73㎡未満):慎重に経過を観察し、投与の適否及び投与量の調節を検討すること。特に、eGFR30mL/min/1.73㎡以上45mL/min/1.73㎡未満の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.2参照〕。
9.2.3. 軽度腎機能障害のある患者〔8.2参照〕。
肝機能障害患者:肝臓における乳酸の代謝能が低下し、乳酸アシドーシスの発現リスクが高くなる可能性がある〔1.1、1.2、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者:投与しないこと〔2.2参照〕。
9.3.2. 軽度~中等度肝機能障害のある患者〔8.2参照〕。
相互作用
アナグリプチンは主に腎臓から未変化体又は代謝物として排泄され、その排泄には能動的な尿細管分泌の関与が推定される。また、メトホルミンはほとんど代謝されず、未変化体のまま、主にOCT2を介して尿中に排泄される〔16.4、16.5参照〕。
10.1. 併用禁忌:アルコール<過度の摂取>〔2.2、8.2、11.1.1参照〕[乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、本剤投与中は過度のアルコール摂取(飲酒)を避けること(肝臓における乳酸の代謝能が低下し、また、脱水状態を来すことがある)]。
10.2. 併用注意:1). ヨード造影剤〔8.2、11.1.1参照〕[乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、ヨード造影剤を用いて検査を行う場合には、本剤の投与を一時的に中止すること(腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている)]。
2). 腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシン等)〔11.1.1参照〕[乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、併用する場合は本剤の投与を一時的に減量・中止するなど適切な処置を行うこと(腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている)]。
3). 利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤等)〔8.2、11.1.1参照〕[脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある)]。
4). 糖尿病用薬(スルホニルウレア剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤、イメグリミン等)〔8.3、11.1.2参照〕[低血糖症状を発現するおそれがある(血糖降下作用が増強され、低血糖のリスクが増加するおそれがある)。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること(血糖降下作用が増強され、低血糖のリスクが増加するおそれがある)]。
5). 血糖降下作用を増強する薬剤(β-遮断薬、サリチル酸製剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、フィブラート系薬剤、たん白同化ホルモン剤等)[血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が増強されるおそれがある)]。
6). 血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、卵胞ホルモン、利尿剤、ピラジナミド、イソニアジド、ニコチン酸、フェノチアジン系薬剤等)[血糖降下作用の減弱により血糖が上昇するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が減弱されるおそれがある)]。
7). OCT2を阻害する薬剤、MATE1を阻害する薬剤、又はMATE2-Kを阻害する薬剤(シメチジン、ドルテグラビル、ビクテグラビル、バンデタニブ、イサブコナゾニウム、ピミテスピブ等)〔16.7.2参照〕[メトホルミンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて本剤を減量するなど慎重に投与すること(OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを介したメトホルミンの腎排泄が阻害されると考えられている)]。
8). ジゴキシン〔16.7.1参照〕[アナグリプチンとの併用によりジゴキシンの血漿中濃度がわずかに増加したとの報告があるので、適切な観察を行うこと(機序不明)]。
9). イメグリミン〔8.8参照〕[消化器症状の発現に注意すること(特に併用初期に多く発現する傾向が認められている)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 乳酸アシドーシス(頻度不明):乳酸アシドーシス(血中乳酸値上昇、乳酸/ピルビン酸比上昇、血液pH低下等を示す)は予後不良のことが多く、一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと〔1.1、1.2、2.2、2.4、7.用法及び用量に関連する注意、8.2、9.1.1、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者、9.5妊婦、9.8高齢者の項、10.1、10.2、13.1参照〕。
11.1.2. 低血糖(1%未満):低血糖があらわれることがある。DPP-4阻害剤とスルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること〔2.5、8.3、8.4、9.1.2、10.2参照〕。
11.1.3. 腸閉塞(頻度不明):高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.3参照〕。
11.1.4. 急性膵炎(頻度不明):持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。
11.1.5. 類天疱瘡(頻度不明):水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.6. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいALP上昇、著しいγ-GTP上昇、著しいビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.7. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(1~5%未満)下痢、(1%未満)便秘、腹部不快感、消化不良、血中アミラーゼ上昇、(頻度不明)胃炎、腹部膨満、腹痛、悪心・嘔吐、腸炎、鼓腸、消化性潰瘍、胃食道逆流性疾患、食欲不振、胃腸障害[胃腸症状は乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので注意すること]。
2). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒。
3). 肝臓:(1%未満)ALT上昇、AST上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇、肝機能異常。
4). 腎臓:(頻度不明)BUN上昇、血中クレアチニン上昇、腎嚢胞。
5). 代謝異常:(1%未満)乳酸上昇、血中尿酸上昇、(頻度不明)血中カリウム上昇、ケトーシス。
6). 精神神経系:(頻度不明)めまい・ふらつき、眠気、味覚異常、頭重、頭痛。
7). 血液:(頻度不明)貧血、白血球数増加、好酸球数増加、白血球数減少、血小板数減少。
8). その他:(頻度不明)便潜血陽性、鼻咽頭炎、浮腫、CK上昇、尿中血陽性、蜂巣炎、*倦怠感、空腹感、動悸、脱力感、発汗、※ビタミンB12減少[※:長期使用によりビタミンB12の吸収不良があらわれることがある]、*筋肉痛[*:倦怠感、筋肉痛は、乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので注意すること]。
高齢者
腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい。これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすいので、次の点に注意すること〔1.2、8.2、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。
・ 高齢者:腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい(これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすい)ので、本剤の投与開始前、投与中は定期的に、特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能や肝機能を確認するなど十分に観察しながら慎重に投与すること(メトホルミンはほとんど代謝されず、未変化体のまま尿中に排泄され、また、肝機能の低下により乳酸の代謝能が低下する)。
・ 高齢者:腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい(これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすい)ので、腎機能や脱水症状等患者の状態に十分注意して投与の中止や減量を検討すること。特に75歳以上の高齢者では、乳酸アシドーシスが多く報告されており、予後も不良であることが多いため、本剤投与の適否をより慎重に判断すること。
・ 高齢者:腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい(これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすい)ので、eGFR等も考慮して、慎重に患者の状態を観察すること(血清クレアチニン値が正常範囲内であっても、年齢によっては実際の腎機能が低下していることがある)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(アナグリプチンでは、動物実験(ラット)で胎仔への移行が報告されており、メトホルミンでは、動物実験(ラット、ウサギ)で胎仔への移行が認められており、一部の動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されており、また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい)〔2.6、11.1.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)でアナグリプチン及びメトホルミンの乳汁中への移行が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること(一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報雌雄ラットにアナグリプチン200、600、2000mg/kg/日(2000mg/kg/日群の雄は投与71週以降1000mg/kg/日に減量)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、2000/1000mg/kg/日群の雄で肝臓血管肉腫の発生頻度が増加し、2000mg/kg/日群の雌(60例中1例)で同様の血管肉腫が認められた。また、アナグリプチン2000/1000mg/kg/日群の雄で膀胱移行上皮乳頭腫の発生頻度に増加傾向が認められた。ラットにアナグリプチン2000又は1000mg/kg/日を反復経口投与したときの曝露量(AUC)は、臨床での最大投与量(1回200mg、1日2回)の200倍以上又は140倍以上であった。なお、マウスを用いたアナグリプチンのがん原性試験では、腫瘍の発生頻度増加は認められなかった。

16.1 血中濃度
健康成人男性(30例)に本剤HD(アナグリプチン/メトホルミン塩酸塩として100mg/500mg)とアナグリプチン100mg単剤及びメトホルミン塩酸塩500mg単剤併用をクロスオーバー法により空腹時単回経口投与したときのアナグリプチンとメトホルミンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは次のとおりであり、生物学的同等性が認められた。

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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性(12例)に本剤HD(アナグリプチン/メトホルミン塩酸塩として100mg/500mg)を食後に単回経口投与したとき、Cmax及びAUC0-24hは空腹時投与と比較して、アナグリプチンでそれぞれ13.9%減少及び10.5%減少し、メトホルミンでそれぞれ5.6%減少及び2.3%増加した。
16.2.2 吸収率
健康成人男性(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、総放射能の尿中排泄率からアナグリプチンの吸収率は少なくとも73.2%と見積もられた(外国人データ)。
16.3 分布
[14C]アナグリプチンを10~100000ng/mLの濃度でヒト血清に添加したとき、たん白結合率は37.1~48.2%であった(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人男性(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、血漿中及び尿中にはアナグリプチン及びシアノ基が加水分解された不活性代謝物(SKL‐12320)が存在した。糞中にはアナグリプチン及びSKL‐12320の他に5種の微量代謝物(投与量の1%未満)が検出された。尿糞の総計における存在比は、アナグリプチンが投与量の50.7%、SKL‐12320が29.2%であった(外国人データ)。[10.参照]
アナグリプチンはヒト肝S9による代謝をほとんど受けなかった。アナグリプチンは100μg/mLにおいてCYP1A2、CYP2C8/9、CYP2C19及びCYP3A4に対するわずかな誘導を示したが、10μg/mLではいずれに対しても誘導を示さなかった。また、アナグリプチンはCYP1A、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4に対する阻害を示さなかった。アナグリプチンのSKL‐12320への代謝においては、DPP‐4、コリンエステラーゼ、カルボキシルエステラーゼが関与することが示唆された(in vitro)。
メトホルミンはほとんど代謝されず、未変化体のまま尿中に排泄されるとの報告がある(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男性(6例)にアナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、投与72時間後までのアナグリプチンの尿中排泄率は49.9%であり、投与24時間後までの腎クリアランスは315mL/h/kgであった。
健康成人男性(6例)にアナグリプチン200mgを1日2回、7日間反復経口投与したとき、投与216時間後までのアナグリプチンの累積尿中排泄率は54.2%であった。
健康成人男性(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投与したとき、総放射能の73.2%が尿中に、25.0%が糞中に排泄された。尿及び糞中に排泄されたアナグリプチンの割合はそれぞれ投与量の46.6%及び4.1%であった(外国人データ)。[10.参照]
アナグリプチンはヒトP糖たん白及び有機アニオントランスポーター(hOAT1、hOAT3)等の基質であることが示された。また、有機アニオントランスポーター(hOAT3)及び有機カチオントランスポーター(hOCT2)に対する弱い阻害作用が認められた(IC50値:25.2及び33.8μg/mL)(in vitro)。
健康成人(5例)にメトホルミン塩酸塩500mgを単回経口投与したとき、投与48時間後までの尿中排泄率は投与量の51.6%であったとの報告がある(外国人データ)。
ヒトのトランスポーター発現細胞を用いた検討の結果から、メトホルミンは主にhOCT2を介して尿中に排泄されることが示唆されている(in vitro)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)アナグリプチン
軽度、中等度、重度腎機能障害患者、血液透析治療中の末期腎不全患者及び健康成人(各6例)にアナグリプチン400mg注1)を単回経口投与したときの、アナグリプチンのCmax、AUC0-∞及びt1/2の比(腎機能障害患者/健康成人)を次に示す。腎機能の低下に伴うAUC0-∞の増加が認められた(外国人データ)。
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(2)メトホルミン塩酸塩
腎機能正常者(Ccr:>90mL/min)、軽度(Ccr:61~90mL/min)及び中等度(Ccr:31~60mL/min)の腎機能障害者にメトホルミン塩酸塩850mgを空腹時に単回経口投与したときのメトホルミンの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。[7.、9.2参照]
→図表を見る(PDF)

16.6.2 肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者(Child‐Pugh Class B)及び健康成人(各8例)にアナグリプチン400mg注1)を単回経口投与したとき、アナグリプチンのCmax、AUC0-∞及びt1/2の比(肝機能障害患者/健康成人)はそれぞれ1.07(90%信頼区間:0.78~1.48)、1.17(0.93~1.47)及び0.71(0.48~1.04)であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
2型糖尿病の高齢者(65歳以上、13例)及び非高齢者(65歳未満、56例)にアナグリプチン100mgを1日2回、12週間投与したとき、アナグリプチンのCmax及びAUC0-2hの比(高齢者/非高齢者)はそれぞれ0.97及び1.05であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 アナグリプチンとその他の薬剤
→図表を見る(PDF)

メトホルミン塩酸塩、ピオグリタゾン注2)との薬物間相互作用を検討した結果、アナグリプチン及び併用薬の薬物動態に影響は認められなかった。シクロスポリン注2)との薬物間相互作用を検討した結果、アナグリプチンの薬物動態に影響は認められなかった。[10.2参照]
16.7.2 メトホルミン塩酸塩とその他の薬剤
次の報告がある注2)。
シメチジンとの併用により、メトホルミンのAUCが約50%増加した。ドルテグラビル50mg/日及び100mg/日との併用により、メトホルミンのCmaxがそれぞれ66%及び111%上昇し、AUCがそれぞれ79%及び145%増加した。バンデタニブとの併用により、メトホルミンのCmaxが50%上昇し、AUC0-∞が74%増加し、腎クリアランスが52%減少した。[10.2参照]
注1)アナグリプチンの承認された用法及び用量は、通常、1回100mgを1日2回、最大投与量は1回200mgを1日2回である。
注2)外国人における成績。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(メトホルミン塩酸塩で効果不十分な2型糖尿病患者)
食事療法又は食事療法・運動療法に加えてメトホルミン塩酸塩250mg又は500mg、1日2回投与による単剤治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(209例)を対象に、アナグリプチン100mg又はプラセボを1日2回(朝夕食直前)、24週間併用投与したプラセボ対照二重盲検比較試験の最終評価時における結果は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

二重盲検比較試験に引き続き、メトホルミン塩酸塩500mg、1日2回投与の患者を対象に、アナグリプチン100mgを1日2回(朝夕食直前)、28週間併用投与した非盲検査試験の結果を次に示す。アナグリプチン継続投与例での治療期52週(最終評価時)におけるHbA1c変化量は-0.47±0.81%(平均値±標準偏差、n=82)であった。
治療期52週(最終評価時)における副作用発現頻度は3.6%(3/83例)であった。主な副作用は、便秘、消化不良、血中乳酸増加、血中尿酸増加がいずれも1.2%(1/83例)であった。
17.1.2 国内第III相試験(アナグリプチンで効果不十分な2型糖尿病患者)
食事療法又は食事療法・運動療法に加えてアナグリプチン100mg、1日2回投与による単剤治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(158例)を対象に、メトホルミン塩酸塩250mg又は500mg(最初の4週間は250mg)あるいはプラセボを1日2回(朝夕食直前)、24週間併用投与したプラセボ対照二重盲検比較試験の最終評価時における結果は次表のとおりであった。
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副作用発現頻度は、A群が9.1%(5/55例)、M250+A群が1.9%(1/53例)、M500+A群が10.0%(5/50例)であった。主な副作用は、A群で「腹部膨満」、「慢性胃炎」、「便秘」、「胃食道逆流疾患」、「心窩部不快感」、「血中血陽性」がいずれも1.8%(1/55例)、M250+A群で下痢が1.9%(1/53例)、M500+A群で「腹部不快感」が4.0%(2/50例)、「便秘」、「下痢」、「排便障害」がいずれも2.0%(1/50例)であった。

18.1 作用機序
18.1.1 アナグリプチン
アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP‐4)の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である。インクレチンであるグルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)はグルコース依存的なインスリン分泌促進作用等を有するが、DPP‐4により分解されて活性を失う。アナグリプチンはDPP‐4の阻害によって内因性インクレチンの分解を抑制し、その作用を高めることで血糖コントロールを改善する。
18.1.2 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩は、肝臓での糖新生抑制、末梢組織での糖取り込み促進、消化管からの糖吸収抑制等の作用により、膵β細胞のインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を示す。
18.2 DPP‐4阻害作用
アナグリプチンは、ヒトDPP‐4(組換え体、血漿及びCaco‐2細胞由来)の活性を選択的に阻害する(IC50値:3.3、5.4及び3.5nmol/L)(in vitro)。
18.3 インクレチンに対する作用
2型糖尿病患者(成人男性)において、アナグリプチン100mgを1日2回、3日間反復経口投与したところ、血漿中のDPP‐4活性を阻害し、食後の活性型GLP‐1及びGIP濃度を増加させた。
18.4 耐糖能及び糖代謝改善作用
18.4.1 成人2型糖尿病患者において、アナグリプチン100mgを1日2回、12週間反復経口投与したところ、空腹時血糖値及び食後血糖値を低下させた。
18.4.2 肥満・インスリン抵抗性動物(Zucker fattyラット)及び非肥満・糖尿病動物(GKラット)において、アナグリプチンは単回経口投与により糖負荷後の血漿インスリン濃度を増加させ、血糖値上昇を抑制した。

一包可:条件付可

オルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避ける。一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。

分割:条件付可
粉砕:条件付可
製造販売会社
三和化学研究所
販売会社
 

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