レズロック錠200mg

添付文書情報2024年05月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)。
- 用法・用量
- 通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 食後投与に比べて空腹時投与で本剤のCmax及びAUCが低下するため、本剤は食後に服用すること〔16.2.1参照〕。
7.2. プロトンポンプ阻害剤又は強いCYP3A4誘導剤との併用により、本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること〔10.2、16.7.1-16.7.3参照〕。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 肺炎が発現又は肺炎悪化等の重篤な感染症が発現又は重篤な感染症悪化や日和見感染が発現又は日和見感染悪化することがあり、また、B型肝炎ウイルス再活性化、帯状疱疹再活性化等するおそれがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施すること。
9.1.1. 感染症を合併している患者:症状を増悪させるおそれがある〔8.1、11.1.1参照〕。
9.3.1. 重度<Child-Pugh分類C>の肝機能障害患者:可能な限り投与を避けること、やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔16.6.1参照〕。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.3. 男性に投与する場合には、性腺及び生殖能に対する影響を考慮すること(動物実験(ラット)で回復性のある雄受胎能への影響(授胎率低下及び妊娠率低下)が臨床曝露量の約8.4倍で報告されている)。
- 相互作用
- 本剤は主にCYP3A4により代謝され、CYP3A、P-gp、BCRP及びOATP1B1に対する阻害作用を示す。また、本剤の溶解度はpHの上昇により低下する〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). 強いCYP3A4誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等)〔7.2、16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること(これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある)]。
2). 中程度のCYP3A4誘導剤(エファビレンツ、エトラビリン、プリミドン等)〔16.7.6参照〕[本剤の血中濃度が低下する可能性がある(これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある)]。
3). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないように注意すること(セイヨウオトギリソウのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある)]。
4). プロトンポンプ阻害剤(ラベプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール等)〔7.2、16.7.2、16.7.3参照〕[本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること(これらの薬剤による胃内pHの上昇により、本剤の吸収が抑制されるおそれがある)]。
5). BCRP及びOATP1B1の基質となる薬剤(ロスバスタチン等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある(本剤のBCRP及びOATP1B1阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
6). CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、シクロスポリン、アトルバスタチン等)〔16.7.7参照〕[これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある(本剤のCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
7). P-gpの基質となる薬剤(ダビガトランエテキシラート、タクロリムス、シロリムス等)〔16.7.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある(本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 感染症:肺炎(2.0%)、帯状疱疹(1.3%)等の感染症があらわれることがある〔8.1、9.1.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症:(2.5~5%未満)上気道感染。
2). 血液:(2.5%未満)貧血、好中球減少症。
3). 内分泌系:(2.5%未満)甲状腺機能低下症。
4). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(2.5~5%未満)末梢性ニューロパチー、(2.5%未満)不眠症、浮動性めまい、味覚不全、神経痛、錯感覚。
5). 血管:(2.5~5%未満)高血圧、(2.5%未満)深部静脈血栓症。
6). 呼吸器:(2.5~5%未満)咳嗽、呼吸困難、(2.5%未満)労作性呼吸困難。
7). 消化器:(5%以上)悪心、下痢、(2.5~5%未満)嘔吐、便秘、(2.5%未満)腹痛、腹部不快感、腹部膨満、口内乾燥。
8). 心臓:(2.5%未満)頻脈。
9). 皮膚:(2.5~5%未満)皮膚そう痒症。
10). 筋骨格系:(2.5~5%未満)筋痙縮、関節痛、(2.5%未満)背部痛、筋肉痛。
11). 腎臓:(2.5%未満)急性腎障害。
12). 臨床検査:(5%以上)AST増加、ALT増加、(2.5~5%未満)γ-GTP増加、血中クレアチニン増加、体重減少、リンパ球数減少、血小板数減少、血中Al-P増加、(2.5%未満)血中CK増加、白血球数減少、血中リン減少。
13). その他:(5%以上)疲労(20.3%)、(2.5~5%未満)食欲減退、高血糖、末梢性浮腫、無力症、(2.5%未満)倦怠感、発熱、脱水、高カリウム血症、低アルブミン血症。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で胚毒性・胎仔毒性(ウサギ及びラット)及び催奇形性(ウサギ:短尾、肋骨分岐などの骨格異常)が臨床曝露量付近で報告されている)〔2.2、9.4.1、9.4.2参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおける乳汁中への移行は不明である)。
- 小児等
- 12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. ボトル包装のふたはチャイルドロックを施しているため、ふたを強く押しながらねじって開封すること。
14.1.2. ボトル開封後は、湿気を避けて保存すること。
14.1.3. 小分けをする場合には、専用小分けボトル等の湿気を避けられる容器を用いること。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与(健康成人)
日本人健康成人男性(6例)にベルモスジルを7日間、200mg1日1回、200mg1日2回又は400mg1日1回注)食事摂取5分後に反復経口投与したときの投与7日目のベルモスジルのTmaxは2~4時間、T1/2は6~10時間であった。いずれの用法・用量においてもトラフ値は投与3日目以降でほぼ一定の値を示し、定常状態となった。
表1 健康成人男性にベルモスジルを反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 単回及び反復投与(慢性移植片対宿主病患者)
外国人慢性移植片対宿主病患者(10例)にベルモスジルを200mg1日1回又は1日2回食事中又は食後5分以内に反復経口投与したとき、血漿中ベルモスジル濃度は、投与後2~4時間(中央値)に最高濃度に達し、徐々に減少した。
表2 外国人慢性移植片対宿主病患者にベルモスジルを反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人健康成人男性(18例)を対象とした食事の影響試験において、通常食摂取5分後又は30分後に単回経口投与したときのCmax及びAUC0-∞は、空腹時に投与したときに比べ約2倍であった。通常食摂取30分後に単回投与したときのCmax及びAUC0-∞は、通常食摂取5分後に比べ、Cmaxは1.28倍であったが、AUC0-∞は1.05倍であり大きな差はなかった。食事の種類(高脂肪食又は通常食)によっても、薬物動態に大きな差はなかった。[7.1参照]
表3 ベルモスジル200mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康成人男性(5例)に[14C]ベルモスジル溶液100μgを単回静脈内投与(15分点滴投与)注)及びベルモスジル200mgを食後に単回経口投与したとき、ベルモスジルの絶対的バイオアベイラビリティは63.7%であった(外国人データ)。
16.3 分布
健康成人男性(5例)に[14C]ベルモスジル溶液100μgを単回静脈内投与(15分点滴投与)注)したときのベルモスジルの定常状態の分布容積は53.2Lであった。ベルモスジル(0.2~2μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は99.83~99.90%であった(in vitro)。また、ベルモスジルのヒト血液/血漿中濃度比は0.71であった(in vitro)。
16.4 代謝
ベルモスジルは主にCYP3A4により代謝され、またCYP2C8、CYP2D6及びUGT1A9も関与している(in vitro)。[10.参照]
血漿中の主な代謝物は、ベルモスジル、ベルモスジルグルクロン酸抱合体及び加水分解体(M2)/O‐脱アルキルベルモスジル硫酸抱合体であった。尿中には主にベルモスジルグルクロン酸抱合体が、糞中には主にM2/O‐脱アルキルベルモスジル硫酸抱合体、ベルモスジル、ベルモスジル一水酸化体が検出された(外国人データ)。
M2のRho‐associated coiled‐coil‐containing protein kinase(ROCK)2阻害活性は、ベルモスジルの約1/8であった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人男性に[14C]ベルモスジル200mg(カプセル)を食後に経口投与したとき、投与216時間後までに投与された放射能の84.6%が糞中に、3.98%が尿中に排泄された。糞中総放射能の約30%がベルモスジルであったが、尿中にはベルモスジルは認められなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能正常者14例、軽度肝機能低下者(Child‐Pugh A)8例、中等度肝機能低下者(Child‐Pugh B)8例及び重度肝機能低下者(Child‐Pugh C)6例にベルモスジル200mgを単回経口投与したときの軽度肝機能低下者、中等度肝機能低下者及び重度肝機能低下者におけるCmax及びAUC0-∞の幾何最小二乗平均の肝機能正常者に対する比(90%信頼区間)は、Cmaxではそれぞれ1.20(0.91、1.58)、0.944(0.60、1.48)及び1.32(0.90、1.94)、AUC0-∞ではそれぞれ1.36(0.83、2.21)、1.51(0.98、2.33)及び4.21(2.20、8.06)であり、重度肝機能低下者におけるAUC0-∞は、肝機能正常者に比べ高かった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン(CYP3A4誘導剤)
健康成人(32例)にリファンピシン600mgを1~9日目の空腹時に1日1回反復経口投与し、本剤200mgを10日目の食後に単回経口投与したとき、ベルモスジルのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.41倍及び0.28倍であった(外国人データ)。[7.2、10.2参照]
16.7.2 ラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)
健康成人(33例)にラベプラゾール20mgを1~3日目は1日2回食後、4日目は1日1回空腹時に反復経口投与し、本剤200mgを4日目の食後に単回経口投与したとき、ベルモスジルのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.13倍及び0.20倍であった(外国人データ)。[7.2、10.2参照]
16.7.3 オメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)
健康成人(38例)にオメプラゾール20mgを1~4日目の空腹時に1日1回反復経口投与し、本剤200mgを4日目の食後に1日2回経口投与したとき、ベルモスジルのCmax(ベルモスジル投与1回目)及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.32倍及び0.54倍であった(外国人データ)。[7.2、10.2参照]
16.7.4 ダビガトランエテキシラート(P‐gp基質)
健康成人(19例)に本剤200mgを1~8日目の食後に1日1回反復経口投与し、ダビガトランエテキシラート75mgを5日目の食後に単回経口投与したとき、ダビガトランのCmax及びAUC0-lastは、ダビガトラン単独投与時と比べそれぞれ2.36倍及び2.15倍であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 ロスバスタチン(BCRP/OATP1B1基質)
健康成人(14例)に本剤200mgを1~8日目の食後に1日1回反復経口投与し、ロスバスタチン10mgを5日目の食後に単回経口投与したとき、ロスバスタチンのCmax及びAUC0-lastは、ロスバスタチン単独投与時と比べそれぞれ3.59倍及び4.62倍であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 エファビレンツ(中程度のCYP3A4誘導剤)
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、エファビレンツ600mgを1~16日目に1日1回反復経口投与し、本剤200mgを8日目に単回経口投与したとき、ベルモスジルのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.81倍及び0.65倍と推定された。[10.2参照]
16.7.7 ミダゾラム(CYP3A基質)
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤200mgを1~14日目に1日1回反復経口投与し、ミダゾラム3mgを9日目に単回経口投与したとき、ミダゾラムのCmax及びAUC0-∞は、ミダゾラム単独投与時と比べそれぞれ1.32倍及び1.64倍と推定された。[10.2参照]
16.7.8 その他の薬剤
(1)イトラコナゾール(CYP3A4阻害剤)
健康成人(35例)にイトラコナゾール200mgを1~9日目の食後に1日1回反復経口投与し、本剤200mgを8日目の食後に単回経口投与したとき、ベルモスジルのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ1.20倍及び1.25倍であった(外国人データ)。
(2)ラルテグラビル(UGT1A1基質)
健康成人(19例)に本剤200mgを1~6日目の食後に1日1回反復経口投与し、ラルテグラビル400mgを5日目の食後に単回経口投与したとき、ラルテグラビルのCmax及びAUC0-lastは、ラルテグラビル単独投与時と比べそれぞれ0.87倍及び0.95倍であった。また、ラルテグラビルグルクロン酸抱合体のCmax及びAUC0-lastはそれぞれ0.58倍及び0.60倍であった(外国人データ)。
(3)カフェイン(CYP1A2基質)
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤200mgを1~14日目に1日1回反復経口投与し、カフェイン150mgを9日目に単回経口投与したとき、カフェインのCmax及びAUC0-∞は、カフェイン単独投与時と比べそれぞれ1.08倍及び1.58倍と推定された。
(4)In vitro試験
ベルモスジルはCYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A、UGT1A1、UGT1A3、UGT1A9、P‐gp、BCRP、OATP1B1、MATE1及びMATE2‐Kに対する阻害作用を示した。
注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外臨床試験(第II相試験:KD025‐213試験)
12歳以上の2~5種類の全身治療歴を有する慢性移植片対宿主病患者を対象とし、本剤200mgを1日1回又は1日2回投与した。主要評価項目であるNIH Consensus Development Project Criteria(2014)に基づく最終被験者登録後6カ月経過時点の最良奏効率[95%信頼区間]は、200mg1日1回投与群では72.7[60.4、83.0]%(48/66例)、200mg1日2回投与群では74.2[62.0、84.2]%(49/66例)であり、いずれの投与群も、95%信頼区間の下限値は事前に設定された閾値(30%)を上回った。
副作用発現頻度は、200mg1日1回投与群では74.2%(49/66例)、200mg1日2回投与群では60.6%(40/66例)であった。主な副作用は、200mg1日1回投与群では疲労25.8%(17/66例)及び悪心13.6%(9/66例)、200mg1日2回投与群では疲労21.2%(14/66例)及び悪心10.6%(7/66例)であった。
17.1.2 国内臨床試験(第III相試験:ME3208‐2試験)
12歳以上のステロイド依存性/抵抗性の慢性移植片対宿主病患者を対象とし、本剤200mgを1日1回投与した。主要評価項目であるNIH Consensus Development Project Criteria(2014)に基づく最終被験者登録後24週経過時点の最良奏効率[95%信頼区間]は85.7[63.7、97.0]%(18/21例)であり、95%信頼区間の下限値は事前に設定された閾値(25%)を上回った。
副作用発現頻度は38.1%(8/21例)であった。主な副作用は、帯状疱疹9.5%(2/21例)、筋痙縮9.5%(2/21例)であった。
18.1 作用機序
Rho‐associated coiled‐coil‐containing protein kinase(ROCK)2は、T細胞受容体シグナル伝達を含むT細胞免疫応答の調整、細胞骨格系再構築及びエフェクターT細胞の機能獲得において中心的な役割を果たすRho GTPaseシグナル伝達経路の下流に存在する分子である。
ベルモスジルはROCK2に選択的に結合し、ROCK2のキナーゼ活性を阻害した。
18.2 薬理作用
18.2.1 T細胞免疫応答の調整作用
ヒト末梢血単核細胞を用いたin vitro試験において、ベルモスジルは、CD4陽性ナイーブT細胞の自己免疫応答に関与するヘルパーT17細胞(Th17細胞)への分化及び濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)への分化を抑制し、免疫抑制に関与する制御性T細胞(Treg細胞)への分化を亢進した。また、ベルモスジルは、炎症性サイトカイン産生を抑制し、抗炎症性サイトカイン産生を亢進した。
18.2.2 抗線維化作用
In vitro試験において、ベルモスジルは、LL‐24ヒト肺線維芽細胞株の線維化形成に関与するコラーゲン産生を阻害した。また、WI‐38ヒト肺線維芽細胞株及びHT‐1080ヒト結合組織線維肉腫細胞株のコラーゲン産生に関与する線維化促進シグナル伝達を阻害した。
In vitro試験において、ベルモスジルは、NIH3T3マウス線維芽細胞株の増殖を抑制した。
In vivo試験において、ベルモスジルは、ブレオマイシン誘発肺線維症モデル(C57BL/6マウスにブレオマイシンを気管内投与)での肺線維化を抑制した。
18.2.3 慢性移植片対宿主病に対する作用
In vivo試験において、ベルモスジルは、T細胞及びB細胞が発症に関与するマウス慢性移植片対宿主病モデル(C57BL/6マウスの骨髄細胞をB10.BRマウスに移植、又はB10.D2マウスの骨髄細胞とT細胞をBALB/cマウスに移植)での慢性移植片対宿主病症状(細気管支閉塞に伴う肺機能低下、肺線維化又は皮膚スコア)を改善した。
- 一包可:条件付可
小分けをする場合には、専用小分けボトル等の湿気を避けられる容器を用いる。
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
小分けをする場合には、専用小分けボトル等の湿気を避けられる容器を用いる。
- 製造販売会社
- MeijiSeikaファルマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
わからないことがあったら、
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