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オレンシア皮下注125mgオートインジェクター1mL

販売名
オレンシア皮下注125mgオートインジェクター1mL
薬価
125mg1mL1キット 28547.00円
製造メーカー
BMS

添付文書情報2023年04月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないその他の代謝性医薬品
一般名
アバタセプト(遺伝子組換え)キット(2)
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を投与された患者に、重篤な感染症等があらわれることがあり、敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、日和見感染症等の致命的な感染症が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されていることを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、担当医に連絡するよう患者に注意を与えること〔2.2、8.2.1、8.3、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.6参照〕。
1.2. 本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること〔5.1参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔1.1、8.2.1、9.1.1、9.1.3、11.1.1参照〕。
効能・効果
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること〔1.2参照〕。
用法・用量
通常、成人には、投与初日に負荷投与としてアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注を行った後、同日中に本剤125mgの皮下注射を行い、その後、本剤125mgを週1回、皮下注射する。また、本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と抗TNF製剤の併用は行わないこと(海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本薬と抗TNF製剤の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった)。また、本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性は確立していないので、併用を避けること〔8.1参照〕。
7.2. 負荷投与の用法及び用量は、アバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の電子添文を参照すること。点滴静注が可能な患者においては、負荷投与から開始すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
7.3. 点滴静注から皮下注射に切り替える場合、負荷投与は行わず、次に予定している点滴静注の代わりに本剤の初回皮下注射を行うこと。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること〔7.1参照〕。
8.2. 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。
8.2.1. 本剤投与中は、十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること〔1.1、2.2、9.1.1、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.2.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと〔9.1.2参照〕。
8.2.3. 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.4参照〕。
8.3. 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性があり、また、臨床試験において、悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.6参照〕。
8.4. 本剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は、生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので、生ワクチン接種を行わないこと(また、一般に本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は、予防接種の効果を低下させる可能性がある)。
8.5. 本剤投与により既存の乾癬悪化又は乾癬新規発現が惹起される可能性がある。
既存の乾癬の悪化及び新規発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
8.6. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。使用済みのオートインジェクターの安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みのオートインジェクターを廃棄する容器を提供すること。
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者、慢性感染、潜在性感染又は局所感染がある患者等):感染症の発現や感染症増悪に十分注意すること〔1.1、2.2、8.2.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させる可能性が否定できない〔8.2.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔8.2.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 易感染性の状態にある患者:感染症を誘発するおそれがある〔1.1、2.2、8.2.1、11.1.1参照〕。
9.1.4. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い、B型肝炎再燃の徴候に注意すること。なお、臨床試験では、ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された〔8.2.3参照〕。
9.1.5. 間質性肺炎の既往歴のある患者:定期的に問診を行うなど、注意すること(間質性肺炎が増悪又は再発することがある)〔11.1.3参照〕。
9.1.6. 慢性閉塞性肺疾患のある患者:慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症:敗血症(0.1%)、肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%)、蜂巣炎(0.4%)、局所感染(0.1%未満)、尿路感染(0.3%)、気管支炎(1.2%)、憩室炎(0.1%未満)、急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり、致命的経過をたどることがある(重篤な感染症の多くは、免疫抑制療法を併用している患者において認められている)〔1.1、2.2、8.2.1、9.1.1、9.1.3参照〕。
11.1.2. 重篤な過敏症:ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)及び低血圧、蕁麻疹、呼吸困難等の重篤な過敏症があらわれることがある。
11.1.3. 間質性肺炎(0.4%):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、速やかに胸部CT検査及び速やかに血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともに適切な処置を行うこと〔9.1.5参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液・リンパ系:(0.1~1%未満)白血球増加、リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、好中球減少、好酸球増加、貧血、鉄欠乏性貧血、(頻度不明)赤芽球癆。
2). 精神・神経系:(0.1~1%未満)頭痛、浮動性めまい、睡眠障害(不眠症を含む)、末梢性ニューロパチー、(0.1%未満)錯感覚、うつ病、味覚異常、片頭痛、脳梗塞、脳炎、(頻度不明)不安。
3). 眼:(0.1~1%未満)結膜炎、眼乾燥、角膜炎、結膜出血、(0.1%未満)麦粒腫、眼瞼炎、眼痛、細菌性結膜炎、(頻度不明)視力低下。
4). 耳:(0.1~1%未満)回転性めまい、中耳炎、(0.1%未満)耳鳴、耳不快感。
5). 循環器:(0.1~1%未満)血圧上昇、血圧低下、高血圧、動悸、(0.1%未満)徐脈、潮紅、頻脈、低血圧、ほてり、上室性期外収縮。
6). 呼吸器:(1%以上)上気道感染(鼻咽頭炎を含む)、上気道炎症、下気道感染(気管支炎を含む)、(0.1~1%未満)咳嗽、鼻炎、副鼻腔炎、鼻漏、口腔咽頭痛、アレルギー性鼻炎、(0.1%未満)気管支痙攣、咽頭膿瘍、高炭酸ガス血症、鼻閉、(頻度不明)咽頭絞扼感。
7). 消化器:(1%以上)口内炎、(0.1~1%未満)悪心、下痢、胃炎、腹痛、便秘、嘔吐、胃腸炎、齲歯、歯周炎、胃潰瘍、胃ポリープ、腹部不快感、腸炎、感染性腸炎、歯肉炎、逆流性食道炎、(0.1%未満)消化不良、アフタ性口内炎、歯感染、歯周病、舌炎、口唇炎、胃腸出血、歯痛、口腔内潰瘍形成。
8). 皮膚:(1%以上)発疹(湿疹、痒疹、紅斑を含む)、(0.1~1%未満)爪真菌症、皮膚白癬感染、爪囲炎、蕁麻疹、乾癬、(0.1%未満)脱毛症、ざ瘡、皮膚嚢腫、毛包炎、膿皮症、皮下組織膿瘍、発汗障害、白血球破砕性血管炎、爪障害、(頻度不明)感染性皮膚潰瘍、皮膚乾燥、挫傷発生増加傾向、多汗症。
9). 筋・骨格系:(0.1~1%未満)筋痙縮、背部痛、(0.1%未満)関節痛、骨髄炎、細菌性関節炎、(頻度不明)四肢痛。
10). 生殖器:(頻度不明)無月経、月経過多。
11). 泌尿器:(0.1~1%未満)尿中白血球陽性、膀胱炎、尿中赤血球陽性、尿中血陽性、BUN増加、尿中ブドウ糖陽性、血中クレアチニン増加、尿中蛋白陽性、腎盂腎炎、(0.1%未満)膿尿、頻尿、血尿、排尿困難。
12). 代謝:(0.1~1%未満)血中カリウム減少、血中ブドウ糖増加、高コレステロール血症、(0.1%未満)高脂血症、血中コレステロール増加、糖尿病、血中カリウム増加。
13). 肝臓:(0.1~1%未満)ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、脂肪肝、血中アルカリホスファターゼ増加、胆嚢ポリープ、(0.1%未満)胆石症、血中ビリルビン増加、胆管炎。
14). 投与部位:(0.1%未満)注射部位反応(そう痒感、紅斑、疼痛、丘疹、発疹等)。
15). 抵抗機構:(1%以上)帯状疱疹、(0.1~1%未満)ヘルペスウイルス感染、口腔ヘルペス、真菌感染、インフルエンザ、(0.1%未満)単純ヘルペス、創傷感染、水痘、(頻度不明)インフルエンザ様疾患、パルボウイルス感染。
16). その他:(0.1~1%未満)異常感、倦怠感、発熱、季節性アレルギー、末梢性浮腫、低体温、(0.1%未満)無力症、体重増加、胸痛、体重減少、総蛋白減少、胸部不快感、食欲不振、(頻度不明)疲労。
発現頻度は点滴静注用製剤の使用成績調査及び臨床試験を含む。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット及びウサギ)において本薬の胎盤通過性が認められている。また、動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg、ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが、ラットにおいて200mg/kg(ヒトに125mgを皮下投与した場合の全身曝露量(AUC)の25倍のAUC)で雌出生仔自己免疫様所見が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行については不明であるが、動物実験(ラット)で本薬の乳汁移行が認められている)。
小児等
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 投与前に室温に戻しておくこと。
14.1.2. 投与前に、内容物を目視により確認する(本剤は、無色~微黄色の溶液であり、異物又は変色が認められる場合は、使用しない)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 注射部位は大腿部、腹部、上腕部を選ぶ(同一箇所へ繰り返し注射することは避け、新たな注射部位は、前回の注射部位から少なくとも3cm離す)。
14.2.2. 皮膚の敏感な部位及び傷・発赤・硬結のある部位には注射しないこと。
14.2.3. 本剤は1回に全量を使用し、再使用しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の臨床試験は、国内では13.9ヵ月(投与期間3~20ヵ月の中央値)まで、海外では31.2ヵ月(投与期間2~57ヵ月の中央値)までの期間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。
15.1.2. 本剤単剤投与での使用経験は限られている。
15.1.3. 本剤投与後、アバタセプトに対する抗体が産生されることがある。国内臨床試験において、電気化学発光法による投与期間中の抗体陽性率は本剤投与群3.6%(2/56例)、点滴静注群3.6%(2/56例)であり、投与後最長168日までの抗体陽性率は本剤投与群16.1%(9/56例)、点滴静注群10.7%(6/56例)であった。海外臨床試験における免疫原性の結果は次のとおりであった。なお、抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。
・ メトトレキサート併用下で実施した海外臨床試験において、アバタセプトの皮下投与時及び点滴静注時の免疫原性について検討した。酵素免疫吸着測定法によるアバタセプトに対する抗体陽性率は、本剤投与群1.1%(8/725例)、点滴静注群2.3%(16/710例)であり、点滴静注用製剤でこれまで得られた結果と同様であった。アバタセプトの皮下投与時の電気化学発光法による投与期間中の抗体陽性率は2.3%(16/684例)、投与後最長168日までの抗体陽性率は9例中0例であった。免疫原性による薬物動態、安全性又は有効性への明らかな影響は認められなかった。
・ 点滴静注用製剤による負荷投与を行わない本剤単独皮下投与時の免疫原性への影響を検討した。本剤単独群(49例)及びメトトレキサート併用群(51例)に投与開始4ヵ月時点で抗体陽性例は認められなかった。また、安全性についても、本剤の他の臨床試験で得られた結果と明らかな違いは認められなかった。
・ 本剤の3ヵ月間の投与中断及び再開による免疫原性への影響を検討した。本剤投与中断による抗体陽性率の上昇は、点滴静注用製剤の投与中断時に認められた結果と同様であった。最長3ヵ月間、本剤投与中断後に投与を再開した患者では、本剤投与を継続した患者と比べ、再開時の点滴静注用製剤による負荷投与の有無に係らず、効果の発現に明らかな違いは認められず、投与時反応も認められなかった。また、本試験での点滴静注用製剤による負荷投与なしの場合の安全性は、他の試験の結果と同様であった。
15.1.4. 海外において、JCウイルスの発現は確認されていないものの点滴静注用製剤投与中に進行性多巣性白質脳症(PML)を再発した症例が市販後に報告されている。
15.1.5. 本剤とタクロリムス等のカルシニューリン阻害薬との併用について、安全性は確立していない。
15.1.6. 海外における関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照試験において、悪性腫瘍の発現率は、本薬を投与(中央値12ヵ月)した2111例のうち29例(1.4%)で、プラセボを投与した1099例のうち12例(1.1%)と同様であった(二重盲検試験及び非盲検試験において、本薬を投与した6028例(16671人・年)における悪性腫瘍の発現率は、100人・年当たり1.35であり、7年間ほぼ一定であった、このうち、黒色腫以外の皮膚癌が0.64、固形癌が0.62及び悪性血液疾患が0.10であった、主な固形癌は肺癌(0.14/100人・年)であり、主な悪性血液疾患はリンパ腫(0.06/100人・年)であり、7年間ほぼ一定であった)。二重盲検試験及び非盲検試験の累積データにおける、悪性腫瘍全体の発現率、主な癌種別(黒色腫以外の皮膚癌、固形癌及び悪性血液疾患)の発現率、個々の癌種の発現率はいずれも二重盲検試験と同様であった。なお、これらの悪性腫瘍の発現率は関節リウマチ患者から予測されるものと一致していた〔1.1、8.3参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. マウスのがん原性試験(投与量20、65及び200mg/kgで週1回、雄:84週間・雌:88週間、皮下投与)において、リンパ腫及び雌マウスの乳腺腫瘍の発生率上昇が報告されている。これら腫瘍の発生には、マウス白血病ウイルス及びマウス乳癌ウイルスと本薬の免疫抑制作用との関連が示唆されている。

16.1 血中濃度
関節リウマチ患者28例に投与初日にアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注(負荷投与)及び本剤125mgの皮下注射を行い、その後、本剤125mgを週1回反復皮下投与したときの定常状態における薬物動態パラメータを表1に示す。本剤の絶対バイオアベイラビリティは78.4%であった。本剤125mgを週1回皮下投与したときの定常状態時のトラフ濃度幾何平均値は31~39μg/mLであった。また、母集団薬物動態解析により推定された消失半減期は13.2日であった。
表1 関節リウマチ患者にアバタセプトを皮下投与したときの定常状態における薬物動態パラメータ
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II/III相試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした、メトトレキサート併用下(6~8mg/週)でのランダム化二重盲検並行群間比較試験における6ヵ月後のACR改善基準20%における有効率(ACR20)を表1に示す。6ヵ月後のACR20は本剤投与群と点滴静注用製剤投与群で同様であった。
表1 ACR20(国内第II/III相試験)
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二重盲検期間(6ヵ月間)における副作用発現頻度は、本剤投与群で52.5%(31/59例)、点滴静注用製剤投与群で59.3%(35/59例)であった。主な副作用は、本剤投与群で、上気道感染16.9%(10/59例)、口内炎、口腔咽頭痛各8.5%(5/59例)、点滴静注用製剤投与群で、上気道感染23.7%(14/59例)、発疹、高血圧各6.8%(4/59例)であった。
17.1.2 海外第III相試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした、メトトレキサート併用下(15mg/週以上)でのランダム化二重盲検並行群間比較試験における6ヵ月後のACR20を表2に示す。本剤投与群の有効性は点滴静注用製剤投与群に対して非劣性であることが検証された。
表2 ACR20(海外第III相試験)
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二重盲検期間(6ヵ月間)における副作用発現頻度は、本剤投与群で27.7%(204/736例)、点滴静注用製剤投与群で29.1%(210/721例)であった。主な副作用は、本剤投与群で、頭痛2.2%(16/736例)、上気道感染2.0%(15/736例)、傾眠1.8%(13/736例)、点滴静注用製剤投与群で、頭痛4.0%(29/721例)、下痢2.2%(16/721例)、気管支炎2.1%(15/721例)であった。
17.1.3 海外第III相試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした、メトトレキサート併用下(15mg/週以上)での実薬(アダリムマブ)対照ランダム化単盲検並行群間比較試験における12ヵ月後のACR20を表3に、12ヵ月後及び24ヵ月後の関節破壊進行を手及び足のX線スコア(modified Total Sharp Score:mTSS)で評価した結果を表4に示す。
表3 ACR20(海外第III相試験)
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表4 12ヵ月時及び24ヵ月時におけるmTSSのベースラインからの変化量(ITT集団、線形外挿法)(海外第III相試験)
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本剤投与群における副作用発現頻度は、41.5%(132/318例)であった。主な副作用は、上気道感染7.9%(25/318例)、気管支炎6.3%(20/318例)、鼻咽頭炎、尿路感染各5.3%(17/318例)、副鼻腔炎4.7%(15/318例)、頭痛2.8%(9/318例)であった。
17.1.4 国内第IV相試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした、メトトレキサート併用下(6mg/週以上)、プラセボ対照二重盲検比較試験における4ヵ月後のACR20を表5に示す。点滴静注用製剤投与群注)におけるACR20は、プラセボ群に比較して有意に高かった(p<0.001)。
表5 ACR20(国内第IV相試験)
→図表を見る(PDF)

6ヵ月後の関節破壊進行を手及び足のX線スコア(mTSS)で評価した結果を表6に示す。点滴静注用製剤投与群注)におけるmTSSのベースラインからの変化量は、プラセボ群に比較して有意に低かった(p=0.017)。
表6 6ヵ月時におけるmTSSのベースラインからの変化量(ITT集団、線形外挿法)(国内第IV相試験)
→図表を見る(PDF)

点滴静注用製剤投与群における副作用発現頻度は、42.9%(87/203例)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎、肝機能異常各7.4%(15/203例)、口内炎6.9%(14/203例)であった。
注)点滴静注用製剤投与群の用法・用量は、60kg未満:500mg、60kg以上100kg以下:750mg、100kgを超える:1gを初回投与後、2週、4週に投与し、以後4週間の間隔で投与した。なお、本剤の承認された用法・用量は、125mgを週1回、皮下注射である。

18.1 作用機序
アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害する。その結果、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し、さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ、炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられる。
18.2 T細胞活性化抑制作用
アバタセプトはin vitroにおいて抗原特異的なナイーブT細胞及びメモリーT細胞の増殖を減弱させ、IL‐2、TNF‐α及びIFN‐γなどの炎症性サイトカインの産生を抑制した。また、コラーゲン誘発関節炎ラットにおいて、病態の進行、抗コラーゲン抗体の産生及び関節破壊を抑制した。

製造販売会社
BMS
販売会社
小野薬品 

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