ミルセラ注シリンジ250μg

添付文書情報2023年04月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分又はエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤に過敏症の患者。
- 効能・効果
- 腎性貧血。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の投与は貧血症に伴う日常生活活動の支障が認められる腎性貧血患者に限定すること。なお、投与開始の目安は、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)未満、活動性の高い比較的若年の血液透析患者、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL(ヘマトクリット値で33%)未満とする。
5.2. 本剤の投与に際しては、腎性貧血であることを確認し、他の貧血症(失血性貧血、汎血球減少症等)には投与しないこと。
- 用法・用量
- 〈血液透析患者〉
6.1. 初回用量
通常、成人にはエポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回50μgを2週に1回静脈内投与する。
6.2. エリスロポエチン(エポエチン アルファ(遺伝子組換え)、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)等)製剤からの切替え初回用量
通常、成人にはエポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回100μg又は150μgを4週に1回静脈内投与する。
6.3. 維持用量
貧血改善効果が得られたら、通常、成人にはエポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回25~250μgを4週に1回静脈内投与する。
なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、最高投与量は、1回250μgとする。
〈腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者〉
6.4. 初回用量
通常、成人にはエポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回25μgを2週に1回皮下又は静脈内投与する。
6.5. エリスロポエチン(エポエチン アルファ(遺伝子組換え)、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)等)製剤からの切替え初回用量
通常、成人にはエポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回100μg又は150μgを4週に1回皮下又は静脈内投与する。
6.6. 維持用量
貧血改善効果が得られたら、通常、成人にはエポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回25~250μgを4週に1回皮下又は静脈内投与する。
なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、最高投与量は、1回250μgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
貧血改善効果の目標値は学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
7.1. 切替え初回用量
エリスロポエチン製剤から本剤に切替える場合には、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移が安定していることを確認した上で、週あたりのエリスロポエチン製剤の投与量が4500IU未満の患者には本剤100μg、4500IU以上の患者には本剤150μgを4週に1回皮下又は静脈内投与する。なお、国内臨床試験において、ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤からの切替え初回用量については検討されていない。
7.2. 投与量調整
投与初期にヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値に適度な上昇がみられなかった場合や維持投与期にヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を目標範囲内に維持することが困難な場合など、用量調整が必要な場合には、次を参考に投与量を増減すること。本剤は持続型の製剤であり、造血効果が長時間持続するため、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を十分に観察し、目標値を逸脱する前に増減量を考慮し、超えた場合には減量・休薬すること。なお、増量する場合には原則として1段階ずつ行うこと。
1). 段階1:本剤投与量25μg。
2). 段階2:本剤投与量50μg。
3). 段階3:本剤投与量75μg。
4). 段階4:本剤投与量100μg。
5). 段階5:本剤投与量150μg。
6). 段階6:本剤投与量200μg。
7). 段階7:本剤投与量250μg。
7.3. 投与間隔変更時
7.3.1. 目標とする貧血改善効果が得られたら、本剤の投与間隔を延長することができる。投与間隔を延長する場合には、投与間隔を延長する前のヘモグロビン濃度又はヘマトクリット値の推移を十分に観察し、同一投与量でヘモグロビン濃度又はヘマトクリット値の推移が安定していることを確認した上で、1回の投与量を2倍にし、2週に1回から4週に1回に変更すること。投与間隔変更後には、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を確認し、適宜用量の調整を行うこと。
7.3.2. 4週に1回の投与間隔でヘモグロビン濃度が目標範囲に維持できないあるいはヘマトクリット値が目標範囲に維持できない場合には、1回の投与量を1/2にし、2週に1回の投与間隔に変更することができる。投与間隔変更後には、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を確認し、適宜用量の調整を行うこと。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. ショック等の反応を予測するため十分な問診をし、投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。また、投与開始から投与終了後まで、患者を安静な状態に保たせ十分な観察を行う(特に投与開始直後は注意深く観察する)。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量を静脈内あるいは皮内に注入し、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい〔9.1.3、9.1.4、11.1.4参照〕。
8.2. 腎性貧血の治療におけるヘモグロビン濃度に関連して、次の臨床試験成績が報告されている。本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にして、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。
8.2.1. 心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持した群では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある(外国人データ)。
8.2.2. 保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定した患者では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある(外国人データ)。
8.2.3. 2型糖尿病で腎性貧血を合併している保存期慢性腎臓病患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある(外国人データ)。
8.3. 本剤投与開始時及び用量変更時には、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が目標に到達し、安定するまではヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を確認すること(必要以上の造血を認めた場合は、減量又は休薬するなど適切な処置をとること)。
8.4. 本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症があらわれることがあるので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与し、特に、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値は徐々に上昇させるよう注意すること。本剤は持続型製剤であり、エリスロポエチン製剤と比較して造血作用が長時間持続し、臨床試験において投与中止後もヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の低下に時間を要する症例が認められていることから、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が回復するまで観察を十分に行うこと〔9.1.2、11.1.3参照〕。
8.5. 血液透析患者に対し本剤を用いる場合には、本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントの血流量や血液透析装置内の血流量には十分注意すること(このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること)。
8.6. 保存期慢性腎臓病患者に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
8.6.1. 保存期慢性腎臓病患者においては水分の調整が困難であるので、水分量と電解質の収支及び腎機能並びに血圧等の観察を十分行うこと。
8.6.2. 保存期慢性腎臓病患者に対し本剤を用いる場合には、慢性腎不全の進展に伴い、本剤の貧血改善効果が減弱する可能性があるので、本剤投与中は血清クレアチニン濃度、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等の経過を適宜観察し、増量又は投与中止等の適切な処置をとること。
8.7. 本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、食事管理を適切に行うこと。
8.8. 本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。
8.9. 抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤の投与中に貧血の改善がない、あるいは貧血が悪化する場合等は抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆を疑うこと〔11.1.5参照〕。
9.1.1. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はそれらの既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者:血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある〔11.1.2、11.1.6参照〕。
9.1.2. 高血圧症の患者:本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症があらわれることがある〔8.4、11.1.3参照〕。
9.1.3. 薬物過敏症の既往歴のある患者〔8.1、11.1.4参照〕。
9.1.4. アレルギー素因のある患者〔8.1、11.1.4参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 脳出血(0.2%)。
11.1.2. 心筋梗塞(0.2%)〔9.1.1参照〕。
11.1.3. 高血圧性脳症(0.2%)〔8.4、9.1.2参照〕。
11.1.4. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)を起こすことがある〔8.1、9.1.3、9.1.4参照〕。
11.1.5. 赤芽球癆(頻度不明):抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止し、また、エリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤への切替えは避け、適切な処置を行うこと〔8.9参照〕。
11.1.6. 肺梗塞、脳梗塞(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.7. 肝機能障害(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害が報告されている。
- 11.2. その他の副作用
1). 循環器:(1%以上)血圧上昇(7.6%)、(0.5%未満)心房細動、心室性期外収縮。
2). 皮膚:(0.5~1%未満)湿疹。
3). 消化器:(0.5~1%未満)悪心・嘔吐、下痢、胃炎、(0.5%未満)結腸ポリープ。
4). 血液:(1%以上)好酸球数増加、(0.5%未満)血小板数減少。
5). 腎臓:(0.5%未満)腎機能障害増悪。
6). 筋・骨格:(0.5~1%未満)関節痛、(0.5%未満)背部痛。
7). 精神神経系:(0.5%未満)めまい。
8). その他:(1%以上)シャント閉塞・シャント狭窄、(0.5~1%未満)透析回路内残血、(0.5%未満)胸部不快感、血中カリウム増加。
- 高齢者
- 血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等の推移に十分注意し、投与量又は投与回数を適宜調節すること(一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. がん化学療法又は放射線療法による貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間短縮が認められたとの報告がある(外国人データ)。
15.1.2. 放射線療法による貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は腫瘍局所再発のリスクが増加したとの報告がある(外国人データ)。
15.1.3. プラセボを投与されたがん化学療法による貧血<本邦では承認外>患者に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある(外国人データ)。
15.1.4. がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験において、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある(外国人データ)。
16.1 血中濃度
〈透析患者〉
16.1.1 単回投与
血液透析患者を対象に本剤100~200μgを静脈内投与した結果、t1/2は168~217時間(平均値)であり、AUCinfは用量に比例して増加した。また、腹膜透析患者を対象に本剤100~300μg注1)を皮下投与した時のt1/2は140~154時間であり、AUCinf及びCmaxは用量に比例して増加した。
単回投与時の血清中濃度推移(平均値)
単回投与時の薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
注1)本剤の承認用量は1回25~250μgである。
16.1.2 反復投与
血液透析患者56例を対象に本剤12.5~75μg注1)を2週間隔で3回静脈内投与した結果、初回投与時と反復投与時の薬物動態に差は認められず、いずれの用量においても血中濃度は4週後に定常状態に達した。また、本剤25~300μg注1)を4週間隔で静脈内投与した長期投与試験では、試験期間(48週間)を通じて血中濃度は定常状態に維持されていた。
〈保存期慢性腎臓病患者〉
16.1.3 単回投与
保存期慢性腎臓病患者に本剤100~200μgを静脈内投与した結果、t1/2は175~200時間であり、AUCinfは用量に比例して増加した。また、本剤100~300μg注1)を皮下投与した時のt1/2は171~208時間であり、AUCinf及びCmaxは用量に比例して増加した。
単回投与時の血清中濃度推移(平均値)
単回投与時の薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
16.1.4 反復投与
保存期慢性腎臓病患者25例を対象に本剤12.5~50μg注1)を2週間隔で3回静脈内投与した結果、初回投与時と反復投与時の薬物動態に差は認められず、いずれの用量においても血中濃度は4週後に定常状態に達した。また、本剤12~300μg注1)を4週間隔で静脈内又は皮下投与した長期投与試験では、試験期間(48~50週間)を通じて血中濃度は定常状態に維持されていた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝障害患者における薬物動態
健康成人及び肝障害患者それぞれ12例を対象に本剤200μgを単回静脈内投与した時のAUCinfは、それぞれ7087±2224ng・h/mL及び6874±2947ng・h/mL(平均値±標準偏差)であり、肝障害による薬物動態への影響は認められなかった(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈血液透析(静脈内投与)〉
17.1.1 国内第III相試験
(1)血液透析患者126例(本剤63例、エポエチン ベータ63例)を対象に週あたりのrHuEPO製剤が4500IU未満の場合は本剤100μgを4週に1回、週あたりのrHuEPO製剤が4500IU以上の場合は本剤150μg4週に1回に切り替え、切替え8週後以降は本剤の投与量を50μgから250μgの範囲で増減した二重盲検比較試験を実施した結果、ベースラインヘモグロビン濃度注1)からの評価期間(投与16~24週後)のヘモグロビン濃度の変化量は本剤群0.46±0.74g/dL(平均値±標準偏差)、エポエチン ベータ群0.00±0.63g/dLであった。各投与群のヘモグロビン濃度変化量の平均値の差の95%信頼区間は0.166~0.747g/dLであり、本剤はエポエチン ベータと同等の貧血改善維持効果を有することが示された。本剤投与群での安全性評価対象例63例のうち6例(9.5%)で副作用が認められた。主な副作用は、高血圧2例(3.2%)であった。
注1)登録前8週間と登録後~投与開始日の週最初の透析前ヘモグロビン濃度の平均値
二重盲検試験におけるヘモグロビン濃度の推移
(2)血液透析患者156例を対象に4週に1回の頻度で本剤の静脈内投与(rHuEPO製剤の週あたりの投与量が4500IU未満及び4500IU以上の場合でそれぞれ本剤100μg及び150μg)に切り替えた後、目標Hb濃度である10.0g/dL以上12.0g/dL以下に維持するよう本剤を25μgから400μg注2)の範囲で適宜増減した長期投与試験(48週間投与)を実施した結果、ヘモグロビン濃度は11g/dL前後を推移した。安全性評価対象例156例のうち45例(28.8%)で副作用が認められた。主な副作用は、高血圧15例(9.6%)、医療機器内血栓3例(1.9%)、血小板減少及び嘔吐各2例(1.3%)であった。
注2)本剤の承認用量は1回25~250μgである。
長期投与試験におけるヘモグロビン濃度の推移
〈保存期慢性腎臓病(静脈内又は皮下投与)〉
17.1.2 国内第III相試験
(1)保存期慢性腎臓病患者88例(本剤45例、エポエチン ベータ43例)を対象に本剤群は25μg、エポエチン ベータ群は6000IUで投与開始し、初期投与期はHb濃度11.0g/dL以上に到達するように、維持投与期は12.0g/dLを維持するように本剤を25μgから400μg注2)の範囲で適宜増減した非盲検比較試験(皮下投与)を実施した結果、目標ヘモグロビン濃度12.0g/dLと本剤の評価期間(8週間)における平均ヘモグロビン濃度の差は-0.44g/dL(95%信頼区間:-0.65~-0.23g/dL)であり目標としたヘモグロビン濃度に維持されることが示された。また、評価期間(8週間)における平均ヘモグロビン濃度は本剤群11.64±0.59g/dL、エポエチン ベータ群11.17±0.76g/dLと、両群の差は0.47g/dL(95%信頼区間:0.17~0.78g/dL)でありエポエチン ベータに対して劣っていないことが示された。本剤投与群での安全性評価対象例45例のうち2例(4.4%)で副作用が認められた。副作用は、高血圧及び胸部不快感がいずれも1例(2.2%)であった。
非盲検比較試験におけるヘモグロビン濃度の推移
(2)保存期慢性腎臓病患者101例を対象に本剤の静脈内投与又は皮下投与へ切り替えた後(rHuEPO製剤が4500IU/週未満の患者には本剤100μgを、4500IU/週以上の患者には150μgを、4週に1回の投与頻度で8週間投与)、4週に1回の投与頻度で25μgから400μg注2)の範囲内で適宜増減した長期投与試験(48週間投与)を実施した結果、いずれの投与経路においてもヘモグロビン濃度は12g/dL前後を推移した。安全性評価対象例101例のうち21例(20.8%)で副作用が認められた。主な副作用は、高血圧6例(5.9%)、シャント閉塞3例(3.0%)、血圧上昇2例(2.0%)であった。
長期投与試験におけるヘモグロビン濃度の推移
〈腹膜透析(静脈内又は皮下投与)〉
17.1.3 国内第III相試験
腹膜透析患者63例を対象に、4週に1回の頻度で本剤の静脈内投与又は皮下投与(rHuEPO製剤の週あたりの投与量が4500IU未満及び4500IU以上の場合でそれぞれ本剤100μg及び150μg)に切り替えた後、目標Hb濃度である10.0g/dL以上12.0g/dL以下に維持するよう本剤を25μgから250μgの範囲で適宜増減した長期投与試験(48週間投与)を実施した結果、いずれの投与経路においてもヘモグロビン濃度は11~12g/dL前後を推移した。安全性評価対象例63例のうち7例(11.1%)で副作用が認められた。主な副作用は、高血圧2例(3.2%)であった。
長期投与試験におけるヘモグロビン濃度の推移
18.1 作用機序
18.1.1 本剤はエリスロポエチン受容体への結合を介して骨髄中の赤芽球系造血前駆細胞に作用し、赤血球への分化と増殖を促進するものと考えられている。
18.1.2 ヒト骨髄及び臍帯血由来CD34陽性細胞を本剤存在下で液体培養(in vitro)したところ、赤血球系細胞が用量依存的に増加した。
18.2 赤血球増加作用
18.2.1 正常マウスに本剤を単回投与したところ、網状赤血球比率、赤血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の用量依存的な増加が認められた。
18.2.2 正常マウス及び正常ラットに本剤をそれぞれ3週間及び1週間に1回の頻度で反復投与したところ、いずれも持続的な赤血球数の増加が認められた。
18.2.3 腎性貧血モデル動物である5/6腎摘ラットに本剤を1週間に1回の頻度で反復投与したところ、赤血球数の用量依存的な増加が認められた。
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おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
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