ルミセフ皮下注210mgシリンジ

添付文書情報2024年03月改定(第6版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される患者のみに使用すること。
本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核活動化させる可能性がある。また、本剤との因果関係は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること〔8.1-8.3、9.1.1、9.1.2、15.1.3参照〕。
1.2. 重篤な感染症ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに担当医に連絡するよう患者を指導すること〔8.1、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること〔5.1-5.3参照〕。
- 禁忌
- 2.1. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔8.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 既存治療で効果不十分な次記疾患:尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、掌蹠膿疱症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉次のいずれかを満たす患者に投与すること[1)光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者]〔1.3参照〕。
5.2. 〈強直性脊椎炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.3. 〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.4. 〈掌蹠膿疱症〉中等症から重症の膿疱・小水疱病変を有する患者に投与すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはブロダルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを、初回、1週後、2週後に皮下投与し、以降、2週間の間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.2. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られるため、12週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.3. 〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られるため、16週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.4. 〈掌蹠膿疱症〉本剤による治療反応は、通常投与開始から24週以内に得られるため、24週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や感染症増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること〔1.1、1.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。
なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと〔1.1、2.2、9.1.2参照〕。
8.3. 臨床試験において皮膚悪性腫瘍及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.3参照〕。
8.4. 本剤投与中は生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種を行わないこと。
8.5. 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.6. 本剤は、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を開始すること。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。使用済みの注射器(注射針一体型)を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、注射器(注射針一体型)を廃棄する容器を提供すること。
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者:感染症が悪化するおそれがある〔1.1、2.1、8.1参照〕。
9.1.2. 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある〔8.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔1.1、8.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. うつ病、うつ状態又はその既往歴を有する患者、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者:自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。乾癬患者を対象とした国内臨床試験において、自殺企図が177例中1例(0.6%)に報告されており、乾癬患者を対象とした海外臨床試験において、本剤が投与された4625例中16例(0.3%)に自殺念慮、自殺企図等が報告され、3例(0.06%)が自殺に至ったことが報告されている。また、関節リウマチ<本邦では承認外>患者を対象とした海外臨床試験において、211例中1例(0.5%)が自殺に至ったことが報告されている(初回承認時データ)。
9.1.4. 活動期のクローン病の患者:クローン病悪化に注意すること。活動期のクローン病の患者の場合、症状の悪化がみとめられた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。また、クローン病が悪化した場合には、適切な処置を行うこと。
クローン病患者を対象とした海外臨床試験において、クローン病悪化に関連する事象が報告されている。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(0.9%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある〔1.2、8.1参照〕。
11.1.2. 好中球数減少(0.7%)。
11.1.3. 重篤な過敏症(0.02%):アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症:(5%以上)上気道感染、(1~5%未満)鼻咽頭炎、カンジダ症、咽頭炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、気管支炎、ヘルペス感染、尿路感染、毛包炎、耳感染、(1%未満)蜂巣炎、真菌感染、鼻炎、結膜炎、白癬、皮膚感染、扁桃炎、気道感染、帯状疱疹、肺炎、歯感染、皮膚膿瘍。
2). 皮膚:(1~5%未満)皮膚そう痒症、発疹、乾癬、(1%未満)皮膚炎、脱毛症、皮膚乾燥、紅斑、皮膚乳頭腫、壊疽性膿皮症。
3). 筋・骨格:(1~5%未満)関節痛、(1%未満)乾癬性関節炎、四肢痛、筋肉痛、関節炎、背部痛。
4). 消化器:(1~5%未満)悪心・嘔吐、(1%未満)下痢、胃腸炎、腹痛、口腔内潰瘍、口唇炎。
5). 呼吸器:(1%未満)咳嗽、口腔咽頭痛。
6). 肝臓:(1~5%未満)肝機能検査値異常。
7). 血液:(1%未満)白血球数減少。
8). 精神神経系:(1~5%未満)頭痛、(1%未満)めまい、うつ病、錯感覚、不眠、不安。
9). その他:(1~5%未満)注射部位反応(注射部位疼痛、注射部位紅斑、注射部位出血、注射部位そう痒、注射部位腫脹、注射部位硬結を含む)、倦怠感、(1%未満)高血圧、体重増加、発熱、過敏症。
- 高齢者
- 感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(サル)で乳汁中への移行が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
14.1.2. 薬液中に浮遊物がないか目視で確認し、浮遊物が認められた場合には投与しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発赤・硬化・肥厚・落屑等の部位>、乾癬の部位には注射しないこと。
14.2.2. 投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同一箇所へ繰り返し注射することは避け、投与毎に注射部位を変えること。
14.2.3. 本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 乾癬患者を対象とした国内及び海外臨床試験において、国内177例中3例(1.7%)、海外4461例中122例(2.7%)に抗ブロダルマブ結合抗体を認めたが、抗ブロダルマブ中和抗体の産生は報告されていない。なお、関節リウマチ<本邦では承認外>患者を対象とした海外臨床試験において、211例中2例(0.9%)に抗ブロダルマブ中和抗体産生が報告されている。また、体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)患者を対象とした国際共同臨床試験において、本剤投与後148例中1例(0.7%)に抗ブロダルマブ結合抗体を認めたが、抗ブロダルマブ中和抗体の産生は報告されていない。
掌蹠膿疱症患者を対象とした国内第3相臨床試験において、124例中1例(0.8%)に抗ブロダルマブ結合抗体を認めたが、抗ブロダルマブ中和抗体の産生は報告されていない。
15.1.2. 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症及び掌蹠膿疱症において、免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
15.1.3. 局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした海外臨床試験で、本剤が投与された患者4461例(5574.01人年)について、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>(以下同様)の発現頻度は、0.4/100人年(23/4461例)であり、その内容は前立腺癌、膵腺癌他であり、悪性腫瘍の発現頻度は、一般人口で予測される発現頻度と同様であった(標準化発生比:0.91[95%信頼区間:0.58,1.37])、非黒色腫皮膚癌の発現頻度は、0.5/100人年(28/4461例)であった。体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)患者を対象とした国際共同臨床試験で、本剤が投与された患者148例(163.0人年)について、悪性腫瘍の発現は認められなかった。掌蹠膿疱症患者を対象とした国内第3相試験において、本剤が投与された患者125例(106.8人年)について、悪性腫瘍の発現は認められなかった〔1.1、8.3参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤70、140、210及び420mg注)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。Cmax及びAUC0-tは投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した。
血清中濃度推移(平均値+標準偏差)
単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
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16.1.2 反復投与
(1)局面型皮疹を有する乾癬患者
中等度~重度の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象として、本剤70、140及び210mg注)を初回投与後2週目までは1週間ごとに、それ以降は2週間ごとに皮下投与したときの8~10週目の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
反復皮下投与したときの8~10週目の薬物動態パラメータ
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(2)体軸性脊椎関節炎患者
日本人の体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)患者を対象として、本剤210mgを初回投与後2週目までは1週間ごとに、それ以降は2週間ごとに皮下投与したときの14~16週目の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
反復皮下投与したときの14~16週目の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
(3)掌蹠膿疱症患者
日本人の掌蹠膿疱症患者を対象として、本剤210mgを初回投与後2週目までは1週間ごとに、それ以降は2週間ごとに皮下投与したときの12~68週目の血清中トラフ濃度は次のとおりであった。
反復皮下投与したときの12~68週目の血清中トラフ濃度
→図表を見る(PDF)
注)本剤の承認用量は1回210mgである。
16.2 吸収
母集団薬物動態解析の結果、本剤のバイオアベイラビリティは約55%と見積もられた。
16.3 分布
母集団薬物動態解析の結果、本剤の分布容積は約6.5~8.0Lと見積もられ、血漿以外への分布は限定的であると考えられる。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ミダゾラム
中等度~重度の乾癬患者において、本剤(210mg単回投与)との併用により、CYP3A4の基質であるミダゾラム(2mg単回投与)のCmaxは1.16(90%信頼区間:1.00~1.36、以下同様)倍、AUC0-∞は1.24(1.12~1.38)倍となった(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈尋常性乾癬及び乾癬性関節炎〉
17.1.1 国内第II相試験
中等度~重度の尋常性乾癬患者及び乾癬性関節炎患者(局面型皮疹の病変が体表面積(以下、BSA)の10%以上、かつPsoriasis Area and Severity Index(以下、PASI)スコアが12以上)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ、本剤70、140又は210mg注1)を0、1及び2週、その後2週間隔で12週間皮下投与した。投与12週後のPASIスコア改善率及びPASIスコアがベースラインから75%以上、90%以上、100%改善した患者(以下、PASI75/90/100反応)の割合を次表に示す。本剤投与群ではプラセボ群と比較して有意に高いPASIスコア改善率を示した。また、乾癬性関節炎と診断され、ACR基準評価注2)がベースラインから20%以上改善した患者(以下、ACR20)の割合は、プラセボ群0%(0/5例)、210mg群100%(4/4例)であった。
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副作用発現頻度は、プラセボ群で18.4%(7/38例)、70mg群で28.2%(11/39例)、140mg群で35.1%(13/37例)及び210mg群で40.5%(15/37例)であった。本剤投与群で発現した主な副作用は、鼻咽頭炎、咽頭炎、血中ビリルビン増加、錯感覚及び皮脂欠乏症各1.8%(2/113例)であった。
17.1.2 海外第III相試験
中等度~重度の局面型皮疹を有する乾癬患者(局面型皮疹の病変がBSAの10%以上、かつPASIスコアが12以上)を対象とした無作為化プラセボ及びウステキヌマブ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ、本剤210mgを0、1及び2週、その後2週間隔で12週間皮下投与し、52週まで本剤の投与を継続した。また、ウステキヌマブ(体重100kg以下は45mg、100kg超は90mg)を0、4、16、28、40週に皮下投与した。投与12週後のPASI75/100反応割合は次表のとおりであり、本剤投与群はプラセボ群及びウステキヌマブ群と比較して有意に高い割合を示した。
→図表を見る(PDF)
投与12週後までの副作用発現頻度は、プラセボ群で12.5%(39/313例)、ウステキヌマブ群で15.3%(48/313例)、210mg群で19.9%(124/622例)であった。210mg群で発現した主な副作用は、上気道感染2.3%(14/622例)及び関節痛1.9%(12/622例)であった。
〈乾癬性関節炎〉
17.1.3 海外第II相試験
乾癬性関節炎患者(関節圧痛及び関節腫脹がそれぞれ3ヵ所以上)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ、本剤140又は280mg注1)を0、1及び2週、その後2週間隔で12週間皮下投与し、その後、本剤280mg(すべての被験者が24週終了時点で210mgに変更)を2週間隔で継続投与した。投与12週後のACR20の割合は、140mg群36.8%(21/57例)、280mg群39.3%(22/56例)であり、プラセボ群18.2%(10/55例)と比較して高い割合を示した。
副作用発現頻度は、プラセボ群で18.2%(10/55例)、140mg群で30.4%(17/56例)、280mg群で28.6%(16/56例)であった。本剤投与群で発現した主な副作用は、上気道感染6.3%(7/112例)及び疲労4.5%(5/112例)であった。
〈膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症〉
17.1.4 国内第III相試験
膿疱性乾癬患者12例及び乾癬性紅皮症患者18例を対象とした非盲検試験を実施した。本剤140mg注1)を0、1及び2週、その後2週間隔で52週間皮下投与し、4週以降に効果不十分と判断された場合には210mgへの増量を可能とした。膿疱性乾癬患者について、本剤投与開始前と比較した全般改善度は、投与10週までに11例で「寛解」又は「改善」が認められ、最終評価時(52週又は中止時)には「寛解」が58.3%(7/12例)、「改善」が33.3%(4/12例)、「悪化」が8.3%(1/12例)の被験者で認められた。乾癬性紅皮症患者について、投与4週以降はすべての被験者において全般改善度の「改善」以上が認められ、最終評価時には「寛解」が66.7%(12/18例)、「改善」が33.3%(6/18例)の被験者で認められた。
副作用発現頻度は53.3%(16/30例)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎16.7%(5/30例)、毛包炎及び蕁麻疹各6.7%(2/30例)であった。
注1)本剤の承認用量は1回210mgである。
注2)アメリカリウマチ学会が定義する関節症状の評価基準
〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
17.1.5 国際共同第III相試験
体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)患者159例注3)(日本30例、韓国44例、台湾85例)を対象とした非盲検継続投与期を含む無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。二重盲検期では、プラセボ又は本剤210mgを0、1及び2週、その後2週間隔で16週間皮下投与した。16週以降は本剤210mgを52週間皮下投与した。投与16週後のAssessment of SpondyloArthritis international Society(以下、ASAS)40達成割合は次表のとおりであり、本剤投与群はプラセボ群と比較して有意に高い割合を示した。
→図表を見る(PDF)
また、本剤投与群の投与68週後注4)のASAS40達成割合は56.3%(45/80例)であり、長期投与でも高い達成割合が維持された。
疾患別では、強直性脊椎炎患者における投与16週後注4)のASAS40達成割合は、プラセボ群で25.8%(16/62例)(95%信頼区間:15.5、38.5)、本剤投与群で46.0%(29/63例)(95%信頼区間:33.4、59.1)と本剤投与群で高く、プラセボ群との差は20.2%であった。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者における投与16週後注4)のASAS40達成割合は、プラセボ群で18.8%(3/16例)(95%信頼区間:4.0、45.6)、本剤投与群で35.3%(6/17例)(95%信頼区間:14.2、61.7)と本剤投与群で高く、プラセボ群との差は16.5%であった。また、本剤投与群の投与68週後注4)のASAS40達成割合は、強直性脊椎炎患者で57.1%(36/63例)、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者で52.9%(9/17例)であった。
投与16週後までの副作用発現頻度は、プラセボ群で25.3%(20/79例)、本剤投与群で32.5%(26/80例)であった。本剤投与群で発現した主な副作用は、上咽頭炎7.5%(6/80例)、ALT増加、AST増加及び口腔内潰瘍形成が各3.8%(3/80例)であった。
投与68週後までの本剤投与被験者(投与16週以降、プラセボから本剤の投与に移行した被験者を含む)における副作用発現頻度は64.9%(96/148例)であった。主な副作用は、上咽頭炎14.2%(21/148例)、上気道感染8.1%(12/148例)及び口腔内潰瘍形成4.1%(6/148例)であった。
注3)中央測定機関で強直性脊椎炎又はX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎のいずれにも分類されなかった1例(プラセボ群)を含む。
注4)評価欠測の場合、非反応として対象例数に含まれる。
〈掌蹠膿疱症〉
17.1.6 国内第III相試験
掌蹠膿疱症患者(Palmoplantar Pustulosis Area and Severity Index(以下、PPPASI)合計スコアが12以上、かつ手掌又は足底上の膿疱・小水疱のPPPASI重症度スコアが2以上)126例を対象とした非盲検継続投与期を含む無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。二重盲検期では、プラセボ又は本剤210mgを0、1及び2週、その後2週間隔で16週間皮下投与した。16週以降は本剤210mgを52週間皮下投与した。投与16週後のPPPASI合計スコアのベースラインからの変化量は次表のとおりであり、本剤投与群はプラセボ群と比較して有意にPPPASI合計スコアが低下し、掌蹠膿疱症の皮膚病変を改善することが示された。
→図表を見る(PDF)
また、本剤投与群の投与68週後のPPPASI合計スコアのベースラインからの変化量は23.83±12.277(35例)であり、長期投与でも改善効果が維持された。
投与16週後までの副作用発現頻度は、プラセボ群で12.9%(8/62例)、本剤投与群で47.6%(30/63例)であった。本剤投与群で発現した主な副作用は、外耳炎12.7%(8/63例)、湿疹7.9%(5/63例)及び毛包炎6.3%(4/63例)であった。
投与68週後までの本剤投与被験者(投与16週以降、プラセボから本剤の投与に移行した被験者を含む)における副作用発現頻度は54.4%(68/125例)であった。主な副作用は毛包炎12.0%(15/125例)、外耳炎12.0%(15/125例)、湿疹6.4%(8/125例)及び口腔カンジダ症6.4%(8/125例)であった。
18.1 作用機序
本剤はヒトIL‐17受容体A(IL‐17RA)に対するモノクローナル抗体であり、IL‐17RAに選択的に結合し、炎症性サイトカインであるIL‐17A、IL‐17F、IL‐17A/Fヘテロ二量体、IL‐25(別名IL‐17E)及びIL‐17CのIL‐17RAを介したシグナル伝達を阻害する。
18.2 IL‐17RA阻害作用
18.2.1 In vitro試験でヒトIL‐17RAに高い結合親和性を示し、ヒトIL‐17Aと競合的にヒトIL‐17RAに結合した。
18.2.2 In vitro試験でヒトリンパ球、単球、顆粒球及び各種ヒト線維芽細胞の細胞表面に結合し、ヒトIL‐17A、IL‐17F、IL‐17A/Fヘテロ二量体、IL‐25及びIL‐17C刺激により誘導されるIL‐17RAを介した生物活性を阻害した。
18.3 乾癬に対する作用
18.3.1 抗マウスIL‐17RA抗体は、マウス乾癬モデルに腹腔内投与することにより乾癬様の皮膚症状(表皮過形成、表皮層内の好中球性膿胞及び角化異常による表皮剥離)や、病変部皮膚における各種炎症性ケモカイン及びサイトカインmRNAの発現を抑制した。
18.3.2 本剤は乾癬患者の病変部皮膚におけるIL‐17A、IL‐17F、IL‐17C、IL‐12B及びIL‐23A mRNAの発現、ケラチノサイトの増殖及び表皮肥厚並びに炎症性T細胞の集積を抑制した(外国人データ)。
18.4 関節炎に対する作用
抗マウスIL‐17RA抗体は、マウス炎症性関節炎モデルに腹腔内投与することにより四肢の関節炎症状(発赤及び腫脹)と、それに伴う骨破壊や関節軟骨びらんを抑制した。
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当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
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