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ブスルフェクス点滴静注用60mg

販売名
ブスルフェクス点滴静注用60mg
薬価
60mg1瓶 28486.00円
製造メーカー
大塚製薬

添付文書情報2023年08月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
スルホン酸エステル系製剤
一般名
ブスルファン注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 造血幹細胞移植の前治療に本剤を投与する場合には、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植に十分な知識と経験をもつ医師のもとで、適切と判断される患者にのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤を小児に投与する場合には、小児のがん化学療法に十分な知識と経験をもつ医師のもとで実施すること。
1.3. 本剤の使用にあたっては、慎重に患者を選択すること。
禁忌
2.1. 重症感染症を合併している患者[感染症が増悪し致命的となることがある]〔11.1.2参照〕。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
1). 同種造血幹細胞移植の前治療。
2). ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、神経芽細胞腫、悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療。
用法・用量
〈同種造血幹細胞移植の前治療、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍及び神経芽細胞腫における自家造血幹細胞移植の前治療〉
他の抗悪性腫瘍薬との併用において、成人にはA法又はB法、小児にはC法又はD法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療〉
他の抗悪性腫瘍薬との併用において、成人にはA法又はB法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
1). 成人:
A法:ブスルファンとして1回0.8mg/kgを2時間かけて点滴静注する。本剤は6時間毎に1日4回、4日間投与する。
B法:ブスルファンとして1回3.2mg/kgを3時間かけて点滴静注する。本剤は1日1回、4日間投与する。
2). 小児:
C法:ブスルファンとして次の体重別の投与量を2時間かけて点滴静注する。本剤は6時間毎に1日4回、4日間投与する。
①. 実体重9kg未満:本剤投与量1.0mg/kg。
②. 実体重9kg以上16kg未満:本剤投与量1.2mg/kg。
③. 実体重16kg以上23kg以下:本剤投与量1.1mg/kg。
④. 実体重23kg超34kg以下:本剤投与量0.95mg/kg。
⑤. 実体重34kg超:本剤投与量0.8mg/kg。
D法:ブスルファンとして次の体重別の投与量を3時間かけて点滴静注する。本剤は1日1回、4日間投与する。
①. 実体重9kg未満:本剤投与量4.0mg/kg。
②. 実体重9kg以上16kg未満:本剤投与量4.8mg/kg。
③. 実体重16kg以上23kg以下:本剤投与量4.4mg/kg。
④. 実体重23kg超34kg以下:本剤投与量3.8mg/kg。
⑤. 実体重34kg超:本剤投与量3.2mg/kg。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉肥満患者<BMIが25以上>では投与量が過多にならないように、標準体重から換算した投与量を考慮すること。
7.2. 〈同種造血幹細胞移植の前治療、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍及び神経芽細胞腫における自家造血幹細胞移植の前治療〉シクロホスファミド、メルファラン又はフルダラビンとの併用以外での有効性及び安全性は確立されていない〔17.1.1-17.1.3参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 本剤の使用にあたっては、患者の状態及び臓器機能(心、肺、肝、腎等)を十分検討し、造血幹細胞移植を実施可能と判断される患者にのみ投与し、次の事項について特に注意すること。
・ 本剤の投与中は心電図、血圧及び尿量等のモニターを行うこと。また、投与後は定期的に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)及び尿量のモニター等を行うこと。
・ 本剤の投与後は患者の状態を十分に観察し、致命的な感染症の発現を抑制するため、抗菌剤投与等の感染症対策を行い、適切な無菌管理を行うこと。
・ 本剤の投与後は輸血及び造血因子の投与等適切な支持療法を行うこと。
8.2. 本剤の投与により痙攣を起こす可能性があるため、あらかじめ抗痙攣薬の使用
を考慮するなどの適切な措置を講ずること〔11.1.4参照〕。
8.3. 静脈閉塞性肝疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、静脈閉塞性肝疾患の症状としてあらわれる体重増加、肝腫大又は肝圧痛、腹水、黄疸等に注意すること〔9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。
8.4. 本剤をB法(成人)又はD法(小児)で使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ブスルファン(新用法・用量の追加)」等)を熟読すること。
8.5. 本剤を悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療に使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ブスルファン(悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療)」等)を熟読すること。
9.1.1. 心機能障害のある患者:心機能障害が増悪するおそれがある。
9.1.2. 肺障害のある患者:肺障害が増悪するおそれがある。
9.1.3. 感染症を合併している患者:感染症が増悪し致命的となることがある〔11.1.2参照〕。
腎機能障害患者:腎機能障害が増悪するおそれがある。
肝機能障害患者:肝機能障害が増悪するおそれがある〔8.3、11.1.1参照〕。
9.4.1. 妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対して、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性に対して、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔15.2.1参照〕。
9.4.3. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
10.2. 併用注意:1). イトラコナゾール[本剤の血漿中濃度が上昇し本剤の作用が増強することがある(機序は不明である)]。
2). メトロニダゾール[本剤の血漿中濃度が上昇し本剤の作用が増強することがある(機序は不明である)]。
3). デフェラシロクス[本剤の作用が増強するおそれがあり、本剤のクリアランスが減少し本剤の曝露量が増加したとの報告がある(機序は不明である)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 静脈閉塞性肝疾患(7.5%)〔8.3、9.3肝機能障害患者の項参照〕。
11.1.2. 感染症(22.5%)、出血(頻度不明)等:本剤投与後は重度骨髄抑制状態となり、その結果感染症及び出血等を引き起こし、致命的となることがあるので、本剤の投与後は患者の状態を十分に把握して適切な処置を行うこと〔2.1、9.1.3参照〕。
11.1.3. ショック、アナフィラキシー(頻度不明)。
11.1.4. 痙攣(頻度不明):ブスルファンは髄液移行性が高く、あらかじめ抗痙攣薬が投与されていない場合は10%以上の患者で痙攣が起こるとの報告がある。国内及び海外臨床試験(成人)ではあらかじめフェニトインが投与され、132例中1例に痙攣が発現した。海外臨床試験(小児)ではあらかじめベンゾジアゼピン系の抗痙攣薬が投与され、55例中2例に痙攣が発現した〔8.2参照〕。
11.1.5. 肺胞出血・喀血(2.1%)、急性呼吸窮迫症候群(1.6%)、間質性肺炎(1.1%)、呼吸不全(1.1%)。
11.1.6. 心筋症(頻度不明)。
11.1.7. 胃腸障害:口内炎・舌炎(84.0%)、嘔吐(71.1%)、悪心(68.4%)、食欲不振(56.1%)、下痢・軟便(54.5%)が高頻度にあらわれる。
11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(20%以上)ALT上昇(32.1%)、ビリルビン上昇、AST上昇、(5~20%未満)γ-GTP上昇、Al-P上昇、肝腫大、(5%未満)LDH上昇、肝機能異常、黄疸、肝臓痛、門脈圧亢進症、門脈狭窄。
2). 血液:(5~20%未満)発熱性好中球減少症、(5%未満)APTT延長、脾腫、FDP上昇、プロトロンビン時間延長、アンチトロンビン3低下、凝血異常、血栓性微小血管症、血中フィブリノゲン上昇、血中フィブリノゲン低下、白血球増多、有熱性骨髄無形成。
3). 免疫:(5~20%未満)移植片対宿主病、(5%未満)免疫グロブリン低下、生着症候群、骨髄移植拒絶反応。
4). 呼吸器:(5~20%未満)咽喉頭疼痛、鼻出血、(5%未満)咽頭紅斑、咳嗽、呼吸困難、ラ音、鼻閉、胸水、鼻漏、咽喉頭不快感、呼吸音減弱、咽喉乾燥、上気道炎、鼻乾燥、頻呼吸、副鼻腔うっ血、副鼻腔不快感、無気肺、嗄声、嚥下性肺炎。
5). 循環器:(5%未満)頻脈、血圧上昇、血圧低下、起立性低血圧、心拡大、徐脈。
6). 消化器:(20%以上)腹痛、(5~20%未満)消化不良、肛門周囲異常、腹水、(5%未満)腹部膨満、吐血、しゃっくり、舌苔、腹部不快感、便秘、痔核、食道炎、直腸炎、嚥下障害、口腔内痛、口腔粘膜出血、唾液過多、胃炎、鼓腸、直腸出血、マロリー・ワイス症候群、メレナ、胃酸過多、胃前庭部毛細血管拡張症、胃腸出血、口内乾燥、口内水疱、歯肉出血、出血性胃炎、食道痛、食道不快感、蛋白漏出性胃腸症、腸炎、腸雑音異常、裂肛、膵炎。
7). 精神・神経系:(5~20%未満)頭痛、情動不安、めまい、(5%未満)不眠症、錯乱状態、振戦、しびれ感、悪夢、肝性脳症、激越、失見当識、脳出血、譫妄。
8). 腎臓・泌尿器:(5~20%未満)血清クレアチニン上昇、乏尿、(5%未満)血尿、出血性膀胱炎、排尿困難、BUN上昇、腎機能障害、蛋白尿、膀胱炎、BUN低下、前立腺炎、多尿、尿意切迫、尿閉、膀胱痛。
9). 皮膚:(5~20%未満)脱毛、発疹、紅斑、皮下出血、(5%未満)皮膚色素沈着、皮膚そう痒症、皮膚落屑、皮膚障害、皮脂欠乏症、皮膚乾燥。
10). 代謝:(20%以上)血清マグネシウム低下、血清カリウム低下、(5~20%未満)血糖上昇、血清カルシウム低下、血清アルブミン低下、血清リン低下、(5%未満)血清総蛋白低下、体液貯留、血清ナトリウム低下、血清リン上昇、血清カリウム上昇、トリグリセリド上昇、血清クロル上昇、血清クロル低下、血清ナトリウム上昇、脱水、電解質失調、尿酸上昇。
11). 筋骨格:(5%未満)関節痛、筋痛、背部痛、筋痙攣、四肢痛、頸部痛、顎痛、顔面痛、骨痛、殿部痛。
12). 感覚器:(5~20%未満)味覚異常、(5%未満)口内異常感、耳痛、耳鳴。
13). 眼:(5%未満)霧視、角膜炎、眼そう痒、眼球乾燥、眼充血、眼瞼炎、強膜浮腫、結膜炎、結膜出血、羞明。
14). その他:(20%以上)発熱(38.5%)、倦怠感、(5~20%未満)浮腫、脱力、体重増加、(5%未満)体重減少、ほてり・潮紅、悪寒、CRP上昇、不正子宮出血、灼熱感、膣出血、圧迫感、胸痛、胸部不快感、粘膜過形成、白血球Al-P上昇、冷感、疼痛、(頻度不明)無月経、早発閉経、卵巣機能不全、卵巣障害、性腺機能低下、乏精子症、無精子症、精巣萎縮。
同種・自家移植を対象とした国内第2相試験(KRN246/01-A01)、自家移植を対象とした海外第2相試験(OMC-BUS-3)、同種移植を対象とした海外第2相試験(OMC-BUS-4)及び小児における同種・自家移植を対象とした海外第2相試験(F60002IN101G0)の集計。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で胎仔筋骨格系異常、胎仔性腺発育障害、胎仔体重減少・胎仔体長減少及び胎仔生殖機能への影響あるいは出生仔筋骨格系異常、出生仔性腺発育障害、出生仔体重減少・出生仔体長減少及び出生仔生殖機能への影響が認められたとの報告がある)〔2.3、9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(ヒト乳汁中への移行については不明であり、また、非臨床試験等のデータはなく、ヒトで哺乳中の児における影響は不明である)〔15.2.1参照〕。
小児等
本剤を前治療薬として用いた造血幹細胞移植を小児に施行するにあたっては、歯牙形成不全を含む成長障害等の可能性を十分に考慮した上で行うこと。小児55例(年齢0~18歳未満)を対象とした海外臨床試験において、小児に特徴的な副作用と考えられる症状等は認められなかった〔17.1.3参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋、マスク、防護メガネ等を着用し、十分に注意すること。皮膚、粘膜、眼等に本溶液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗うこと。
14.1.2. 本剤は10倍量の生理食塩液又は5%ブドウ糖液に添加し、十分に混和して使用すること。
14.1.3. 本剤は希釈後、安定性が低下するので、室温(約25℃)で用時調製し、調製から8時間以内に投与を終了すること。
14.1.4. 調製後に混濁又は結晶が認められる場合は使用しないこと。
14.1.5. ポリカーボネート製の容器・シリンジ等及びポリエーテルスルホン製のシリンジフィルターは使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 他の注射剤<生理食塩液又は5%ブドウ糖液以外>との配合又は混注は行わないこと。
14.2.2. インラインフィルターを用いて、又は点滴用セットにフィルターを装着して本剤を投与する場合は、ポリエーテルスルホン製、ポリスルホン製又はポリエステル製のフィルターを使用すること。
14.2.3. ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。
14.2.4. 直接末梢静脈に投与すると薬液の漏出による局所組織障害を起こすことがあるので、必ず中心静脈からの点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。
中心静脈カテーテルを留置して投与すること。
14.2.5. 本剤の投与においては希釈調製された全量が1回2時間(A法及びC法)又は1回3時間(B法及びD法)で投与されるよう、持続注入ポンプを用いて点滴静脈注射すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 添加剤であるN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)は、海外臨床試験において、肝トランスアミナーゼ上昇を伴う肝毒性及び幻覚等の神経毒性が報告されている。
15.1.2. ブスルファンを投与した患者に二次発がんが認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ブスルファンは、遺伝毒性が報告されている〔9.4.2、9.6授乳婦の項参照〕。
15.2.2. 動物実験(ラット)でのDMA 2g/kgの単回腹腔内投与、1g/kgの経皮投与において胎仔催奇形性が認められたとの報告がある。
15.2.3. ブスルファン投与により、動物実験において雄ラットの不妊の誘発、精子形成阻害、また、マウスの卵母細胞減少が認められたとの報告がある。
15.2.4. ブスルファン投与により、動物実験(マウス、ラット)においてがん原性が示唆されたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
(1)成人
悪性腫瘍患者に、1回0.8mg/kgの用量で6時間毎に1日4回、4日間静脈内投与した時、血漿中未変化体濃度は、投与時間の経過とともに上昇し、投与終了直前でCmaxが観察され、投与終了後速やかに減少した(添付文書の図16‐1)。
図16‐1 血漿中ブスルファン濃度の推移(平均値±標準偏差)

薬物動態パラメータは表16‐1のとおりであり、反復投与による薬物動態の変動はみられなかった。他の報告においても、同様の薬物動態パラメータの値が示されている。
表16‐1 ブスルファンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)小児
・悪性腫瘍又は非悪性腫瘍患者に、1回0.8~1.2mg/kgの用量で6時間毎に1日4回、4日間静脈内投与した時、血漿中未変化体濃度を用いて算出した薬物動態パラメータは表16‐2のとおりである。反復投与による薬物動態の変動はみられなかった(外国人データ)。
表16‐2 ブスルファンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

・小児に、1回3.2~4.8mg/kgの用量で24時間毎に1日1回静脈内投与した時の薬物動態の成績は得られていないが、シミュレーションに基づく薬物動態パラメータの推定値は表16‐3のとおりである。
表16‐3 ブスルファンの薬物動態パラメータ
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16.4 代謝
ブスルファンは、グルタチオンS‐トランスフェラーゼ(GST)によるグルタチオン抱合を第一段階とする代謝あるいは内因性物質との非特異的アルキル化による共有結合生成によって不活化される(外国人データ)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
17.1.1 国内第II相試験
・造血器腫瘍患者28例(小児3例を含む)を対象とした非盲検試験において、本剤0.8mg/kgを点滴静注により6時間毎に計16回、移植施行日(day0)のday‐7からday‐4に4日間連日投与し、その後シクロホスファミド60mg/kgを1日1回、day‐3からday‐2に2日間連日投与した後(BU/CY2レジメン)、day0に造血幹細胞が輸注された。27例中8例が非血縁ドナーからの移植であったほかは、血縁ドナーからの移植であった。HLA適合度は、血清型では全例一致していたが、1例のみ遺伝子型一座不一致非血縁ドナーからの移植であった。また、27例中10例が末梢血幹細胞移植であり、その他の症例は骨髄移植であった。
同種移植における患者背景を表17‐1、主要な有効性に関する臨床試験成績を表17‐2に示す。
表17‐1 国内臨床試験の原疾患
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表17‐2 国内臨床試験成績
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副作用発現頻度は、27例中27例(100%)であった。主な副作用は、嘔吐18例(66.7%)、下痢18例(66.7%)、悪心17例(63.0%)、口内炎17例(63.0%)、食欲不振17例(63.0%)及び倦怠感14例(51.9%)であった。[7.2参照]
・同試験に組み入れられた18歳未満の小児3例の試験成績を表17‐3に示す。本試験での本剤の投与量は、0.8mg/kg/回であった。
表17‐3 国内臨床試験成績(小児)
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骨髄移植拒絶反応(生着不全)が重篤な副作用として3例中1例(33.3%)に認められた。[7.2参照]
17.1.2 海外第II相試験
造血器腫瘍患者61例を対象とした非盲検試験において、本剤の有効成分であるブスルファン0.8mg/kgを点滴静注により6時間毎に計16回、移植施行日(day0)のday‐7からday‐4に4日間連日投与し、その後シクロホスファミド60mg/kgを1日1回、day‐3からday‐2に2日間連日投与した後(BU/CY2レジメン)、day0に造血幹細胞が輸注された。全例とも血縁ドナーからの移植であり、HLA適合度は、血清型では全例一致していた。また、61例中34例が末梢血幹細胞移植であり、その他の症例は骨髄移植であった。
同種移植における患者背景を表17‐4、主要な有効性に関する臨床試験成績を表17‐5に示す。
表17‐4 海外臨床試験の原疾患
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表17‐5 海外臨床試験成績
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副作用発現頻度は、61例中61例(100%)であった。主な副作用は、嘔気57例(93.4%)、白血球減少症56例(91.8%)、血小板減少症55例(90.2%)、嘔吐54例(88.5%)、貧血53例(86.9%)、粘膜の炎症49例(80.3%)、食欲不振40例(65.6%)、下痢38例(62.3%)、顆粒球減少症32例(52.5%)及び低マグネシウム血症32例(52.5%)であった。[7.2参照]
〈同種造血幹細胞移植の前治療、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍及び神経芽細胞腫における自家造血幹細胞移植の前治療〉
17.1.3 海外第II相試験
造血器腫瘍患者58例(同種及び自家造血幹細胞移植:年齢0~18歳未満)を対象とし本剤の目標AUC値を900~1350μmol・min/Lと設定し、シクロホスファミド又はメルファランを併用した前治療の非盲検試験が実施された。
同種移植は、28例中5例が非血縁ドナーからの移植であったほかは、血縁ドナーからの移植であった。HLA適合度は、26例で一致していたが、1例が二座不一致血縁ドナーであり、残る1例は一座不一致非血縁ドナーからの移植であった。
同種移植では、本剤の有効成分であるブスルファン0.8~1.2mg/kg(承認用法・用量と同一の体重別投与量設定)を点滴静注により6時間毎に計16回、移植施行日(day0)のday‐9からday‐6に4日間連日投与し、その後シクロホスファミド50mg/kgを1日1回、day‐5からday‐2に4日間連日投与した後(BU/CY4レジメン)、day0に造血幹細胞が輸注された。自家移植では、ブスルファン0.8~1.2mg/kg(承認用法・用量と同一の体重別投与量設定)を点滴静注により6時間毎に計16回、移植施行日(day0)のday‐6からday‐3に4日間連日投与し、その後メルファラン140mg/m2を1回、day‐1に投与した後(BU/L‐PAMレジメン)、day0に造血幹細胞が輸注された。同種移植では28例中27例が骨髄移植であり、残る1例は末梢血幹細胞移植であった。自家移植では全例が末梢血幹細胞移植であった。
本試験の患者背景を表17‐6、主要な有効性に関する臨床試験成績を表17‐7に示す。
なお、自家移植27例の観察期間中央値は16.9ヵ月(範囲:5.4~26.5ヵ月)であり、神経芽細胞腫24例での2年再発率注)及び無事象生存率注)は、それぞれ31%及び50%、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍3例での1年再発率注)及び無事象生存率注)は、0%及び67%であった。
注)Kaplan‐Meier推定
表17‐6 海外臨床試験の原疾患
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表17‐7 海外臨床試験成績
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副作用発現頻度は、同種移植で28例中19例(67.9%)、自家移植で27例中27例(100%)であった。主な副作用は、同種移植で口内炎12例(42.9%)、食欲不振9例(32.1%)、ALT上昇9例(32.1%)、γ‐GTP上昇8例(28.6%)、AST上昇8例(28.6%)及び嘔吐6例(21.4%)、自家移植で口内炎26例(96.3%)、嘔吐19例(70.4%)、食欲不振18例(66.7%)、発熱性好中球減少症17例(63.0%)、下痢16例(59.3%)、AST上昇15例(55.6%)、ALT上昇14例(51.9%)及び腹痛14例(51.9%)であった。[7.2、9.7参照]

18.1 作用機序
細胞内に取り込まれた後にDNA鎖間又はDNA鎖内架橋形成などを介して細胞増殖を抑制し、骨髄抑制作用や抗腫瘍作用を示す。
18.2 骨髄抑制作用
マウスにおいて好中球、リンパ球を含む血球数及び骨髄中造血細胞数の減少を認め、イヌにおいても血球数の減少を認めた。
18.3 抗腫瘍作用
種々のヒト腫瘍細胞株に対して増殖抑制を認めた(in vitro)。急性リンパ性白血病細胞移植マウスに10及び20mg/kgを3日間腹腔内投与したところ腫瘍増殖を抑制し、対照群と比較してそれぞれ25%及び36%の平均生存期間を延長させた。

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