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アドリアシン注用50

販売名
アドリアシン注用50
薬価
50mg1瓶 5592.00円
製造メーカー
サンドファーマ

添付文書情報2022年11月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
アントラサイクリン系抗生物質製剤
一般名
ドキソルビシン塩酸塩注射用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。
また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤の小児悪性固形腫瘍での使用は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること〔9.7.2参照〕。
禁忌
2.1. 心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある]。
2.2. 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). ドキソルビシン塩酸塩通常療法:
①. 次記諸症の自覚的及び他覚的症状の緩解:悪性リンパ腫、肺癌、消化器癌(胃癌、胆のう癌・胆管癌、膵臓癌、肝癌、結腸癌、直腸癌等)、乳癌、膀胱腫瘍、骨肉腫。
②. 次の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法:乳癌<手術可能例における術前あるいは術後化学療法>、子宮体癌<術後化学療法・転移・再発時化学療法>、悪性骨・軟部腫瘍、悪性骨腫瘍、多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍(小児ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、小児横紋筋肉腫、小児神経芽腫、小児網膜芽腫、小児肝芽腫、小児腎芽腫等)。
2). M-VAC療法:尿路上皮癌。
用法・用量
〈ドキソルビシン塩酸塩通常療法〉
6.1. 肺癌、消化器癌(胃癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、肝癌、結腸癌、直腸癌等)、乳癌、骨肉腫
6.1.1. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として10mg(0.2mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回4~6日間連日静脈内ワンショット投与後、7~10日間休薬する。
この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す。
6.1.2. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20mg(0.4mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回2~3日間静脈内にワンショット投与後、7~10日間休薬する。
この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す。
6.1.3. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20~30mg(0.4~0.6mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回、3日間連日静脈内にワンショット投与後、18日間休薬する。
この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す。
6.1.4. 総投与量はドキソルビシン塩酸塩として500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.2. 悪性リンパ腫
6.2.1. 前記6.1.1~6.1.3に従う。
6.2.2. 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、次のとおりとする。
(1). ドキソルビシン塩酸塩として1日1回25~50mg(力価)/㎡(体表面積)を静脈内投与し、繰り返す場合には少なくとも2週間以上の間隔をあけて投与する。
(2). ドキソルビシン塩酸塩として、1日目は40mg(力価)/㎡(体表面積)、8日目は30mg(力価)/㎡(体表面積)を静脈内投与し、その後20日間休薬する。この方法を1クールとし、投与を繰り返す。
投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈する。なお、年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量する。また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.3. 乳癌(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
6.3.1. シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与後、13日間又は20日間休薬する。
この方法を1クールとし、4クール繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.4. 子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
6.4.1. シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与し、その後休薬し3週毎繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.5. 悪性骨・軟部腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
6.5.1. イホスファミドとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20~30mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与し、その後休薬し3~4週毎繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
本剤単剤では6.1.3、6.1.4に従う。
6.6. 悪性骨腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
6.6.1. シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与または点滴静注し、その後3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、疾患、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.7. 多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
6.7.1. ビンクリスチン硫酸塩、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量ドキソルビシン塩酸塩として9mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液に希釈して24時間持続静注する。これを4日間連続で行う。その後休薬し、3~4週毎繰り返す方法を1クールとする。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.8. 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
6.8.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、次のとおりとする。
(1). 1日20~40mg(力価)/㎡(体表面積)を24時間持続点滴
1コース20~80mg(力価)/㎡(体表面積)を24~96時間かけて投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。1日投与量は最大40mg(力価)/㎡(体表面積)とする。
(2). 1日1回20~40mg(力価)/㎡(体表面積)を静注または点滴静注
1コース20~80mg(力価)/㎡(体表面積)を投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。1日投与量は最大40mg(力価)/㎡(体表面積)とする。
投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈する。なお、年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量する。また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする。
6.9. 膀胱腫瘍
6.9.1. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として30~60mg(力価)を20~40mLの日局生理食塩液に1~2mg(力価)/mLになるように溶解し、1日1回連日または週2~3回膀胱腔内に注入する。
また、年齢・症状に応じて適宜増減する。
(ドキソルビシン塩酸塩の膀胱腔内注入法)
ネラトンカテーテルで導尿し、十分に膀胱腔内を空にしたのち同カテーテルより、ドキソルビシン塩酸塩30~60mg(力価)を20~40mLの日局生理食塩液に1~2mg(力価)/mLになるように溶解して膀胱腔内に注入し、1~2時間膀胱把持する。
〈M-VAC療法〉
6.10. 尿路上皮癌
6.10.1. メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、ドキソルビシン塩酸塩を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、成人1回30mg(力価)/㎡(体表面積)を静脈内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
標準的な投与量及び投与方法は、メトトレキサート30mg/㎡を1日目に投与した後、2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡、ドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/㎡及びシスプラチン70mg/㎡を静脈内に注射する。15日目及び22日目に、メトトレキサート30mg/㎡及びビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡を静脈内に注射する。これを1クールとして4週毎に繰り返すが、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡以下とする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)〉24時間持続静脈内注射を実施する場合は、中心静脈カテーテルを留置して投与すること〔8.6参照〕。
7.2. 〈悪性リンパ腫〉本剤の投与量、投与スケジュール、併用薬等について、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
7.3. 〈乳癌<手術可能例における術前あるいは術後化学療法>に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉本剤の投与スケジュールの選択、G-CSF製剤の使用等について、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。
生殖能を有する者
8.1. 〈効能共通〉本剤はドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤とは有効性、安全性、薬物動態が異なる。本剤をドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤の代替として使用
しないこと。
また、本剤をドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤と同様の用法・用量で投与しないこと。
8.2. 〈効能共通〉骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。なお、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。
8.3. 〈効能共通〉本剤の総投与量が500mg/㎡を超えると重篤な心筋障害を起こすことが多くなるので注意すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 〈効能共通〉本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、二次性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生することがあるので注意すること。
8.5. 〈効能共通〉感染症の発現又は感染症悪化、出血傾向の発現又は出血傾向悪化に十分注意すること〔11.1.2参照〕。
8.6. 〈多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)〉24時間持続静脈内注射を実施する場合、直接末梢静脈に投与すると薬液の漏出による局所組織障害を起こすおそれがあるので、中心静脈カテーテルを留置して中心静脈より投与し、また、血管内留置カテーテルによる感染症の合併に十分注意すること〔7.1参照〕。
9.1.1. 骨髄機能抑制のある患者:骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。
9.1.2. 感染症を合併している患者:骨髄機能抑制により感染症が悪化するおそれがある。
9.1.3. 水痘患者:致命的全身障害があらわれるおそれがある。
腎機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。
肝機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射、潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤(アントラサイクリン系薬剤等)[心筋障害が増強されるおそれがある(心筋に対する蓄積毒性が増強される)]。
2). 他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある(副作用が相互に増強される)]。
3). パクリタキセル[本剤投与前にパクリタキセルを投与すると、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合は、パクリタキセルの前に本剤を投与すること(本剤投与前にパクリタキセルを投与すると、本剤の未変化体の血漿中濃度が上昇する)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 〈用法共通〉心筋障害、心不全(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.2. 〈用法共通〉骨髄機能抑制、出血(いずれも頻度不明):汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少等の骨髄機能抑制及び出血があらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.3. 〈用法共通〉ショック(頻度不明)。
11.1.4. 〈用法共通〉間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.5. 〈膀胱腔内注入法〉萎縮膀胱(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 心臓:(5%以上)心電図異常、(0.1~5%未満)頻脈、不整脈、胸痛。
2). 肝臓:(0.1~5%未満)肝障害。
3). 腎臓:(頻度不明)蛋白尿。
4). 消化器:(5%以上)食欲不振、悪心・嘔吐、口内炎、(0.1~5%未満)下痢。
5). 皮膚:(5%以上)脱毛、(0.1~5%未満)皮膚色素沈着。
6). 精神神経系:(0.1~5%未満)倦怠感、頭痛。
7). 泌尿器(膀注時):(5%以上)頻尿、排尿痛、膀胱炎、(0.1~5%未満)血尿、(頻度不明)残尿感。
8). 呼吸器:(頻度不明)気胸・血胸(肺転移症例)。
9). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹。
10). その他:(0.1~5%未満)発熱、(頻度不明)鼻出血。
高齢者
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者では特に心毒性、骨髄機能抑制があらわれやすく、また、本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(動物実験(ラット)で、消化器系、泌尿器系及び心臓血管系に催奇形作用が報告されている)。
授乳を避けさせること(ヒト乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
9.7.1. 副作用の発現に特に注意すること。
9.7.2. 治療終了後も定期的な心機能検査を実施することが望ましい(本剤投与後に遅発性心毒性の発現のリスクが高いとの報告がある)〔1.2参照〕。
9.7.3. 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は溶解時のpHにより安定性が低下することがあるので、他の薬剤<日局注射用水又は日局生理食塩液を除く>との混注を避け、日局注射用水又は日局生理食塩液に溶解すること。またフルオロウラシル注射液等のアルカリ性薬剤の調剤に使用したシリンジ(注射筒)を本剤の調製時に使用すると不溶性の凝集物を形成するので避けること。
14.1.2. 本剤を日局生理食塩液で溶解する場合は、ドキソルビシン塩酸塩として10mg(力価)当たり1mL以上で速やかに行うこと(微量の日局生理食塩液で溶解を開始すると溶けにくくなることがある)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮下、筋肉内投与はしないこと。
14.2.2. 腹腔内に投与すると、腸管の癒着を起こすことがあるので、腹腔内投与は避けること。
14.2.3. 静脈内投与により血管痛、静脈炎、血栓を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
14.2.4. 静脈内投与に際し薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報本剤の尿中排泄により尿が赤色になることがある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットに静脈内投与した実験で乳腺腫瘍が発生したとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
癌患者8名にアドリアマイシン(ADM)50mg/m2を急速静脈内投与した場合の未変化体(ADM)と活性代謝物アドリアマイシノール(ADM‐OH)の血中濃度推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりである(外国人データ)。
(ただし、血中濃度推移は代表的患者の成績である。)

薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
ラットに3H‐アドリアマイシン(2.3μCi/mg)を静脈内投与し経時的に臓器内濃度を測定した。
臓器内濃度は脾臓>肺>腎臓>肝臓>心臓の順に高く、脳への分布は極めて少なかったが、他の臓器へは強く吸着され、持続的であった。
16.3.2 蛋白結合率
→図表を見る(PDF)

16.4 代謝
アドリアマイシンは、細胞内に存在するNADPH依存性のaldo‐ketoreductase及びmicrosomal glycosidaseによりそれぞれadriamycinolとdeoxyadriamycin aglyconeを生じる。更にdeoxyadriamycinol aglycone、demethyldeoxyadriamycinol aglyconeに代謝され、硫酸、グルクロン酸抱合体を形成する。なお、in vitroにおいて、adriamycinolは未変化体よりも弱い活性を有する。また、代謝物は投与後速やかに血中に出現する(外国人データ)。
16.5 排泄
癌患者7名に3H‐アドリアマイシン0.5mg/kgを静脈内投与し、尿中及び糞中の放射能を測定したところ、尿中排泄は最初の24時間で投与量の11.5%、次の24時間で3.5%が排泄され、7日間の総排泄率は22.7%であった。また、糞中への7日間の総排泄率は14~45%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能障害を有する患者では未変化体及び代謝物の血中濃度が肝機能障害のない患者に比して高く、かつ持続することが認められている(外国人データ)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈悪性リンパ腫、肺癌、消化器癌、乳癌〉
17.1.1 国内臨床試験
本剤単独使用例の疾患別の臨床成績の概要は次のとおりである。なお、有効率はKarnofsky判定基準の「0‐C」以上、日本癌治療学会判定基準及び腫瘍縮小効果に自覚症状の改善を加味した施設毎の判定基準の「やや有効」以上を有効として算定した。他剤併用投与例を含む副作用発現率は93.0%(398/428例)で、主な副作用は脱毛40.9%(175/428例)、白血球減少32.0%(137/428例)、口内炎20.8%(89/428例)、心電図異常16.4%(70/428例)、悪心・嘔吐15.4%(66/428例)であった。
→図表を見る(PDF)

〈膀胱腫瘍〉
17.1.2 国内臨床試験
膀胱腫瘍に対する膀胱腔内注入法において、本剤単独使用例の有効率(有効例/評価例)は59.3%(102/172例)であった。なお、膀胱鏡所見に基づき腫瘍縮小効果の統一基準を設定し、50%以上の腫瘍縮小を有効例として算定した。副作用発現率は45.7%(80/175例)で、主な副作用は頻尿42.9%(75/175例)、排尿痛33.7%(59/175例)、膀胱炎16.6%(29/175例)であった。
〈骨肉腫〉
17.1.3 国内臨床試験
骨肉腫の肺転移例において、本剤単独使用例の有効率(有効例/評価例)は25.9%(7/27例)であった。なお、Karnofsky判定基準の「1‐A」以上を有効例として算定した。副作用発現率は100%(27/27例)で、主な副作用は脱毛100%(27/27例)、食欲不振74.1%(20/27例)、悪心・嘔吐74.1%(20/27例)、白血球減少59.3%(16/27例)であった。

18.1 作用機序
腫瘍細胞のDNAとcomplexを形成することによって、DNA polymerase反応、RNA polymerase反応を阻害し、DNA、RNAの双方の生合成を抑制することによって抗腫瘍効果を示す。
18.2 抗腫瘍性
動物実験(マウス、ラット)において移植癌に対して広い抗癌スペクトラムを有し、Ehrlich ascites carcinoma、Sarcoma180、Hepatoma MH‐134、Lymphoma6C3HED・OG、L‐1210、吉田肉腫に対して強い抗腫瘍効果を示した。
また、動物実験(ラット)においてマイトマイシンC、5‐FU等の他剤に耐性となった吉田肉腫に対しても抗腫瘍効果を示した。

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