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タキソール注射液100mg

販売名
タキソール注射液100mg
薬価
100mg16.7mL1瓶 7082.00円
製造メーカー
クリニジェン

添付文書情報2023年07月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
抗腫瘍性植物成分製剤
一般名
パクリタキセル注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤の骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例(敗血症、脳出血)あるいは高度の過敏反応に起因したと考えられる死亡例が認められている。骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。本剤による重篤な過敏症状の発現を防止するため、本剤投与前に必ず前投薬を行うこと〔7.1.1、7.1.2参照〕。また、前投薬を実施した患者においても死亡例が報告されているので、患者の状態に十分に注意し、重篤な過敏症状が発現した場合は、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと(なお、重篤な過敏症状が発現した症例には、本剤を再投与しないこと)。
禁忌
2.1. 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症を伴い、重篤化する可能性がある]。
2.2. 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させるおそれがある]。
2.3. 本剤又はポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤(例えばシクロスポリン注射液等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.5. 次の薬剤を投与中の患者:ジスルフィラム投与中、シアナミド投与中、プロカルバジン塩酸塩投与中〔10.1参照〕。
効能・効果
1). 卵巣癌。
2). 非小細胞肺癌。
3). 乳癌。
4). 胃癌。
5). 子宮体癌。
6). 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌。
7). 再発又は遠隔転移を有する食道癌。
8). 血管肉腫。
9). 進行又は再発の子宮頸癌。
10). 再発又は難治性の胚細胞腫瘍(再発又は難治性の精巣胚細胞腫瘍、再発又は難治性の卵巣胚細胞腫瘍、再発又は難治性の性腺外胚細胞腫瘍)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈子宮体癌〉本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
用法・用量
非小細胞肺癌及び子宮体癌にはA法を使用する。
乳癌にはA法又はB法を使用する。
卵巣癌にはA法又はカルボプラチンとの併用でC法を使用する。
胃癌にはA法又はE法を使用する。
再発又は難治性の胚細胞腫瘍には他の抗悪性腫瘍剤と併用でA法を使用する。
再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、再発又は遠隔転移を有する食道癌、血管肉腫にはB法を使用する。
進行又は再発の子宮頸癌にはシスプラチンとの併用において、D法を使用する。
A法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回210mg/㎡(体表面積)を3時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。
B法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/㎡(体表面積)を1時間かけて点滴静注し、週1回投与を6週連続し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。
C法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回80mg/㎡(体表面積)を1時間かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続する。これを1クールとして、投与を繰り返す。
D法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回135mg/㎡(体表面積)を24時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。
E法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回80mg/㎡(体表面積)を1時間かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。
なお、投与量は、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与による重篤な過敏症状の発現を防止するため、本剤投与前に必ず前投薬を行うこと。
7.1.1. A法:本剤投与約12~14時間前及び約6~7時間前の2回、もしくは本剤投与約30分前までに投与を終了するように、1回デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液(デキサメタゾンとして20mg)を静脈内投与、本剤投与約30分前までに投与を終了するように、ジフェンヒドラミン塩酸塩錠(ジフェンヒドラミン塩酸塩として50mg)を経口投与、本剤投与約30分前までに投与を終了するように、ラニチジン塩酸塩注射液(ラニチジンとして50mg)又は注射用ファモチジン(ファモチジンとして20mg)を静脈内投与すること。
7.1.2. B法、C法、D法及びE法:
(1). 本剤投与約30分前までに投与を終了するように、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液(デキサメタゾンとして8mg)及びラニチジン塩酸塩注射液(ラニチジンとして50mg)又は注射用ファモチジン(ファモチジンとして20mg)を静脈内投与、ジフェンヒドラミン塩酸塩錠(ジフェンヒドラミン塩酸塩として50mg)を経口投与すること。
(2). デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、次回投与時までに過敏症状の発現がみられなかった場合又は臨床上特に問題のない過敏症状の場合は、2週目の投与より半量(4mg)に減量し投与してもよい。以降の投与週においても同様の場合、半量ずつ最低1mgまで減量し投与してもよい。
7.2. 本剤の投与にあたっては、投与法毎に次記に留意し、必要に応じ休薬、減量を実施すること。また、重篤な末梢神経障害が発現した場合には、次回の投与量を骨髄抑制の減量の目安に従い、減量して投与することを考慮する。
・ A法:白血球及び好中球の変動に十分留意し、投与前の臨床検査で白血球数が4000/mm3未満又は投与前の臨床検査で好中球数が2000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまでは投与を延期すること。A法の場合、投与後、白血球数1000/mm3未満となった場合には次回の投与量を減量すること。
・ B法:各クールを開始する際(初回クールを含む)、各クール開始<初回含む>投与前の臨床検査で白血球数が3000/mm3未満又は各クール開始<初回含む>投与前の臨床検査で好中球数が1500/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまでは投与を延期し、同一クール内での本剤の投与にあたっては、同一クール内での投与前の臨床検査で白血球数が2000/mm3未満又は同一クール内での投与前の臨床検査で好中球数が1000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまでは投与を延期すること。B法の場合、投与後、白血球数1000/mm3未満となった場合には次回の投与量を減量すること。
<減量の目安>
1). A法:通常投与量210mg/㎡、1段階減量180mg/㎡、2段階減量150mg/㎡、3段階減量135mg/㎡。
2). B法:通常投与量100mg/㎡、1段階減量80mg/㎡、2段階減量60mg/㎡。
生殖能を有する者
8.1. 骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。なお、白血球減少が軽度であっても著明な好中球減少を発現する症例を認めていることから、血液検査の際には、白血球分画の測定を実施すること。また、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。
8.2. 重篤な過敏反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、重篤な過敏症状(呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等)があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
8.3. 低血圧、高血圧、徐脈等が起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察し、重篤な刺激伝導障害があらわれた場合には、適切な処置を行い、その後の本剤投与に際しては継続的に心電図のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
8.4. 関節痛及び筋肉痛が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には鎮痛剤投与等の適切な処置を行うこと(症状は一般に、投与開始後2、3日後にあらわれ、また、早期のクール(1~3クール目)より発現する傾向にあるので、十分注意すること)。
8.5. 発熱が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には感染に対する管理を十分に行い、解熱剤投与等の適切な処置を行うこと(発熱は一般に、投与開始後約6~10日後にあらわれ、また、1クール目の発現頻度が高い傾向にあるので、十分注意すること)。
8.6. 末梢神経障害が高頻度に起こるので、観察を十分に行うこと(症状は一般に、投与開始後約3~5日後にあらわれ、また、使用が長期間にわたると発現頻度が高くなる傾向にあるので、投与は慎重に行うこと)。
8.7. 投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に十分注意すること。
8.8. 本剤は無水エタノールを含有するため、前投薬で投与されるジフェンヒドラミン塩酸塩錠とアルコールの相互作用による中枢神経抑制作用の増強の可能性があるので、本剤投与後の患者の経過を観察し、アルコール等の影響が疑われる場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.9. 頭頸部癌、食道癌、血管肉腫、子宮頸癌、卵巣癌<C法>、胚細胞腫瘍、胃癌<E法>に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議公知申請への該当性に係る報告書」等)を熟読すること。
8.10. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
9.1.1. 骨髄抑制のある患者:骨髄抑制を増悪させるおそれがある。
9.1.2. アルコールに過敏な患者:本剤をアルコールに過敏な患者に投与する場合には問診により適切かどうか判断すること(本剤は溶剤として無水エタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがある)。
9.1.3. 間質性肺炎又は肺線維症のある患者:症状を増悪させるおそれがある。
腎機能障害患者:腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
肝機能障害患者:代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること(哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウス骨髄細胞を用いた小核試験において、遺伝毒性が報告されている)。
9.4.3. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
10.1. 併用禁忌:ジスルフィラム<ノックビン>、シアナミド<シアナマイド>、プロカルバジン塩酸塩<塩酸プロカルバジン>[アルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こすおそれがある(本剤はエタノールを含有しているため)]。
10.2. 併用注意:1). 放射線照射:①. 放射線照射[胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告があるので、併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと(機序は不明であるが、動物試験(マウス)で本剤による放射線感受性増加が認められている)]。
②. 放射線照射[骨髄抑制等を増強することがあるので、併用する場合には、患者の状態を観察しながら、本剤を減量するか又は投与間隔を延長すること(骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している)]。
2). 抗悪性腫瘍剤[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(骨髄抑制等の予想される副作用が重複している)]。
3). シスプラチン:①. シスプラチン[本剤をシスプラチンの後に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、本剤をシスプラチンの前に投与すること(本剤をシスプラチンの後に投与した場合、パクリタキセルのクリアランスが低下し、パクリタキセルの血中濃度が上昇する)]。
②. シスプラチン[末梢神経障害が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(末梢神経障害が予想される副作用として重複している)]。
4). ドキソルビシン塩酸塩:①. ドキソルビシン塩酸塩[本剤をドキソルビシンの前に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、本剤をドキソルビシンの後に投与すること(本剤をドキソルビシンの前に投与した場合、ドキソルビシンのクリアランスが低下し、ドキソルビシンの血中濃度が上昇する)]。
②. ドキソルビシン塩酸塩[心毒性が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(胆汁排泄の競合により、ドキソルビシン及びその代謝物であるドキソルビシノールの血中濃度が上昇する)]。
5). ビタミンA、アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン等)、ステロイド系ホルモン剤(エチニルエストラジオール等)、ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルブロッカー(ニフェジピン等)、シクロスポリン、ベラパミル塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、ミダゾラム、フェナセチン、ラパチニブトシル酸塩水和物[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(併用薬剤がP450-CYP2C8、CYP3A4等を阻害し、パクリタキセルの代謝が阻害され、パクリタキセルの血中濃度が上昇する)]。
6). N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質(セフメノキシム塩酸塩、セフォペラゾンナトリウム、セフブペラゾンナトリウム、セフミノクスナトリウム水和物、セフメタゾールナトリウム、ラタモキセフナトリウム)、メトロニダゾール[アルコール反応<顔面潮紅・悪心・頻脈・多汗・頭痛等>を起こすおそれがある(本剤はエタノールを含有しているため)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(0.2%)、アナフィラキシー(0.3%):呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 白血球減少等の骨髄抑制:白血球減少(61.4%)、好中球減少(55.5%)、貧血[ヘモグロビン減少(30.7%)、ヘマトクリット値減少(5.0%)、赤血球減少(11.2%)等]、血小板減少(11.7%)、汎血球減少等があらわれることがある。また、骨髄抑制の持続により、感染症[尿路感染(2.3%)、上気道感染(4.8%)、敗血症(0.9%)、帯状疱疹(1.0%)、肺炎(1.1%)等]の併発が報告されている。感染症の発現又は感染症増悪、出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意すること。A法では、白血球及び好中球減少の最低値までの期間(中央値)はそれぞれ投与開始後11日後、13日後にあらわれ、最低値発現日から白血球、好中球ともに7日間(中央値)で回復した。また、B法では、白血球及び好中球減少の最低値までの期間(中央値)はともに投与開始後22日後にあらわれ、最低値発現日から白血球、好中球はそれぞれ14日間(中央値)、13日間(中央値)で回復した。
11.1.3. 末梢神経障害、麻痺:しびれ等の末梢神経障害(43.8%)、麻痺(0.1%)、片麻痺(0.1%未満)、不全麻痺(頻度不明)があらわれることがある。
11.1.4. 間質性肺炎(0.5%)、肺線維症(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.5. 急性呼吸窮迫症候群(0.1%未満):急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6. 心筋梗塞(0.1%未満)、うっ血性心不全(0.1%未満)、心伝導障害(頻度不明)、肺塞栓(0.1%)、血栓性静脈炎(0.4%)、脳卒中(0.1%未満)、肺水腫(0.1%未満)。
11.1.7. 難聴(0.2%)、耳鳴(0.5%)。
11.1.8. 消化管壊死(頻度不明)、消化管穿孔(0.1%未満)、消化管出血(0.1%未満)、消化管潰瘍(0.1%)。
11.1.9. 重篤な腸炎:出血性大腸炎(0.1%未満)、偽膜性大腸炎(頻度不明)、虚血性大腸炎(頻度不明)等があらわれることがあるので、激しい腹痛・激しい下痢等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.10. 腸管閉塞、腸管麻痺:腸管閉塞(1.6%)、腸管麻痺(0.1%)(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管閉塞、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧法等の適切な処置を行うこと。
11.1.11. 肝機能障害(4.0%)、黄疸(0.1%未満)。
11.1.12. 膵炎(0.1%未満):血清アミラーゼ値異常等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.13. 急性腎障害(0.2%):BUN値異常、血清クレアチニン値異常、クレアチニン・クリアランス値異常等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.14. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.15. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.1%):血小板数異常、血清FDP値異常、血漿フィブリノゲン濃度異常等の血液検査異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.16. 腫瘍崩壊症候群(頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
11.1.17. 白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)(頻度不明):歩行時のふらつき、痙攣、頭痛、視覚障害、高血圧、意識障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(5%~20%未満)発疹、(5%未満)発赤[投与を中止すること]。
2). 循環器:(5%~20%未満)低血圧、(5%未満)不整脈、頻脈、徐脈、期外収縮、高血圧、心悸亢進、心電図異常、心房細動、心室細動、心肥大、狭心症。
3). 消化器:(20%以上)悪心・嘔吐(35.1%)、(5%~20%未満)下痢、食欲不振、口内炎、便秘、(5%未満)消化不良、鼓腸放屁、胃炎、腹部膨満感、直腸疼痛、嚥下障害、歯肉炎、直腸障害、口唇炎、舌苔、歯肉痛、(頻度不明)食道炎、粘膜炎、腹水、腸間膜血栓症。
4). 肝臓:(5%~20%未満)AST上昇、Al-P上昇、LDH上昇、ALT上昇、(5%未満)ビリルビン上昇。
5). 泌尿器:(5%~20%未満)電解質異常、BUN上昇、(5%未満)クレアチニン上昇、蛋白尿、排尿困難、血尿、尿失禁、尿閉、出血性膀胱炎。
6). 皮膚:(20%以上)脱毛(45.3%)、(5%未満)皮膚そう痒、皮膚疾患、爪障害、皮膚潰瘍、蕁麻疹、皮膚炎、皮膚色素沈着、皮膚乾燥、表皮剥離、皮膚腫脹、爪変色、(頻度不明)斑状丘疹性皮疹、皮膚強皮症様変化、亜急性皮膚エリテマトーデス。
7). 精神神経系:(5%未満)めまい、不眠、不安、うつ病、傾眠、思考異常、振戦、失神、激越、神経学的疾患、痙攣、運動失調、健忘症、緊張低下、意識障害、寡動、言語障害、緊張亢進、精神症状、譫妄、眼振、不随意運動、嗄声、気分変動。
8). 感覚器:(5%未満)味覚倒錯、味覚喪失、視力異常、眼疾患、結膜炎、耳痛、眼痛、霧視、流涙増加、眼精疲労、飛蚊症、眼乾燥、角膜炎、舌異常感、結膜出血、光視症、(頻度不明)暗点、黄斑浮腫。
9). 呼吸器:(5%~20%未満)呼吸困難、(5%未満)低酸素症、咳増加、喀痰増加、咽頭不快感。
10). 全身症状:(5%~20%未満)無力症、腹痛、倦怠感、頭痛、(5%未満)浮腫、疼痛、インフルエンザ様症候群、腹部腫脹、さむけ、体重増加、体重減少。
11). 筋骨格:(20%以上)関節痛(32.3%)、筋肉痛(28.8%)、(5%~20%未満)骨痛、背部痛、(5%未満)頸部痛、腰痛、(頻度不明)筋力低下。
12). その他:(5%~20%未満)発熱、潮紅、(5%未満)胸痛、出血、注射部反応、末梢性浮腫、総蛋白減少、アルブミン減少、骨盤痛、発汗、吃逆、口渇、不正出血、無月経、注射部痛、酩酊感、高血糖、低血糖、脱水、(頻度不明)血栓症。
発現頻度は、卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、子宮体癌患者を対象とした国内第2相試験及び卵巣癌、乳癌患者を対象とした海外第2相試験、使用成績調査並びに市販後臨床試験の結果に基づき記載した。
高齢者
用量並びに投与間隔に留意し、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなどして注意すること(一般に生理機能が低下していることが多く骨髄抑制等があらわれやすい)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット、ウサギ)において催奇形作用、胚死亡・胎仔死亡が報告されている)〔2.4、9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は5%ブドウ糖注射液及び生理食塩液を除く他の薬剤とは混注しないこと。
14.1.2. 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
14.1.3. 調製時に、注射針に塗布されているシリコーン油により不溶物を生じることがあるため、調製後に薬液中に不溶物がないか目視で確認すること(不溶物が認められた場合は使用しないこと)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与し、また、以前に同反応を発現した注射部位とは異なる部位に本剤を再投与した場合、以前の注射部位に同反応を再発するといった、いわゆる「Recall現象」が認められたとの報告がある。
14.2.2. 本剤は、輸液に混和後、できるだけ速やかに投与すること。
14.2.3. 本剤投与時、A法では500mLの5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し、3時間かけて点滴静注すること。B法、C法及びE法では250mLの5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し、1時間かけて点滴静注すること。D法では12時間毎の2回に分けて調製及び投与し、本剤投与量の半量を250mLの5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し、12時間かけて点滴静注する。これを1回分として、2回連続して投与する。
14.2.4. 本剤の希釈液は、過飽和状態にあるためパクリタキセルが結晶として析出する可能性があるので、本剤投与時には、0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
14.2.5. 点滴用セット等で本剤の溶解液が接触する部分に、可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含有しているものの使用を避けること。
14.2.6. 輸液ポンプを使用して本剤を投与する場合は、チューブ内にろ過網(面積の小さなフィルター)が組み込まれた輸液セットを使用すると、まれにポンプの物理的刺激により析出するパクリタキセルの結晶がろ過網を詰まらせ、ポンプの停止が起こることがあるので、ろ過網が組み込まれた輸液セットは使用しないこと。
14.2.7. 本剤は非水性注射液であり、輸液で希釈された薬液は表面張力が低下し、1滴の大きさが生理食塩液などに比べ小さくなるため、輸液セットあるいは輸液ポンプを用いる場合は次の点に十分注意すること。
・ 輸液セットあるいは輸液ポンプを用いる場合は、自然落下方式で投与する場合、輸液セットに表示されている滴数で投与速度を設定すると、目標に比べ投与速度が低下するので、滴数を増加させて設定する等の調整が必要である。
・ 滴下制御型輸液ポンプを用いる場合は、流量を増加させて設定する等の調整が必要である。
20.1. 包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 使用成績調査において、重篤な間質性肺炎等の肺障害の発現率は、休薬期間が承認用法の3週間以上の症例では0.27%(5例/1862例)であったが、3週間より短かった症例では1.41%(12例/852例)であった。
15.1.2. 放射線療法に関連した照射部位の皮膚異常を発現した既往のある患者に本剤を投与した場合、同部位に同様の皮膚異常を再発するといった、いわゆる「Radiation recall現象」が認められたとの報告がある。
15.1.3. 本剤と他の抗悪性腫瘍剤や放射線療法を併用した患者で、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
各種悪性腫瘍患者に本剤105~270mg/m2を3時間かけて点滴静注したときの血漿中濃度は2相性の消失を示し、半減期は9.9~16.0時間であった。AUC及びCmaxは用量依存的な増加傾向を示した。血中動態は非線形性を示し、AUC及びCmaxは投与量の増加に比例する以上の増加傾向を示した。
(注)本剤の承認されたA法の用量は210mg/m2である。
パクリタキセル3時間点滴静注時の血漿中濃度

16.1.2 反復投与
非小細胞肺癌患者に本剤80~120mg/m2を1時間かけて点滴静注したとき、半減期は8.5~11.6時間であった。AUC及びCmaxは用量依存的な増加傾向を示した。血中動態は非線形性を示し、AUC及びCmaxは投与量の増加に比例する以上の増加傾向を示した。また、6週間投与においても蓄積はなく、薬物動態に変化はみられなかった。
(注)本剤のB法の承認は、乳癌に100mg/m2の用量である。
パクリタキセル1時間点滴静注時の血漿中濃度

血漿中濃度パラメータ(100mg/m2投与時の平均値)
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
ラットに14C標識体を単回静注した後の組織内放射能濃度は、脳、中枢神経系を除く各臓器・組織に速やかに移行し、特に、肝臓、消化管、胸腺、腎臓、唾液腺、膵臓、肺、脾臓で高値を示した。投与後120時間後においても胸腺では比較的高濃度の放射能が検出されたが、この時点での放射能の体内残存率は1%未満であった。ヒト血清を用いてin vitroで蛋白結合率を測定した結果、0.1~50μg/mLの濃度範囲で88.4~90.6%であった。
16.4 代謝
動物(ラット、イヌ)において本剤は主として肝臓で代謝され胆汁中へ排泄された。代謝反応としては水酸化、脱アセチル化、エピ化、加水分解が確認又は推定されたが、未変化体及び代謝物の抱合体は検出されなかった。ヒトにおける主代謝物はタキサン環6位の水酸化及び3’位フェニル基の水酸化体で、これらの代謝にはP450‐CYP2C8、CYP3A4等の分子種が関与していることが知られている。
16.5 排泄
各種悪性腫瘍患者に本剤105~270mg/m2を3時間かけて点滴静注したときの未変化体の尿中排泄率は、投与後75時間までで6~12%であった。
(注)本剤の承認されたA法の用量は210mg/m2である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
(1)A法
日本国内における本剤単独3時間点滴静注のA法による第II相試験は、卵巣癌患者66例、非小細胞肺癌患者122例、乳癌患者65例、胃癌患者107例、子宮体癌23例を対象として実施された。適格例に対する奏効率は、卵巣癌26.6%(17/64)、非小細胞肺癌35.0%(42/120)、乳癌33.9%(21/62)、胃癌23.4%(25/107)、子宮体癌30.4%(7/23)であった。
総症例3,817例(承認時500例、使用成績調査3,169例及び市販後臨床試験148例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は83.3%(3,181例/3,817例)であり、主な副作用は末梢神経障害(37.6%)、関節痛(23.5%)、筋肉痛(18.7%)及び悪心(21.3%)、嘔吐(15.0%)等の消化器症状であり、その他脱毛(30.5%)、発熱(11.0%)等が認められた。臨床検査値異常は白血球数減少(48.5%)、好中球数減少(43.8%)、ヘモグロビン減少(16.6%)、血小板数減少(10.6%)等の骨髄抑制が主であり、AST上昇(8.0%)、ALT上昇(9.4%)等の肝機能検査値異常、BUN上昇(4.0%)等の腎機能検査値異常が認められた。また、臨床試験における間質性肺炎の発現率は、1.6%(6例/373例)であった。
(2)B法
本剤単独1時間点滴静注のB法による第II相試験は、乳癌患者69例を対象として実施された。有効性評価対象例に対する奏効率は、乳癌44.9%(31/69)であった。
安全性評価対象181例(承認外の「効能・効果」に対する臨床試験の112例を含む)において報告された主な副作用及び臨床検査値異常変動は次表のとおりである。また、臨床試験における間質性肺炎の発現率は、2.2%(4例/181例)であった。
主な副作用発現率(10%以上の副作用)
→図表を見る(PDF)

主な臨床検査値異常(10%以上の臨床検査値異常)
→図表を見る(PDF)

17.1.2 海外臨床試験
海外における本剤単独3時間点滴静注の3週間隔投与(用量175mg/m2又は135mg/m2注))による第II相試験は、卵巣癌患者195例、乳癌患者471例を対象として実施された。全症例に対する奏効率は、卵巣癌14.9%(29/195)、乳癌24.6%(116/471)であった。
本剤投与による安全性評価症例1,106例中(本剤単独3時間点滴静注の3週間隔投与(用量175mg/m2又は135mg/m2注))による臨床試験の651例を含む)、主な副作用は筋肉痛・関節痛(61.4%)、末梢神経障害(59.3%)及び悪心・嘔吐(50.8%)、腹痛(39.8%)、下痢(35.7%)等の消化器症状であり、その他脱毛(88.7%)、無力症(64.0%)、発熱(33.5%)等が認められた。主な臨床検査値異常は白血球減少(90.3%)、好中球減少(88.7%)、ヘモグロビン減少(72.3%)、血小板減少(15.6%)等の骨髄抑制であり、AST(29.7%)、ALT(37.6%)の上昇等の肝機能検査値異常、BUN上昇(32.2%)等の腎機能検査値異常が認められた。
注)本剤の承認されたA法の用量は210mg/m2である。

18.1 作用機序
微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化・過剰形成を引き起こし、紡錘体の機能を障害することにより細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する。
また、パクリタキセル処理培養癌細胞(HeLa細胞)を用いて染色体の動態を検討したところ、経時的にG2+M期細胞の増加とG1期細胞の減少が認められ、薬剤添加18及び27時間後にはほとんどの細胞がG2+M期であり、4倍体の染色体を示した。この結果より、パクリタキセルは細胞周期をG2+M期でブロックすると考えられた。
18.2 抗腫瘍作用
マウス可移植性ヒト卵巣癌(A2780)、非小細胞肺癌(LX‐1、L2987、H2981)、乳癌(MCF‐7、MX‐1)、胃癌(MKN‐1、MKN‐45、MKN‐74、St‐4)、子宮体癌(EC‐1‐JCK)に対し、腫瘍退縮効果あるいは腫瘍増殖抑制効果が認められている。
in vitroの試験で、シスプラチン(CDDP)感受性ヒト卵巣癌培養細胞KF1とそのCDDP耐性株KFrbに対し、腫瘍増殖抑制効果が認められている。
また、CDDP耐性株(A2780卵巣癌)での検討において、パクリタキセルは交叉耐性を示さなかった。

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