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アブラキサン点滴静注用100mg

販売名
アブラキサン点滴静注用100mg
薬価
100mg1瓶 48198.00円
製造メーカー
大鵬薬品

添付文書情報2021年08月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
抗腫瘍性植物成分製剤
一般名
パクリタキセル(アルブミン懸濁型)注射用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 骨髄抑制(主に好中球減少)等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.1、8.5、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の投与方法、適応症、薬物動態等が他のパクリタキセル製剤と異なることを理解して投与すること。
禁忌
2.1. 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量制限毒性(Dose Limiting Toxicity)であり、感染症を伴い、重篤化する可能性がある]。
2.2. 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させるおそれがある]。
2.3. 本剤又はパクリタキセル、アルブミンに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
1). 乳癌。
2). 胃癌。
3). 非小細胞肺癌。
4). 治癒切除不能な膵癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤の手術の補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 〈治癒切除不能な膵癌〉患者の病期、全身状態等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.8参照〕。
用法・用量
乳癌にはA法又はE法を、胃癌にはA法又はD法を、非小細胞肺癌にはB法を、治癒切除不能な膵癌にはC法を使用する。
A法:
通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回260mg/㎡(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
B法:
通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/㎡(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、これを1コースとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
C法:
ゲムシタビンとの併用において、通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回125mg/㎡(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
D法:
通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/㎡(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
E法:
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/㎡(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤の投与にあたっては次記に留意し、必要に応じ休薬、減量を実施すること。
・ A法、B法又はE法:好中球数及び血小板数の変動に十分留意し、次コース投与前の臨床検査で好中球数が1500/mm3未満又は次コース投与前の臨床検査で血小板数が100000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。また、B法又はE法の同一コース内の投与にあたっては、同一コース内の投与前の臨床検査で好中球数が500/mm3未満又は同一コース内の投与前の臨床検査で血小板数が50000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。A法、B法又はE法の投与後、好中球数が7日間以上にわたって500/mm3未満となった場合、血小板数が50000/mm3未満となった場合、又は発熱性好中球減少症が発現した場合は次コースの投与量を減量し、更にB法又はE法では次コース投与開始が7日間以上延期となる好中球減少が発現した場合も次コースの投与量を減量すること。
また、A法、B法又はE法において、高度<Grade3>末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade1以下)するまで投与を延期し、次回の投与量を減量すること〔1.2、8.5、8.6、9.1.1、11.1.1、11.1.3参照〕。
・ C法
〈第1日目(各コース開始時)〉
C法<第1日目(各コース開始時)>の場合、好中球数及び血小板数の変動に十分留意し、投与前の臨床検査で好中球数が1500/mm3未満又は投与前の臨床検査で血小板数が100000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。
〈第8及び15日目〉
1). 第8日目
①. C法<第8日目>:投与前好中球数1000/mm3超かつ投与前血小板数75000/mm3以上;投与量変更なし。
②. C法<第8日目>:投与前好中球数500/mm3以上1000/mm3以下又は投与前血小板数50000/mm3以上75000/mm3未満;1段階減量。
③. C法<第8日目>:投与前好中球数500/mm3未満又は投与前血小板数50000/mm3未満;休薬。
2). 第15日目
①. C法<第15日目>:投与前好中球数1000/mm3超かつ投与前血小板数75000/mm3以上;第8日目で投与前好中球数1000/mm3超かつ投与前血小板数75000/mm3以上の場合、投与量変更なし;第8日目で投与前好中球数500/mm3以上1000/mm3以下又は投与前血小板数50000/mm3以上75000/mm3未満の場合、第1日目投与量に増量可;第8日目で投与前好中球数500/mm3未満又は投与前血小板数50000/mm3未満の場合、1段階減量。
②. C法<第15日目>:投与前好中球数500/mm3以上1000/mm3以下又は投与前血小板数50000/mm3以上75000/mm3未満;第8日目で投与前好中球数1000/mm3超かつ投与前血小板数75000/mm3以上の場合、投与量変更なし;第8日目で投与前好中球数500/mm3以上1000/mm3以下又は投与前血小板数50000/mm3以上75000/mm3未満の場合、第8日目投与量に同じ;第8日目で投与前好中球数500/mm3未満又は投与前血小板数50000/mm3未満の場合、1段階減量。
③. C法<第15日目>:投与前好中球数500/mm3未満又は投与前血小板数50000/mm3未満;休薬。
C法の投与後、好中球数が7日間以上にわたって500/mm3未満となった場合、血小板数が50000/mm3未満となった場合、又は発熱性好中球減少症が発現した場合には、次回の投与量を減量すること。
また、C法において、高度<Grade3>末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade1以下)するまで投与を延期し、次回の投与量を減量すること〔1.2、8.5、8.6、9.1.1、11.1.1、11.1.3参照〕。
・ D法:好中球数及び血小板数の変動に十分留意し、投与前の臨床検査で好中球数が1000/mm3未満又は投与前の臨床検査で血小板数が75000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。
D法で、本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用の場合は、第1日目の投与前の臨床検査で好中球数が1500/mm3未満又は第1日目の投与前の臨床検査で血小板数が100000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。
D法の投与後、好中球数が500/mm3未満となった場合、血小板数が25000/mm3未満となった場合、又は発熱性好中球減少症が発現した場合には、次回の投与量を減量すること。
また、D法において、高度<Grade3>末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade2以下)するまで投与を延期し、次回の投与量を減量すること〔1.2、8.5、8.6、9.1.1、11.1.1、11.1.3参照〕。
・ 減量の目安
1). 通常投与量:A法260mg/㎡、B法又はE法100mg/㎡、C法125mg/㎡、D法100mg/㎡。
2). 1段階減量:A法220mg/㎡、B法又はE法75mg/㎡、C法100mg/㎡、D法80mg/㎡。
3). 2段階減量:A法180mg/㎡、B法又はE法50mg/㎡、C法75mg/㎡、D法60mg/㎡。
7.2. 〈非小細胞肺癌及び乳癌〉B法及びE法において、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、選択すること〔17.1.5-17.1.7参照〕。
7.3. 〈胃癌〉D法において、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、選択すること〔17.1.3参照〕。
7.4. 〈胃癌〉本剤の用法及び用量は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、選択し、特に、A法の実施にあたっては、D法の実施についても検討すること〔17.1.1-17.1.3参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 本剤の使用にあたっては、次記を患者に説明し、理解を得るよう努めること。
・ 疾病の治療における本剤の必要性を患者に説明し、理解を得るよう努めること。
・ 本剤は添加物としてヒト血液由来成分を含有しているため、感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、ヒト血漿を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に説明し、理解を得るよう努めること。
8.2. 本剤の添加物である人血清アルブミンの原料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HBV-DNA、HCV-RNA及びHIV-1-RNAについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。人血清アルブミンの製造工程である、Cohn低温エタノール分画法及び60±0.5℃10~11時間の液状加熱処理は、HIVをはじめとする各種ウイルスに対し、除去・不活化効果を有することが確認されているが、本剤投与による感染症発生の可能性は否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
8.3. 添加物に使用している人血清アルブミンの現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19などのウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
8.4. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)などが伝播したとの報告はない。しかしながら、本剤の添加物である人血清アルブミン製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので投与の際には患者への説明を十分行い治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.5. 骨髄抑制などの重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。なお、白血球減少が軽度であっても著明な好中球減少を発現する症例を認めていることから、血液検査の際には、白血球分画の測定を実施すること。また、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること〔1.2、7.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.6. 末梢神経障害が高頻度に起こるので、患者の状態を十分に観察すること(使用
が長期間にわたると発現頻度が高くなる傾向にあるので、投与は慎重に行うこと)〔7.1、11.1.3参照〕。
8.7. 重篤な過敏反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、重篤な過敏症状(呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等)があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(本剤投与中は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること)〔11.1.5参照〕。
8.8. 低血圧、高血圧、徐脈等が起こることがあるので、本剤投与中は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること(重篤な刺激伝導障害があらわれた場合には、適切な処置を行い、その後の本剤投与に際しては継続的に心電図のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること)。
8.9. 関節痛及び筋肉痛が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には鎮痛剤投与等の適切な処置を行うこと。
8.10. 発熱が起こることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には感染に対する管理を十分に行い、解熱剤投与等の適切な処置を行うこと。
8.11. 投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に十分注意すること。
8.12. 出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意すること。
9.1.1. 骨髄抑制のある患者:骨髄抑制が増強するおそれがある〔1.2、7.1、8.5、11.1.1参照〕。
9.1.2. 間質性肺疾患のある患者:症状を増悪させるおそれがある〔11.1.6参照〕。
腎機能障害患者:腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
肝機能障害患者:代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること(哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウス骨髄細胞を用いた小核試験において、遺伝毒性が報告されている)。
9.4.3. 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
本剤は主として薬物代謝酵素CYP2C8及びCYP3A4で代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). 放射線照射:①. 放射線照射[パクリタキセルに胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告があるので、併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと(機序は不明であるが、動物試験(マウス)でパクリタキセルによる放射線感受性増加が認められている)]。
②. 放射線照射[骨髄抑制等を増強することがあるので、併用する場合には、患者の状態を観察しながら、本剤を減量するか又は投与間隔を延長すること(骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している)]。
2). 抗悪性腫瘍剤[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(骨髄抑制等の予想される副作用が重複している)]。
3). シスプラチン:①. シスプラチン[パクリタキセルをシスプラチンの後に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、本剤をシスプラチンの前に投与すること(パクリタキセルをシスプラチンの後に投与した場合、パクリタキセルのクリアランスが低下し、パクリタキセルの血中濃度が上昇する)]。
②. シスプラチン[末梢神経障害が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(末梢神経障害が予想される副作用として重複している)]。
4). ドキソルビシン塩酸塩:①. ドキソルビシン塩酸塩[パクリタキセルをドキソルビシンの前に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、本剤をドキソルビシンの後に投与すること(パクリタキセルをドキソルビシンの前に投与した場合、ドキソルビシンのクリアランスが低下し、ドキソルビシンの血中濃度が上昇する)]。
②. ドキソルビシン塩酸塩[心毒性が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(胆汁排泄の競合により、ドキソルビシン及びその代謝物であるドキソルビシノールの血中濃度が上昇する)]。
5). ビタミンA、アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン等)、ステロイド系ホルモン剤(エチニルエストラジオール等)、ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルブロッカー(ニフェジピン等)、シクロスポリン、ベラパミル塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、ミダゾラム、ラパチニブトシル酸塩水和物[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること(併用薬剤がCYP2C8、CYP3A4等を阻害し、パクリタキセルの代謝が阻害され、パクリタキセルの血中濃度が上昇する)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 白血球減少などの骨髄抑制:好中球減少(51.9%)、白血球減少(29.6%)、リンパ球減少(6.1%)、貧血[ヘモグロビン減少(31.4%)、ヘマトクリット値減少(1.1%)、赤血球減少(1.1%)等]、血小板減少(17.7%)、汎血球減少(0.3%)等があらわれることがある。また、骨髄抑制の持続により、発熱性好中球減少症(2.9%)等の感染症の併発が報告されている〔1.2、7.1、8.5、9.1.1参照〕。
11.1.2. 感染症:好中球減少の有無にかかわらず敗血症(0.8%)等の感染症があらわれ、死亡に至る例が報告されている(異常が認められた場合には、抗菌薬の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.3. 末梢神経障害(60.8%)、麻痺(頻度不明):しびれなどの末梢神経障害、麻痺、片麻痺、不全麻痺があらわれることがある〔7.1、8.6参照〕。
11.1.4. 脳神経麻痺(0.1%未満):顔面神経麻痺、声帯麻痺等の脳神経麻痺があらわれることがある。
11.1.5. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(0.4%):呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.7参照〕。
11.1.6. 間質性肺疾患(1.6%):発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔9.1.2参照〕。
11.1.7. 急性呼吸窮迫症候群(0.1%未満):急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8. 心筋梗塞(0.2%)、うっ血性心不全(0.4%)、心伝導障害(0.1%未満)。
11.1.9. 脳卒中(0.1%未満)、肺塞栓(0.2%)、肺水腫(0.1%)、血栓性静脈炎(0.2%)。
11.1.10. 難聴(0.1%未満)、耳鳴(0.3%)。
11.1.11. 消化管壊死(頻度不明)、消化管穿孔(頻度不明)、消化管出血(0.6%)、消化管潰瘍(0.3%)。
11.1.12. 重篤な腸炎(0.6%):出血性大腸炎、偽膜性大腸炎、虚血性大腸炎等があらわれることがあるので、激しい腹痛・激しい下痢等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.13. 腸管閉塞(0.2%)、腸管麻痺(頻度不明):腸管閉塞、腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管閉塞、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧法等の適切な処置を行うこと。
11.1.14. 肝機能障害(1.3%)、黄疸(0.1%)。
11.1.15. 膵炎(0.1%未満):血清アミラーゼ値異常等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.16. 急性腎障害(0.3%):BUN値異常、血清クレアチニン値異常、クレアチニン・クリアランス値異常等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.17. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.18. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明):血小板数異常、血清FDP値異常、血漿フィブリノゲン濃度異常等の血液検査異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚及び皮下組織障害:(20%以上)脱毛(脱毛症)(64.8%)、発疹、(5~20%未満)皮膚そう痒症、爪異常、(5%未満)顔面腫脹、蕁麻疹、手足症候群、皮膚乾燥、皮膚色素沈着、光線過敏症、(頻度不明)皮膚強皮症様変化。
2). 神経系障害:(5~20%未満)味覚異常、(5%未満)嗜眠、めまい、頭痛、運動失調、振戦、反射減弱、注意力障害。
3). 全身障害及び投与局所様態:(20%以上)倦怠感(36.7%)、(5~20%未満)無力症、発熱、浮腫、(5%未満)疼痛、胸痛、注射部位反応、悪寒。
4). 胃腸障害:(20%以上)悪心(31.9%)、下痢、(5~20%未満)口内炎、嘔吐、便秘、(5%未満)腹痛、消化不良、腹部膨満(腹部膨満感)、口内乾燥、嚥下障害、口唇炎、舌痛。
5). 筋骨格系及び結合組織障害:(5~20%未満)関節痛、筋肉痛、(5%未満)四肢痛、骨痛、背部痛、胸壁痛、筋力低下、筋痙縮。
6). 代謝及び栄養障害:(20%以上)食欲不振、(5%未満)脱水(脱水症)。
7). 臨床検査:(5~20%未満)ALT上昇、AST上昇、(5%未満)γ-GTP上昇、Al-P上昇、クレアチニン上昇、カリウム上昇、カリウム低下、ビリルビン上昇、アルブミン減少、カルシウム低下、ナトリウム低下、好酸球数増多、総蛋白減少、血糖値上昇、尿糖陽性、尿蛋白陽性、体重減少。
8). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(5~20%未満)鼻出血、(5%未満)呼吸困難、咽喉頭痛、咳嗽、胸水、鼻炎、喀血、発声障害、しゃっくり。
9). 眼障害:(5%未満)視力異常、眼痛、眼乾燥、角膜炎、結膜炎、流涙、黄斑浮腫。
10). 精神障害:(5%未満)不眠症、不安、うつ病。
11). 血管障害:(5%未満)高血圧、潮紅、低血圧。
12). 腎及び尿路障害:(5%未満)尿失禁。
13). 心臓障害:(5%未満)頻脈、不整脈、徐脈。
14). 耳及び迷路障害:(5%未満)耳痛。
15). 生殖系及び乳房障害:(5%未満)乳房痛。
高齢者
用量並びに投与間隔に留意し、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなどして注意すること(一般に生理機能が低下していることが多く骨髄抑制等があらわれやすい)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット)において催奇形性作用、胚死亡・胎仔死亡が報告されている)〔2.4、9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が他のパクリタキセル製剤にて報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 懸濁液の調製に当たっては、必ず生理食塩液を使用すること。また、本懸濁液は他の薬剤<生理食塩液を除く>とは混注しないこと。
14.1.2. 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に本剤又は懸濁液が付着した場合は、直ちに多量の流水及び石けんでよく洗い流すこと。
14.1.3. 懸濁液は調製後速やかに使用するか、又は箱に戻し、冷蔵庫(2~8℃)に遮光保存して8時間以内に使用すること。
14.1.4. 点滴バッグ中に入れた懸濁液は速やかに使用すること。
14.1.5. 使用前に懸濁液に未懸濁物、沈殿物が認められ、再懸濁させても沈殿物が認められた場合は使用しないこと。
14.1.6. 調製時に、注射針に塗布されているシリコーン油により不溶物を生じることがあるため、調製後に懸濁液中に不溶物がないか目視で確認すること(不溶物が認められた場合は使用しないこと)。
14.2. 懸濁液調製方法14.2.1. 無菌的環境下にて、患者の体表面積にあわせ必要なバイアルを準備し、アルコールでゴム栓を拭う。
14.2.2. 1バイアル当たり生理食塩液20mLをバイアルの内壁伝いに、直接、内容物にかけないよう泡立ちに注意しながらゆっくりと注入する(この操作は、泡立ちの発生を最小限にするため重要である)。
14.2.3. 内容物が確実に濡れるよう5分間以上バイアルを静置する。
14.2.4. 内容物が十分に濡れたら、均一な白色ないし黄色の懸濁液になるまで、静かに円弧を描くように回したり、緩やかに上下に転倒を繰り返して混和する(泡立ちに注意する)。
14.2.5. 調製した懸濁液は必要量をバイアルから抜き取り、事前に用意した空の点滴バッグ等にゆっくりと注入する。
注意:懸濁液を生理食塩液に入れて希釈しないこと。
14.3. 薬剤投与時の注意14.3.1. 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること(また、以前に同反応を発現した注射部位とは異なる部位にパクリタキセルを再投与した場合、以前の注射部位に同反応を再発するといった、いわゆる「Recall現象」が認められたとの報告がある)。
14.3.2. 本剤投与時には、インラインフィルターは使用しないこと。
14.3.3. 他の薬剤<生理食塩液を除く>等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。
20.1. 本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
20.2. 包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 放射線療法に関連した照射部位の皮膚異常を発現した既往のある患者にパクリタキセルを投与した場合、同部位に同様の皮膚異常を再発するといった、いわゆる「Radiation recall現象」が認められたとの報告がある。
15.1.2. パクリタキセルと他の抗悪性腫瘍剤や放射線療法を併用した患者で、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。

16.1 血中濃度
本剤投与後の血漿中濃度

日本人進行固形癌患者に本剤80~300mg/m2注)を30分間点滴静注したときの血漿中パクリタキセル濃度は多相性の消失を示し、AUC及びCmaxは80~300mg/m2まで用量依存的な増加を示した。消失半減期は16.5~40.2時間であった。
16.3 分布
ラットに本剤の3H標識体を投与した24時間後における組織内放射能濃度は、脳を除く各臓器・組織で高く、速やかに移行した。また、前立腺、肝臓、肺、精嚢、膵臓、脾臓、消化管、腎臓で血液・血漿より高かった。120時間後における放射能が高かった組織は肝臓、肺、精巣及び卵巣であった。
16.4 代謝
ヒトにおいては、パクリタキセルは主にCYP2C8により6α‐ヒドロキシパクリタキセルに代謝され、CYP3A4により3’‐p‐ヒドロキシパクリタキセルに代謝される。また、これら2種の代謝物はそれぞれCYP3A4及びCYP2C8により更に6α,3’‐p‐ジヒドロキシパクリタキセルに代謝されることが知られている。[10.参照]
これらの代謝物は、外国人乳癌患者の尿中、糞中及び血漿中にも認められた。
16.5 排泄
外国人乳癌患者に本剤260mg/m2を30分間点滴静注したときの未変化体パクリタキセルの尿中排泄量の平均値は約4%であり、これは腎外での消失が主な排泄経路であることを示している。代謝物である6α‐ヒドロキシパクリタキセル及び3’‐p‐ヒドロキシパクリタキセルの尿中排泄率は総投与量の1%以下であった。糞中には総投与量の約20%が排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
AST及びビリルビンに基づいて肝機能障害の程度を分類し、その障害の程度に応じ3用量(130mg/m2、200mg/m2、260mg/m2)注)を設定し、本剤の薬物動態について検討した。
→図表を見る(PDF)

注)本剤の承認用量はA法:260mg/m2、B法、D法及びE法:100mg/m2、C法:125mg/m2である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈胃癌〉
17.1.1 国内第III相試験
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった胃癌患者を対象として、本剤(A群(A法):3週を1コースとして、本剤260mg/m2を1日目に投与、及びB群(D法):4週を1コースとして、本剤100mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬)と、他のパクリタキセル製剤(C群:4週を1コースとして、他のパクリタキセル製剤80mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬)を比較した試験結果は次のとおりであった。[7.4参照]
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A法の副作用の発現率は99.6%(243/244例)であり、主な副作用は末梢神経障害(84.8%)、好中球減少(81.6%)、脱毛症(80.7%)、白血球減少(63.9%)、食欲減退(38.5%)、関節痛(38.5%)、筋肉痛(35.2%)であった。D法の副作用の発現率は98.8%(238/241例)であり、主な副作用は脱毛症(82.6%)、末梢神経障害(66.0%)、好中球減少(65.6%)、白血球減少(56.8%)であった。
17.1.2 国内第II相試験
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった胃癌患者を対象とした試験(本剤260mg/m230分点滴静注3週ごと投与)における奏効率は、27.8%(15/54例)であった。[7.4参照]
副作用の発現率は100%(55/55例)であり、主な副作用は脱毛(94.5%)、末梢神経障害(92.7%)、白血球減少(85.5%)、好中球減少(78.2%)、関節痛(65.5%)、筋肉痛(63.6%)、発疹(54.5%)、食欲不振(52.7%)、貧血(38.2%)、リンパ球減少(38.2%)、悪心(38.2%)、ALT上昇(36.4%)、AST上昇(34.5%)、口内炎(32.7%)であった。
17.1.3 国内第II相試験
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった胃癌患者を対象に本剤とラムシルマブを併用投与した試験(4週を1コースとして、本剤100mg/m2を1、8及び15日目に、ラムシルマブ8mg/kgを1及び15日目に投与し、4週目(22日目)を休薬)における奏効率は、54.8%(23/42例)であった。[7.3、7.4参照]
副作用の発現率は100%(43/43例)であり、主な副作用は脱毛(93.0%)、好中球減少(90.7%)、末梢神経障害(58.1%)、鼻出血(46.5%)、高血圧(41.9%)、白血球減少(37.2%)であった。
〈乳癌〉
17.1.4 海外第III相試験
乳癌患者を対象に実施した本剤と他のパクリタキセル製剤との試験(本剤260mg/m230分点滴静注3週ごと投与)における奏効率は、24.0%(55/229例)であった。
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本剤における副作用の発現率は99.1%(227/229例)であり、主な副作用は脱毛(90.4%)、末梢神経障害(70.7%)、関節痛(31.9%)、好中球減少(33.6%)であった。
17.1.5 国際共同第III相試験(IMpassion130試験)
化学療法歴のないホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者の初回治療において、本剤とアテゾリズマブの併用投与(A群:4週を1コースとして、本剤100mg/m2を1、8及び15日目に、アテゾリズマブ840mgを1及び15日目に投与し、4週目(22日目)を休薬)と、本剤とプラセボの併用投与(B群:4週を1コースとして、本剤100mg/m2を1、8及び15日目に、プラセボを1及び15日目に投与し、4週目(22日目)を休薬)を比較した試験について、全体集団のうち、PD‐L1陽性集団(日本人25例を含む)の結果は次のとおりであった。[7.2参照]
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A群(日本人34例を含む)における副作用の発現率は96.5%(436/452例)であり、主な副作用は、脱毛(56.2%)、末梢神経障害(52.2%)、倦怠感(43.4%)、悪心(41.2%)、好中球減少(33.2%)であった。また、主な免疫関連副作用は甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症(12.6%)、甲状腺機能亢進症(3.8%)等)、副腎機能障害(副腎機能不全(0.4%)等)であった。
17.1.6 国際共同第III相試験(KEYNOTE‐355試験)
化学療法歴のないホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者の初回治療において、本剤を含む化学療法注1)とペムブロリズマブ注2)の併用投与(A群)と、本剤を含む化学療法注1)とプラセボ注3)の併用投与(B群)を比較した試験について、全体集団のうち、PD‐L1陽性(CPS注4)≧10)集団(日本人28例を含む)の結果は次のとおりであった。[7.2参照]
→図表を見る(PDF)

A群のうち本剤とペムブロリズマブの併用投与(日本人5例を含む)における副作用の発現率は95.3%(164/172例)であり、主な副作用は脱毛(51.7%)、貧血及び悪心(各30.8%)、好中球減少(29.1%)、下痢(26.7%)、疲労(23.8%)であった。また、主な免疫関連副作用は甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症(17.4%)、甲状腺機能亢進症(4.7%)、甲状腺炎(1.7%)等)であった。
注1)次より担当医師が患者ごとに選択。
本剤100mg/m2(4週を1コースとして、各コースの1、8、15日目に投与)、ゲムシタビン1,000mg/m2及びカルボプラチンAUC2mg・min/mL相当量(3週を1コースとして、各コースの1、8日目に投与)又はパクリタキセル90mg/m2(4週を1コースとして、各コースの1、8、15日目に投与)。
注2)200mgを3週間間隔で投与。
注3)3週間間隔で投与。
注4)PD‐L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値。
〈非小細胞肺癌〉
17.1.7 国際共同第III相試験
非小細胞肺癌患者(Stage IIIB/IV)の初回治療において、本剤とカルボプラチンの併用投与(A群:3週を1コースとして、1日目に本剤100mg/m2及びカルボプラチンAUC=6注5)を投与し、8日目と15日目に本剤100mg/m2を投与)と、他のパクリタキセル製剤とカルボプラチンの併用投与(T群:3週を1コースとして、1日目に他のパクリタキセル製剤200mg/m2及びカルボプラチンAUC=6を投与)を比較した試験結果は次のとおりであった。[7.2参照]
→図表を見る(PDF)

A群(日本人72例を含む)における副作用の発現率は91.2%(469/514例)であり、主な副作用は好中球減少(59.1%)、脱毛(55.8%)、貧血(48.8%)、末梢神経障害(45.5%)、血小板減少(44.7%)であった。
注5)カルボプラチンの投与量は、カルバートの式「投与量(mg/body)=AUC目標値×[GFR(糸球体濾過率)+25]」に従って算出した。
〈治癒切除不能な膵癌〉
17.1.8 海外第III相試験
遠隔転移を有する膵癌患者の初回治療において、本剤とゲムシタビンの併用投与(A群:4週を1コースとして、本剤125mg/m2及びゲムシタビン1,000mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬)と、ゲムシタビン単独投与(B群:4週を1コースとして、ゲムシタビン1,000mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬(第1サイクルのみ22日目にも投与))注6)を比較した試験結果は次のとおりであった。[5.2参照]
→図表を見る(PDF)

A群における副作用の発現率は95.7%(403/421例)であり、主な副作用は疲労226例(53.7%)、脱毛211例(50.1%)、悪心207例(49.2%)、末梢神経障害206例(48.9%)、貧血194例(46.1%)、好中球減少193例(45.8%)、下痢156例(37.1%)、血小板減少149例(35.4%)、末梢性浮腫141例(33.5%)、嘔吐133例(31.6%)であった。
注6)膵癌に対するゲムシタビンの承認用法及び用量は、ゲムシタビンとして1,000mg/m2を週1回3週投与し、1週間休薬である。

18.1 作用機序
微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化・過剰形成を引き起こし、紡錘体の機能を障害することにより細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する。
18.2 抗腫瘍効果
ヌードマウスの皮下に移植されたヒト乳癌組織(MX‐1)及びヒト膵癌由来細胞株(AsPC‐1)に対し、腫瘍退縮効果あるいは腫瘍増殖抑制効果が認められている。

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