診療点数・診療報酬・レセプト・処方箋・薬価・添付文書のことを調べるならしろぼんねっと

イムブルビカカプセル140mg

販売名
イムブルビカカプセル140mg
識別コード
ibr 140mg
薬価
140mg1カプセル 8848.10円
製造メーカー
ヤンセンファーマ

添付文書情報2023年08月改定(第6版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
イブルチニブカプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療又は造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 中等度以上の肝機能障害のある患者〔9.3.1、16.6.1参照〕。
2.3. ケトコナゾール投与中、イトラコナゾール投与中、クラリスロマイシン投与中、エンシトレルビル フマル酸投与中の患者〔10.1、16.7.1、16.7.7参照〕。
2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
1). 慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)。
2). 原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫。
3). マントル細胞リンパ腫。
4). 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉未治療の慢性リンパ性白血病(未治療の小リンパ球性リンパ腫を含む)の場合、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3、17.1.4参照〕。
5.2. 〈マントル細胞リンパ腫〉強力な化学療法の適応となる未治療のマントル細胞リンパ腫における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.3. 〈マントル細胞リンパ腫〉Ann Arbor分類1期の未治療のマントル細胞リンパ腫における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.4. 〈造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.10、17.1.11参照〕。
用法・用量
〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉
通常、成人にはイブルチニブとして420mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈マントル細胞リンパ腫〉
・ 未治療の場合
ベンダムスチン塩酸塩及びリツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはイブルチニブとして560mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
・ 再発又は難治性の場合
通常、成人にはイブルチニブとして560mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)〉
通常、成人及び12歳以上の小児にはイブルチニブとして420mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉*Grade3以上の副作用が発現した場合には、Grade1以下に回復するまで本剤を休薬し、再開する場合には、次の目安を参考に減量又は中止すること。
[用量調節の目安]
1). 慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、慢性移植片対宿主病で*Grade3以上の副作用の発現回数1回の場合は回復後の再開時投与量1日1回420mg、発現回数2回の場合は回復後の再開時投与量1日1回280mg、発現回数3回の場合は回復後の再開時投与量1日1回140mg、発現回数4回の場合は投与中止。
2). マントル細胞リンパ腫で*Grade3以上の副作用の発現回数1回の場合は回復後の再開時投与量1日1回560mg、発現回数2回の場合は回復後の再開時投与量1日1回420mg、発現回数3回の場合は回復後の再開時投与量1日1回280mg、発現回数4回の場合は投与中止。
*)CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version4.0に準じる。
7.2. 〈効能共通〉次のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、併用薬に応じて次のように投与すること。
[CYP3A阻害剤との併用時の用量調節基準]
1). 慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫でボリコナゾールを併用する場合:イブルチニブとして140mgを1日1回経口投与すること〔10.2、16.7.2参照〕。
2). 慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫でポサコナゾールを併用する場合:イブルチニブとして140mgを1日1回経口投与すること〔10.2、16.7.7参照〕。
3). 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)でボリコナゾールを併用する場合:イブルチニブとして280mgを1日1回経口投与すること〔10.2参照〕。
4). 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)でポサコナゾールを併用する場合:イブルチニブとして140mgを1日1回経口投与すること〔10.2、16.7.7参照〕。
7.3. 〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫〉本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.4. 〈原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉リツキシマブ(遺伝子組換え)の投与が困難な場合を除き、リツキシマブ(遺伝子組換え)と併用投与すること。
7.5. 〈原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉リツキシマブ<遺伝子組換え>以外の抗悪性腫瘍剤との併用による有効性及び安全性は確立していない。
7.6. 〈未治療のマントル細胞リンパ腫〉本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17.臨床成績」の項の内容、特に用法及び用量を十分に理解した上で投与すること〔17.1.9参照〕。
7.7. 〈造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)〉治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と投与を継続しないこと。
生殖能を有する者
8.1. 本剤投与時に外科的処置に伴う大量出血が報告されていることから、本剤投与中に手術や侵襲的手技を実施する患者に対しては本剤の投与中断を考慮すること。
8.2. 肺炎が発現又は肺炎悪化、敗血症が発現又は敗血症悪化等の重篤な感染症が発現又は重篤な感染症悪化や日和見感染が発現又は日和見感染悪化することがあり、B型肝炎ウイルス再活性化、結核再活性化、帯状疱疹再活性化等するおそれがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行い、本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること〔9.1.1、11.1.3参照〕。
8.3. 貧血、好中球減少症、血小板減少症等の重篤な骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に血液検査を行うこと〔9.1.2、11.1.5参照〕。
8.4. 重篤な不整脈が発現又は重篤な不整脈悪化することがあるので、本剤投与に際しては定期的に心機能検査(十二誘導心電図検査等)を行うこと〔9.1.3、11.1.6参照〕。
8.5. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.7参照〕。
8.6. 肝不全、ALT上昇、AST上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に肝機能検査を行うこと〔11.1.10参照〕。
8.7. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の臨床症状を十分に観察すること〔11.1.11参照〕。
9.1.1. 感染症を合併している患者:骨髄抑制等により、感染症が増悪するおそれがある〔8.2、11.1.3参照〕。
9.1.2. 重篤な骨髄機能低下のある患者:血球減少を増悪させ重篤化させるおそれがある〔8.3、11.1.5参照〕。
9.1.3. 不整脈のある患者又はその既往歴のある患者:心房細動等の不整脈があらわれることがある〔8.4、11.1.6参照〕。
9.2.1. 重度の腎機能障害のある患者:重度腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.3.1. 中等度以上の肝機能障害患者:投与しないこと(血中濃度が著しく上昇する)〔2.2、16.6.1参照〕。
9.3.2. 軽度肝機能障害患者:減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(血中濃度が上昇する)〔16.6.1参照〕。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
相互作用
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。
10.1. 併用禁忌:ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、イトラコナゾール<イトリゾール>、クラリスロマイシン<クラリス、クラリシッド>、エンシトレルビル フマル酸<ゾコーバ>〔2.3、16.7.1、16.7.7参照〕[本剤の血中濃度が上昇し副作用が増強されるおそれがある(これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
10.2. 併用注意:1). CYP3A阻害作用を有する薬剤(リトナビル含有製剤、コビシスタット含有製剤、アタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、ボリコナゾール〔7.2、16.7.2参照〕、ポサコナゾール〔7.2、16.7.7参照〕、フルコナゾール、エリスロマイシン〔16.7.3参照〕、シプロフロキサシン、ジルチアゼム〔16.7.7参照〕、ベラパミル、アミオダロン、アプレピタント)[本剤の血中濃度が上昇し副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮し、やむを得ず併用する際には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
2). グレープフルーツ含有食品〔16.7.5参照〕[本剤の血中濃度が上昇し副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること(食品中にCYP3A阻害作用を有する成分が含まれている)]。
3). CYP3A誘導作用を有する薬剤(カルバマゼピン、リファンピシン、フェニトイン)〔16.7.4、16.7.7参照〕[本剤の血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される)]。
4). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること(食品中にCYP3A誘導作用を有する成分が含まれている)]。
5). 抗凝固剤、抗血小板剤[出血のおそれがある(出血のリスクを増強させるおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 出血:脳出血(0.1%)、消化管出血(0.2%)等の重篤な出血があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている。
11.1.2. 白血球症(頻度不明):頭蓋内出血、嗜眠、不安定歩行、頭痛等を伴う白血球症があらわれることがある。
11.1.3. 感染症:肺炎(14.5%)、敗血症(2.9%)等の重篤な感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルス再活性化、結核再活性化、帯状疱疹再活性化等(0.1%)があらわれることがある〔8.2、9.1.1参照〕。
11.1.4. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.5. 骨髄抑制:貧血(12.3%)、好中球減少症(22.1%)、血小板減少症(17.1%)等の重篤な骨髄抑制があらわれることがある〔8.3、9.1.2参照〕。
11.1.6. 不整脈:心房細動(5.4%)、心房粗動(0.7%)、心室性不整脈(0.3%)等の重篤な不整脈があらわれることがある〔8.4、9.1.3参照〕。
11.1.7. 腫瘍崩壊症候群(0.4%):異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること(なお、重篤な腫瘍崩壊症候群が遅発性にあらわれることがある)〔8.5参照〕。
11.1.8. 過敏症(0.9%):アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
11.1.9. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.10. 肝不全、肝機能障害(頻度不明):肝不全、ALT上昇、AST上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.6参照〕。
11.1.11. 間質性肺疾患(1.6%):異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)〔8.7参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(10%未満5%以上)皮膚感染、上気道感染、(5%未満)尿路感染、気管支炎、副鼻腔炎、インフルエンザ。
2). 良性、悪性及び詳細不明の新生物(嚢胞及びポリープを含む):(5%未満)基底細胞癌、扁平上皮癌、前立腺癌、(頻度不明)悪性黒色腫、リンパ腫、骨髄異形成症候群、皮膚癌。
3). 血液及びリンパ系障害:(5%未満)リンパ球増加症、発熱性好中球減少症、白血球増加症。
4). 代謝及び栄養障害:(10%未満5%以上)食欲減退、(5%未満)低カリウム血症、高尿酸血症、低ナトリウム血症、脱水。
5). 精神障害:(5%未満)不眠症。
6). 神経系障害:(10%未満5%以上)頭痛、(5%未満)浮動性めまい、末梢性ニューロパチー。
7). 眼障害:(5%未満)眼乾燥、霧視、視力低下、結膜炎、流涙増加[眼の異常があらわれた場合には、直ちに眼科的検査を行うなどの適切な処置を行うこと]。
8). 血管障害:(5%未満)高血圧。
9). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(10%未満5%以上)咳嗽、鼻出血、(5%未満)呼吸困難。
10). 胃腸障害:(10%以上)下痢(27.3%)、悪心、(10%未満5%以上)口内炎、嘔吐、便秘、(5%未満)消化不良、腹痛、胃食道逆流性疾患。
11). 皮膚及び皮下組織障害:(10%以上)発疹、挫傷、(5%未満)皮膚そう痒症、点状出血、紅斑、爪破損、蕁麻疹、血管浮腫、脂肪織炎、(頻度不明)急性熱性好中球性皮膚症(Sweet症候群)。
12). 筋骨格系及び結合組織障害:(10%未満5%以上)筋骨格痛、関節痛、筋痙縮、(頻度不明)関節障害。
13). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)疲労、(10%未満5%以上)発熱、末梢性浮腫、(5%未満)無力症、硬膜下血腫。
14). 臨床検査:(5%未満)血中クレアチニン増加。
15). 傷害、中毒及び処置合併症:(5%未満)転倒。
高齢者
海外臨床試験において、65歳以上の患者で、*Grade3以上の有害事象、*Grade3以上の肺炎、*Grade3以上の尿路感染、*Grade3以上の心房細動、*Grade3以上の白血球増加症等の発現率が高かった。
*:CTCAE(Common Terminology Criteria forAdverse Events)version4.0に準じる。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で胚致死作用(ラット及びウサギ)、及び催奇形性(ラット:心血管系奇形、ウサギ:胸骨分節癒合)が報告されている)〔2.4、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおける乳汁中への移行は不明である)。
小児等
9.7.1. 〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)〉12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
小児の手の届かないところに保管すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報イブルチニブの血中濃度の上昇に伴い、出血事象の発現率が高くなる傾向が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 再発又は難治性成熟B細胞性腫瘍患者
再発又は難治性成熟B細胞性腫瘍患者にイブルチニブ140mg注1)~560mgを単回又は反復経口投与したとき、血漿中イブルチニブ濃度は用量によらず、投与後1~2時間(中央値)に最高濃度に達し、4~9時間(平均値)の消失半減期で消失した。血漿中イブルチニブのCmax及びAUCは個体間変動が大きいが、用量の増加に伴って増加した。反復経口投与による累積率は1.6未満であった。
再発又は難治性成熟B細胞性腫瘍患者にイブルチニブを単回又は反復経口投与したときの薬物動態パラメータ[平均値(標準偏差)]
→図表を見る(PDF)

再発又は難治性成熟B細胞性腫瘍患者にイブルチニブ420mg又は560mgを単回(Day1)又は反復(Day8)経口投与したときの血漿中イブルチニブ濃度推移(平均値+標準偏差)

16.1.2 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病患者
12歳以上のステロイド依存性又は抵抗性の日本人慢性移植片対宿主病患者にイブルチニブ140注1)~420mgを1日1回反復経口投与したとき、血漿中イブルチニブ濃度は次表のとおりであった。
慢性移植片対宿主病患者にイブルチニブを反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

12歳以上の日本人及び外国人慢性移植片対宿主病患者にイブルチニブ140注1)~420mgを1日1回反復経口投与したとき、血漿中イブルチニブ濃度は次表のとおりであった。
慢性移植片対宿主病患者にイブルチニブを反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

注1)CYP3A阻害作用を有するボリコナゾール又はポサコナゾール併用時並びに副作用発現時は減量することとされた。
16.2 吸収
16.2.1 絶対的バイオアベイラビリティ及び食事の影響
健康成人にイブルチニブ560mgを絶食時注2)及び食前30分に経口投与し、経口投与の2時間後に13C‐イブルチニブ(100μg)を静脈内投与したときの絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ、2.9%(90%CI:2.1~3.9%)及び7.6%(90%CI:6.4~9.0%)であった。健康成人にイブルチニブ420mgを経口投与したときのCmax及びAUClastは、食前30分、食後30分又は食後2時間に投与したときと比較して絶食時注2)にはそれぞれ約30~40%及び約60%に低下した。再発又は難治性慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者にイブルチニブ420mgを経口投与したときのCmax及びAUC0-24hは、食事の30分以上前又は2時間以上後に経口投与(modified fasting投与)したときと比較して絶食時注2)にはそれぞれ約40%及び約60~70%に低下した。(外国人データ)
16.3 分布
イブルチニブのヒト血漿蛋白結合率は97.3%であり、検討された濃度域(in vitro、50~1000ng/mL)で概ね一定であった。健康成人に13C‐イブルチニブ(100μg)を静脈内投与したときの定常状態における分布容積は683L、再発又は難治性慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者にイブルチニブ420mgを単回経口投与したときのみかけの分布容積(Vdz/F)は10837Lであった。(外国人データ)
16.4 代謝
イブルチニブは主にCYP3A4/5により代謝される(in vitro)。主な代謝物であるジヒドロジオール体は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対してイブルチニブの約1/15の阻害活性を示す。ジヒドロジオール体の定常状態における曝露量は、イブルチニブと同程度であった。
16.5 排泄
健康成人に14C‐イブルチニブ1480kBqを含むイブルチニブ140mg注1)を単回経口投与したとき、放射能の約90%が168時間以内に回収され、糞中では80%、尿中では10%以下であった。イブルチニブの回収率は、糞中で1%、尿中には認められなかった。健康成人に13C‐イブルチニブ(100μg)を静脈内投与したときの全身クリアランス(CL)は、絶食時及び食前30分においてそれぞれ62及び76L/hであった。健康成人にイブルチニブ560mgを経口投与したときのみかけの全身クリアランス(CL/F)は、絶食時及び食前30分においてそれぞれ1572及び875L/hであった。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害
軽度の肝機能障害(Child‐Pugh分類A)患者6例、中等度の肝機能障害(Child‐Pugh分類B)患者10例及び重度の肝機能障害(Child‐Pugh分類C)患者8例にイブルチニブ140mg注1)を単回経口投与したときのAUClastの幾何平均値は正常肝機能被験者と比較して2.7、8.2及び9.8倍高かった。また、非結合分画も肝機能障害の程度に応じてわずかに増加し、非結合型イブルチニブのAUClastはそれぞれ4.1、9.8及び13倍増加すると推定される。(外国人データ)[2.2、9.3.1、9.3.2参照]
16.6.2 12歳以上の小児
〈造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)〉
12歳以上の慢性移植片対宿主病患者を対象とした国内外の臨床成績における血漿中イブルチニブ濃度(162例、1,281測定時点)に基づき母集団薬物動態解析を実施した。イブルチニブ420mgを1日1回経口投与したとき、薬物動態パラメータの推定値は、小児と成人で同程度であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール
健康成人(18例)にCYP3Aの阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤:国内未発売)400mg(4~9日目に投与)とイブルチニブ120mg及び40mg注1)(それぞれ1日目及び7日目に投与)を併用投与(絶食時)したとき、イブルチニブのCmax及びAUCはそれぞれ約29及び24倍増加した。(外国人データ)[2.3、10.1参照]
16.7.2 ボリコナゾール
B細胞性腫瘍患者(26例)にCYP3Aの阻害作用を有するボリコナゾール200mg1日2回とイブルチニブ140mg1日1回注1)を併用投与したとき、イブルチニブのCmax及びAUCはそれぞれ約6.7及び5.7倍増加した。(外国人データ)[7.2、10.2参照]
16.7.3 エリスロマイシン
B細胞性腫瘍患者(25例)にCYP3Aの阻害作用を有するエリスロマイシン500mg1日3回とイブルチニブ140mg1日1回注1)を併用投与したとき、イブルチニブのCmax及びAUCはそれぞれ約3.4及び3.0倍増加した。(外国人データ)[10.2参照]
16.7.4 リファンピシン
健康成人(18例)にCYP3Aの誘導作用を有するリファンピシン600mg(4~13日目に投与)とイブルチニブ560mg(1日目及び11日目に投与)を併用投与(絶食時)したとき、イブルチニブのCmax及びAUCはそれぞれ約1/13及び1/10以下に減少した。(外国人データ)[10.2参照]
16.7.5 グレープフルーツジュース
健康成人(8例)にCYP3Aの阻害作用を有するグレープフルーツジュースとイブルチニブ140mg注1)を併用投与(非絶食時)したとき、イブルチニブのCmax及びAUCはそれぞれ約3.6及び2.1倍増加した。(外国人データ)[10.2参照]
16.7.6 オメプラゾール
健康成人(20例)にプロトンポンプ阻害剤であるオメプラゾール40mg(3~7日目に投与)とイブルチニブ560mg(1日目及び7日目に投与)を併用投与(絶食時)したとき、イブルチニブのCmaxは約38%に減少したが、AUCに顕著な変化は認められなかった。(外国人データ)
16.7.7 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
イブルチニブ140mg注1)とCYP3A阻害作用を有するイトラコナゾール、クラリスロマイシン、ポサコナゾール及びジルチアゼムを併用投与(非絶食時)した場合、イブルチニブのAUCはそれぞれ、約15、11、8.3及び4.4倍増加することが推定された。イブルチニブ560mgとCYP3A阻害作用を有するフルボキサミン及びアジスロマイシンを併用投与(非絶食時)した場合、イブルチニブのAUCはそれぞれ、約1.7及び1.5倍増加することが推定された。イブルチニブ560mgとCYP3A誘導作用を有するカルバマゼピン及びエファビレンツを併用投与(非絶食時)した場合、イブルチニブのAUCはそれぞれ、約1/6及び1/3に減少することが推定された。[2.3、7.2、10.1、10.2参照]
注1)本剤の承認された用法・用量は、「420mg又は560mgを1日1回経口投与する」である。
注2)一晩絶食後にイブルチニブを経口投与し、その後4時間絶食。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉
17.1.1 海外臨床試験成績(第III相試験:PCYC‐1112‐CA試験)
1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者を対象とし、オファツムマブ(遺伝子組換え)を対照として本剤420mgを1日1回、食事の30分以上前又は2時間以上後に投与(modified fasting投与)した。有効性の成績は次のとおりであった。なお、当該試験に組み入れられた患者の内訳は慢性リンパ性白血病患者が185例、小リンパ球性リンパ腫患者が10例であった。
本剤が投与された195例中177例(90.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢70例(35.9%)、悪心35例(17.9%)、好中球減少症31例(15.9%)、関節痛28例(14.4%)、発疹24例(12.3%)等であった。
無増悪生存期間(PFS)のKaplan‐Meier曲線

17.1.2 国内臨床試験成績(第I相試験:PCI‐32765‐JPN‐101試験)
再発又は難治性成熟B細胞性腫瘍患者を対象とし、本剤を経口投与した。このうち本剤420mgを1日1回投与した慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者(8例)では、7例がカットオフ時点注)で本剤の投与を継続していた。奏効率は62.5%(5/8例)であった(95%CI:24.5~91.5%)。
本剤が投与された8例全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症4例(50.0%)、貧血4例(50.0%)、発疹3例(37.5%)、口内炎3例(37.5%)等であった。
注)最終登録患者が175日間の投与を完了した時点。
17.1.3 海外臨床試験成績(第III相試験:PCYC‐1115‐CA試験)
未治療の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者注1)を対象とし、chlorambucil注2)を対照として本剤420mgを1日1回投与した。有効性の成績は次のとおりであった。なお、当該試験に組み入れられた患者の内訳は慢性リンパ性白血病患者が123例、小リンパ球性リンパ腫患者が13例であった。
本剤が投与された135例中114例(84.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢44例(32.6%)、悪心18例(13.3%)、好中球減少症16例(11.9%)、発疹14例(10.4%)等であった。[5.1参照]
注1)フルダラビンリン酸エステル、シクロホスファミド水和物及びリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与の適応とならず、かつ17番染色体短腕欠失を有さない患者。
注2)本邦では、承認されていない。
無増悪生存期間(PFS)のKaplan‐Meier曲線

17.1.4 国内臨床試験成績(第I相試験:54179060LEU1001試験)
未治療の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者注)を対象とし、本剤420mgを1日1回投与した。奏効率は75.0%(6/8例)であった(95%CI:34.9~96.8%)。
本剤が投与された8例全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、血小板数減少6例(75.0%)、リンパ球数増加4例(50.0%)、肺炎3例(37.5%)、好中球数減少2例(25.0%)、貧血2例(25.0%)、下痢2例(25.0%)、関節痛2例(25.0%)等であった。[5.1参照]
注)フルダラビンリン酸エステル投与の適応とならない患者。
〈原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉
17.1.5 海外臨床試験成績(第III相試験:PCYC‐1127‐CA試験、ランダム化パート)
未治療及び再発又は難治性の原発性マクログロブリン血症患者を対象に、リツキシマブ(遺伝子組換え)注)とプラセボ(Pbo+R群)を対照としてリツキシマブ(遺伝子組換え)注)と本剤420mg1日1回を併用投与(Ibr+R群)した。主要評価項目とされた第6回International Workshop of Waldenstrom’s Macroglobulinemia(IWWM)基準(改訂版)に基づく独立評価委員会判定による中間解析時点の無増悪生存期間(PFS)の中央値は、Ibr+R群で未到達(95%CI:35.0~NE)、Pbo+R群で20.3ヵ月(95%CI:13.7~27.6)であり、Ibr+R群で統計学的に有意な延長が認められた(ハザード比0.202(95%CI:0.107~0.380)、p<0.0001(層別log‐rank検定)、2017年10月17日データカットオフ)。
注)リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1~4週及び第17~20週の第1日目に計8回静脈内投与した。
無増悪生存期間(PFS)のKaplan‐Meier曲線

本剤が投与された75例中64例(85.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、挫傷14例(18.7%)、下痢13例(17.3%)、心房細動12例(16.0%)、高血圧12例(16.0%)、筋痙縮11例(14.7%)、好中球減少症10例(13.3%)等であった。
17.1.6 国内臨床試験成績(第II相試験:54179060WAL2002試験)
未治療及び再発又は難治性の原発性マクログロブリン血症患者を対象とし、リツキシマブ(遺伝子組換え)注)と本剤420mg1日1回を併用投与した。主要評価項目とされた第6回IWWM基準(改訂版)に基づく独立評価委員会判定による奏効率(部分奏効以上の奏効が認められた被験者の割合)は87.5%(14/16例)であった(95%CI:61.7~98.4%)。
本剤が投与された16例中12例(75.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹6例(37.5%)、好中球数減少4例(25.0%)、そう痒症3例(18.8%)、紅斑3例(18.8%)、血小板数減少3例(18.8%)、高血圧3例(18.8%)等であった。
注)リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1~4週及び第17~20週の第1日目に計8回静脈内投与した。
〈マントル細胞リンパ腫〉
17.1.7 海外臨床試験成績(第III相試験:PCI‐32765‐MCL3001試験)
1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性マントル細胞リンパ腫患者を対象とし、テムシロリムス注)を対照として本剤560mgを1日1回投与した。主要評価項目とされた独立評価委員会判定による無増悪生存期間の中央値は、本剤群で14.6ヵ月(95%CI:10.4~NE)、テムシロリムス群で6.2ヵ月(95%CI:4.2~7.9)であり、本剤群で統計学的に有意な延長が認められた(ハザード比0.43(95%CI:0.32~0.58)、p<0.0001(層別log‐rank検定)、2015年4月22日データカットオフ)。
本剤が投与された139例中115例(82.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢27例(19.4%)、疲労22例(15.8%)、血小板減少症20例(14.4%)、好中球減少症18例(12.9%)、貧血15例(10.8%)、発疹14例(10.1%)、筋痙縮14例(10.1%)等であった。
注)本邦では、テムシロリムスはマントル細胞リンパ腫に関する適応で承認されていない。
17.1.8 国内臨床試験成績(第II相試験:PCI‐32765‐MCL2002試験)
1レジメン以上5レジメン以下の前治療歴を有する再発又は難治性マントル細胞リンパ腫患者を対象とし、本剤560mgを1日1回投与した。奏効率は87.5%(14/16例)であった(90%CI:65.6~97.7%)。
本剤が投与された16例中15例(93.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢5例(31.3%)、口内炎4例(25.0%)、貧血4例(25.0%)、血小板減少症3例(18.8%)、食欲減退3例(18.8%)、発疹3例(18.8%)、疲労3例(18.8%)等であった。
17.1.9 国際共同臨床試験成績(第III相試験:PCI‐32765MCL3002試験)
Ann Arbor分類II、III又はIV期で、65歳以上の未治療のマントル細胞リンパ腫患者523例(日本人11例を含む)を対象とし、ベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法(BR注))で、本剤560mg(Ibr+BR群)又はプラセボ(Pbo+BR群)を1日1回で経口投与した。主要評価項目であるRevised Response Criteria for Malignant Lymphoma(Revised RC)に基づく治験担当医師判定による最終解析時点の無増悪生存期間の中央値は、Ibr+BR群で80.6ヵ月(95%CI:61.9~NE)、Pbo+BR群で52.9ヵ月(95%CI:43.7~71.0)であり、Ibr+BR群で統計学的に有意な延長が認められた[ハザード比0.75(95%CI:0.59~0.96)、p=0.011(層別log‐rank検定)]。
注)ベンダムスチン塩酸塩90mg/m2を第1~6サイクルの第1及び2日目、リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1~6サイクルの第1日目にそれぞれ静脈内投与することとされた。また、第6サイクル終了後に完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)を達成した被験者には、維持療法としてリツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第8~30サイクルの第1日目(2サイクルごと)に最大12回静脈内投与することとされた。
無増悪生存期間(PFS)のKaplan‐Meier曲線

本剤が投与された259例(日本人6例を含む)中237例(91.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹96例(37.1%)、下痢74例(28.6%)、肺炎66例(25.5%)、血小板減少症64例(24.7%)、悪心58例(22.4%)等であった。[7.6参照]
〈造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)〉
17.1.10 海外臨床試験成績(第Ib/II相試験:PCYC‐1129‐CA試験)
18歳以上のステロイド依存性又は抵抗性の慢性移植片対宿主病患者を対象とし、本剤420mgを1日1回投与した。主要評価項目であるNIH Consensus Development Project Criteria(2014)の改訂事項を2点反映したNIH Consensus Development Project Criteria(2005)に基づく主要解析時点の全奏効率は66.7%(28/42例)であった(95%CI:50.5~80.4%)。
本剤が投与された42例中35例(83.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労19例(45.2%)、下痢11例(26.2%)、挫傷11例(26.2%)、口内炎7例(16.7%)、筋痙縮7例(16.7%)、上気道感染6例(14.3%)等であった。[5.4参照]
17.1.11 国内臨床試験成績(第III相試験:54179060GVH3001試験)
12歳以上のステロイド依存性又は抵抗性の日本人慢性移植片対宿主病患者を対象とし、本剤420mgを1日1回投与した。主要評価項目であるNIH Consensus Development Project Criteria(2014)に基づく主要解析時点の全奏効率は73.7%(14/19例)であった(95%CI:48.8~90.9%)。
本剤が投与された19例中15例(78.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、肺炎4例(21.1%)、口内炎3例(15.8%)、挫傷3例(15.8%)、上気道感染2例(10.5%)、高血圧2例(10.5%)、間質性肺疾患2例(10.5%)、発疹2例(10.5%)等であった。[5.4参照]

18.1 作用機序
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞性腫瘍の発症、増殖等に関与するB細胞受容体(BCR)、及びB細胞の遊走、接着等に関与するケモカイン受容体の下流に位置するシグナル分子である。イブルチニブは、BTKの活性部位にあるシステイン残基と共有結合し、BTKのキナーゼ活性を阻害した。
18.2 抗腫瘍効果
In vitro試験において、イブルチニブは、慢性リンパ性白血病(CLL)患者由来のCLL細胞及びヒトマントル細胞リンパ腫(MCL)由来細胞株(Mino、Jeko‐1等)の増殖を抑制した。また、CLL患者由来のCLL細胞並びにヒトMCL由来細胞株(Mino及びJeko‐1)の遊走及び接着を阻害した。
In vivo試験において、イブルチニブは、マウスCLL由来TCL1‐192細胞を腹腔内移植した重症複合免疫不全(SCID)マウスにおいて、末梢血中のTCL1‐192細胞の増殖を抑制した。また、Mino細胞株を静脈内に移植したSCIDマウスにおいて、Mino細胞数を減少させた。
18.3 慢性移植片対宿主病に対する作用
In vivo試験において、イブルチニブはT及びB細胞が発症に関与するマウス慢性移植片対宿主病モデル(LP/Jの骨髄細胞をC57BL/6に移植、又はC57BL/6の骨髄細胞をB10.BRに移植)での慢性移植片対宿主病症状(強皮症、又は肺及び肝の線維化)を改善し、無増悪生存期間を延長した。

一包可:不可

抗悪性腫瘍剤

分割:不可
粉砕:不明

抗悪性腫瘍剤

製造販売会社
ヤンセンファーマ
販売会社
 

おくすりのQ&A

受付中回答0

塩酸ブロムヘキシン注の適応症について

お世話になります。...

薬価・添付文書 製品

受付中回答5

薬剤残量廃棄について

いつもお世話になっております。
よくお目にかかる
質問ですが薬剤残量廃棄につきましてお問い合わせさせていただきます。...

薬価・添付文書 

解決済回答2

化学療法薬の返戻

月をまたいで化学療法剤を使用したところ、返戻されました。...

薬価・添付文書 製品

受付中回答2

アイファガン処方時の保険傷病名について

当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...

薬価・添付文書 製品

受付中回答2

添付文書の表現とその精確な意味

添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです

薬価・添付文書 その他

わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!

質問する

このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。