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ターゼナカプセル1mg

販売名
ターゼナカプセル1mg
識別コード
Pfizer TLZ 1
薬価
1mg1カプセル 21547.10円
製造メーカー
ファイザー

添付文書情報2024年01月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
タラゾパリブトシル酸塩カプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.3. 本剤の術前・術後薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.4. 本剤の投与は、次のいずれかに該当する患者を対象とすること。
・ アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法歴のある患者を対象とすること。
・ アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤又はタキサン系抗悪性腫瘍剤のいずれかを含む化学療法歴があり、他方に適応のない患者を対象とすること。
5.5. 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)を有することが確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
用法・用量
がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌:通常、成人にはタラゾパリブとして1日1回1mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.6. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.7. 中等度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡以上60mL/min/1.73㎡未満)では、本剤1日1回0.75mgを開始用量とすること〔9.2.2、16.6.2参照〕。
7.8. 1mgカプセルと0.25mgカプセルの生物学的同等性は示されていないため、1mgを投与する際に0.25mgカプセルを使用しないこと。
7.9. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を考慮して休薬・減量・中止すること。
[減量の目安]
1). 通常投与量:1日1回1mg。
2). 1段階減量:1日1回0.75mg。
3). 2段階減量:1日1回0.5mg。
4). 3段階減量:1日1回0.25mg。
5). 4段階減量:投与中止。
[副作用に対する休薬及び減量基準]
1). 貧血<ヘモグロビン値8g/dL未満>:ヘモグロビン値が9g/dL以上に回復するまで本剤を休薬し、休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
2). 血小板減少<血小板数50000/μL未満>:血小板数が75000/μL以上に回復するまで本剤を休薬し、休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
3). 好中球減少<好中球数1000/μL未満>:好中球数が1500/μL以上に回復するまで本剤を休薬し、休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
4). 前記以外の副作用<Grade3>又は副作用<Grade4>:Grade1以下に回復するまで本剤を休薬し、休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。
生殖能を有する者
骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.1参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73㎡未満)のある患者:可能な限り投与を避けること、やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔16.6.2参照〕。
9.2.2. 中等度腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73㎡以上60mL/min/1.73㎡未満)のある患者:本剤の開始用量を減量すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔7.7、16.6.2参照〕。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2.2参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.2.2参照〕。
相互作用
本剤はP-糖タンパク(P-gp)の基質である。
10.2. 併用注意:P-gp阻害薬(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ラパチニブ等)〔16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること、やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤のP-gp阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制:貧血(57.3%)、好中球減少(35.0%)、血小板減少(24.6%)、白血球減少(20.3%)、リンパ球減少(7.8%)、赤血球減少(1.6%)、汎血球減少(0.3%)等があらわれることがある〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患(0.4%)。
11.1.3. 血栓塞栓症:肺塞栓症(0.6%)、血栓症(0.1%)、深部静脈血栓症(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(1%以上10%未満)感染症(上気道感染症、尿路感染症、眼感染症、口腔感染症、下気道感染症、皮膚感染症、膣感染症)、(1%未満)敗血症、敗血症性ショック、結膜炎、副鼻腔炎、上咽頭炎、肺炎、菌血症、ウイルス感染、真菌感染(カンジダ症)。
2). 血液及びリンパ系障害:(1%以上10%未満)血中エリスロポエチン増加、(1%未満)網状赤血球増加、ヘモグロビン増加、白血球増加、ビタミンB12欠乏性貧血。
3). 代謝及び栄養障害:(10%以上)食欲減退、(1%以上10%未満)高血糖、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低カルシウム血症、ビタミンB12減少、ビタミンB12欠乏、(1%未満)脱水、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高カリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症、低アルブミン血症、低リン血症。
4). 精神障害:(1%以上10%未満)不眠症、(1%未満)うつ病、不安、睡眠障害、易刺激性、落ち着きのなさ。
5). 神経系障害:(1%以上10%未満)頭痛、浮動性めまい、味覚障害(味覚不全、味覚消失、味覚減退)、傾眠、錯感覚、記憶障害、注意力障害、末梢性ニューロパチー、(1%未満)失神、失神寸前状態、嗜眠、感覚鈍麻、振戦、下肢静止不能症候群、健忘、認知障害。
6). 眼障害:(1%以上10%未満)眼球乾燥症、(1%未満)眼痛、眼そう痒症、流涙増加、視力障害(霧視)。
7). 耳及び迷路障害:(1%以上10%未満)回転性めまい、(1%未満)耳鳴。
8). 心臓障害:(1%未満)心不全、心筋梗塞、不整脈(頻脈、洞性頻脈、心電図QT延長)、心房細動、動悸。
9). 血管障害:(1%以上10%未満)出血(鼻出血、点状出血、網膜出血、眼出血、歯肉出血、直腸出血、肛門出血)、ほてり、高血圧、(1%未満)高血圧クリーゼ、潮紅、低血圧。
10). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%以上10%未満)呼吸困難、咳嗽、(1%未満)労作性呼吸困難、口腔咽頭痛、鼻閉、鼻乾燥。
11). 胃腸障害:(10%以上)悪心(24.5%)、(1%以上10%未満)口内炎、口内乾燥、嘔吐、腹痛、消化不良、胃食道逆流性疾患、胃炎、便秘、下痢、(1%未満)イレウス、口唇炎、歯周病(歯周炎)、嚥下障害、腹部膨満、鼓腸、血便、痔核。
12). 肝胆道系障害:(1%以上10%未満)肝機能障害(ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加)。
13). 皮膚及び皮下組織障害:(10%以上)脱毛症、(1%以上10%未満)発疹、皮疹、皮膚乾燥、爪障害(爪変色、爪色素沈着、爪破損、爪床障害)、皮膚障害(皮膚色素過剰、皮膚変色、皮膚亀裂、皮膚萎縮、皮膚感作、皮膚反応)、(1%未満)睫毛眉毛脱落症、皮膚そう痒症、皮膚疼痛、多汗症、寝汗。
14). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%以上10%未満)筋骨格系胸痛、背部痛、四肢痛、関節痛、筋肉痛、筋力低下、筋痙縮、(1%未満)頚部痛、脊椎痛、骨痛、弾発指、筋骨格硬直、骨粗鬆症、骨減少症。
15). 腎及び尿路障害:(1%未満)腎不全、血尿、排尿困難、腎機能障害(血中クレアチニン増加、急性腎障害、糸球体濾過率減少)。
16). 生殖系及び乳房障害:(1%未満)女性化乳房、乳房痛(乳房圧痛)、外陰腟乾燥。
17). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)疲労・無力症(43.8%)、(1%以上10%未満)発熱、倦怠感、浮腫(全身性浮腫、表在性浮腫(末梢性浮腫、末梢腫脹、顔面浮腫、顔面腫脹、眼窩浮腫、口唇浮腫))、粘膜炎症、(1%未満)胸痛、非心臓性胸痛、胸部不快感、悪寒、インフルエンザ様疾患、歩行障害、全身健康状態悪化。
18). その他:(1%以上10%未満)体重減少、転倒、骨折(肋骨骨折、脊椎圧迫骨折、頚椎骨折、上腕骨骨折、腰椎骨折、仙骨骨折、病的骨折)、(1%未満)体重増加、ALP増加、LDH増加。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(ラットを用いた動物実験において、臨床曝露量(AUC)を下回る用量で胚死亡・胎仔死亡、催奇形性(眼部隆起扁平化、小眼球、胸骨分節分離及び頸椎椎弓癒合)及び骨格変異が認められている)〔9.4.1、9.6授乳婦の項参照〕。
授乳しないことが望ましい(本剤の乳汁中への移行は不明であるが、本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある)〔9.5妊婦の項、15.2.2参照〕。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意ブリスターシートから取り出して服用するよう指導すること(シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報国内外の臨床試験等において、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病等の二次性悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 本剤をラット及びイヌに投与したときに臨床曝露量(AUC)を下回る用量で精巣の精細管萎縮・精細管変性及びこれに伴う精巣上体精子減少が認められ、またラットに投与したときに臨床曝露量(AUC)の4.5倍の用量で卵巣の卵胞閉鎖が認められた。
15.2.2. 遺伝毒性試験において、細菌を用いる復帰突然変異試験で遺伝子突然変異誘発性は認められなかったが、ヒト末梢血リンパ球を用いたin vitro染色体異常試験では染色体構造異常誘発作用がみられ、ラット骨髄を用いたin vivo小核試験では小核誘発作用が認められた〔9.4.1、9.4.2、9.6授乳婦の項参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人進行固形癌患者6例に本剤1mgを単回経口投与したときのタラゾパリブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

単回投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
日本人進行固形癌患者6例に本剤1mgを1日1回反復経口投与したときの投与22日目におけるタラゾパリブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。投与22日目におけるタラゾパリブの累積係数は2.9であった。
反復投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

反復投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

去勢抵抗性前立腺癌患者5例にエンザルタミド160mgとの併用で、本剤0.5mgを1日1回反復経口投与したときの投与9週間目におけるタラゾパリブの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
反復投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性18例に本剤0.5mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるタラゾパリブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.539及び0.976であった(外国人データ)。
16.3 分布
ヒト血漿中のタラゾパリブの平均タンパク結合率は、0.01~1μMの濃度範囲で約74%(ヒト血漿中の平均非結合型分率は0.260)であり、濃度依存性は認められなかった。
16.4 代謝
進行固形癌患者6例に14C‐タラゾパリブ1mgを単回経口投与したとき、血漿中では未変化体のみが検出された(外国人データ)。
16.5 排泄
進行固形癌患者6例に14C‐タラゾパリブ1mgを単回経口投与したとき、投与504時間後までに排出された総放射能は、尿中及び糞便中でそれぞれ68.7%及び19.7%であった。また、未変化体は尿中に54.6%、糞便中に13.6%が排出された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害を有する患者
本剤0.5mgを単回経口投与したとき、肝機能正常患者(7例)に対する①軽度(8例)、②中等度(5例)及び③重度(13例)の肝機能障害患者注)での非結合形タラゾパリブのCmax及びAUC24の幾何平均値の比は、それぞれ①0.946及び1.18、②0.922及び1.08、並びに③0.844及び1.18であった(外国人データ)。
注)NCI‐ODWG(National Cancer Institute‐Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
16.6.2 腎機能障害を有する患者
本剤0.5mgを22日間反復経口投与したとき、腎機能正常患者(eGFR≧90mL/min/1.73m2、6例)に対する、①軽度(eGFR:60~89mL/min/1.73m2、7例)、②中等度(eGFR:30~59mL/min/1.73m2、8例)及び③重度(eGFR:15~29mL/min/1.73m2、7例)の腎機能障害患者での非結合形タラゾパリブのCmax及びAUC24の幾何平均値の比は、それぞれ①1.17及び1.19、②1.28及び1.39、並びに③2.06及び2.87であった(外国人データ)。[7.3、7.7、9.2.1、9.2.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
進行固形癌患者19例にイトラコナゾール(P‐gp阻害薬)100mgを1日2回反復経口投与し、本剤0.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のタラゾパリブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.40及び1.56であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他
(1)リファンピシン
進行固形癌患者17例にリファンピシン600mgを1日1回反復経口投与し、本剤1mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のタラゾパリブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.37及び1.02であった(外国人データ)。
(2)本剤はBCRPの基質となる(in vitro)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌〉
17.1.1 国際共同第III相試験(TALAPRO‐2試験)
遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対する薬物療法歴のない注1)mCRPC患者805例(日本人116例を含む)を対象に、タラゾパリブ+エンザルタミド併用(TAL+ENZ)投与とプラセボ+エンザルタミド併用(PLA+ENZ)投与の有効性を検討することを目的とした、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、国際共同第III相試験を実施した。タラゾパリブは、開始用量として0.5mgを1日1回連続経口投与し、エンザルタミドは160mgを1日1回連続経口投与した。なお、両側精巣摘除術を受けていない患者は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト又はアンタゴニストによる去勢治療が継続された。
主要評価項目である相同組換え修復(HRR)遺伝子変異を問わない患者集団における盲検下独立中央評価による画像診断上の無増悪生存期間(rPFS)の中央値は、TAL+ENZ群で未達、PLA+ENZ群で21.9ヵ月であり、ハザード比は0.627(95%信頼区間:0.506、0.777;片側層別ログランク検定p<0.0001)で、TAL+ENZ群で統計学的に有意なrPFSの延長が認められた(2022年8月16日データカットオフ)。
また、探索的に実施されたBRCA遺伝子(BRCA1又はBRCA2遺伝子)変異陽性集団注2)、BRCA遺伝子以外のHRR関連遺伝子変異陽性集団注2)、及びHRR関連遺伝子変異陰性集団注2)のrPFS及び全生存期間(OS)の解析結果はそれぞれ次表のとおりであった(rPFS:2022年8月16日データカットオフ、OS:2023年3月28日データカットオフ)。
注1)アンドロゲン除去療法及び第一世代抗アンドロゲン剤は許容された。また、転移性去勢感受性前立腺癌に対してアビラテロンまたはタキサン系抗悪性腫瘍剤は許容された。
注2)無作為化前に実施した検査で遺伝子変異状態の結果が得られた患者、及び無作為化前の検査結果は不明かつ無作為化前に採取した血漿検体による再検査により遺伝子変異状態の結果が得られた患者を対象とした。
BRCA遺伝子又はBRCA遺伝子以外のHRR関連遺伝子変異の有無別のrPFS及びOS
→図表を見る(PDF)

盲検下独立中央評価によるrPFSのKaplan‐Meier曲線(BRCA遺伝子変異陽性集団)

タラゾパリブが投与された398例(日本人60例を含む)中357例(89.7%)に副作用が認められた。主な副作用は貧血(62.1%)、好中球数減少(34.2%)、疲労(30.4%)、血小板数減少(22.4%)、白血球数減少(20.6%)等であった(2022年8月16日カットオフ時点の集計)。
〈がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌〉
17.1.2 国内第I相試験(C3441030試験)
生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者19例を対象とした拡大パートにおいて、開始用量としてタラゾパリブ1mgを1日1回連続経口投与した。主要評価項目である奏効(治験責任医師判定)が確定した患者は11例[奏効率57.9%(90%信頼区間:36.8、77.0)]であった。
タラゾパリブが投与された19例中19例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は貧血(68.4%)、好中球減少症(63.2%)、白血球減少症(42.1%)、脱毛症(31.6%)、口内炎(31.6%)、血小板減少症(31.6%)、倦怠感(26.3%)等であった(2021年1月11日カットオフ時点の集計)。
17.1.3 海外第III相試験(EMBRACA試験)
生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)陽性かつHER2陰性であり、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤又はタキサン系抗悪性腫瘍剤(禁忌でない場合)による治療歴を有する手術不能又は再発乳癌患者431例を対象に、タラゾパリブと医師が選択した化学療法(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン又はビノレルビンのいずれかを選択)の有効性を検討することを目的とした、無作為化、非盲検、並行群間、海外第III相試験を実施した。タラゾパリブは、開始用量として1mgを1日1回連続経口投与した。
主要評価項目である盲検下独立中央評価による無増悪生存期間の中央値は、タラゾパリブ群で8.6ヵ月、化学療法群で5.6ヵ月であり、ハザード比は0.542(95%信頼区間:0.413、0.711;両側層別ログランク検定p<0.0001)で、タラゾパリブ群で統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められた。
盲検下独立中央評価による無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線(全解析対象集団)

タラゾパリブが投与された286例中256例(89.5%)に副作用が認められた。主な副作用は貧血(49.3%)、疲労(39.5%)、悪心(36.7%)、好中球減少症(25.5%)、脱毛症(24.8%)等であった(2021年3月5日カットオフ時点の集計)。

18.1 作用機序
18.1.1 PARP阻害活性
タラゾパリブは、ヒトPARP‐1及びPARP‐2に対して阻害作用を示した(各IC50値:0.7及び0.3nmol/L)。
18.2 腫瘍増殖抑制作用
タラゾパリブは、BRCA遺伝子変異陽性のヒト乳癌由来細胞株(MX‐1及びMDA‐MB‐468)及びBRCA遺伝子変異陽性のヒト前立腺癌由来細胞株(LNCaP、C4‐2及び22RV1)に対して増殖抑制作用を示した(in vitro)。また、タラゾパリブは、BRCA遺伝子変異陽性の乳癌患者由来腫瘍組織片(T168及びHBCx‐10)及びBRCA遺伝子変異陽性のヒト前立腺癌由来細胞株(LNCaP)を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。

一包可:不可

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分割:不可
粉砕:不明

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