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カイプロリス点滴静注用40mg

販売名
カイプロリス点滴静注用40mg
薬価
40mg1瓶 87852.00円
製造メーカー
小野薬品

添付文書情報2021年12月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
カルフィルゾミブ注射用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
再発又は難治性の多発性骨髄腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤による治療は、少なくとも1つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。
5.2. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
用法・用量
〈レナリドミド及びデキサメタゾン併用〉
通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、12サイクルまで投与を繰り返す。13サイクル以降は、1日1回、1、2、15及び16日目に本剤を点滴静注し、12日間休薬する。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/㎡(体表面積)、それ以降は27mg/㎡(体表面積)とし、10分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈デキサメタゾン併用〉
週2回投与の場合:
通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/㎡(体表面積)、それ以降は56mg/㎡(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
週1回投与の場合:
通常、成人には1日1回、本剤を1、8及び15日目に点滴静注し、13日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1日目のみ20mg/㎡(体表面積)、それ以降は70mg/㎡(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈用法及び用量共通〉本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 〈用法及び用量共通〉本剤と併用する抗悪性腫瘍剤の投与に際しては、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、投与すること。
7.3. 〈用法及び用量共通〉体表面積が2.2㎡を超える患者では、体表面積2.2㎡として投与量を算出すること。
7.4. 〈用法及び用量共通〉クレアチニンクリアランスが15mL/分未満(Ccrが15mL/分未満)となった場合には、本剤を休薬し、Ccrが15mL/分以上まで回復した場合には、投与の再開を検討すること(透析を要する場合には、再開時の用量として20mg/㎡を超えないこととし、また透析後に投与すること)。
7.5. 〈用法及び用量共通〉本剤の投与については、次に従って、適切に休薬、減量又は投与中止の判断を行うこと。
血液毒性(*Grade4の血小板減少、*Grade4のリンパ球減少、*Grade4の貧血又は*Grade3以上の好中球減少)又は*Grd3以上の非血液毒性<脱毛症・Grd3の悪心・嘔吐・下痢・疲労除く>に該当する副作用が発現した場合には、回復するまで本剤を休薬し、休薬後に投与を再開する場合には、本剤による有益性と危険性を慎重に検討した上で次を目安として減量等を考慮する;なお、再び副作用が発現し、休薬後に投与を再開する場合には、次を目安として本剤を減量又は投与中止すること[1)レナリドミド及びデキサメタゾン併用で副作用発現時投与量27mg/㎡は再開時目安20mg/㎡、副作用発現時投与量20mg/㎡は再開時目安15mg/㎡、副作用発現時投与量15mg/㎡は投与中止、2)デキサメタゾン併用(週2回投与の場合)で副作用発現時投与量56mg/㎡は再開時目安45mg/㎡、副作用発現時投与量45mg/㎡は再開時目安36mg/㎡、副作用発現時投与量36mg/㎡は再開時の目安27mg/㎡、副作用発現時投与量27mg/㎡は投与中止、3)デキサメタゾン併用(週1回投与の場合)で副作用発現時投与量70mg/㎡は再開時目安56mg/㎡、副作用発現時投与量56mg/㎡は再開時目安45mg/㎡、副作用発現時投与量45mg/㎡は再開時目安36mg/㎡、副作用発現時投与量36mg/㎡は投与中止](Grd:Grade)。
*)NCI-CTCAE v4.0。
7.6. 〈レナリドミド及びデキサメタゾン併用〉レナリドミド及びデキサメタゾン併用で本剤を18サイクルを超えて投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
生殖能を有する者
8.1. 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.4参照〕。
8.2. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.7参照〕。
8.3. QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査を行い、患者の状態を十分に観察すること(また、必要に応じて、電解質(カリウム、マグネシウム、リン等)を補正すること)〔11.1.1参照〕。
8.4. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.6参照〕。
8.5. Infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与前にデキサメタゾンの経口又は静脈内投与を考慮すること〔11.1.8参照〕。
9.1.1. 心障害を合併している患者又はその既往歴がある患者:症状が悪化又は再発するおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.3.1. 重度の肝機能障害のある患者:肝機能障害を有する進行性悪性腫瘍患者を対象に薬物動態を検討する試験が実施され、重度肝機能障害を有する患者は4例組入れられたが、敗血症性ショック(1例)、多臓器不全(1例)、急性肝不全(1例)による死亡、及び急性腎障害による本剤の投与中止(1例)(4例とも本剤との因果関係は否定された)により薬物動態解析のための採血を実施することはできず、重度肝機能障害患者の組入れを中止した。
9.4.1. 妊娠可能な女性:妊娠可能な女性においては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性においては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔15.2参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 心障害:心不全(3.4%)、心筋梗塞(0.2%)、QT間隔延長(0.1%)、心嚢液貯留(0.1%未満)、心膜炎(頻度不明)等の心障害があらわれることがある〔8.3、9.1.1参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患:間質性肺疾患(1.1%)(肺臓炎(0.5%)、間質性肺炎(0.6%)、急性呼吸窮迫症候群(0.1%未満)、急性呼吸不全(頻度不明)等)があらわれることがある。
11.1.3. 肺高血圧症(0.8%):呼吸困難、胸痛等の症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するとともに、他の病因(胸水、肺水腫等)との鑑別診断を実施した上で、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 肝不全、肝機能障害:肝不全(0.1%未満)、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害(8.0%)があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.5. 急性腎障害(1.9%)。
11.1.6. 腫瘍崩壊症候群(1.0%):異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置(生理食塩水、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.4参照〕。
11.1.7. 骨髄抑制:血小板減少(26.4%)、貧血(20.8%)、好中球減少(16.3%)、リンパ球減少(6.9%)、白血球減少(5.2%)、発熱性好中球減少(1.3%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.8. Infusion reaction:発熱、悪寒、関節痛、筋痛、顔面潮紅、顔面浮腫、嘔吐、脱力、息切れ、低血圧、失神、胸部絞扼感、狭心症等を含むInfusion reaction(頻度不明)があらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.9. 血栓性微小血管症:血栓性血小板減少性紫斑病(0.2%)、溶血性尿毒症症候群(0.1%未満)等の血栓性微小血管症があらわれることがあるので、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.10. 可逆性後白質脳症症候群(0.3%)、脳症(頻度不明):可逆性後白質脳症症候群、脳症が疑われる症状(痙攣、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.11. 高血圧(14.4%)、高血圧クリーゼ(0.1%):血圧の推移等に十分注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。高血圧クリーゼがあらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.12. 静脈血栓塞栓症:深部静脈血栓症(2.4%)、肺塞栓症(1.6%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。
11.1.13. 出血:胃腸出血(0.3%)、頭蓋内出血(0.1%未満)等の出血があらわれることがある。
11.1.14. 感染症:肺炎(7.5%)、敗血症(1.3%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.15. 消化管穿孔(0.1%未満)。
11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(1%未満)白血球増加、好中球増加、リンパ球増加、骨髄球数増加、好酸球増加、単球増加、単球減少、溶血、リンパ節痛、播種性血管内凝固、FDP増加、血小板増加、血小板粘着性減少、大赤血球症。
2). 心臓障害:(1%以上5%未満)動悸、頻脈、(1%未満)心房細動、徐脈、大動脈弁石灰化、心室性不整脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心房粗動。
3). 耳及び迷路障害:(1%以上5%未満)回転性めまい、(1%未満)耳鳴、難聴。
4). 内分泌障害:(1%以上5%未満)クッシング様症状、(1%未満)副腎機能不全、アジソン病、甲状腺障害、ステロイド離脱症候群、アミラーゼ増加。
5). 眼障害:(1%以上5%未満)霧視、白内障、視力障害、(1%未満)眼乾燥、失明、眼刺激、眼瞼浮腫、眼窩浮腫、緑内障、角膜炎、流涙増加、夜盲、視神経乳頭浮腫、網膜剥離、視力低下、硝子体浮遊物、眼圧上昇、眼瞼炎。
6). 胃腸障害:(5%以上)嘔吐、悪心、下痢、便秘、(1%以上5%未満)胃炎、腹痛、腹部膨満、消化不良、口内炎、(1%未満)腹部不快感、胃食道逆流性疾患、胃腸障害、歯痛、便習慣変化、変色便、おくび、唾液腺腫大、放屁、食道炎、血便排泄、嚥下障害、胃腸毒性、消化管運動障害、心窩部不快感、膵炎、大腸炎、口の錯感覚、痔核、口唇乾燥、口唇腫脹、口内乾燥、口腔障害、歯肉腫脹、変色歯、呼気臭。
7). 全身障害:(5%以上)疲労(17.9%)、無力症、末梢性浮腫、発熱、(1%以上5%未満)注射部位反応(注射部位炎症、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位腫脹等)、倦怠感、悪寒、浮腫、胸痛、(1%未満)粘膜炎症、疼痛、胸部不快感、異常感、びくびく感、歩行障害、インフルエンザ様疾患、全身健康状態低下、早期満腹、全身性浮腫、圧痛、温度変化不耐症、硬結、不快感、薬物不耐性、腫脹、顔面浮腫、溢出、潰瘍、末梢腫脹、(頻度不明)多臓器不全。
8). 肝胆道系障害:(1%未満)急性胆嚢炎、胆汁うっ滞。
9). 免疫系障害:(1%以上5%未満)低γグロブリン血症、(1%未満)薬物過敏症、サイトカイン放出症候群、免疫不全症。
10). 代謝及び栄養障害:(5%以上)高血糖、(1%以上5%未満)食欲減退、糖尿病、低マグネシウム血症、低カルシウム血症、低カリウム血症、体液貯留、低リン酸血症、(1%未満)食欲亢進、高カリウム血症、高カルシウム血症、血中コレステロール増加、高脂血症、高リン酸塩血症、高尿酸血症、低アルブミン血症、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症、低血糖症、アシドーシス、電解質失調、脱水、痛風、低蛋白血症、テタニー、血中リン増加、血中リン減少、血中クロール増加、血中重炭酸塩減少、血液量増加症。
11). 筋骨格系及び結合組織障害:(5%以上)筋痙縮、(1%以上5%未満)筋力低下、四肢痛、関節痛、筋肉痛、ミオパチー、(1%未満)骨痛、背部痛、筋骨格痛、筋骨格系胸痛、筋骨格不快感、筋萎縮症、骨粗鬆症、関節炎、鼡径部痛、関節滲出液、関節腫脹、頚部痛、変形性関節症、骨壊死、肩回旋筋腱板症候群、腱障害、筋骨格硬直、四肢不快感。
12). 精神・神経系障害:(5%以上)不眠症(16.2%)、末梢性ニューロパチー、頭痛、(1%以上5%未満)浮動性めまい、振戦、味覚異常、不安、錯感覚、感覚鈍麻、多発ニューロパチー、激越、易刺激性、気分変化、落ち着きのなさ、うつ病、(1%未満)記憶障害、傾眠、睡眠障害、錯乱状態、片頭痛、嗜眠、譫妄、平衡障害、脳血管発作、無嗅覚、反射消失、灼熱感、馬尾症候群、注意力障害、体位性めまい、異常感覚、筋緊張亢進、神経痛、不全対麻痺、精神運動亢進、失神、認知障害、下肢静止不能症候群、中毒性ニューロパチー、言語障害、感情障害、失見当識、転導性、多幸気分、リビドー亢進、躁病、神経過敏、人格変化、異常行動、精神障害。
13). 腎及び尿路障害:(1%未満)腎機能障害、頻尿、高窒素血症、慢性腎臓病、排尿困難、血尿、尿失禁、蛋白尿、BUN減少、血中クレアチニン減少。
14). 生殖系及び乳房障害:(1%未満)骨盤痛、勃起不全、血中テストステロン減少。
15). 呼吸器障害:(5%以上)呼吸困難、(1%以上5%未満)咳嗽、発声障害、しゃっくり、(1%未満)口腔咽頭痛、胸水、慢性閉塞性肺疾患、喀血、低酸素症、鼻閉、胸膜障害、頻呼吸、咽喉絞扼感、喘息、気道炎症、気道潰瘍、鼻漏、くしゃみ。
16). 皮膚及び皮下組織障害:(1%以上5%未満)発疹、紅斑、皮膚そう痒症、多汗症、(1%未満)斑状丘疹状皮疹、皮膚炎、日光角化症、急性熱性好中球性皮膚症、脱毛症、多毛症、間擦疹、寝汗、冷汗、ざ瘡、脂肪織炎、手掌・足底発赤知覚不全症候群、全身性皮疹、皮膚変色、皮膚剥脱、皮膚乾燥、顔面腫脹、蕁麻疹、紫斑、爪障害、紅色症、毛髪成長異常。
17). 血管障害:(1%以上5%未満)ほてり、低血圧、潮紅、静脈炎、(1%未満)リンパ浮腫、血管痛、静脈瘤、血管脆弱化、蒼白、充血、血腫。
18). その他:(1%以上5%未満)体重増加、体重減少、LDH増加、(1%未満)挫傷、骨折、急性骨髄性白血病、結腸腺癌、基底細胞癌、骨髄異形成症候群、良性副甲状腺腫瘍、扁平上皮癌、膵新生物、皮膚血管腫、CRP増加、血中CK増加。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠ウサギの器官形成期に臨床用量を下回る用量のカルフィルゾミブ0.8mg/kg(9.6mg/㎡)を投与したところ、胚死亡率増加・胎仔死亡率増加及び生存胎仔体重減少が認められた〔2.2、9.4.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト乳汁中への移行は不明である)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 使用直前にバイアルを冷蔵庫から取り出すこと。
14.1.2. 溶解時は泡立つため、注射用水をバイアルの内壁に当てながら緩徐に注入し、20mLの注射用水で2mg/mLの濃度にて溶解すること。
14.1.3. バイアルを緩やかに転倒混和し、泡立ちが生じた場合には、泡が消えるまで約2~5分間バイアルを静置すること。
14.1.4. 体表面積から計算した必要量を5%ブドウ糖液にて希釈すること。
14.1.5. 他剤<注射用水・5%ブドウ糖液を除く>との混注はしないこと。
14.1.6. バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験において、40ng/mL以上で染色体異常誘発性(構造的染色体異常)を示した〔9.4.2参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 単独投与
(1)10分間点滴静注時
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブ15mg/m2注1)、20mg/m2又は20/27mg/m2を10分かけて点滴静注した注2)ときの1日目と16日目の薬物動態パラメータを次に示す。また、20mg/m2における1日目と16日目の血漿中濃度推移を次に示す。血漿中カルフィルゾミブ濃度は点滴静注後速やかに低下し、消失半減期(T1/2)は1時間以内であった。反復投与による蓄積性は認められず、16日目のCmax及びAUClastは用量に比例して増加した。

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(2)30分間点滴静注時
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブ20/45mg/m2注1)又は20/56mg/m2を30分かけて点滴静注した注3)ときの1日目と16日目の薬物動態パラメータを次に示す。また、20mg/m2(1日目)及び56mg/m2(16日目)における血漿中濃度推移を次に示す。血漿中カルフィルゾミブ濃度は点滴静注後速やかに低下し、消失半減期(T1/2)は1時間以内であった。

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16.1.2 レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用投与
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブを1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は27mg/m2で1日1回、10分かけて点滴静注し、レナリドミド25mgを1~21日目に経口投与し、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与したとき、カルフィルゾミブの1日目と16日目の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示す。薬物動態パラメータの値は単独投与時と同様であった。

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16.1.3 デキサメタゾンとの併用投与
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブを1日目は20mg/m2、8及び15日目は70mg/m2で1日1回、30分かけて点滴静注し、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与したとき、カルフィルゾミブの1日目と15日目の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示す。

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16.3 分布
カルフィルゾミブのヒト血漿中蛋白結合率は96.9~97.3%、ヒト血液/血漿中濃度比は0.408~0.621であった(in vitro)。
16.4 代謝
カルフィルゾミブの主な代謝経路はエポキシド及びペプチド結合の加水分解であり、CYPの関与は少ない。
16.5 排泄
固形がん患者(15例)にカルフィルゾミブ27mg/m2を点滴静注したとき、未変化体の尿中への排泄は投与量の1%未満であった。投与量の約30%がペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15として尿中に排泄された。未変化体及び代謝物の糞中への排泄は1%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)正常腎機能(Ccr:>80mL/分、8例)、軽度腎機能障害(Ccr:50~80mL/分、9例)、中等度腎機能障害(Ccr:30~<50mL/分、5例)、重度腎機能障害(Ccr:<30mL/分、5例)、血液透析が必要な腎機能障害(8例)を有する多発性骨髄腫患者にカルフィルゾミブ15mg/m2注1)を点滴静注したとき、カルフィルゾミブのCmax及びAUCは腎機能低下の影響を受けなかった。ペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15のAUCは腎機能障害の重症度に応じて上昇した(外国人データ)。
(2)正常腎機能(Ccr:≧75mL/分、13例)、血液透析が必要な腎機能障害(10例)を有する多発性骨髄腫患者にカルフィルゾミブ20mg/m2、27mg/m2又は56mg/m2を30分かけて点滴静注したとき、正常腎機能患者と比較して、血液透析が必要な腎機能障害患者におけるAUClastは約33~40%高値を示したものの、腎機能障害によるAUClastの上昇は概ね変動係数(24.8~143.9%)の範囲内であった。ペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15のAUCは腎機能障害患者において上昇した(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
正常肝機能、軽度、中等度、重度肝機能障害注)を有する進行性悪性腫瘍患者に28日間を1サイクルとし、1サイクル目の1、2日目は20mg/m2、8、9、15及び16日目は27mg/m2、2サイクル目の1、2、8、9、15及び16日目は56mg/m2を30分かけて点滴静注したときの1サイクル目の16日目及び2サイクル目の1日目における薬物動態パラメータを次に示す。正常肝機能患者と比較して、軽度及び中等度肝機能障害患者におけるAUClastは、それぞれ約40~44及び5.5~23%高値を示したものの、肝機能障害によるAUClastの上昇は概ね変動係数(33.1~100.5%)の範囲内であり、肝機能障害の重症度に応じたAUClastの上昇は認められなかった。なお、重度肝機能障害患者では薬物動態データは得られなかった(外国人データ)。
注)NCI‐ODWG(National Cancer Institute‐Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
→図表を見る(PDF)

16.7 薬物相互作用
カルフィルゾミブはCYP3Aを阻害し、Ki値は1.7μmol/Lであった。その他のCYP分子種(CYP1A2、2C8、2C9、2C19及び2D6)を阻害せず、CYP1A2及び3Aを誘導しなかった(in vitro)。
固形がん患者(17例)にCYP3Aの基質であるミダゾラム2mgとカルフィルゾミブ27mg/m2を併用投与したとき、カルフィルゾミブはミダゾラムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、次記の通りである。
〈レナリドミド及びデキサメタゾン併用〉
通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、12サイクルまで投与を繰り返す。13サイクル以降は、1日1回、1、2、15及び16日目に本剤を点滴静注し、12日間休薬する。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)とし、10分かけて点滴静注する。
〈デキサメタゾン併用〉
週2回投与の場合:
通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。
週1回投与の場合:
通常、成人には1日1回、本剤を1、8及び15日目に点滴静注し、13日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は70mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。
注2)15、20mg/m2は1、2、8、9、15、16日目に15又は20mg/m2を1日1回、10分かけて点滴静注した。20/27mg/m2は1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は27mg/m2を1日1回、10分かけて点滴静注した。
注3)20/45、20/56mg/m2は1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は45又は56mg/m2を1日1回、30分かけて点滴静注した。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈レナリドミド及びデキサメタゾン併用〉
17.1.1 国内第I相試験(ONO‐7057‐05試験)
前治療歴が1回以上の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者26例に、本剤注1)、レナリドミド注2)及びデキサメタゾン注3)を併用投与した。奏効率は、88.5%[90%信頼区間:72.8~96.8%](完全奏効1例、最良部分奏効5例、部分奏効17例(国際骨髄腫ワーキンググループ基準に基づく治験責任医師判定))であった。なお、事前に設定した閾値は66.7%であった。また、安全性評価対象となった26例中26例(100%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)は、血小板減少12例(46.2%)、リンパ球減少11例(42.3%)、高血糖10例(38.5%)、ALT増加7例(26.9%)、発疹7例(26.9%)、便秘6例(23.1%)、筋痙縮6例(23.1%)、低リン酸血症5例(19.2%)、白血球増加5例(19.2%)、AST増加4例(15.4%)、好中球減少4例(15.4%)、好中球増加4例(15.4%)、発熱4例(15.4%)、末梢性ニューロパチー4例(15.4%)、血中ビリルビン増加4例(15.4%)、白血球減少4例(15.4%)、高カリウム血症3例(11.5%)、低カリウム血症3例(11.5%)、悪心3例(11.5%)、高血圧3例(11.5%)、下痢3例(11.5%)、肺炎3例(11.5%)、上気道の炎症3例(11.5%)、味覚異常3例(11.5%)、紅斑3例(11.5%)、血中コレステロール増加3例(11.5%)、ヘモグロビン減少3例(11.5%)及び低ナトリウム血症3例(11.5%)であった。
17.1.2 海外第III相試験(PX‐171‐009試験)
前治療歴が1~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注4)792例(各群396例)に対して、レナリドミド注2)及びデキサメタゾン注3)の併用(Ldレジメン)とLdレジメンに本剤注1)を上乗せしたCLdレジメンを比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、CLd群で26.3[23.3~30.5]ヵ月、Ld群で17.6[15.0~20.6]ヵ月であり、Ld群に対してCLd群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.69[95%信頼区間:0.57~0.83]、p<0.0001[層別log‐rank検定]、2014年6月16日データカットオフ)。

また、副次評価項目である全生存期間の中間解析結果(中央値)は、CLd群、Ld群いずれも未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.787[95%信頼区間:0.628~0.985]、p=0.0182[層別log‐rank検定]、2014年6月16日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった392例中332例(84.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)は、好中球減少142例(36.2%)、貧血104例(26.5%)、血小板減少99例(25.3%)、疲労88例(22.4%)、下痢74例(18.9%)、筋痙縮72例(18.4%)、不眠症56例(14.3%)、気道感染50例(12.8%)、低カリウム血症43例(11.0%)、高血糖41例(10.5%)及び無力症41例(10.5%)であった。
注1)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回、1、2、8、9、15、16日目に点滴静注した。投与量は、1サイクル目の1、2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)で点滴静注し12サイクルまで繰り返した。13サイクル目以降は、27mg/m2を1日1回、1、2、15、16日目に点滴静注した。なお、18サイクルを超える投与は許容されなかった。
注2)レナリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、25mgを1日1回、21日間経口投与した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、40mgを1日1回、1、8、15、22日目に経口投与した。デキサメタゾンの投与日が本剤と同日の場合、本剤投与の4時間~30分前に投与した。
なお、国内第I相試験(ONO‐7057‐05試験)では、第1サイクルのカルフィルゾミブの投与日のうち、デキサメタゾン40mgを投与しない投与日については、カルフィルゾミブの投与前にデキサメタゾン4mgを経口又は静脈内投与した。また、第1サイクルにカルフィルゾミブに関連する発熱、悪寒、寒気又は息切れなどが認められた場合は、原則としてデキサメタゾン4mgの投与を第2サイクル以降も継続することとし、第2サイクル以降で、デキサメタゾンを使用していない間にこれらの症状が発現した場合は、原則としてデキサメタゾン4mgの投与を再開することとした。
注4)①ボルテゾミブによる治療中に疾患進行が認められた患者、②レナリドミド及びデキサメタゾンの併用投与による治療開始後3ヵ月以内に疾患進行が認められた患者並びに③レナリドミド及びデキサメタゾンの併用投与による直近の治療中に疾患進行が認められた患者は除外された。
〈デキサメタゾン併用〉
17.1.3 国際共同第III相試験(2011‐003試験)
前治療歴が1~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注5)929例(日本人患者44例を含む。Cd群464例、Bd群465例)に対して、ボルテゾミブ注6)及びデキサメタゾン注7)の併用(Bdレジメン)と本剤注8)及びデキサメタゾン注9)の併用(Cdレジメン)を比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、Cd群で18.7[15.6~NE注10)]ヵ月、Bd群で9.4[8.4~10.4]ヵ月であり、Bd群に対してCd群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.53[95%信頼区間:0.437~0.651]、p<0.0001[層別log‐rank検定]、2014年11月10日データカットオフ)。

また、副次評価項目である全生存期間の中間解析結果(中央値)は、Cd群で未到達、Bd群で24.3[24.34~NE注10)]ヵ月であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.786[95%信頼区間:0.575~1.075]、p=0.065[層別log‐rank検定]、2014年11月10日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった463例(日本人22例含む)中404例(87.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)は、血小板減少126例(27.2%)、貧血107例(23.1%)、疲労97例(21.0%)、不眠症93例(20.1%)、呼吸困難74例(16.0%)、下痢69例(14.9%)、高血圧62例(13.4%)、悪心57例(12.3%)、無力症55例(11.9%)、末梢性ニューロパチー49例(10.6%)、リンパ球減少48例(10.4%)、発熱48例(10.4%)及び高血糖47例(10.2%)であった。
注5)①ボルテゾミブによる治療中に奏効が認められなかった患者、②ボルテゾミブによる治療に不耐容であった患者並びに③ボルテゾミブの最終投与から治験薬の初回投与までの期間が6ヵ月未満の患者は除外された。
注6)ボルテゾミブの用法及び用量:21日間を1サイクルとし、1.3mg/m2(体表面積)を1日1回、1、4、8、11日目に静脈内又は皮下投与した。
注7)デキサメタゾンの用法及び用量:21日間を1サイクルとし、20mgを1日1回、1、2、4、5、8、9、11、12日目に経口投与した。デキサメタゾンの投与日がボルテゾミブと同日の場合、ボルテゾミブ投与の4時間~30分前に投与した。
注8)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回、1、2、8、9、15、16日目に点滴静注した。投与量は、1サイクル目の1、2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)で点滴静注した。
注9)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、20mgを1日1回、1、2、8、9、15、16、22、23日目に経口投与した。デキサメタゾンの投与日が本剤と同日の場合、本剤投与の4時間~30分前に投与した。
注10)NEは推定不能
17.1.4 国際共同第III相試験(20140355試験)
前治療歴が2~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者478例(日本人患者40例を含む。週1回投与群240例、週2回投与群238例)に対して、本剤及びデキサメタゾン注11)の併用(Cdレジメン)における週1回投与注12)と週2回投与注13、14)を比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、週1回投与群で11.2[8.6~13.0]ヵ月、週2回投与群で7.6[5.8~9.2]ヵ月であり、週2回投与群に対して週1回投与群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.693[95%信頼区間:0.544~0.883]、p=0.0014[層別log‐rank検定]、2017年6月15日データカットオフ)。

また、副次評価項目である全生存期間の結果(中央値)は、週1回投与群、週2回投与群いずれも未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.800[95%信頼区間:0.563~1.138]、p=0.1070[層別log‐rank検定]、2017年6月15日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった238例(日本人26例含む)中173例(72.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)は、血小板減少37例(15.5%)、高血圧35例(14.7%)、不眠症29例(12.2%)、好中球減少26例(10.9%)、貧血25例(10.5%)、疲労25例(10.5%)及び悪心24例(10.1%)であった。
注11)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、40mgを1日1回、1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与し、9サイクルまで繰り返した。10サイクル目以降は40mgを1日1回、1、8、15日目に経口又は静脈内投与した。デキサメタゾンの投与日が本剤と同日の場合、本剤投与の4時間~30分前に投与した。
注12)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回、1、8、15日目に点滴静注した。投与量は、1サイクル目の1日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は70mg/m2(体表面積)で点滴静注した。
注13)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回、1、2、8、9、15、16日目に点滴静注した。投与量は、1サイクル目の1、2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)で点滴静注した。
注14)デキサメタゾン併用時における本剤の承認された用法及び用量とは異なる。
〈デキサメタゾン及びダラツムマブ(遺伝子組換え)併用〉
17.1.5 国際共同第III相試験(20160275(CANDOR)試験)
前治療歴が1~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者466例(日本人患者31例を含む。CdD群312例、Cd群154例)に対して、本剤(週2回投与)注15)及びデキサメタゾン注16)の併用(Cdレジメン)とCdレジメンにダラツムマブ(遺伝子組換え)注17)を上乗せしたCdDレジメンを比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、CdD群でNE注18)[NE~NE]、Cd群で15.8[12.1~NE注18)]ヵ月であり、Cd群に対してCdD群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.630[95%信頼区間:0.464~0.854]、p=0.0014[層別log‐rank検定]、2019年7月14日データカットオフ)。

また、副次評価項目である全生存期間の結果(中央値)は、CdD群、Cd群いずれも未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.745[95%信頼区間:0.491~1.131]、p=0.0836[層別log‐rank検定]、2019年7月14日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった308例(日本人20例含む)中260例(84.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)は、血小板減少103例(33.4%)、高血圧79例(25.6%)、貧血56例(18.2%)、呼吸困難52例(16.9%)、不眠症51例(16.6%)、疲労46例(14.9%)、下痢46例(14.9%)、悪心33例(10.7%)及び好中球減少31例(10.1%)であった。
注15)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回、1、2、8、9、15、16日目に点滴静注した。投与量は、1サイクル目の1、2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)で点滴静注した。
注16)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、20mgを1、2、8、9、15、16日目に40mgを22日目(75歳超の場合は1週ごとに20mg)に経口又は静脈内投与した。デキサメタゾンの投与日が本剤と同日の場合、本剤投与の4時間~30分前、ダラツムマブ投与の1~3時間前に投与した。
注17)ダラツムマブ(遺伝子組換え)の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1回16mg/kgを、1週間間隔(1~8週目、初回のみ2日間に分割して8mg/kgずつ投与)、2週間間隔(9~24週目)、及び4週間間隔(25週目以降)で点滴静注した。
注18)NEは推定不能

18.1 作用機序
カルフィルゾミブは、プロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害することにより、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を抑制する。
18.2 抗腫瘍効果
18.2.1 カルフィルゾミブは、in vitro試験において、ヒト多発性骨髄腫由来MM.1S及びRPMI‐8226細胞株の増殖を抑制した。また、デキサメタゾンに耐性となったMM.1S及びメルファランに耐性となったRPMI‐8226細胞株の増殖を抑制した。
18.2.2 カルフィルゾミブは、MM.1S細胞株を皮下移植した免疫不全マウスにおいて、腫瘍の増殖を抑制した。

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