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アミカシン硫酸塩注射液200mg「日医工」

販売名
アミカシン硫酸塩注射液200mg「日医工」
薬価
200mg1管 610.00円
製造メーカー
日医工

添付文書情報2011年02月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
アミノ糖系抗生物質製剤
一般名
アミカシン硫酸塩注射液
禁忌
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎。
用法・用量
1.筋肉内投与の場合:1回アミカシン硫酸塩として100~200mg(力価)を1日1~2回筋肉内投与する。小児は、アミカシン硫酸塩として1日4~8mg(力価)/kgとし、1日1~2回筋肉内投与する。なお、年齢及び症状により適宜増減する。
2.点滴静脈内投与の場合:1回アミカシン硫酸塩として100~200mg(力価)を、1日2回点滴静脈内投与する。小児はアミカシン硫酸塩として1日4~8mg(力価)/kgとし、1日2回点滴静脈内投与する。また、新生児(未熟児を含む)は、1回アミカシン硫酸塩として6mg(力価)/kgを、1日2回点滴静脈内投与する。なお、年齢、体重及び症状により適宜増減する。
点滴静脈内投与の場合には、100~500mLの補液中に100~200mg(力価)の割合で溶解し、30分~1時間かけて投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.腎障害患者:腎障害患者では、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与する。
2.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめる。
慎重投与
1.腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化する恐れがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強く現れる恐れがある]。
2.肝障害のある患者[肝障害を悪化させる恐れがある]。
3.重症筋無力症の患者[神経筋遮断作用があり呼吸抑制が現れることがある]。
4.高齢者。
5.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状が現れることがあるので観察を十分に行う]。
重要な基本的注意
1.本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとる。
1).事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておく。
3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行い、特に、投与開始直後は注意深く観察する。
2.眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害が現れることがあるので慎重に投与する(特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすく、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい)、アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
3.急性腎不全等の重篤な腎障害が現れることがあるので、慎重に投与する。
4.本剤を点滴静脈内投与する時には、副作用発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与する(また、投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい)。
相互作用
併用注意:1.腎障害を起こす恐れのある血液代用剤(デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン等)[腎障害が発現・悪化することがあるので、併用は避けることが望ましく、腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行う(機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある)]。
2.ループ利尿剤(エタクリン酸、フロセミド、アゾセミド等)[腎障害及び聴器障害が発現・悪化する恐れがあるので、併用は避けることが望ましい(機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある)]。
3.腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤(バンコマイシン、エンビオマイシン、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等)[腎障害及び聴器障害が発現・悪化する恐れがあるので、併用は避けることが望ましい(両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明)]。
4.麻酔剤、筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン、A型ボツリヌス毒素製剤等)[呼吸抑制が現れる恐れがあるので、呼吸抑制が現れた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行う(両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される)]。
5.腎毒性を有する薬剤(シクロスポリン、アムホテリシンB等)[腎障害が発現・悪化する恐れがある(両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明)]。
副作用
臨床試験(治験):筋注では総症例1,124例中54例(4.80%)、55件の副作用が認められ、その主なものは、注射部位の疼痛19件(1.69%)、耳鳴5件(0.44%)、AST(GOT)・ALT(GPT)上昇10件(0.89%)であった。また、点滴静注では総症例592例中32例(5.41%)、44件の副作用が認められ、その主なものは、発疹12件(2.03%)、難聴5件(0.84%)、BUN上昇8件(1.35%)であった。
市販後の副作用頻度調査及び使用成績調査:筋注では総症例32,893例中206例(0.63%)、232件の副作用が認められ、その主なものは、注射部位の疼痛51件(0.16%)、発疹37件(0.11%)、耳鳴12件(0.04%)、難聴12件(0.04%)、BUN上昇22件(0.07%)であった。また、点滴静注では総症例14,502例中97例(0.67%)、142件の副作用が認められ、その主なものは、発疹13件(0.09%)、肝機能障害11件(0.08%)、ALT(GPT)上昇20件(0.14%)、AST(GOT)上昇18件(0.12%)であった。
重大な副作用
1.重大な副作用:次のような副作用が現れることがあるので、症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).ショック(0.1%未満):初期症状として、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等が現れることがあるので観察を十分に行う。
2).第8脳神経障害(0.1~5%未満):耳鳴・耳閉塞感・耳痛・眩暈・難聴等の第8脳神経障害(主として蝸牛機能障害)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与する。
3).急性腎不全(頻度不明):重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行う。
2.その他の副作用:次のような症状又は異常が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒、発熱。
2).腎臓:(頻度不明)カリウム異常等の電解質異常、(0.1%未満)浮腫、蛋白尿、血尿、血清クレアチニン上昇、BUN上昇、乏尿。
3).肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(0.1%未満)Al-P上昇。
4).血液:(0.1%未満)白血球減少、好酸球増多。
5).消化器:(0.1%未満)下痢、悪心・嘔吐。
6).ビタミン欠乏症:(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
7).投与部位(筋注の場合):(0.1~5%未満)注射部位の疼痛、硬結。
8).その他:(0.1%未満)頭痛、口唇部のしびれ感。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用が現れやすい。
2.高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向が現れることがある。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害が現れる恐れがある]。
適用上の注意
1.筋肉内投与時:筋肉内注射にあたっては、次記の点に注意する。
1).筋肉内投与は、やむを得ない場合にのみ必要最小限に行う。
2).筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わない。
3).筋肉内投与時神経走行部位を避ける。
4).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。
5).筋肉内投与時、注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
2.アンプルカット時:本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してから、カットすることが望ましい。
3.β-ラクタム系抗生物質製剤(カルベニシリン、スルベニシリン等)と本剤との混注により、両剤ともに不活性化されるとの報告があるので、それぞれ別経路にて投与を行う。
その他の注意
1.クエン酸で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺が現れることがある。
2.聴器毒性:モルモットにアミカシンを筋肉内投与した実験(40、100、200mg/kg、28日間)で、耳介反射消失を認めるとともに、ラセン器外有毛細胞消失が認められたとの報告がある。
3.腎毒性:ラットにアミカシンを背部皮下投与した実験(25、100、400mg/kg、30日間)で、腎重量増加がみられるとともに近位尿細管内腔拡張、上皮扁平化が認められたとの報告がある。

1.腎機能正常者での血中濃度
(1)健康成人にアミカシン硫酸塩100mg(力価)又は200mg(力価)を筋注した場合、血中濃度のピークは30分ないし1時間後にあり、それぞれ5.8~8.5μg/mL(n=3)、13.5~15.0μg/mL(n=2)を示した。
また、健康成人(n=3)に100mg(力価)又は200mg(力価)を1時間で点滴静注した場合、血中濃度のピークは点滴終了時にあり、それぞれ7.5~8.6μg/mL、13.9~18.8μg/mLを示し、血中半減期(t1/2)は、1.7~2.2時間である(添付文書の図1)。
なお、健康成人(n=3)に200mg(力価)をCross overにより筋注及び点滴静注した場合、両者の血中濃度推移は添付文書の図2のとおりほぼ一致し、t1/2、血中濃度曲線下面積(AUC)もほぼ同一の値を示す。
図1 健康成人での点滴静注時の血中濃度

図2 健康成人での筋注・点滴静注時の血中濃度

(2)小児(n=3)に4mg(力価)/kgを1時間で点滴静注した場合、血中濃度のピークは点滴終了時にあり、13.4~13.9μg/mLを示し、t1/2は、1.2~1.4時間である(添付文書の図3)。
(3)新生児に6mg(力価)/kgを筋注した場合、血中濃度のピークはおよそ30分後にみられ12~19μg/mL(n=17)を示す。また、同用量を30分間で点滴静注した場合のピーク値は12~17μg/mL(n=11)であり、筋注時とほぼ同様の血中濃度推移を示す。〔「血中濃度モニタリング」の項を参照〕
図3 小児での点滴静注時の血中濃度

2.腎障害患者の血中濃度
腎機能の程度の異なる患者に100mg(力価)を筋注した場合、t1/2は腎機能障害の程度に応じて延長する。この様な傾向は点滴静注時においても認められる。〔投与方法については「血中濃度モニタリング」の項を参照〕
3.腎機能障害患者(参考)
腎障害患者に対しての参考投与法を示す。起炎菌の感受性、感染症の重症度、感染部位、腎機能障害の程度を考慮に入れ、投与量・投与間隔を調整すること。
(1)1回投与量を調節する方法
体重及びクレアチニン・クリアランスを用い、添付文書の図又は計算式より求めた初回量及び維持量を投与する。
8時間及び12時間ごと投与図

8時間ごと投与の計算式
12時間ごとの計算式

(2)投与間隔を調節する方法
「血清クレアチニン値×9」時間ごとに通常量を投与する。
4.血中濃度モニタリング
アミノグリコシド系抗生物質による副作用発現の危険性は、一過性であっても異常に高い最高血中濃度(ピーク値)が繰り返されるほど大きくなり、また、異常に高い最低血中濃度(谷間値―次回投与直前値)が繰り返されるほど大きくなるといわれている。本剤の場合は、最高血中濃度(A、A’)が35μg/mL以上、最低血中濃度(B、B’)が10μg/mL以上が繰り返されると第8脳神経障害や腎障害発生の危険性が大きくなるといわれている。腎機能障害患者、新生児、未熟児、高齢者及び大量投与患者などでは血中濃度が高くなりやすいので、初回投与時において、また長期間投与患者においても適当な間隔で最高血中濃度(A、A’)と最低血中濃度(B、B’)を測定し(添付文書の図参照)、異常な高値を示す場合には、次回投与より投与量や投与間隔を調整することが望ましい。例えば、異常に高い最高血中濃度が繰り返されている場合は投与量を減量し、異常に高い最低血中濃度が繰り返されている場合は投与間隔を延長するなど調整を行う。
筋注・点滴静注時の血中濃度の経時変化(模式図)

5.組織内移行
口蓋扁桃、咽頭扁桃、上顎洞粘膜、喀痰、臍帯血、羊水などへの移行が認められる。なお、乳汁中への移行は痕跡程度に認められるにすぎない。
6.代謝
本剤は生体内で代謝を受けない。
7.排泄
健康成人に本剤100mg(力価)又は200mg(力価)を筋注した場合の8時間までの平均尿中排泄率はそれぞれ、70.3%、72.4%である。また、1時間点滴静注の場合、点滴終了後6時間までの平均尿中排泄率はそれぞれ64.4%、68.8%で、ともに速やかに尿中に排泄される。

国内で実施された筋注による臨床試験(二重盲検比較試験を含む)1,187例及び点滴静注による臨床試験592例の概要は次のとおりである。
緑膿菌、大腸菌、クレブシエラ、セラチア、変形菌などによる敗血症、気管支拡張症の感染時、肺炎、肺化膿症、腹膜炎、腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、創傷・熱傷及び術後の二次感染に対する総有効率は筋注で75.0%(445/593)、点滴静注で74.4%(241/324)を示した。
急性単純性膀胱炎、急性腎盂腎炎、膀胱・前立腺手術後(留置カテーテル抜去後)尿路感染症及び複雑性尿路感染症を対象とする二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
※疾患名・菌種名は承認申請資料に基づき記載している。

1.抗菌作用
本剤は広い抗菌スペクトルを有し、緑膿菌、変形菌、セラチア、大腸菌、クレブシエラなどのグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示す。
2.作用機序
細菌の蛋白合成を阻害することにより細胞分裂の増殖のプロセスを阻止し、殺菌的に作用する。
3.不活化酵素に対する安定性
アミノグリコシド系抗生物質を不活化する種々の酵素に対して強い抵抗を示す。
4.交差耐性
他のアミノグリコシド系抗生物質との間に交差耐性はほとんど認められない。
※菌種名は承認申請資料に基づき記載している。

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