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ユナシン-S静注用3g

販売名
ユナシン-S静注用3g
薬価
(3g)1瓶 656.00円
製造メーカー
ファイザー

添付文書情報2022年11月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
一般名
アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム静注用
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 伝染性単核症の患者[アンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告がある]。
効能・効果
肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎。
用法・用量
〈肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合〉
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができるが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とする。
〈膀胱炎の場合〉
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日3g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
〈効能共通〉
通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日60~150mg(力価)/kgを3~4回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
なお、点滴による静脈内投与に際しては、補液に溶解して用いる。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
腎機能障害患者
8.1. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔11.1.1参照〕。
8.1.1. 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
8.1.2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.1.3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.2. 無顆粒球症、貧血(溶血性貧血を含む)、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。
8.3. 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。
8.4. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。
9.1.1. ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)。
9.1.2. セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
9.1.3. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者。
9.1.4. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある)。
9.1.5. ナトリウム摂取制限患者:本剤にナトリウムが230mg(10mEq)含まれていることに留意すること。
9.2.1. 高度腎障害のある患者:本剤の投与量及び投与間隔を調節する等、慎重に投与すること〔16.6.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). アロプリノール[アンピシリンとの併用により発疹の発現が増加するとの報告がある(機序不明だが薬剤性の発疹がアロプリノールとアンピシリンを併用していた67例の入院患者のうち22.4%に認められ、アンピシリン単独服用例の1257例では7.5%に認められ、またアンピシリンを併用しないアロプリノール服用患者283例のうち2.1%が薬剤性発疹を経験したという報告がある)]。
2). 抗凝血薬[ペニシリン注射液が血小板の凝集・凝固に影響を与え出血傾向を増強するおそれがある(抗凝血作用とペニシリン注射液の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される可能性がある)]。
3). 経口避妊薬[アンピシリンとの併用により避妊効果が減弱したとの報告がある(本剤は腸内細菌叢を変化させる可能性があり、それにより経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている)]。
4). メトトレキサート[ペニシリンとの併用によりメトトレキサートのクリアランスが減少するおそれがある(メトトレキサートの尿細管分泌が阻害され、体内からの消失が遅延し、メトトレキサートの毒性が増強する可能性がある)]。
5). プロベネシド[併用により、本剤の血中濃度上昇・血中濃度半減期の延長・本剤の持つ毒性リスクの上昇のおそれがある(プロベネシドの尿細管分泌抑制作用により本剤の排泄が遅延するおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)〔8.1参照〕。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)。
11.1.3. 血液障害:無顆粒球症(頻度不明)、貧血(溶血性貧血を含む)(0.38%)、血小板減少(0.19%)等の重篤な血液障害があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.4. 急性腎障害(0.1%未満)、間質性腎炎(頻度不明):急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.5. 出血性大腸炎(頻度不明)、偽膜性大腸炎(頻度不明):出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.6. 肝機能障害(0.10%)〔8.4参照〕。
11.1.7. 間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(0.1~1%未満)発疹、皮膚そう痒感、(0.1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)多形紅斑。
2). 血液:(1%以上)好酸球増多、(0.1~1%未満)白血球減少。
3). 肝臓:(1%以上)AST上昇、ALT上昇、(0.1~1%未満)Al-P上昇、LAP上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇、(0.1%未満)黄疸。
4). 消化器:(0.1~1%未満)下痢・軟便、悪心・嘔吐、(0.1%未満)腹部不快感、(頻度不明)黒毛舌。
5). 中枢神経:(頻度不明)痙攣等の神経症状。
6). 菌交代:(頻度不明)口内炎、カンジダ症。
7). その他:(0.1~1%未満)発熱、(0.1%未満)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、(頻度不明)ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
高齢者
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
9.8.1. 一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
9.8.2. ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(アンピシリンの大量(3000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されており、アンピシリン及びスルバクタムは胎盤を通過することが報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが報告されている)。
小児等
9.7.1. 低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 1歳以下の乳児では慎重に投与すること(下痢・軟便の発現頻度が高い)。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意溶解後は速やかに使用すること(特にグルコース含有溶解液、フルクトース含有溶解液、キシリトール含有溶解液、マルトース水和物含有溶解液等の糖質含有溶解液に溶解した場合にはアンピシリンの力価が低下するので、速やかに使用し、保存しないこと)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
14.2.2. 配合変化としてアンピシリンとアミノグリコシド系抗生物質製剤(ジベカシン硫酸塩、アルベカシン硫酸塩等)を混合すると力価が低下したとの報告があるので、併用に際しては投与部位を変える及び1時間以上投与間隔をあけるなど投与方法に注意すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 成人
健常成人6名に本剤0.75g(力価)又は1.5g(力価)をクロスオーバー法により静注した時のスルバクタム及びアンピシリンの血清中濃度の推移(平均値)は添付文書の図のとおりであり、静注後5分で、0.75g(力価)投与時スルバクタム18.7μg/mL、アンピシリン39.2μg/mL、1.5g(力価)投与時スルバクタム40.0μg/mL、アンピシリン78.8μg/mLであった。
スルバクタムとアンピシリンの濃度半減期(t1/2)はいずれも約1時間であり、両薬物の血中動態は良く近似していた。
16.1.2 小児
小児患者16例に本剤30mg(力価)/kgを静注した時の血清中濃度推移は添付文書の図のとおりであり、スルバクタム及びアンピシリンのt1/2は約1時間と、小児の場合の血中動態も成人の場合とほぼ同様であった。
成人に静注時の血清中濃度

小児患者に静注時の血清中濃度

16.3 分布
16.3.1 成人患者3例に本剤1.5g(力価)を静注した時のスルバクタム及びアンピシリンの胆汁中濃度は、静注後1時間でそれぞれ平均3.6μg/mL、19.8μg/mLであった。
16.3.2 成人患者の喀痰、腹腔内滲出液、子宮・付属器組織、骨盤死腔滲出液、並びに小児患者の髄液、膿汁などへの移行は次表のとおりスルバクタム及びアンピシリンとも良好であることが認められた。
体液・組織への移行
→図表を見る(PDF)

16.5 排泄
健常成人6名に本剤0.75g(力価)又は1.5g(力価)を静注した時の投与後0~1時間の尿中濃度(平均値)は、0.75g投与でスルバクタム約2,000μg/mL及びアンピシリン約4,000μg/mL、1.5g投与でスルバクタム約4,000μg/mL及びアンピシリン約10,000μg/mLと、高い値を示した。投与後24時間までのスルバクタム、アンピシリンの累積尿中排泄率は0.75g投与、1.5g投与ともスルバクタム、アンピシリンいずれも約80%であった。スルバクタム、アンピシリンともほとんど代謝されず未変化体として主に尿中に排泄される。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)海外の報告によれば、中等度ないし高度腎機能が低下している患者(10例)ではスルバクタム及びアンピシリンのt1/2が延長する。[9.2.1参照]
(2)日本人市中肺炎患者47例(クレアチニンクリアランス(CLcr):34.6~176mL/min)から得られた222点の血漿中スルバクタム及びアンピシリン濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、腎機能(CLcr)はスルバクタム及びアンピシリンのクリアランスの有意な変動因子であり、腎機能(CLcr)の低下によりスルバクタム及びアンピシリンのt1/2は延長し、濃度-時間曲線下面積(AUC)が上昇する傾向が認められた。腎機能が異なる患者に対して次表のとおり投与間隔を調整したとき、いずれの腎機能障害患者においても同様の最高濃度(Cmax)及びAUCの推定値が得られた。[9.2.1参照]
→図表を見る(PDF)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
一般臨床試験及び比較臨床試験が実施され、疾患別臨床効果は次記のとおりである。
これらの症例のうちブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌によるβ‐ラクタマーゼ高度産生菌検出症例における臨床効果は、肺炎・肺化膿症96.7%(29/30)、腹膜炎88.9%(8/9)、膀胱炎89.2%(33/37)であった。
また、12g/日投与時の肺炎に対する有効率は94.6%(35/37)であった。検出菌別の臨床効果は、肺炎球菌で92.3%(12/13)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリスで87.5%(7/8)であった。
疾患別臨床効果
→図表を見る(PDF)

細菌学的検討が行われた1,289株の菌消失率は84.1%(1,084/1,289)でこれを適応菌種に限ると86.9%(423/487)a)の菌消失率、さらにβ‐ラクタマーゼ高度産生株に限ると84.2%(123/146)とほぼ同じ消失率であった。
また、12g/日投与時において細菌学的検討が行われた33株の菌消失率は84.8%(28/33)で、適応菌種に限ると82.8%(24/29)b)、さらにβ‐ラクタマーゼ高度産生株に限ると87.5%(7/8)の菌消失率であった。
すなわち、β‐ラクタマーゼ高度産生株に対しても低度産生株や非産生株に対するのと同程度の効果を発揮することが示された。
用量別細菌学的効果
→図表を見る(PDF)

a:ブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌
b:aに加えて肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス

18.1 作用機序
本剤は、スルバクタムがβ‐ラクタマーゼのIc、II、III及びIV型を強く、Ia及びV型を軽度に不可逆的に不活化するため、アンピシリンがこれらの酵素により加水分解されることを防ぎ、アンピシリン耐性菌にも抗菌力を示す。アンピシリンは、細菌のペプチドグリカン架橋形成を強く阻害して細胞壁合成を妨げ、殺菌的に作用する。
18.2 抗菌作用
18.2.1 本剤は、ブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌のβ‐ラクタマーゼ産生・アンピシリン耐性菌及び肺炎球菌に対し、強い抗菌力を示す(in vitro試験)。
18.2.2 本剤は、β‐ラクタマーゼ高度産生のブドウ球菌属、大腸菌、又はプロテウス属によるマウス単一感染モデルにおいて、アンピシリンより強い治療効果を示す。
また、β‐ラクタマーゼ高度産生のアンピシリン耐性インフルエンザ菌とアンピシリン感受性肺炎球菌のマウス混合感染モデルにおいてアンピシリンより強い治療効果を示す。

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