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シルガード9水性懸濁筋注シリンジ

販売名
シルガード9水性懸濁筋注シリンジ
薬価
0.5mL1筒 0.00円
製造メーカー
MSD

添付文書情報2023年03月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
ウイルスワクチン類
一般名
組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
接種不適当者予防接種を受けることが適当でない者
2.1. 明らかな発熱を呈している者。
2.2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.3. 本剤の成分に対して過敏症を呈したことがあることが明らかな者。
2.4. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
効能・効果
ヒトパピローマウイルス6型、ヒトパピローマウイルス11型、ヒトパピローマウイルス16型、ヒトパピローマウイルス18型、ヒトパピローマウイルス31型、ヒトパピローマウイルス33型、ヒトパピローマウイルス45型、ヒトパピローマウイルス52型及びヒトパピローマウイルス58型の感染に起因する次の疾患の予防:子宮頸癌<扁平上皮癌>及び子宮頸癌<腺癌>及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍1(CIN1)、子宮頸部上皮内腫瘍2(CIN2)及び子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)並びに子宮頸部上皮内腺癌(AIS))、外陰上皮内腫瘍1(VIN1)、外陰上皮内腫瘍2(VIN2)及び外陰上皮内腫瘍3(VIN3)並びに腟上皮内腫瘍1(VaIN1)、腟上皮内腫瘍2(VaIN2)及び腟上皮内腫瘍3(VaIN3)、尖圭コンジローマ。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. HPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌又はその前駆病変等の予防効果は確認されていない。
5.2. 接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。
5.3. 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
5.4. 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
用法・用量
9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射する。通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。
9歳以上15歳未満の女性は、初回接種から6~12ヵ月の間隔を置いた合計2回の接種とすることができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 接種間隔
7.1.1. 9歳以上の女性に合計3回の接種をする場合、1年以内に3回の接種を終了することが望ましい(本剤の2回目及び3回目の接種が初回の2ヵ月後及び6ヵ月後にできない場合、2回目接種は初回から少なくとも1ヵ月以上、3回目接種は2回目から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施する)。
7.1.2. 9歳以上15歳未満の女性に合計2回の接種をする場合、13ヵ月後までに接種することが望ましい(なお、本剤の2回目の接種を初回接種から6ヵ月以上間隔を置いて実施できない場合、2回目の接種は初回接種から少なくとも5ヵ月以上間隔を置いて実施すること)。
9歳以上15歳未満の女性への2回目の接種が初回接種から5ヵ月後未満であった場合、3回目の接種を実施すること(この場合、3回目の接種は2回目の接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施すること)。
7.2. 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.1.1参照〕。
肝機能障害を有する者
8.1. 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保つよう指導すること。また、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合は、速やかに医師へ連絡するよう指導すること。
8.4. ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
8.5. 発生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛(激しい筋肉痛、激しい関節痛、激しい皮膚の痛み等)、しびれ、脱力等があらわれ、長期間症状が持続する例が報告されているため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと。
8.6. 本剤と他のHPVワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応及び有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1. 血小板減少症や凝固障害を有する者:本剤接種後に出血があらわれるおそれがある。
9.1.2. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.3. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
9.1.4. 過去に痙攣の既往のある者。
9.1.5. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者:免疫抑制療法、遺伝的欠損、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染あるいは他の要因のいずれかによる免疫応答障害を有する被接種者は、能動免疫の抗体産生反応が低下することがある。また、HIV感染患者に対する本剤の安全性、免疫原性及び有効性は十分に評価されていない〔10.2参照〕。
9.1.6. 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者。
9.1.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.2参照〕。
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:免疫抑制剤(コルチコステロイド、代謝拮抗剤、アルキル化剤、細胞毒性剤)〔9.1.5参照〕[抗体産生反応が低下する可能性がある(本剤は、被接種者に抗原を接種し、抗体を産生させることを目的としているが、免疫抑制剤等により、免疫機能が低下することから、これらの薬剤との併用では、十分な免疫応答が得られないおそれがある)]。
副作用
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副反応11.1.1. 過敏症反応(アナフィラキシー(頻度不明*)、気管支痙攣(頻度不明*)、蕁麻疹(頻度不明*)等)。
11.1.2. ギラン・バレー症候群(頻度不明*):四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射減弱ないし腱反射消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.3. 血小板減少性紫斑病(頻度不明*):紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の異常が認められた場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明*):接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、痙攣、運動障害、意識障害等があらわれることがあるので、本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
*本剤又はガーダシルの自発報告で認められた副反応。
11.2. その他の副反応1). 感染症及び寄生虫症:(0.5~1%未満)上咽頭炎、インフルエンザ、(頻度不明*)蜂巣炎。
2). 血液及びリンパ系障害:(頻度不明*)リンパ節症。
3). 神経系障害:(10%以上)頭痛、(1~10%未満)浮動性めまい、(頻度不明*)感覚鈍麻、失神(強直間代運動を伴うことがある)。
4). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1~10%未満)口腔咽頭痛。
5). 胃腸障害:(1~10%未満)悪心、下痢、(0.5~1%未満)嘔吐、上腹部痛、腹痛。
6). 筋骨格系及び結合組織障害:(0.5~1%未満)筋肉痛、関節痛、(頻度不明*)四肢痛。
7). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)注射部位疼痛(89.8%)、注射部位腫脹(39.4%)、注射部位紅斑(33.7%)、(1~10%未満)注射部位そう痒感、発熱、疲労、注射部位内出血、注射部位腫瘤、(0.5~1%未満)注射部位出血、注射部位血腫、注射部位熱感、倦怠感、注射部位硬結、注射部位反応、注射部位知覚低下、無力症、(頻度不明*)悪寒、注射部位知覚消失。
*本剤又はガーダシルの自発報告で認められた副反応。
発現頻度は臨床試験(001試験、008試験及び066試験)に基づき算出した。
高齢者
45歳を超える成人を対象とした臨床試験は実施していない。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること〔9.1.7参照〕。
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤及び本剤に対する抗体がヒト乳汁中へ移行するかは不明である)。
小児等
9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤接種時の注意14.1.1. 接種時(1). 誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので、使用してはならない。
(2). 冷蔵庫から取り出して室温に戻し、使用前には十分に振り混ぜ均等にし、できるだけ速やかに使用すること。
(3). 使用前には異常な混濁、着色、異物の混入その他の異常がないかを確認し、異常を認めたものは使用しないこと。
(4). 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.2参照〕。
(5). 注射針は被接種者毎に取り換えること。
(6). 注射針の先端が血管内に刺入していないことを確認すること。
(7). 「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ使用方法」に従い接種準備を行うこと。
14.1.2. 接種部位(1). 本剤は筋肉内注射のみに使用し、皮下注射又は静脈内注射はしないこと。
(2). 接種部位は、通常、上腕の三角筋部とし、当該部位への接種が困難な場合は、大腿前外側部への接種を考慮すること。臀部には接種しないこと。
(3). 接種部位はアルコールで消毒し、同一部位に反復して接種することは避けること。
(4). 筋肉内注射に当たっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。
・ 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
・ 神経走行部位を避けること。
・ 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同後期第II相/第III相試験(001試験)
16~26歳の女性14,215例(本剤群:7,106例、ガーダシル群:7,109例)を対象とした無作為化ガーダシル対照二重盲検試験を行い、本剤の有効性、免疫原性及び安全性を評価した。本試験には日本人女性254例(本剤群:127例、ガーダシル群:127例)が組み入れられた。
(1)予防効果
有効性の解析は、1年以内に本剤接種を3回とも受け、治験実施計画書からの重大な逸脱がなく、また該当する各HPV型に対して、初回接種前に未感染(PCR陰性及び血清反応陰性)であり、かつ初回接種前から3回目接種の1ヵ月後(7ヵ月時)にわたり、PCR陰性の状態を維持した被験者[Per‐Protocol Efficacy(PPE)]集団で行った。有効性の評価は7ヵ月時の来院の後から実施された。本試験のフォローアップ期間の中央値は3回接種後43ヵ月、最大値は3回接種後67ヵ月であった。
・HPV31、33、45、52及び58型関連の予防効果
全集団における主要評価項目のHPV31、33、45、52及び58型に関連したグレード2以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2/3)、上皮内腺癌(AIS)、外陰上皮内腫瘍(VIN2/3)及び腟上皮内腫瘍(VaIN2/3)の発生率の低下に、本剤は有効であった(表1)。日本人集団でこれらの病変の発生は、本剤群及びガーダシル群共に認められなかった。
全集団におけるHPV31、33、45、52及び58型に関連したグレード1の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN1)、グレード2以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2/3)又は上皮内腺癌(AIS)、並びにグレード1以上の外陰上皮内腫瘍(VIN1/2/3)、腟上皮内腫瘍(VaIN1/2/3)又は尖圭コンジローマの各病変の発生率の低下に、本剤は有効であった(表1)。また、日本人集団でHPV31、33、45、52及び58型に関連したCIN1/2/3、AIS、VIN1/2/3、VaIN1/2/3又は尖圭コンジローマの発生例数は本剤群で0例(観察人年:376.6)、ガーダシル群で2例(観察人年:384.6)であった。
表1 HPV31/33/45/52/58型に対する予防効果注1)(001試験:全集団成績)
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・HPV6、11、16及び18型関連の予防効果
PPE解析対象集団において、全集団におけるHPV6、11、16及び18型に関連したCIN1/2/3、AIS、VIN1/2/3及びVaIN1/2/3、尖圭コンジローマの発生率は本剤群及びガーダシル群共に低かった(表2)。日本人集団でこれら病変の発生は両群共に認められなかった。
表2 HPV6/11/16/18型に関連した生殖器疾患発生率注2)(001試験:全集団成績)
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(2)免疫原性
事前に規定した期間内に本剤接種を3回とも受け、6ヵ月時と7ヵ月時の来院の間隔が事前に規定した基準を満たし、治験実施計画書からの重大な逸脱がなく、また該当する各HPV型に対して、初回接種前に未感染(血清反応陰性)であり、初回接種前から3回目接種の1ヵ月後(7ヵ月時)にわたりPCR陰性の状態を維持した被験者[Per‐Protocol Immunogenicity(PPI)]集団を対象として免疫原性を評価した。
16~26歳の女性13,587例(本剤群:6,792例、ガーダシル群:6,795例)におけるHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の抗体価を評価した。本剤3回目接種1ヵ月後の各HPV型の各抗体価の幾何平均(GMT)は全集団と日本人集団で同程度であった(表3)。また、本剤3回目接種1ヵ月後の各HPV型の抗体陽転率注3)は全集団において99.6~100%の範囲であり、日本人集団ではすべてのHPV型について100%であった。
注3)抗体陽転率は、各HPV型のVLP特異的抗体が、初回接種前に陰性から接種後に陽性となった被接種者の割合を示すもので、HPV感染に対する予防効果を示す被接種者の割合ではない。なお、各HPV型のVLP特異的抗体はcLIA法で測定した。
表3 各HPV型のGMT(001試験)注4)
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PPI解析対象集団において、本剤3回目接種1ヵ月後のHPV6、11、16及び18型のGMTはガーダシルに対して非劣性であった(表4)。日本人集団においても同様の結果であった(表4)。また、HPV6、11、16及び18型のGMTは本剤とガーダシルで少なくとも42ヵ月、同程度であった。
表4 各HPV型(HPV6/11/16/18型)のGMTの比較(Month 7)注5) 本剤群とガーダシル群の比較
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(3)免疫反応の持続性
16~26歳の女性では、少なくとも5年の抗体反応の持続性が示された。3回接種後5年のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型に対する抗体陽性率注7)は78~100%の範囲であった。試験終了まで各HPV型に対する抗体反応に関係なくすべての被接種者において有効性は持続した(最大3回接種後67ヵ月まで、中央値43ヵ月)。
注7)抗体陽性率は、各HPV型のVLP特異的抗体が陽性であった被接種者の割合を示すもので、HPV感染に対する予防効果を示す被接種者の割合ではない。なお、各HPV型のVLP特異的抗体はcLIA法で測定した。
(4)安全性
注射部位の副反応は、本剤接種後5日間に7,071例中6,414例(90.7%)に認められ、主なものは疼痛6,356例(89.9%)、腫脹2,830例(40.0%)、紅斑2,407例(34.0%)、そう痒感388例(5.5%)、内出血137例(1.9%)、腫瘤90例(1.3%)、出血69例(1.0%)であった。また、ガーダシル接種後5日間に7,078例中6,012例(84.9%)に認められ、主なものは疼痛5,910例(83.5%)、腫脹2,035例(28.8%)、紅斑1,810例(25.6%)、そう痒感282例(4.0%)、内出血134例(1.9%)であった。全身性の副反応は、本剤接種後15日間に7,071例中2,090例(29.6%)に認められ、主なものは頭痛1,033例(14.6%)、発熱357例(5.0%)、悪心312例(4.4%)、浮動性めまい211例(3.0%)、疲労166例(2.3%)、下痢87例(1.2%)、口腔咽頭痛73例(1.0%)、筋肉痛69例(1.0%)であった。
日本人においては、注射部位の副反応は、本剤接種後5日間に127例中104例(81.9%)に認められ、主なものは疼痛104例(81.9%)、腫脹57例(44.9%)、紅斑51例(40.2%)、そう痒感12例(9.4%)、出血5例(3.9%)、腫瘤4例(3.1%)、熱感2例(1.6%)、知覚消失2例(1.6%)であった。また、ガーダシル接種後5日間に127例中101例(79.5%)に認められ、主なものは疼痛100例(78.7%)、腫脹53例(41.7%)、紅斑48例(37.8%)、そう痒感14例(11.0%)、熱感4例(3.1%)、不快感3例(2.4%)、内出血2例(1.6%)であった。全身性の副反応は、本剤接種後15日間に127例中15例(11.8%)に認められ、主なものは頭痛5例(3.9%)、発熱4例(3.1%)、悪心3例(2.4%)であった。
17.1.2 国内第III相試験(008試験)
9~15歳の日本人女性100例を対象とした非無作為化、非盲検単群試験を行った。
(1)免疫原性
事前に規定した期間内に本剤接種を3回とも受け、6ヵ月時と7ヵ月時の来院の間隔が事前に規定した基準を満たし、治験実施計画書からの重大な逸脱がなく、また該当する各HPV型に対して、初回接種前に未感染(血清反応陰性)であった被験者(PPI)集団を対象として、免疫原性を評価した。
9~15歳の日本人女性100例を対象として本剤3回目接種1ヵ月後のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型に対する抗体反応を評価し、001試験の日本人集団における本剤3回目接種1ヵ月後の抗体反応と比較した。9~15歳の日本人女性のGMTは、すべての型で16~26歳の日本人女性(001試験)のGMTを上回った。また、本剤3回目接種1ヵ月後の抗体陽転率注3)はすべての型で100%であった。
(2)免疫反応の持続性
9~15歳の日本人女性における免疫反応は本剤初回接種後30ヵ月まで認められている。
(3)安全性
注射部位の副反応は、本剤接種後5日間に100例中95例(95.0%)に認められ、主なものは疼痛93例(93.0%)、腫脹42例(42.0%)、紅斑33例(33.0%)、そう痒感4例(4.0%)、出血3例(3.0%)、熱感3例(3.0%)であった。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間に100例中14例(14.0%)に認められ、主なものは発熱3例(3.0%)、頭痛2例(2.0%)、悪心2例(2.0%)、感覚鈍麻2例(2.0%)、腹痛2例(2.0%)であった。
17.1.3 国内第III相試験(066試験)
9~14歳の日本人女性(105例)を対象に本剤を2回接種(初回及び6ヵ月後)した際の免疫原性及び安全性を評価した。
(1)免疫原性
事前に規定した期間内に本剤接種を2回とも受け、6ヵ月時と7ヵ月時の来院の間隔が事前に規定した基準を満たし、治験実施計画書からの重大な逸脱がなく、また該当する各HPV型に対して、初回接種前に未感染(血清反応陰性)であった被験者(PPI)集団を対象として、免疫原性を評価した。
9~14歳の日本人女性において本剤2回目接種1ヵ月後のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型に対する抗体反応を評価し、001試験の日本人集団における本剤3回目接種1ヵ月後の抗体反応と比較した。9~14歳の日本人女性のGMTは、すべての型で16~26歳の日本人女性(001試験)のGMTを上回った。また、本剤2回目接種1ヵ月後の抗体陽転率注3)はすべての型で100%であった。
(2)安全性
9~14歳の女性において、注射部位の副反応は、本剤接種後5日間に104例中92例(88.5%)に認められ、主なものは疼痛91例(87.5%)、腫脹29例(27.9%)、紅斑20例(19.2%)、そう痒感18例(17.3%)であった。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間に104例中16例(15.4%)に認められ、主なものは発熱7例(6.7%)、頭痛3例(2.9%)であった。
17.1.4 海外第III相試験(010試験)
本剤2回接種(初回及び6ヵ月後)の9~14歳の女性(301例)、本剤2回接種(初回及び12ヵ月後)の9~14歳の女性(151例)及び本剤3回接種の16~26歳の女性(314例)を対象として免疫原性及び安全性を評価した。
(1)免疫原性
事前に規定した期間内に予定された本剤接種を全て受け、最終接種と血清学的検査のための来院の間隔が事前に規定した基準を満たし、治験実施計画書からの重大な逸脱がなく、また該当する各HPV型に対して、初回接種前に未感染(血清反応陰性)であった被験者(PPI)集団を対象として免疫原性を評価した。
本剤を2回接種(初回及び6ヵ月後)した9~14歳の女性における最終接種1ヵ月後のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型のGMTは、本剤を3回接種した16~26歳の女性のGMTに対してすべてのHPV型で非劣性であった。本剤を2回接種(初回及び12ヵ月後)した9~14歳の女性におけるGMTは表5のとおりであった。また、9~14歳の女性において本剤2回目(6ヵ月後又は12ヵ月後)接種1ヵ月後の抗体陽転率注3)は99.3~100%であった。
表5 各HPV型のGMT(最終接種1ヵ月後)(010試験)注8) 2回接種注9)及び3回接種注9)の比較
→図表を見る(PDF)

(2)免疫反応の持続性
本剤を2回接種(初回及び6ヵ月又は12ヵ月後)した9~14歳の女性において3年の抗体反応の持続性が示された。本剤初回接種後36ヵ月においても、本剤を2回接種(初回及び6ヵ月後)した9~14歳女性におけるGMTは、本剤を3回接種した16~26歳女性のGMTに対して最終接種1ヵ月後の時点で非劣性検証に用いた基準を満たした。
(3)安全性
本試験では、本項における本剤の他の臨床試験と異なり、ワクチン日誌を用いた安全性の評価はしておらず安全性の収集方法が異なることから、重篤ではない副反応の頻度は他の臨床試験と比較できない。
注射部位の副反応は、本剤接種後5日間に9~14歳女性の2回接種(初回及び6ヵ月後)で294例中48例(16.3%)、2回接種(初回及び12ヵ月後)で146例中28例(19.2%)及び16~26歳女性の3回接種で313例中85例(27.2%)に認められ(以下、同順)、主なものは9~14歳女性の2回接種(初回及び6ヵ月後)では疼痛41例(13.9%)、硬結5例(1.7%)及び腫脹3例(1.0%)、2回接種(初回及び12ヵ月後)では疼痛23例(15.8%)及び硬結2例(1.4%)、16~26歳女性の3回接種では疼痛75例(24.0%)、腫瘤9例(2.9%)、腫脹9例(2.9%)、浮腫5例(1.6%)及び内出血3例(1.0%)であった。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間に9~14歳女性の2回接種(初回及び6ヵ月後)で294例中16例(5.4%)、2回接種(初回及び12ヵ月後)で146例中8例(5.5%)及び16~26歳女性の3回接種で313例中32例(10.2%)に認められ、主なものは9~14歳女性の2回接種(初回及び6ヵ月後)では浮動性めまい3例(1.0%)、2回接種(初回及び12ヵ月後)では頭痛2例(1.4%)及び発熱2例(1.4%)、16~26歳女性の3回接種では頭痛10例(3.2%)及び発熱4例(1.3%)であった。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 海外第III相試験(021試験)
予防効果の持続性
16~26歳の女性(1,782例)を対象とした001試験のフォローアップ試験では、PPE集団において、3回接種後7.6年(中央値4.4年)までワクチンに含まれるHPV型に関連するCIN2/3の発生は認められなかった。
17.2.2 海外第III相試験(002‐20試験)
(1)予防効果の持続性
9~15歳の女性(872例)を対象とした002試験のフォローアップ試験では、PPE集団において、3回接種後11.0年(中央値10.0年)までワクチンに含まれるHPV型に関連する子宮頸癌、CIN2/3、AIS、VIN2/3、VaIN2/3及び尖圭コンジローマの発生は認められなかった。
(2)免疫反応の持続性
9~15歳の女性では、10年の抗体反応の持続性が示された。3回接種後10年のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型に対する抗体陽性率注7)は80~97%の範囲であった。
17.3 その他
抗体価と長期間にわたる本剤含有HPV型に関連する感染、病変及び疾患の予防効果との相関性については現時点では明確ではない。
17.3.1 海外第III相試験(002試験)
9~26歳の女性2,405例(9~15歳の女性:1,935例、16~26歳の女性:470例)を対象とした試験を行った。
免疫原性
事前に規定した期間内に本剤接種を3回とも受け、6ヵ月時と7ヵ月時の来院の間隔が事前に規定した基準を満たし、治験実施計画書からの重大な逸脱がなく、また該当する各HPV型に対して、初回接種前に未感染(血清反応陰性)であり、さらに16~26歳の女性については初回接種前から3回目接種の1ヵ月後(7ヵ月時)にわたりPCR陰性の状態を維持した被験者(PPI)集団を対象として、免疫原性を評価した。
9~15歳の女性(648例)及び16~26歳の女性(470例)を対象として本剤のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型に対する抗体反応を評価した。本剤3回目接種1ヵ月後の各HPV型の抗体陽転率注3)は9~15歳では99.8~100%の範囲で、16~26歳では99.5~100%の範囲であり、すべての型で、9~15歳の女性のGMTが16~26歳の女性のGMTを上回った。
17.3.2 海外第III相試験(006試験)
過去にガーダシルを接種した12~26歳の女性924例(本剤群:618例、ガーダシル群:306例)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行った。ガーダシルの最終接種から本剤の初回接種までの間隔は約12~36ヵ月であった。
免疫原性
事前に規定した期間内に本剤接種を3回とも受け、6ヵ月時と7ヵ月時の来院の間隔が事前に規定した基準を満たし、治験実施計画書からの重大な逸脱がなかった被験者(Modified PPI)集団を対象として、免疫原性を評価した。本剤を接種された解析対象集団の3回目接種1ヵ月後のHPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型に対する抗体陽性率注7)は98.3~100%の範囲であった。
17.3.3 妊娠に対する影響
妊娠中の女性を対象として対照群を設けて適切に実施された試験はない。しかし、国際共同試験及び外国の臨床試験において、妊娠の転帰が判明している女性(人工妊娠中絶を除く)のうち、自然流産、後期胎児死亡又は先天異常であった妊娠の割合は、本剤群では12.9%(174/1,353件)、ガーダシル群では14.4%(187/1,303件)であった。これらの割合は一般に認められる割合と同程度であった。
さらに、推定受胎日が本剤又はガーダシル接種の30日以内と30日を超えた場合に分けて妊娠を評価するため、サブ解析を実施した。推定受胎日が接種後30日以内の妊娠では、本剤及びガーダシル群において先天異常は認められなかった。一方、推定受胎日が接種より30日を超えた妊娠では、本剤群において30例、ガーダシル群で23例の先天異常が認められた。観察された先天異常の種類は、接種と妊娠の時間的関係にかかわらず、一般に認められるものと一致した。

18.1 作用機序
本剤はヒトパピローマウイルスのL1たん白質からなるウイルス様粒子(VLP)を含有する。このVLPは野生型ウイルス粒子に類似したたん白質粒子であるが、ウイルス由来のDNAを含まないため、細胞への感染能及び増殖能はない。このたん白質粒子はHPVに関連した疾病の原因にはならない。HPVはヒトにのみ感染するが、ヒト以外の動物のパピローマウイルスを用いた試験から、VLPワクチンは液性免疫を惹起することにより、その効果を発揮すると考えられる。

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