エイフスチラ静注用500

添付文書情報2019年12月改定(第5版)
商品情報
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- 効能・効果
- 血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制。
- 用法・用量
- 本剤を添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内に注射する。
1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。
定期的に投与する場合、体重1kg当たり20~50国際単位を週2回又は週3回投与する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.体重1kg当たり本剤1国際単位(IU)を投与することにより、循環血漿中の血液凝固第8因子活性が2%(2IU/dL)上昇することが見込まれる。必要とされる投与量は、次の計算式に基づいて算出する。
必要量(IU)=体重(kg)×血液凝固第8因子の目標上昇値(%又はIU/dL)×0.5[(IU/kg)/(IU/dL)]。
本剤投与中に血漿中の血液凝固第8因子活性を凝固一段法で測定する場合は、得られた血液凝固第8因子レベルに換算係数2を乗じた値に基づき、患者の目標上昇値を算出する。
2.出血時又は周術期に投与する場合は、次に示す血液凝固第8因子活性を下回らないよう、投与量及び投与間隔を調節する。
1).出血:
(1).早期の関節内出血、筋肉内出血又は口腔内出血:必要な血液凝固第8因子レベル20~40(%又はIU/dL)、投与頻度は12~24時間おきに、治療期間は出血症状消失まで。
(2).より進行した関節内出血、筋肉内出血又は血腫:必要な血液凝固第8因子レベル30~60(%又はIU/dL)、投与頻度は12~24時間おきに、治療期間は出血症状消失まで。
(3).生命を脅かす出血:必要な血液凝固第8因子レベル60~100(%又はIU/dL)、投与頻度は8~24時間おきに、治療期間は出血症状消失まで。
2).手術:
(1).小手術(抜歯を含む):必要な血液凝固第8因子レベル30~60(%又はIU/dL)、24時間おきに追加投与する。治癒が得られるまで最低1日間は投与する。
(2).大手術:必要な血液凝固第8因子レベル80~100(%又はIU/dL)(手術前後)、8~24時間おきに十分な創傷治癒が得られるまで追加投与する。引き続き最低7日間は、血液凝固第8因子活性を30~60%(IU/dL)に維持できるよう追加投与する。
- 慎重投与
- 1.本剤の成分に対し過敏症又はハムスター由来蛋白質に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.他の血液凝固第8因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 重要な基本的注意
- 1.本剤の投与は、血友病の治療経験を持つ医師のもとで開始する。
2.本剤の投与によりアナフィラキシーを含むアレルギー反応が現れる恐れがあるので、観察を十分に行う。
3.患者の血中に血液凝固第8因子に対するインヒビター発生する恐れがある。特に、血液凝固第8因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビター発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第8因子回収率や血液凝固第8因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行う。
4.十分な血液凝固第8因子活性に到達・維持していることを確認するため、必要に応じ、血漿中血液凝固第8因子活性をモニタリングする。なお、本剤の活性(力価)は発色合成基質法により決定されているため、凝固一段法により本剤投与後の血漿中血液凝固第8因子活性を測定した場合、測定結果が見かけ上低値を示すことが確認されている。本剤による治療中に血漿中血液凝固第8因子活性を凝固一段法によりモニタリングする場合は、得られた血液凝固第8因子レベルに換算係数2を乗じた値を用いる。
5.本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合のみに適用する。本剤を在宅自己注射で処方する際には、使用
方法等の患者教育を十分に実施したのち、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施する。また、患者又はその家族に対し本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には速やかに医療機関へ連絡するよう指導する。在宅自己注射適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行う。
- 副作用
- 治療歴のある0~65歳の血友病A患者を対象とした国際共同第1/3相臨床試験及び海外第3相臨床試験において、安全性解析対象258例(日本人10例を含む)中14例(5.4%、日本人1例を含む)に副作用が認められた。その主な副作用は、過敏症3例(1.2%)、浮動性眩暈2例(0.8%)であった(承認時)。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明):他の凝固因子製剤においてアナフィラキシー関連事象が報告されており、ショック、アナフィラキシー関連事象が現れる可能性があるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、胸部不快感、喘鳴、低血圧、血管浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用
1).呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)呼吸困難。
2).神経系障害:(1%未満)浮動性眩暈、錯感覚。
3).皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、紅斑、皮膚そう痒症。
4).一般・全身障害及び投与部位の状態:(1%未満)発熱、注射部位疼痛、悪寒、熱感。
5).血液及びリンパ系障害:(頻度不明)インヒビター発現[治療歴のない患者でインヒビターの発現が報告されている]。
- 高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、生殖発生毒性試験は実施していない]。
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させる[授乳中の投与に関する安全性は確立していない]。
- 小児等への投与
- 0~12歳未満の小児では、体重当たりのクリアランスが高値であり、通常よりも高い投与量及び頻回の投与が必要となる可能性があるため、投与量及び投与頻度の調整について適宜検討する。
- 取扱い上の注意
- 1.調製時:1).本剤及び添付溶解液を冷所保存している場合、調製前に室温に戻しておく。
2).添付の溶解液以外は使用しない。本剤に溶解液全量を加えた後、バイアルを静かに円を描くように回して溶解する(激しく振盪しない)。
3).他剤との混合は避ける。
4).使用後の残液は、細菌汚染の恐れがあるので使用しない。
2.投与時:1).溶解液を更に希釈しない。
2).微粒子又は変色の有無を投与前に目視検査する(濁り又は沈殿のある薬液は使用しない)。
3).一度溶解した液は25℃以下で4時間保存することができ、4時間以内に使用されない場合は、廃棄する。
3.在宅自己注射:1).患者が家庭で保管する場合は、冷蔵庫内で保存することが望ましく、25℃以下で保存することもできるが、この場合は使用期限を超えない範囲で3カ月以内に使用し、再び冷蔵庫に戻さないように指導する。
2).子供による誤用等を避けるため、薬剤の保管に十分注意する。
3).光の影響を防ぐために、薬剤バイアルは外箱に入れた状態で保存する。
4).使用後の残液や医療機器は施設の指示に従い適切に廃棄する。
本剤は特定生物由来製品ではないが血液製剤代替医薬品であるため、本剤を投与又は処方した場合は医薬品名(販売名)、製造番号、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者氏名、住所等を記録し少なくとも20年間保存する。
- その他の注意
- 本剤はvon Willebrand因子を含んでいない。
1.成人/青年(日本人及び外国人)
12歳以上の血友病A患者(血液凝固第VIII因子活性1%未満)を対象とし、本剤50IU/kgを単回投与した際の薬物動態パラメータ(発色合成基質法で測定)は次のとおりであった。
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2.小児(外国人)
12歳未満の血友病A患者(血液凝固第VIII因子活性1%未満)を対象として、本剤50IU/kgを単回投与した際の薬物動態パラメータ(発色合成基質法で測定)は次のとおりであった。
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3.測定法による血液凝固第VIII因子活性値への影響
本剤投与後の血漿中血液凝固第VIII因子活性について、測定法(凝固一段法又は発色合成基質法)による測定値の相違を検討したところ、凝固一段法による測定値は発色合成基質法による測定値と比べて約45%低い値であった。
1.定期的な投与に関する有効性
治療歴のある12~65歳の血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性1%未満)175例(日本人患者10例を含む)を対象とした国際共同第I/III相臨床試験において、本剤の定期的な投与を受けた群と出血時の投与を受けた群の自然出血の年間出血回数は次のとおりであった。なお、定期的な投与は、20~40IU/kgを1日おき、20~50IU/kgを週2~3回、又は被験者の状況に基づき治験責任医師が判断した用量及び頻度で行われ、146例中126例(86%)が週2~3回の投与を受けた。
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また、治療歴のある12歳未満の血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性1%未満)84例(0歳以上6歳未満:35例、6歳以上12歳未満:49例)を対象とした海外第III相臨床試験において、本剤の定期的な投与を受けた群と出血時の投与を受けた群の自然出血の年間出血回数は次のとおりであった。なお、定期的な投与は、15~50IU/kgを1日おき又は週2~3回、もしくは被験者の状況に基づき治験責任医師が判断した用量及び頻度で行われ、80例中67例(84%)が週2~3回の投与を受けた。
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2.出血時の止血効果
12歳以上の患者での出血848件のうち、93.5%(793/848件)は本剤1回又は2回の投与で止血した。また、止血効果は92.3%(783/848件)が「著効」又は「有効」であった。
12歳未満の小児患者においては、出血347件のうち、95.7%(332/347件)は本剤1回又は2回の投与で止血した。また、止血効果は96.3%(334/347件)が「著効」又は「有効」であった。
3.周術期管理
13例の患者において16件の外科手術が実施され、止血効果は「著効」15件、「有効」1件であった。
1.作用機序
本剤は単鎖型血液凝固第VIII因子であり、完全長血液凝固第VIII因子に存在するBドメインの大部分が欠失した構造を有し、活性化されると内因性の完全長血液凝固第VIII因子から生じる活性型血液凝固第VIII因子(FVIIIa)と同一のアミノ酸配列を有する。
2.主な非臨床成績
血友病Aマウス(FVIIIノックアウト:FVIII‐KO)の尾出血モデルにおいて、止血効果が認められた。血友病Aマウスにおいて、トロンビン生成の改善及び活性化部分トロンボプラスチン時間の短縮が認められた。
- 製造販売会社
- CSLベーリング
- 販売会社
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