睡眠導入剤（向精神薬）

投稿日：2021/12/01 23:17

　ゾルピデム酒石酸塩とブロチゾラムで成分が異なる処方であれば、保険医療機関及び保険医療養担当規則第二十条（診療の具体的方針）＞二　投薬＞ヘ

ヘ　投薬量は、予見することができる必要期間に従つたものでなければならないこととし、厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬については当該厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬ごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする。

に規定された「厚生労働大臣が定める内服薬ごとに・・・」を満たしているから大丈夫としたいのでしょうか・・・。


　気になる点として以下の３つがあります。

１．ご質問の患者は過去にレンドルミン錠0.125㎎（ブロチゾラム）を服用したことがありますか？仮にレンドルミン錠0.125㎎を服用したことがないならば、貴院が休診期間中に新しい薬を飲むことになりますが、それに対して不安はないのでしょうか？


２．ゾルピデム酒石酸塩は「超短時間型(半減期が2～4時間程度)」、ゾルピデムは「短時間型(半減期が6～12時間程度)」と作用時間に違いがあります。ゾルピデム酒石酸塩の不足分として作用時間に違いがあるブロチゾラムを処方することに問題はないのでしょうか？


３．仮にご質問にあるような処方をした場合、処方箋には

　Ｒｐ１．ゾルピデム酒石酸塩錠10mg　１錠
　　　　　１回１錠 １日１回 就寝前に服用　３０日分

　Ｒｐ２．レンドルミン錠0.25mg　　　１錠
　　　　　１回１錠　不眠時　　　　　　　　　５回分

と記載されますが、この処方ですと「ゾルピデム酒石酸塩錠10mg１錠を服用後、眠れない場合はレンドルミン錠0.25mg１錠をさらに服用しても良い」という指示になり得ますが問題ないのでしょうか？
　おそらく、調剤薬局から疑義紹介が入ると思いますが、医師が問題ないと回答すればそのまま調剤されます。


　ゾルピデム酒石酸塩、ブロチゾラムの最大投与日数が３０日分に制限されているのには、そうしなければならない理由があります。であるならば、ご質問にあるような姑息手段ではなく、年末休診日前に受診しなければ薬は処方できないことを患者に説明して、受診勧奨すべきと考えます。