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労災非指定病院での算定方法について

労災非指定病院での算定方法について

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非労災非指定病院でも1点12円での計算や、初診料などは労災特掲料金での算定でできるのでしょうか。

回答

ご質問文だけでは、状況把握(自由診療?7号用紙での処理?等)が難しいのですが、下記過去に兵庫県保険医協会でQ&Aで示されております。ご参考までに。

http://www.hhk.jp/member/hoken-seikyu-qa/ika/110225-070000.php

 「自由診療」とは「医療機関が治療費を自由に決めて、医療機関と患者の契約のもと行われる診療」のことをいいます。
 しかし、労災診療における労災非指定医療機関での診療については「自由診療」ではなく、「労災診療費算定マニュアル 令和2年6月版 厚生労働省労働基準局補償課」(https://www.mhlw.go.jp/content/000763878.pdf)の「Ⅰ 労災診療費算定基準(令和2年6月1日以降の診療)と留意点」にて以下のように規定されています。

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Ⅰ 労災診療費算定基準(令和2年6月1日以降の診療)と留意点

 労災診療費は、原則として、健康保険の診療報酬点数表(以下「健保点数表」という。)にしたがって算定しますが、次に掲げる項目については、労災保険独自の算定基準を定めていますので、この取扱いにしたがって、労災診療費を算定して下さい。
 なお、療養の費用を支給する場合(非指定医療機関に受診した場合)の支給限度額の算定についても、下記の取扱いに準じて行います。

1 診療単価
 診療単価は、12円とします。ただし、以下に係るものについては、11円50銭とします。(円未満の端数切り捨て)
(1)国及び法人税法(昭和 40 年 3 月 31 日法律第 34 号)第2条第5号に規定する公共法人
(2)法人税法第2条第6号に規定する公益法人等であって、法人税法施行令(昭和 40 年 3 月 31 日政令第 97 号)第5条第 29 号に掲げる医療保健業を行うもの
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 この規定より、診療単価は「1点=12円」(かーりー さんの医療機関はこれに該当すると思われます)、もしくは「1点=11.5円」で算定するものであり、決して「自由診療」ではありませんのでご注意ください。なお、厚生労働省が定める「労災診療費算定基準」で金額で定められている初診料、再診料等はその金額で算定します。

 また、労働者が業務が原因でケガをし、労災指定医療機関ではない医療機関を受診した場合の取扱いについては、公益財団法人労災保険情報センターのサイトにある「労災保険給付請求手続き」(https://www.rousai-ric.or.jp/tabid/534/Default.aspx)の問2で以下のように説明されています。
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問2「仕事中にケガをした場合 非労災指定医療機関の場合」
 仕事中に、業務が原因でケガをしてしまい、救急車で「労災指定」されていない医療機関に運ばれ、治療費を全額負担するように言われました。労災保険への請求はどのようにすればよいのでしょうか。

答 業務が原因でケガをし、労災指定医療機関ではない医療機関で受診した場合には、健康保険が使えないため、全額を自己負担した上で、労災保険に請求することになります。請求は、「療養給付たる療養の費用請求書」(様式第7号(1))を被災労働者の所属事業場を管轄する労働基準監督署へ提出します。
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 したがって、労災非指定医療機関は被災労働者が労働基準監督署で受け取ってきた「療養給付たる療養の費用請求書」(様式第7号(1))に必要事項を記載し、被災労働者を通じて被災労働者の所属事業場を管轄する労働基準監督署へ提出します。

 被災労働者の診療については労災指定医療機関であるかどうかに関係なく、厚生労働省が定める「労災診療費算定基準」に則って算定する必要があります。労災非指定医療機関だからといって「労災診療費算定基準」を知らなくても良いという訳ではありません。

 なお、被災労働者やその雇用者(事業主)が労災診療ではなく「自由診療」を求めたり、「療養給付たる療養の費用請求書」(様式第7号(1))の提出を拒んだりする場合は「労災隠し」の疑いがあります。「労災隠し」は労働安全衛生法第100条及び第120条違反という犯罪です。「労災隠し」に医療機関が加担することがないようご注意ください。

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