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ミリスロール注5mg/10mL

販売名
ミリスロール注5mg/10mL
薬価
5mg10mL1管 376.00円
製造メーカー
日本化薬

添付文書情報2023年11月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
冠血管拡張剤
一般名
ニトログリセリン注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある]。
2.3. 高度貧血の患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある]。
2.4. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用
を有する薬剤投与中(リオシグアト)の患者〔10.1参照〕。
効能・効果
1). 手術時の低血圧維持。
2). 手術時の異常高血圧の救急処置。
3). 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)。
4). 不安定狭心症。
用法・用量
本剤は、注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液、乳酸リンゲル液等で希釈し、ニトログリセリンとして0.005~0.05%(1mL当たり50~500μg)溶液を点滴静注する。
本剤は、通常1分間に体重1kg当たりニトログリセリンとして、効能又は効果ごとに次に基づき投与する。
1). 手術時の低血圧維持:1~5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
2). 手術時の異常高血圧の救急処置:0.5~5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
3). 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む):0.05~0.1μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的とする血行動態を得るまで血圧、左心室充満圧などの循環動態をモニターしながら5~15分ごとに0.1~0.2μg/kg/分ずつ増量し、最適点滴速度で維持する。
4). 不安定狭心症:0.1~0.2μg/kg/分の投与量で投与を開始し、発作の経過及び血圧をモニターしながら約5分ごとに0.1~0.2μg/kg/分ずつ増量し、1~2μg/kg/分で維持する。効果がみられない場合には20~40μg/kgの静注を1時間ごとに併用する。なお、静注する場合は1~3分かけて緩徐に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セットに吸着されるので、本剤点滴時にはガラス製、ポリエチレン製又はポリプロピレン製の輸液容器を使用すること。また、輸液セットへの吸着は点滴速度が遅い程及び輸液セットの長さが長くなる程吸着率が大きくなるので注意すること〔14.2.1参照〕。
7.2. 用法及び用量のうち急性心不全及び不安定狭心症については吸着のない輸液セットを使用した場合の用法及び用量であり、従って塩化ビニル製の輸液セットを用いる場合には多量を要することがあるので注意すること。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の作用には個人差がみられるので、本剤投与中は並行して必ず血圧のモニターを行うこと。急性心不全に対して本剤を用いる場合にはSwan-Ganzカテーテル等を使用し、肺動脈拡張期圧、肺動脈楔入圧等の血行動態をモニターしながら投与すること。また、循環機能検査、動脈血検査、尿量の検査をあわせて行うなど、患者の全身状態を十分に管理しながら投与すること〔8.2、8.3、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の過剰投与により血圧が低下し過ぎた場合には投与を中止すること(また、速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること)〔8.1、8.3、11.1.1参照〕。
8.3. 手術後は、患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと〔8.1、8.2、11.1.1参照〕。
9.1.1. メトヘモグロビン血症の患者:メトヘモグロビン血症をさらに悪化させるおそれがある。
9.1.2. 頭部外傷又は脳出血の患者:頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。
9.1.3. 著しく血圧の低い患者:血圧低下をさらに悪化させるおそれがあるので、必要ならばドパミン塩酸塩等の昇圧剤を併用すること。
肝機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。
相互作用
10.1. 併用禁忌:1). ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩<バイアグラ、レバチオ>、バルデナフィル塩酸塩水和物<レビトラ>、タダラフィル<シアリス、アドシルカ、ザルティア>)〔2.4参照〕[併用により、降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認し、また、本剤投与中及び投与後においてホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意すること(本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
2). グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト<アデムパス>)〔2.4参照〕[併用により、降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認し、また、本剤投与中及び投与後においてグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意すること(本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
10.2. 併用注意:1). パンクロニウム[パンクロニウムの神経筋遮断効果を延長することがある(機序不明)]。
2). 利尿剤、他の血管拡張剤[血圧低下が増強されることがある(ともに血圧低下作用を有する)]。
3). ヘパリン[ヘパリンの作用を減弱するとの報告がある(機序不明)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 急激な血圧低下(3.3%)、心拍出量低下(0.2%)等:急激な血圧低下、心拍出量低下、心拍数増加、投与終了後の遷延性血圧低下、血圧リバウンド現象等があらわれることがあるので、このような副作用があらわれた場合には投与を中止すること(また、速やかに血圧を回復させたい場合には、ドパミン塩酸塩等の昇圧剤を投与すること)〔8.1-8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(0.2~5%未満)頻脈[頻脈は若年者で発現しやすい]、不整脈。
2). 血液:(頻度不明)メトヘモグロビン血症。
3). 呼吸器:(0.2~5%未満)PaO2低下(動脈血酸素分圧低下)。
4). 精神神経系:(0.2~5%未満)頭痛・頭重感。
5). 消化器:(0.2~5%未満)悪心・嘔吐。
6). その他:(0.2%未満)代謝性アシドーシス、脳浮腫、胸部不快感、倦怠感、口内乾燥感、あくび、(頻度不明)乏尿。
高齢者
患者の状態を観察しながら用量に留意して慎重に投与すること(本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、血圧低下等が発現するおそれがある)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている)。
小児等
新生児及び乳幼児はメトヘモグロビン還元酵素活性が低いので、メトヘモグロビン血症を起こしやすい。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤をpH10以上のアルカリ性溶液あるいは還元物質を含む溶液(アスコルビン酸を含む溶液など)で希釈すると、速やかにニトログリセリン含量が低下するので、このような溶液で希釈しないよう注意すること。
14.1.2. 本剤は皮膚につけると、動悸、頭痛が起こることがあるので、直ちに水で洗い流すこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 輸液容器・輸液セット等への吸着:ニトログリセリンは、一般的に使用
されている塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セット等に吸着し、投与量が正確に静脈内に投与されない。吸着率は点滴速度が遅く、投与セットが長い程高くなる。ニトログリセリン濃度は、吸着率の変化に影響を与えない。点滴速度による影響は添付文書の図のとおりで塩化ビニル管120cmでは点滴速度150mL/h(2.5mL/min)以上であれば投与量の80%以上が静脈内に注入される。また、塩化ビニル管の長さが長くなる程吸着率は高くなるので、本剤の使用にあたっては点滴速度、塩化ビニル管の長さに十分注意すること〔7.1参照〕。
本剤は室温で安定であり冷蔵庫に保管する必要はない。凍結は避けること。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
ヒト(術中患者)にニトログリセリン(以下GTN)を静脈内投与(4μg/kg)したとき、未変化体であるGTNの血漿中濃度曲線は2相性を示し、急速に減少した。この際の半減期は、α相が約0.4分及びβ相が約5分であった。
16.1.2 持続投与
ヒト(術中患者)にGTNを100分間静脈内持続注入し、持続注入時及び持続注入終了後のGTN及びグリセリルジニトレート(GDN)を測定した。持続注入終了後のGTNは半減期4.6分で速やかに減少した。また、GDNは、1,2‐GDN、1,3‐GDNともに半減期約35分で緩やかに減少した。
注:GDNはGTNの生体内における脱ニトロ化代謝物

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相/第III相試験
本剤における臨床試験成績の有効率は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は7.8%(63/807例)であった。主な副作用は、血圧低下3.3%(27/807例)、頭痛・頭重感2.0%(16/807例)であった。

18.1 作用機序
ニトログリセリンは直接血管平滑筋に作用し、低用量では静脈の、高用量では静脈及び動脈の拡張作用を示すとされている。その機序として、ニトログリセリンが細胞内で一酸化窒素に変換され、グアニル酸シクラーゼを介してcGMPを増加することにより、細胞外へカルシウムが排出されること及び収縮蛋白のカルシウム感受性が低下することなどが考えられている。
18.2 GTNの人為低血圧効果
ニホンザルを使用し、麻酔下におけるGTNによる人為低血圧効果について検討した。
GTNは生理食塩水で希釈して120μg/mL溶液とし、点滴速度は平均動脈圧を50mmHgに維持するよう適宜調節した。
GTN注入後、動脈圧は速やかに低下し、拡張期圧より収縮期圧の低下の方が大であった。GTN投与中止後の動脈圧の回復は速やかで、投与中止後1時間で投与前値の90%まで戻った。
18.3 GTNの抗高血圧効果
高血圧自然発症ラット(SHR)及び正常血圧ラットを用いて麻酔下におけるGTNの抗高血圧効果について検討した。
GTN(0.3~100μg/kg)の静注はSHRの血圧を用量依存的に低下させた。
正常血圧ラットにおいても同様に降圧効果を示したが3μg/kg以上の用量における血圧の低下率はSHRの方が大きかった。
この結果はGTNが麻酔時の異常血圧上昇に対して有効であることを示すものである。
18.4 GTNの血管系に対する作用
GTNの人為低血圧及び抗高血圧効果はその血管拡張作用に基づくと思われる。この血管拡張作用をより明白にするため、単回静注による各臓器血流量の増大並びに摘出血管における血管拡張効果を検討した。
GTN(3~30μg/kg)の麻酔犬への静注により脳血流量、冠血流量、大腿動脈血流量の増加がみられ、静脈血管拡張作用による静脈還流量の低下がみられた。また、摘出ウサギ大動脈標本及び摘出イヌ冠動脈標本において、GTNはノルアドレナリン及びKClによる収縮を抑制した。
18.5 急性心不全犬における血行動態学的効果
ビーグル犬(9.0~12.0kg)をペントバルビタール麻酔下に僧帽弁腱索切断によって心不全状態とし、これに対するGTNの効果を検討した結果、次の様に各指標を変化させ心機能の改善がみられた。
1)左房圧の低下、2)全末梢血管抵抗の減少、3)心係数の増大、4)太い冠血管(左前下行枝)血流量の増大、5)肺動脈圧の低下
18.6 急性心不全犬に対するドパミンとの併用効果
ビーグル犬(9.0~12.0kg)をペントバルビタール麻酔下に冠動脈結紮し、ドパミン(3~5μg/kg/分)を持続静注して血圧を冠結紮前値に維持しながら、GTN(1及び3μg/kg/分)を併用した結果1μg/kg/分で左房圧、全末梢血管抵抗の改善に加え、心係数もドパミンによる改善傾向を維持した。また、心筋組織血流量は正常部及び虚血部ともに維持された。

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