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エリル点滴静注液30mg

販売名
エリル点滴静注液30mg
薬価
30.8mg2mL1管 1886.00円
製造メーカー
旭化成ファーマ

添付文書情報2023年07月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の循環器官用薬
一般名
ファスジル塩酸塩水和物注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤の臨床試験において、頭蓋内出血(脳内出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳室内出血、頭皮下血腫、くも膜下出血)の発現が認められているので、本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において行うこと(また、本剤の投与に際しては、臨床症状及びコンピューター断層撮影による観察を十分に行い、出血が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)〔2.1、2.2、8.1、11.1.1、17.1.1参照〕。
禁忌
2.1. 出血している患者(頭蓋内出血)〔1.警告の項参照〕。
2.2. 頭蓋内出血の可能性のある患者(出血した動脈瘤に対する十分な止血処置を術中に施すことができなかった患者)〔1.警告の項参照〕。
2.3. 低血圧の患者[本剤の投与により低血圧があらわれることがある]。
効能・効果
くも膜下出血術後の脳血管攣縮および脳血管攣縮に伴う脳虚血症状の改善。
用法・用量
通常、成人には、塩酸ファスジルとして1回30mgを50~100mLの電解質液または糖液で希釈し、1日2~3回、約30分間かけて点滴静注する。
本剤の投与は、くも膜下出血術後早期に開始し、2週間投与することが望ましい。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の投与は、2週間を目安とし、漫然と投与しないこと。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の投与に際しては、臨床症状及びコンピューター断層撮影による観察を十分に行い、頭蓋内出血が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.警告の項、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の投与により低血圧があらわれることがあるので、血圧の変動に注意し、投与速度に注意するなど慎重に投与すること。
9.1.1. 術前から糖尿病を合併している患者、術中所見で主幹動脈に動脈硬化がみられた患者:頭蓋内出血を起こした例がある〔8.1参照〕。
9.1.2. 重篤な意識障害のある患者。
9.1.3. くも膜下出血に重症脳血管障害(モヤモヤ病、巨大脳動脈瘤など)を合併している患者。
腎機能障害患者:低血圧が観察された場合には減量(例えば1回10mg)すること(排泄が遅延して、血中濃度が持続する可能性があり、低血圧が認められることがある)。
肝機能障害患者:代謝が遅延して、血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれる可能性がある。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 頭蓋内出血(1.72%)〔1.警告の項、8.1、17.1.1参照〕。
11.1.2. 消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血(各0.27%)。
11.1.3. ショック(0.02%)。
11.1.4. 麻痺性イレウス(0.04%):観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満感等の症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(0.1~5%未満)低血圧、(0.1%未満)顔面潮紅。
2). 血液:(0.1~5%未満)貧血、白血球減少、血小板減少。
3). 肝臓:(5%以上)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇等)、(0.1%未満)黄疸。
4). 泌尿器:(0.1~5%未満)腎機能異常(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、多尿、(0.1%未満)排尿困難。
5). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹等の過敏症状。
6). 消化器:(0.1%未満)膨満感、嘔気、嘔吐。
7). その他:(0.1~5%未満)発熱、(0.1%未満)頭痛、意識レベル低下、呼吸抑制。
発現頻度は使用成績調査を含む。
高齢者
腎機能が低下している可能性があるので、減量する(例えば1回10mg)など注意すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。なお、臨床試験及び市販後調査では、65歳以上の高齢者での副作用発現率は11.96%(1798例中215例)であった。
9.8.1. 70歳以上の高齢者:機能予後の改善がみられない可能性があり、有効性が確立されていない。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。24時間持続静脈内投与によりラットに12日間投与した器官形成期投与試験で、奇形を有する仔(腹部閉鎖障害を有する仔)がみられたとの報告がある(また、24時間持続静脈内投与によりウサギに14日間投与した器官形成期投与試験で、奇形を有する仔(頭部神経管障害を有する仔、腹部閉鎖障害を有する仔)が認められたとの報告がある)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤は点滴静注にのみ使用すること。
14.1.2. ウサギで大槽内投与により痙攣が発現したとの報告があるので、髄腔内には投与しないこと。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラット及びサルに静脈内投与した実験で腎障害が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)健康成人に塩酸ファスジル0.4mg/kgを単回30分間静脈内持続投与したときの血漿中未変化体濃度は、投与終了時に最高値に達し、速やかに減衰した。消失半減期は、約16分であった。
(2)ラット及びサルに、14C標識塩酸ファスジルを単回静脈内投与したときの血液中放射能濃度は、投与終了直後より速やかに減少し、消失半減期はラットで約1時間、サルでは1.4時間であった。
16.1.2 反復投与
(1)くも膜下出血術後患者に、塩酸ファスジル30mgを1日3回、14日間反復点滴静注したときの血漿中濃度推移は、健康成人に類似していた。
(2)ラットに14C標識塩酸ファスジルを1日1回反復静脈内投与したとき、血漿中放射能濃度は21回投与時には定常状態に近いと考えられた。
16.3 分布
16.3.1 ラット及びサルに14C標識塩酸ファスジルを単回静脈内投与したとき、投与後速やかに放射能は各組織に移行した。特に腎臓、肝臓に高濃度に分布し、その消失は血漿中濃度に比べ緩徐であった。また脳内への移行が認められた。サルにおいては、ぶどう膜及び皮膚にも分布し、その消失は緩徐であった。
16.3.2 ラットに14C標識塩酸ファスジルを反復静脈内投与したとき、組織内放射脳の濃度は投与回数に伴い上昇したが、21回投与時には定常状態に近いと判断された。また、反復投与後の組織からの消失は血漿中濃度に比べ緩徐であり、単回投与の場合に比べ遅延の傾向が認められた。
16.3.3 妊娠中のラットに14C標識塩酸ファスジルを単回静脈内投与したとき、胎児への放射能の移行が認められたが、消失は速やかであった。
16.3.4 授乳中のラットに14C標識塩酸ファスジルを単回静脈内投与したとき、乳汁への放射能の移行が認められたが、消失は速やかであった。
16.4 代謝
16.4.1 健康成人における塩酸ファスジルの主代謝物は、イソキノリン骨格の1位の水酸化体及びその抱合体であった。
16.4.2 ラット及びサルにおける主代謝物は、イソキノリン骨格の1位の水酸化体及びその抱合体であり、主たる代謝組織は肝臓であった。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人における未変化体及び代謝物を合わせた投与後24時間までの尿中累積排泄率は、投与量の67%であった。
16.5.2 ラット及びサルに14C標識塩酸ファスジルを単回静脈内投与したとき、ラット及びサルともに排泄は速やかであり、ラットでは尿及び胆汁に同程度に排泄され、サルでは主に尿に排泄された。
16.5.3 ラットに14C標識塩酸ファスジルを1日1回反復静脈内投与したとき、尿糞中排泄における反復投与の影響は認められなかった。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
エリル注において、国内延べ190施設で総計666例について実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験の概要は、次のとおりである。
(1)プラセボ(生理食塩液)との二重盲検比較試験において、くも膜下出血術後の脳血管攣縮及びこれに伴う脳虚血症状を改善した。
(2)本剤が90mg/日投与された症例において、有効以上と判定された症例は、74%(373例中276例)であった。
(3)副作用は37例(5.56%)に認められた。主な副作用は、低血圧13例(1.95%)、頭蓋内出血8例(1.20%)、肝機能障害7例(1.05%)等であった。
(4)本臨床試験で認められた頭蓋内出血(8例9件)の内訳は、脳内出血3件、硬膜外血腫2件、硬膜下血腫1件、脳室内出血1件、頭皮下血腫1件、くも膜下出血1件)であった。なお、プラセボを対照とした比較試験では、本剤での頭蓋内出血の発現率は1.5%(136例中2例)であり、プラセボでの発現率は1.4%(140例中2例)であった。[1.、11.1.1参照]
17.1.2 国内製造販売後使用成績調査等
エリル注S及びエリル注の使用成績調査及び特定使用成績調査において、総症例4,903例中、623例(12.71%)に副作用が認められた。その主なものは、AST、ALT、ALP、LDHの上昇等の肝機能異常424例(8.65%)、頭蓋内出血88例(1.79%)、低血圧20例(0.41%)等であった。

18.1 作用機序
蛋白リン酸化酵素であるRhoキナーゼの阻害作用によるものと考えられている。Rhoキナーゼは、ミオシンホスファターゼの不活化(リン酸化)を促進することで、それに続くミオシン軽鎖の不活化(脱リン酸化)を阻害する。Rhoキナーゼは、血管の収縮、炎症性細胞の活性化、血管内皮細胞の損傷など、くも膜下出血に伴う脳血管攣縮及び脳虚血障害発生の原因となっている生体内での諸反応に関与している。
18.1.1 ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害することで、ミオシンホスファターゼの不活化(リン酸化)を阻害し、それに続くミオシン軽鎖の不活化(脱リン酸化)を促進することで、ニワトリ及びウサギの摘出平滑筋、さらに平滑筋細胞の弛緩作用を示した(in vitro)。
18.1.2 ヒト好中球及び単球の遊走を抑制した(in vitro)。
18.1.3 ヒト好中球の活性酸素産生を抑制した(in vitro)。
18.2 脳血管攣縮の予防及び緩解作用
イヌ遅発性脳血管攣縮モデルにおいて、攣縮を予防及び緩解した。
18.3 脳循環改善作用
18.3.1 イヌ遅発性脳血管攣縮モデルにおいて、大脳皮質血流を改善した。
18.3.2 ラット脳虚血モデルにおいて、血液粘度を改善した。
18.3.3 ヒト血管内皮細胞において、低酸素負荷による内皮細胞障害を改善した(in vitro)。
18.4 好中球浸潤抑制作用
イヌ遅発性脳血管攣縮モデルにおいて、くも膜下腔への好中球浸潤を抑制した。
18.5 脳梗塞巣発生抑制作用
18.5.1 スナネズミ脳虚血モデルにおいて、遅発性神経細胞死を抑制した。
18.5.2 ラット脳虚血モデルにおいて、脳浮腫及び脳梗塞巣の発生を抑制し、神経症状を改善した。

製造販売会社
旭化成ファーマ
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