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ソマトロピンBS皮下注10mg「サンド」シュアパル

後発医薬品
販売名
ソマトロピンBS皮下注10mg「サンド」シュアパル
薬価
10mg1筒 25167.00円
製造メーカー
サンド

添付文書情報2024年02月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
脳下垂体前葉ホルモン製剤
一般名
ソマトロピン(遺伝子組換え)注射液(2)
禁忌
2.1. 〈効能共通〉悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため]〔9.1.3、9.1.4参照〕。
2.2. 〈効能共通〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.3. 〈プラダー・ウィリ症候群〉プラダー・ウィリ症候群で高度肥満又はプラダー・ウィリ症候群で重篤な呼吸器障害のある患者〔8.3参照〕。
効能・効果
1). 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症。
2). 次の疾患における低身長:①骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群、②骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全、③骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群。
3). 成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>。
4). 骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症(SGA:small-for-gestational age)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症〉本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療の手引き」を参照すること。
5.2. 〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉適用基準
染色体検査によりターナー症候群と確定診断された者で、身長が標準身長の-2SD以下又は年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。
5.3. 〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉治療継続基準
1年ごとに次の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。
・ 成長速度≧4cm/年。
・ 治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。
・ 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が次記の場合:2年目≧2cm/年、3年目以降≧1cm/年。
ただし、前記のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が15歳以上に達したときは投与を中止すること。
5.4. 〈骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長〉糸球体ろ過率等を検査し確定診断すること。
5.5. 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉適用基準
染色体検査によりプラダー・ウィリ症候群と確定診断された者で、身長が同性、同年齢の標準身長の-2SD以下又は年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。
5.6. 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉治療継続基準
1年ごとに次の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。
・ 成長速度≧4cm/年。
・ 治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。
・ 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が次記の場合:2年目≧2cm/年、3年目以降≧1cm/年。
ただし、前記のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること。
5.7. 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉本剤の適用は、成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者のうち、次のいずれかの患者に限定すること。なお、重症の基準は、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照すること。
5.7.1. 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉小児期発症型成長ホルモン分泌不全症(小児期に成長ホルモン分泌不全症と確定診断されている患者)では、次のいずれかを満たすもの(ただし、診断にあたっては、本治療開始前に再度成長ホルモン分泌刺激試験を行うこと):1)2種類以上の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの、2)頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往があり、成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者では、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。
5.7.2. 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉成人期発症型成長ホルモン分泌不全症では、頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往がある患者のうち、次のいずれかを満たすもの:1)頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往があり成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者で、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの、2)頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往があり成長ホルモン単独の分泌低下がある患者で、2種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。
[成長ホルモン分泌刺激試験の種類と成人成長ホルモン分泌不全症で重症と診断される血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値]
1). 成長ホルモン分泌刺激試験の種類:インスリン、アルギニン、グルカゴン;重症と診断される血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値1.8ng/mL以下。
2). 成長ホルモン分泌刺激試験の種類:GHRP-2;重症と診断される血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値9ng/mL以下。
5.8. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症〉適用基準
次のいずれの基準も満たすこと。
5.8.1. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症〉出生時:出生時の体重及び身長がともに在胎週数相当の10パーセンタイル未満で、かつ出生時の体重又は身長のどちらかが、在胎週数相当の-2SD未満であること。
なお、重症の新生児では出生時に身長が測定できないことがあるので、測定されていない場合は、出生体重で判定すること。
5.8.2. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症〉治療の開始条件
・ 3歳以上の患者であること。
・ 現在の身長が標準身長の-2.5SD未満。
・ 治療開始前1年間の成長速度が標準成長速度の0SD未満。
5.8.3. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症〉出生後の成長障害が子宮内発育遅延以外の疾患等に起因する患者でないこと。また、成長障害をもたらすと考えられる治療を受けている患者でないこと。
5.9. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症〉治療継続基準
1年ごとに次の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。
・ 成長速度≧4cm/年。
・ 治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。
・ 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が次記の場合:2年目≧2cm/年、3年目以降≧1cm/年。ただし、年間成長速度が、思春期による最大成長時を過ぎて2cm未満になった場合は中止する。
前記治療継続基準のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること。
用法・用量
1). 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症:通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6~7回に分けて皮下に注射する。
2). 骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長
①. ターナー症候群:通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを6~7回に分けて皮下に注射する。
②. 慢性腎不全:通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6~7回に分けて皮下に注射するが、投与開始6ヵ月後以降増量基準に適合した場合は0.35mgまで増量することができる。
③. プラダー・ウィリ症候群:通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.245mgを6~7回に分けて皮下に注射する。
3). 成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る):通常開始用量として、1週間に体重kgあたり、ソマトロピン(遺伝子組み換え)として0.021mgを6~7回に分けて皮下に注射する。患者の臨床症状に応じて1週間に体重kg当たり0.084mgを上限として漸増し、1週間に6~7回に分けて皮下に注射する。なお、投与量は臨床症状及び血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度等の検査所見に応じて適宜増減する。ただし、1日量として1mgを超えないこと。
4). 骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症:通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.23mgを6~7回に分けて皮下に注射する。なお、効果不十分な場合は1週間に体重kg当たり0.47mgまで増量し、6~7回に分けて皮下に注射する。
なお、専用の注入器を用いて注射する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長〉血清クレアチニン等腎機能を定期的に検査し、基礎疾患の進行の観察を十分に行い、腎機能の異常な悪化が認められた場合は投与を中止すること(本剤の投与に際し、身長の伸びが投与開始6ヵ月間で年間成長率に換算して4cm/年未満であり、かつ治療前1年間の成長率との差が1cm/年未満である場合は投与を中止すること)、なお、治療の継続基準として、6ヵ月目及び1年目は年間成長率が4cm/年以上又は治療前1年間の成長率との差が1cm/年以上、2年目は年間成長率が2cm/年以上、3年目以降は年間成長率が1cm/年以上の場合は治療を継続できるものとする(ただし、骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること)。また、前記継続基準を満たし、かつ次のいずれかに該当する場合は増量できるものとする。
・ 慢性腎不全のため同性、同年齢の標準身長の-2SD以下の低身長をきたし、0.175mg/kg/週の投与を継続しても骨年齢が男17歳、女15歳に達するまでに標準身長の-2SDまで到達する見込みがない場合。
・ 1年以内に腎移植を予定しており、それまでに0.175mg/kg/週の投与を継続しても標準身長の-2SDまで到達する見込みがない場合。
7.2. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉本剤の投与量は、血清IGF-1濃度を参照して調整し、血清IGF-1濃度は投与開始後24週目までは4週間に1回、それ以降は12週から24週に1回の測定を目安とすること(また、副作用の発現等の際は、適宜、血清IGF-1濃度を測定し、本剤の減量、投与中止等適切な処置をとること)〔8.6参照〕。
7.3. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉加齢に伴い生理的な成長ホルモンの分泌量や血清IGF-1濃度が低下することが知られているので、本剤投与による症状の改善が認められなくなる、かつ本剤を投与しなくても血清IGF-1濃度が基準範囲内にある場合は、投与中止を考慮すること〔8.6参照〕。
腎機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉成長ホルモンは、インスリン感受性を低下させるため、本剤の投与により血糖値上昇、HbA1c上昇があらわれることがある(定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、異常が認められた場合は、投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと)。特にプラダー・ウィリ症候群及びターナー症候群においては、耐糖能低下を合併することがあり、経過を注意深く観察すること〔9.1.1、11.1.4参照〕。
8.2. 〈効能共通〉甲状腺機能低下症があらわれることがあるため、甲状腺機能を定期的に検査し、甲状腺機能低下症があらわれあるいは甲状腺機能低下症が悪化した場合には適切な治療を行うことが望ましい〔11.2参照〕。
8.3. 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉高度肥満の小児、呼吸器障害の既往をもつ小児又は睡眠時無呼吸の既往をもつ小児、呼吸器感染の要因をもつ小児のプラダー・ウィリ症候群の患者において、本剤投与に伴う死亡例が報告されており、また、高度肥満の男性、呼吸器障害の既往をもつ男性又は睡眠時無呼吸の既往をもつ男性、呼吸器感染要因をもつ男性患者ではさらに危険性が高まる可能性がある。
従って、プラダー・ウィリ症候群で高度肥満又はプラダー・ウィリ症候群で重篤な呼吸器障害のある患者には投与しないこと〔2.3参照〕。
また、次の点に注意すること。
・ 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉投与に際し、上気道閉塞がないことを確認し、本剤投与中に上気道閉塞の徴候(いびきの発現又はいびき増加等も含む)を示した場合は、本剤の投与を中止すること。
・ 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉睡眠時無呼吸の有無を確認し、睡眠時無呼吸が疑われる場合は観察を十分に行うこと。
・ 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉患者が効果的な体重管理を行っていることを確認すること。
・ 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉呼吸器感染の徴候の有無を十分に観察し、感染症に対する適切な処置を行うこと。
8.4. 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉プラダー・ウィリ症候群の基本的治療である食事療法、運動療法を行った上で適応を考慮すること。
8.5. 〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉脊柱変形<側弯>が過度に進行するおそれがあるので、本剤投与中は理学的検査及びX線検査等を定期的に実施し観察を十分に行うこと。
8.6. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉血清IGF-1値が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施すること〔7.2、7.3参照〕。
8.7. 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-1濃度に影響を及ぼすことがあるため、慎重に血清IGF-1濃度をモニタリングすること〔10.2参照〕。
8.8. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉浮腫、関節痛等があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与量の減量あるいは投与中止を考慮すること。
8.9. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉内分泌専門医あるいは内分泌専門医の指導のもとで治療を行うこと。
8.10. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉治療前及び治療中にIGF-1を3ヵ月から6ヵ月に1回、HbA1c、空腹時又は随時血糖、TSH、fT4、骨年齢を6ヵ月から1年に1回測定し、異常が認められた場合には投与中止を考慮すること。
8.11. 〈骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉本疾患の治療に精通した医師(小児内分泌専門医等)あるいはその指導のもとで治療を行うこと。
9.1.1. 糖尿病患者、耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者:糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておき、投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと(投与開始後に糖尿病症状顕在化又は糖尿病症状悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと)。
耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること(糖尿病が顕在化することがある)〔8.1、10.2、11.1.4参照〕。
9.1.2. 心疾患のある患者:ときに一過性浮腫があらわれることがある。
9.1.3. 脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、下垂体腺腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症及び成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>の患者:脳腫瘍の進行や再発の観察を十分に行うこと(成長ホルモンが細胞増殖作用を有する)〔2.1、9.1.4参照〕。
9.1.4. 脳腫瘍の既往のある患者:定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現や再発の有無を注意深く観察すること。成人成長ホルモン分泌不全症患者では脳腫瘍の既往のある患者が多く含まれており、国内臨床試験において本剤の治療で脳腫瘍再発したとの報告がある〔2.1、9.1.3参照〕。
9.2.1. 慢性腎不全の患者:血清クレアチニン等を定期的に検査し、基礎疾患の進行の観察を十分に行い、悪化が認められた場合は本剤を減量するなど慎重に投与すること(腎機能が悪化することがある)。
9.2.2. 腎疾患のある患者:ときに一過性浮腫があらわれることがある。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 糖質コルチコイド:①. 糖質コルチコイド[成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある(糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため)]。
②. 糖質コルチコイド[血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること(成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため)]。
2). 経口エストロゲン〔8.7参照〕[成長ホルモンの作用が抑制されることがあるので、成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者では本剤の増量を検討すること(エストロゲンがIGF-1産生を抑制するため)]。
3). 糖尿病用薬(インスリン製剤、ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)〔9.1.1参照〕[本剤投与により、血糖値が上昇することがあるので、定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと(成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため)]。
4). 甲状腺ホルモン[甲状腺ホルモン補充療法を受けている患者では、本剤投与により軽度の甲状腺機能亢進様症状を起こすことがあるので、本剤による治療開始後及び本剤の投与量変更後に甲状腺機能検査を行うことが望ましい(T4からT3への転換が促進され、血清T4の低下及び血清T3の増加が生じる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 痙攣(頻度不明)。
11.1.2. 甲状腺機能亢進症(頻度不明)。
11.1.3. ネフローゼ症候群(頻度不明):ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがある。
11.1.4. 糖尿病(頻度不明):耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある〔8.1、9.1.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長(ターナー症候群、慢性腎不全、プラダー・ウィリ症候群)、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉①. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉過敏症:(0.1%未満)蕁麻疹、湿疹、発疹、全身そう痒、(頻度不明)紅斑。
②. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉内分泌:(0.1%以上)耐糖能低下、*甲状腺機能低下症。
③. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉筋・骨格系:(0.1%以上)関節痛・下肢痛等の成長痛、(0.1%未満)側弯症進行等の脊柱変形進行、大腿骨骨頭壊死、筋痛、ミオグロビン上昇、大腿骨骨頭辷り症、踵骨骨端炎、(頻度不明)有痛性外脛骨、外骨腫、周期性四肢麻痺、(0.1%以上)慢性腎不全に合併する骨異形成症進行。
④. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉代謝異常:(0.1%以上)CK上昇、LDH上昇、トリグリセライド上昇、血清P上昇、(0.1%未満)遊離脂肪酸上昇、総蛋白減少。
⑤. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉泌尿器:(0.1%以上)尿潜血・顕微鏡的血尿、蛋白尿、慢性腎不全における血清クレアチニン上昇、慢性腎不全におけるBUN上昇。
⑥. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉肝臓:(0.1%以上)AST上昇、ALT上昇。
⑦. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉消化器:(0.1%未満)腹痛、嘔気、胃腸炎、口腔嚢胞。
⑧. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉精神神経系:(0.1%以上)頭痛、(0.1%未満)攻撃性。
⑨. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉血液:(0.1%以上)貧血、好酸球増多、(0.1%未満)白血球数上昇、異型リンパ球出現。
⑩. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉投与部位:(0.1%未満)出血、疼痛、硬結、発赤、皮下脂肪消失、(頻度不明)熱感。
⑪. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉全身症状:(0.1%未満)浮腫、発熱、胸部不快感、(頻度不明)顔面浮腫。
⑫. 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長、骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉その他:(0.1%未満)アデノイド肥大、脱毛、いぼ、扁桃肥大、喘息・気管支炎、鼻膿瘍、(頻度不明)※頭蓋内圧亢進に伴う※乳頭浮腫・※視覚異常・※頭痛・※悪心及び※嘔吐。
使用成績調査を含む。
*)〔8.2参照〕。
※)〔15.1.5参照〕。
2). 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉①. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉過敏症:(5%未満)湿疹、発疹。
②. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉内分泌:(5%以上)*甲状腺機能低下症、(5%未満)耐糖能低下、月経困難。
③. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉筋・骨格系:(5%以上)関節痛、筋脱力、筋痛、四肢のこわばり、(5%未満)腱炎、腱障害、腱鞘炎、関節炎、肩関節違和感、踵骨棘、四肢痛、胸骨痛。
④. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉代謝異常:(5%以上)ALP上昇、(5%未満)血清ナトリウム低下、血清クロール低下、リン脂質上昇、血清無機リン上昇、LDL-コレステロール上昇、血清カルシウム上昇、トリグリセライド上昇。
⑤. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉泌尿器:(5%以上)尿潜血・顕微鏡的血尿、(5%未満)蛋白尿。
⑥. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉肝・胆道系:(5%以上)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、(5%未満)胆のうポリープ。
⑦. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉消化器:(5%未満)嘔気、嘔吐、腹痛、消化不良、便秘。
⑧. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉精神神経系:(5%以上)頭痛、不安、うつ状態、感情不安定、無気力・集中力低下、知覚減退、疎外感、(5%未満)食欲亢進、傾眠、不眠、めまい、(頻度不明)異常感覚。
⑨. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉血液:(5%未満)貧血、白血球数上昇、白血球異常、好酸球上昇。
⑩. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉循環器:(5%未満)血圧上昇、不整脈。
⑪. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉投与部位:(5%以上)出血、(5%未満)熱感。
⑫. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉全身症状:(5%以上)浮腫、(5%未満)背部痛、熱感、疲労、倦怠感、顔面浮腫。
⑬. 〈成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>〉その他:(5%未満)難聴、喀血、喘息、単純疱疹、脱毛、真菌性皮膚炎、多汗、ガングリオン、白内障、眼痛、飛蚊症、眼乾燥、不正咬合、歯周炎、体重増加、副鼻腔炎、顔面痛。
*)〔8.2参照〕。
高齢者
投与量の減量あるいは投与中止も考慮に入れて、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している、また、外国において、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.2参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中への移行については不明である)。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤を使用する場合は、専用の注入器の使用方法に従って用いること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮下注射する場合には、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しないこと。
14.2.2. 使用後は、専用の注入器に取りつけたまま速やかに冷蔵庫に入れ、凍結を避けて2~8℃で遮光保存し、28日以内に使用する(凍結した場合は使用しない)。
14.2.3. 感染症の原因となるおそれがあるので、1本のカートリッジを複数の患者に使用しないこと。
14.2.4. 凍結あるいは高温下に置かれたカートリッジは使用しないこと。
14.2.5. 溶液が濁ったり、異物を含んでいる場合は使用しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 〈効能共通〉ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、白血病を発生しやすい先天異常、悪性腫瘍を発生しやすい先天異常、免疫不全症候群等の基礎疾患のある患者、脳腫瘍などによる放射線治療歴のある患者、抗がん薬投与歴や免疫抑制薬投与歴のある患者、治療開始時の血液像に異常がある患者に投与する場合には、特に患者の状態を観察すること。
15.1.2. 〈効能共通〉ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍再発したとの報告がある。
15.1.3. 〈効能共通〉小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
15.1.4. 〈効能共通〉連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがあるので、抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮すること。
15.1.5. 〈骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長〉成長ホルモン分泌不全症の患者と比較して、ヒト成長ホルモン投与による頭蓋内圧亢進の発現頻度が高いとの報告がある〔11.2参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 動物実験で妊娠前・妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率低下及び妊娠率低下が報告されている。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
欧米人のデータでは、6ヵ月間反復皮下注射後も蓄積性が認められないとの報告がある。
16.1.2 生物学的同等試験
ソマトロピンBS皮下注5mg「サンド」、ソマトロピンBS皮下注10mg「サンド」及びジェノトロピン5.3mgを、クロスオーバー法によりそれぞれソマトロピン(遺伝子組換え)として0.07mg/kg、健康成人男子に絶食単回下腹部皮下投与して血清中hGH(ヒト成長ホルモン)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、80%~125%の範囲内であり、3製剤の同等性が確認された。
(ジェノトロピン5.3mgは、ソマトロピンBS皮下注5mg「サンド」、同10mg「サンド」とカートリッジの形状のみが異なる同一製剤であるため、本試験成績を引用する。)
ソマトロピンBS皮下注5mg「サンド」、ソマトロピンBS皮下注10mg「サンド」及びジェノトロピン5.3mg投与後の血清中濃度推移

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血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症〉
17.1.1 長期投与試験(海外試験)
ヒト成長ホルモン製剤による前治療歴のない前思春期の成長ホルモン分泌不全性低身長症小児患者を対象に、EP2000(ソマトロピン)注射液5mgを0.03mg/kg/日、5年間皮下投与した。得られた臨床的有効性パラメータ(身長、成長速度注))は次表のとおりであった。
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17.1.2 第III相2群間並行オープン比較試験
ヒト成長ホルモン製剤による前治療歴のない前思春期の成長ホルモン分泌不全性低身長症小児患者を対象に、EP2000(ソマトロピン)注射用5.8mg(国内未発売)又はジェノトロピンを0.03mg/kg/日、9ヵ月間皮下投与した。得られた臨床的有効性パラメータ(身長、成長速度注))は、次表のとおりであった。
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17.1.3 抗ヒト成長ホルモン抗体(海外試験)
ヒト成長ホルモン製剤による前治療歴のない前思春期の成長ホルモン分泌不全性低身長症小児患者(70例)を対象とした試験において、5年間のEP2000(ソマトロピン)注射液5mg投与期間中に抗ヒト成長ホルモン抗体が発現したのは2例であった。この抗体発現率(2/70、2.9%)は、他のヒト成長ホルモン製剤に報告される範囲内である。抗体検査で陽性となった患者の成長パラメータの推移は、陰性であった他の患者と同様であった。
17.1.4 国内臨床試験(連日皮下注射)
成長ホルモン分泌不全性低身長症患者に0.175mg/kg/週を6~7回に分割して連日皮下注射したとき、ヒト成長ホルモン製剤による前治療歴のない20例における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均3.0±1.0cm/年に対して平均11.0±3.0cm/年であり、遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤(r‐hGH)による筋肉内注射の前治療歴がある18例における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均3.1±1.4cm/年に対して平均7.8±1.5cm/年であった。ソマトレム(m‐hGH)注)による筋肉内注射の前治療歴がある9例における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均3.8±0.8cm/年に対して平均9.3±3.2cm/年であった。
特記すべき副作用は認められなかった。
ヒト成長ホルモン抗体の発現は、投与前に抗体が検出されていない40例のうち前治療歴のない2例に新たに認められた。投与前抗体陽性例7例(r‐hGH前治療歴例1例、m‐hGH前治療歴例6例)では、m‐hGH前治療歴例5例で試験の経過とともに抗体価が低下し、うち2例で陰性化した。
注)ソマトレムは現在国内で市販されていない。
〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉
17.1.5 国内臨床試験
ターナー症候群の患者に0.35mg/kg/週を6~7回に分割して連日皮下注射したとき、47例における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均3.5±0.9cm/年に対して平均6.3±1.4cm/年であった。
0.35mg/kg/週を投与された患者において自覚的な副作用はなく、特記すべき臨床検査値の変動も認められなかった。
17.1.6 国内臨床試験(成長ホルモン分泌不全を示さないターナー症候群)
成長ホルモン分泌不全を示さないターナー症候群の患者に0.175mg/kg/週を6~7回に分割して連日皮下注射したとき、24例における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均4.4±1.0cm/年に対して平均6.4±1.3cm/年であった。
投与中の副作用は心雑音1例、水疱1例、湿疹1例であった。臨床検査値の異常変動は因果関係がありとされたものはなく、因果関係が不明とされた異常変動は14例であった。主な異常変動はNEFA上昇3例、異型リンパ球出現3例、トリグリセライド上昇2例であった。
〈骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長〉
17.1.7 国内第II相試験
慢性腎不全保存期の患者36例に0.175mg/kg/週、慢性腎不全透析期の患者のうち27例に0.175mg/kg/週、31例に0.35mg/kg/週を6~7回に分割して連日皮下注射したとき、保存期群における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均4.2±2.6cm/年に対して平均6.2±2.0cm/年であった。透析期0.175mg/kg/週投与群における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均2.6±1.3cm/年に対して平均5.5±2.3cm/年であり、透析期0.35mg/kg/週投与群における1年後の身長の伸びは、無治療時の平均2.9±2.4cm/年に対して平均4.7±3.0cm/年であった。
主な副作用は保存期群でALP上昇3例、耐糖能異常2例、BUN及び血清クレアチニン上昇2例であった。透析群では注射部位の硬結及びかゆみもしくは痛み3例、ヘモグロビンA1及びヘモグロビンA1Cの上昇2例であった。
〈骨端線閉鎖を伴わないプラダー・ウィリ症候群における低身長〉
17.1.8 海外第II/III相臨床試験(スウェーデン/デンマーク)
思春期前のプラダー・ウィリ症候群患者15例に治療群として0.033mg/kg/日を皮下注射し、12例に無治療群として1年間は食事療法のみで観察を行い、2年目は0.066mg/kg/日を皮下注射したとき、臨床試験成績の概要は次のとおりであった。
成長促進効果
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試験期間中に5例に副作用が認められ、浮腫2例、攻撃性1例、毛髪脱落1例、関節痛1例、体重増加1例及び下肢不安定1例であった。
〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
17.1.9 国内第III相試験(二重盲検群間比較試験)
成人成長ホルモン分泌不全症患者と診断され、GH分泌刺激試験にてGH頂値が3ng/mL未満の患者(成人期発症35例、小児期発症38例)を対象にプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。実薬群37例(成人期発症18例、小児期発症19例)及びプラセボ群36例(成人期発症17例、小児期発症19例)に投与開始から投与4週間後までは0.021mg/kg/週、投与4週から投与8週後までは0.042mg/kg/週、投与8週から投与24週後までは0.084mg/kg/週を1日1回皮下注射したとき、臨床試験成績の概略は次のとおりであった。
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実薬群における副作用は37例中22例(59.5%)に認められた。その主なものは、浮腫8例(21.6%)、関節痛5例(13.5%)、筋脱力9例(24,3%)であった。
〈骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉
17.1.10 国内第III相試験
(1)投与1年間の成績
骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症患者34例に0.033mg/kg/日、33例に0.067mg/kg/日を1日1回皮下投与したとき、臨床試験成績の概要は次のとおりであった。
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副作用は67例中15例(22.4%)に認められ、主なものは注射部位出血3例(4.5%)、頭痛2例(3.0%)及び伝染性軟いぼ2例(3.0%)であった。
(2)投与4年間の成績
比較試験を完了した骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症患者を対象に長期試験を実施した。増量群(先行比較試験で0.033mg/kg/日を投与された群)29例及び維持群(先行比較試験で0.067mg/kg/日を投与された群)32例に0.067mg/kg/日を1日1回皮下投与したとき、48ヵ月後までの臨床試験成績の概要は次のとおりであった。
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なお、投与48ヵ月後もしくは中止時の身長SDSが標準身長(-2SDから2SD)の下限-2SDを超えた症例は61例中47例(増量群:21例、維持群:26例)であった。副作用は61例中16例(26.2%)に認められ、主なものは関節痛2例(3.3%)、頭痛2例(3.3%)、アデノイド肥大2例(3.3%)、白血球増多(症)2例(3.3%)、疼痛2例(3.3%)、注射部位反応2例(3.3%)であった。

18.1 作用機序
ソマトロピンは、肝臓に存在する成長ホルモン受容体を介してIGF‐Iを誘導し、このIGF‐Iが軟骨細胞に作用して骨格の成長をもたらすと考えられている。また、脂肪分解の促進やトリグリセリドの体脂肪への蓄積抑制などを介して体組成を改善する。
18.2 IGF‐I増加作用
5/6腎部分摘出ラットにおいて、血中IGF‐I濃度を有意に増加させ、IGF‐I活性も高値を示すことが認められている。
18.3 身体成長促進作用
5/6腎部分摘出ラットにより用量依存的な体重及び体長が有意に増加することが確認されている。
18.4 体組成改善作用
下垂体摘出成熟ラットにおいて、本剤単独で除脂肪体重増加、体脂肪率低下、血中総コレステロール及びLDL脂質濃度低下、並びに血中IGF‐I濃度上昇等の作用が認められている。また、コハク酸ヒドロコルチゾン及びL‐チロキシンとの併用試験においても、同様の作用を示すことが確認されている。

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