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リンデロン注20mg(2%)

販売名
リンデロン注20mg(2%)
薬価
20mg1mL1管 1325.00円
製造メーカー
シオノギファーマ

添付文書情報2022年05月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
フッ素付加副腎皮質ホルモン製剤
一般名
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者〔10.1参照〕。
効能・効果
出血性ショックにおける救急、又は術中のショック・術後のショック。
用法・用量
通常、ベタメタゾンとして1回体重1kgあたり0.5~4mgを静脈内注射する。
なお、症状が改善しない場合には、適宜追加投与する。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化管潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては次の注意が必要である。
8.1.1. 特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である〔11.1.2参照〕。
・ 本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
・ 水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。水痘又は麻疹への感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
・ 水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.1.2. ショック状態の患者には、ショック症状が改善すれば、直ちに投与を中止すること。
8.1.3. 連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること)。
8.2. 本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと〔11.1.2参照〕。
8.3. 連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい〔9.1.9、9.1.10、11.1.8参照〕。
8.4. 褐色細胞腫の合併を認識していなかった状態でベタメタゾン製剤(注射剤)を投与した際に褐色細胞腫クリーゼを発現したとの報告がある(本剤投与後に著明な血圧上昇、頭痛、動悸等が認められた場合は、褐色細胞腫クリーゼの発現を考慮した上で適切な処置を行うこと)〔9.1.17参照〕。
9.1.1. 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。
(1). 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者:免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある〔11.1.2参照〕。
(2). 急性心筋梗塞を起こした患者:心破裂を起こしたとの報告がある。
9.1.2. 消化性潰瘍の患者:肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されるおそれがある〔11.1.4参照〕。
9.1.3. 糖尿病の患者:糖新生作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある〔11.1.3参照〕。
9.1.4. 感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>の患者:免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.5. 結核性疾患の患者:免疫機能抑制作用により、症状が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.6. 単純疱疹性角膜炎の患者:免疫機能抑制作用により、症状が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.7. 骨粗鬆症の患者:蛋白異化作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある〔11.1.7参照〕。
9.1.8. 精神病の患者:大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪するおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.9. 後嚢白内障の患者:症状が増悪することがある〔8.3、11.1.8参照〕。
9.1.10. 緑内障の患者:眼圧の亢進により、緑内障が増悪するおそれがある〔8.3、11.1.8参照〕。
9.1.11. 高血圧症の患者:電解質代謝作用により、高血圧症が増悪するおそれがある。
9.1.12. 電解質異常のある患者:電解質代謝作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。
9.1.13. 甲状腺機能低下のある患者:血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。
9.1.14. 脂肪肝の患者:脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
9.1.15. 重症筋無力症の患者:使用当初、一時症状が増悪することがある。
9.1.16. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者:B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがあるので、本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている〔11.1.2参照〕。
9.1.17. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある〔8.4参照〕。
9.2.1. 腎機能低下のある重症感染症及び慢性腎不全のある重症感染症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない(免疫機能を抑制するため、これらの症状が悪化することがある)〔11.1.2参照〕。
9.3.1. 肝硬変の患者:代謝酵素活性の低下等により、副作用があらわれやすい。
相互作用
本剤は、主にCYP3A4で代謝される。
10.1. 併用禁忌:デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.2参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(機序は不明である)]。
10.2. 併用注意:1). バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)、フェニトイン、リファンピシン[本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはCYPを誘導し、本剤の代謝が促進される)]。
2). サリチル酸誘導体(アスピリン、アスピリンダイアルミネート、サザピリン等)[併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用
する場合には用量に注意すること(本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する)]。
3). 抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(本剤は血液凝固促進作用がある)]。
4). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤)、インスリン製剤等[糖尿病用薬、インスリン製剤等の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する)]。
5). 利尿剤<カリウム保持性利尿剤を除く>(フロセミド、アセタゾラミド、トリクロルメチアジド等)[低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用
量に注意すること(本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある)]。
6). シクロスポリン[他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与で、シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること(副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する)]。
7). エリスロマイシン[本剤の作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること(本剤の代謝が抑制される)]。
8). 非脱分極性筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物)[筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること(機序は不明である)]。
9). リトドリン塩酸塩[併用により肺水腫があらわれることがある(体内の水分貯留傾向が促進される)]。
10). キノロン系抗菌剤(レボフロキサシン水和物、メシル酸ガレノキサシン水和物等)[腱障害のリスクを増加させるとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序は不明である)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれることがある。
11.1.2. 誘発感染症、感染症増悪(頻度不明):B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある〔8.1.1、8.2、9.1.1、9.1.4-9.1.6、9.1.16、9.2.1参照〕。
11.1.3. 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病(頻度不明)〔9.1.3参照〕。
11.1.4. 消化管潰瘍、消化管穿孔(頻度不明)〔9.1.2参照〕。
11.1.5. 膵炎(頻度不明)。
11.1.6. 精神変調、うつ状態(頻度不明)〔9.1.8参照〕。
11.1.7. 骨粗鬆症、大腿骨頭無菌性壊死及び上腕骨頭無菌性壊死等の骨頭無菌性壊死、ミオパチー(頻度不明)〔9.1.7参照〕。
11.1.8. 緑内障、後嚢白内障(頻度不明):連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある〔8.3、9.1.9、9.1.10参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇。
2). 内分泌系:(頻度不明)月経異常、クッシング症候群様症状。
3). 消化器:(頻度不明)嘔気。
4). 精神神経系:(頻度不明)多幸症、不眠、頭痛。
5). 筋・骨格:(頻度不明)筋肉痛、関節痛。
6). 脂質・蛋白質代謝:(頻度不明)満月様顔貌、窒素負平衡。
7). 体液・電解質:(頻度不明)浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス。
8). 眼:(頻度不明)中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出。
9). 血液:(頻度不明)白血球増多。
10). 皮膚:(頻度不明)ざ瘡、皮膚そう痒、脂肪織炎。
11). その他:(頻度不明)発熱、疲労感、創傷治癒障害、しゃっくり。
高齢者
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(新生児に副腎不全を起こすことがあり、また、血圧上昇、心筋壁肥厚を起こすとの報告がある、動物試験で催奇形作用(口蓋裂)が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することがある)。
小児等
9.7.1. 観察を十分に行うこと。発育抑制があらわれることがある。
9.7.2. 長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 静脈内注射時:血管痛、血栓、静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するため、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
遮光して保存すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 血漿中濃度推移
脳外科手術患者5例にベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注を静脈内注射したときのベタメタゾンリン酸エステルナトリウムは、投与直後に高い血漿中濃度を示したが、その後急速に減少し、1時間後には690±480ng/mL(平均値±標準誤差)、2時間後には40±40ng/mLであった。一方、遊離型ベタメタゾンの血漿中濃度は極めて徐々に減少し、1時間後には1230±160ng/mL、2時間後には940±110ng/mL、3時間後には790±40ng/mLであった(測定法:HPLC)。
図16‐1 ベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注静注時の血漿中濃度

16.1.2 薬物動態パラメータ
健康成人8例にベタメタゾン8mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注10.6mgを単回静脈内注射したとき、ベタメタゾンのT1/2は335±51min、AUC0-∞は46.3±8.6μg・min/mLであった(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)(外国人データ)。
16.3 分布
血漿蛋白結合率:64±6.0%(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差、10例)(外国人データ)
16.4 代謝
ベタメタゾンの一部はC‐6位が代謝され6β‐水酸化体になる。その主な代謝酵素はCYP3A4である。
16.5 排泄
脳外科手術患者5例にベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注を静脈内注射したとき、6時間までの尿中に遊離ベタメタゾン及びベタメタゾングルクロン酸抱合体はほぼ同量排泄され、両方を併せた累積尿中排泄率は約5%であった(測定法:HPLC)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績
承認時における有効性評価対象例は出血性ショック56例、術中ショック87例であり、有効率はそれぞれ78.6%(44例)、78.2%(68例)であった。

18.1 作用機序
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。
炎症制御機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP‐1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制し、2量体の受容体と結合した場合は、リポコルチン等の誘導を介すると考えられている。一方、免疫抑制機序は多彩である。リンパ組織からTリンパ球の遊出を抑制すると共に、その増殖や活性化に係るIL‐2の産生を抑制し、更にアポトーシスを促進すること等により血中Tリンパ球数を低下させ細胞性免疫を障害する。また、好中球の遊走能及び貪食能を障害すると共に、マクロファージの貪食・殺菌能障害、TNF‐α、IL‐1などの炎症性サイトカイン産生抑制及びリンパ球への抗原提示能障害により液性及び細胞性免疫に影響する。更に、血中Bリンパ球数を低下させ、長期間使用時には免疫グロブリン産生量を低下させる。これら以外にも、好酸球や好塩基球、肥満細胞等にも影響する。
ショックに対する本剤の作用機序として、ライソゾーム膜の安定化、循環動態の改善、心血管作動物質の産生阻止、代謝系の改善及びショック肺発生の予防等が報告されている。

製造販売会社
シオノギファーマ
販売会社
塩野義製薬 

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