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メフィーゴパック

販売名
メフィーゴパック
識別コード
200 MF ML
薬価
1セット 0.00円
製造メーカー
ラインファーマ

添付文書情報2023年04月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
一般名
ミフェプリストン・ミソプロストールセット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を用いた人工妊娠中絶に先立ち、本剤の危険性(重度の子宮出血や感染症)及び有効性(中絶が達成されない場合があることやそのときの処置を含む)を本剤の投与を受ける者に十分に説明し、同意を得てから本剤の投与を開始すること、並びに本剤を用いた人工妊娠中絶に先立ち、本剤投与時に必要な対応(本剤投与の適否や人工妊娠中絶の成否を確認するための来院、異常が認められた場合の対応方法等)を本剤の投与を受ける者に十分に説明し、同意を得てから本剤の投与を開始すること〔8.3参照〕。
1.2. 本剤投与後に、失神等の症状を伴う重度子宮出血が認められることがあり、外科的処置や輸血が必要となる場合がある。また、重篤な子宮内膜炎が発現することがあり、海外では、敗血症、中毒性ショック症候群に至り死亡した症例が報告されていることから、緊急時に適切な対応が取れる体制(異常が認められた場合に本剤の投与を受けた者からの連絡を常に受ける体制や他の医療機関との連携も含めた緊急時の体制)の下で本剤を投与すること〔8.1、8.3.6、8.3.8、11.1.1、11.1.2参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者。
2.2. プロスタグランジンE1誘導体製剤に対し過敏症の既往歴のある者。
2.3. ポルフィリン症の患者[ミフェプリストン投与により、症状が悪化するおそれがある]。
2.4. 全身性副腎皮質ステロイド投与中で効果減弱による状態の悪化や離脱症状の発現又は吸入副腎皮質ステロイド投与中で効果減弱による状態の悪化や離脱症状の発現が懸念される患者[ミフェプリストン投与により、副腎皮質ステロイドの効果が減弱するおそれがある]。
2.5. 出血性疾患及びその疑いのある者[重度子宮出血のおそれがある]〔11.1.1参照〕。
2.6. 抗凝固薬投与中(ワルファリンカリウム、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバントシル酸塩)の患者〔10.1参照〕。
2.7. 抗血小板薬投与中(アスピリン、アスピリン含有製剤、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩、プラスグレル塩酸塩、チカグレロル、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム、サルポグレラート塩酸塩)の患者〔10.1参照〕。
2.8. 強いCYP3A誘導剤投与中及び中程度のCYP3A誘導剤投与中(リファンピシン、リファブチン、カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ含有食品、フェノバルビタール、ボセンタン、エファビレンツ、ダブラフェニブ、エトラビリン、ロルラチニブ、プリミドン、ソトラシブ)の者〔10.1参照〕。
2.9. 重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者〔9.3.1参照〕。
効能・効果
子宮内妊娠が確認された妊娠63日(妊娠9週0日)以下の者に対する人工妊娠中絶。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤投与前に経腟超音波検査を行い妊娠日数を確認し、ミフェプリストンの投与日が妊娠63日(9週0日)を超えないよう投与すること。
5.2. 異所性妊娠には、本剤投与により、有効性は期待できず、腹腔内出血等のおそれがあることから、本剤投与前の経腟超音波検査で子宮内妊娠を確認してから投与すること。また、子宮内妊娠を確認した場合であっても、稀に正所異所同時妊娠の場合があることから、本剤投与後は、正所異所同時妊娠の可能性も念頭に置いた管理(本剤の投与を受けた者への指導等)を行うこと。
用法・用量
ミフェプリストン錠1錠(ミフェプリストンとして200mg)を経口投与し、その36~48時間後の状態に応じて、ミソプロストールバッカル錠4錠(ミソプロストールとして計800μg)を左右の臼歯の歯茎と頬の間に2錠ずつ30分間静置する。30分間静置した後、口腔内にミソプロストールの錠剤が残った場合には飲み込む。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. ミフェプリストンの経口投与、ミソプロストールの口腔内への静置は、母体保護法指定医師による確認の下で行うこと。
7.2. ミフェプリストン投与後からミソプロストール投与までの間に胎嚢の排出が認められた場合、子宮内容物の遺残の状況を踏まえて、ミソプロストールの投与の要否を検討すること。
7.3. 本剤の投与を受ける者に対して、本剤投与後の胎嚢排出時期や胎嚢排出前後の子宮出血の状況について説明するとともに、本剤による人工妊娠中絶の成否を確認するために、ミソプロストール投与後、胎嚢排出に至った可能性のある子宮出血が認められたときに来院させ、超音波検査により胎嚢の排出の有無を確認すること。なお、胎嚢排出に至った可能性のある子宮出血が確認されない場合であっても、遅くともミソプロストール投与後1週間を目途に来院させ、超音波検査により胎嚢の排出の有無を確認すること。本剤による人工妊娠中絶が達成されなかった場合は、ミフェプリストンやミソプロストールの追加投与は行わない、外科的処置を考慮すること〔8.3.3、8.3.5、17.1.1参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 緊急時に適切な対応が取れる体制(異常が認められた場合に本剤の投与を受けた者からの連絡を常に受ける体制や他の医療機関との連携も含めた緊急時の体制)の下で本剤を投与すること〔1.2参照〕。
8.2. 本剤投与後に下腹部痛があらわれることから、必要に応じて鎮痛剤を投与すること〔17.1.1参照〕。
8.3. 本剤を用いた人工妊娠中絶に先立ち、本剤の投与を受ける者に次の点を十分に説明し、同意を得てから本剤の投与を開始すること〔1.1参照〕。
8.3.1. ミフェプリストン、ミソプロストールの投与に際しては、本剤の処方医療機関に来院する必要があること。
8.3.2. 異常時には、本剤の処方医療機関に連絡し、また、緊急時に医療機関に速やかに来院できるようにする必要があること。
8.3.3. 本剤により子宮出血があらわれ、一定期間継続する可能性があること、及び本剤投与後の胎嚢排出時期や胎嚢排出前後の子宮出血の状況を十分に説明すること。人工妊娠中絶の成否等を超音波検査で確認する必要があることから、ミソプロストール投与後、胎嚢排出に至った可能性のある子宮出血が認められたときに本剤の処方医療機関に来院が必要であること。なお、ミソプロストール投与後、胎嚢排出に至った可能性のある子宮出血が認められない場合であっても、遅くとも1週間を目途に本剤の処方医療機関に来院が必要であること〔7.3、17.1.1参照〕。
8.3.4. 本剤により下腹部痛があらわれること、及び本剤投与後の胎嚢排出時期や胎嚢排出前後の下腹部痛の状況を十分に説明すること。また、鎮痛剤投与では管理が困難な異常な痛みが継続する場合には、正所異所同時妊娠の可能性もあること等から、速やかに本剤の処方医療機関に連絡すること〔17.1.1参照〕。
8.3.5. 一定程度の下腹部痛や出血が発現しても中絶が達成されているとは限らないことから、自己判断せずに規定の来院を遵守する必要があること〔7.3、17.1.1参照〕。
8.3.6. 本剤投与後、まれに重度の子宮出血があらわれることがあり、失神に至った症例も報告されているので、目安として夜用生理用ナプキンを1時間に2回以上交換するような出血が2時間以上続く場合には、速やかに本剤の処方医療機関に連絡すること〔1.2、11.1.1参照〕。
8.3.7. 失神を伴う子宮出血が発現する可能性があることから、自動車の運転等危険を伴う機械の操作を行う場合は十分に注意すること〔11.1.1参照〕。
8.3.8. 本剤投与後一定期間経過した後でも、子宮内膜炎等の感染症があらわれることがあり、敗血症等の致死的感染症も報告されているので、発熱、悪寒、倦怠感、腟からの異常な分泌物等の感染症が疑われる症状が認められた場合には、速やかに本剤の処方医療機関に連絡すること〔1.2、11.1.2参照〕。
8.3.9. 本剤には、先天異常のリスクを有する薬剤が含まれることを十分に説明すること(海外では、ミフェプリストンやミソプロストールの投与を受けた妊婦の児において先天異常の報告等がある)〔9.5妊婦の項参照〕。
8.3.10. 本剤を用いた人工妊娠中絶が達成されなかった場合は、外科的処置が考慮されること。
8.3.11. 本剤による人工妊娠中絶では、胎嚢が排出されても子宮内容物が遺残することがあるが、その場合に、必ず子宮内容物を除去する手術が行われるものではないこと。
8.4. 子宮内避妊用具<IUD>を装着又はレボノルゲストレル放出子宮内システム<IUS>を装着している場合は、本剤の効果が得られないおそれや子宮損傷のおそれがあるため、本剤投与前にIUD又はIUSを除去すること。
8.5. 本剤投与前にRh式血液型を確認し、Rh<D>陰性の者の場合には必要に応じて感作予防のための処置を行うこと。
9.1.1. 重度貧血のある患者:本剤の投与の適否を慎重に判断すること(本剤の投与により子宮出血が発現し、貧血が悪化するおそれがある)。
9.3.1. 重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者:投与しないこと(血漿中非結合形ミフェプリストン濃度が増加することが推定される)〔2.9、16.6.1参照〕。
相互作用
ミフェプリストンは主としてCYP3Aで代謝される。また、ミフェプリストンはCYP3Aの阻害剤である〔16.4.1、16.7.3参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). 抗凝固薬、ワルファリンカリウム<ワーファリン>、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩<プラザキサ>、リバーロキサバン<イグザレルト>、アピキサバン<エリキュース>、エドキサバントシル酸塩<リクシアナ>〔2.6参照〕[これら薬剤との併用により、ミフェプリストン及びミソプロストールによる子宮出血の程度が悪化するおそれがあるので、併用しないこと(これら薬剤の抗凝固作用により出血が増強するおそれがある)]。
2). 抗血小板薬、アスピリン<バイアスピリン、アスピリン>、アスピリン含有製剤<バファリン、コンプラビン配合錠、タケルダ配合錠>、チクロピジン塩酸塩<パナルジン>、クロピドグレル硫酸塩<プラビックス>、プラスグレル塩酸塩<エフィエント>、チカグレロル<ブリリンタ>、シロスタゾール<プレタール>、イコサペント酸エチル<エパデール>、ベラプロストナトリウム<ドルナー>、サルポグレラート塩酸塩<アンプラーグ>〔2.7参照〕[これら薬剤との併用により、ミフェプリストン及びミソプロストールによる子宮出血の程度が悪化するおそれがあるので、併用しないこと(これら薬剤の抗血小板凝集抑制作用により出血が増強するおそれがある)]。
3). 強いCYP3A誘導剤及び中程度のCYP3A誘導剤、リファンピシン<リファジン>、リファブチン<ミコブティン>、カルバマゼピン<テグレトール>、フェニトイン<アレビアチン等>、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)、フェノバルビタール<フェノバール>、ボセンタン<トラクリア>、エファビレンツ<ストックリン>、ダブラフェニブ<タフィンラー>、エトラビリン<インテレンス>、ロルラチニブ<ローブレナ>、プリミドン<プリミドン>、ソトラシブ<ルマケラス>〔2.8、16.7.2参照〕[ミフェプリストンの血漿中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤の影響がなくなるまで本剤を投与しないこと(CYP3Aを強く誘導することにより、ミフェプリストンの代謝が著しく亢進され、ミフェプリストンの血漿中濃度が著しく低下するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:1). CYP3A阻害剤(ケトコナゾール(錠剤及び注射剤:国内未承認)、イトラコナゾール、エリスロマイシン、グレープフルーツジュース等)〔16.7.1参照〕[ミフェプリストンの血漿中濃度が上昇し副作用が強くあらわれるおそれがある(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、ミフェプリストンの血漿中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). 弱いCYP3A誘導剤(モダフィニル等)[ミフェプリストンの血漿中濃度が低下し効果が減弱するおそれがある(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を誘導するため、ミフェプリストンの血漿中濃度が低下する可能性がある)]。
3). CYP3Aの基質となる薬剤(アトルバスタチン、ロバスタチン、ベンゾジアゼピン系薬剤、トリアゾラム、ミダゾラム等、抗精神病薬、ハロペリドール、クエチアピン、ルラシドン等、ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤、ニフェジピン、ニソルジピン等、シクロスポリン等)[これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある(ミフェプリストンはCYP3Aを不可逆的に阻害するため、CYP3Aの基質となる薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある)]。
4). 副腎皮質ステロイド剤、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン等[副腎皮質ステロイド療法の有効性が低下する可能性がある(ミフェプリストンの抗グルココルチコイド作用が副腎皮質ステロイド剤の効果に影響を与える可能性がある)]。
5). マグネシウム含有制酸剤、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム等[ミソプロストール投与により下痢が発現しやすくなる(ミソプロストールは、小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせ、マグネシウム含有制酸剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重度の子宮出血(0.8%):本剤投与後は子宮出血があらわれ、まれに重度子宮出血があらわれることがあり、失神に至った症例も報告されており、また、子宮出血が持続した場合、失血性貧血(0.8%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、外科的処置や輸血等も含め適切な処置を検討すること〔1.2、2.5、8.3.6、8.3.7参照〕。
11.1.2. 感染症(頻度不明):子宮内膜炎等の感染症があらわれることがあり、敗血症、中毒性ショック症候群等の致死的な症例も報告されている〔1.2、8.3.8参照〕。
11.1.3. 重度の皮膚障害(頻度不明):ミフェプリストン投与後に、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、急性汎発性発疹性膿疱症(Acute Generalised Exanthematous Pustulosis:AGEP)等の重度皮膚障害があらわれることがある。
11.1.4. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、ふるえ等)があらわれることがある。
11.1.5. 脳梗塞(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)、狭心症(頻度不明):ミソプロストールとの因果関係が否定できない脳梗塞、心筋梗塞及び狭心症の報告がある。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(10%以上)*下腹部痛、嘔吐、下痢、(1~10%未満)悪心、(1%未満)腹部不快感、腹痛、上腹部痛。
2). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(1~10%未満)発熱、悪寒、(1%未満)倦怠感、(頻度不明)疲労。
3). 神経系障害:(1%未満)振戦、(頻度不明)頭痛、浮動性めまい。
4). 生殖系及び乳房障害:(頻度不明)子宮痙攣、乳房圧痛。
5). 血管障害:(頻度不明)ほてり、低血圧。
6). 皮膚及び皮下組織障害:(頻度不明)皮疹、皮膚そう痒症、蕁麻疹様反応。
7). 筋骨格系及び結合組織障害:(頻度不明)筋痙縮。
*)臨床試験では、より強い鎮痛剤の使用が必要になったもの又は治験担当医師が異常な痛みと判断したもののうち、因果関係が否定できないものを下腹部痛の副作用とした。
授乳婦
本剤を用いた人工妊娠中絶に先立ち、本剤の投与を受ける者に対して、次の内容を説明すること〔8.3.9参照〕。
・ 海外において、ミフェプリストンやミソプロストールの投与を受けた妊婦の児について先天異常の報告があること。
・ ミフェプリストンの妊娠動物(マウス、ラット及びウサギ)への反復投与試験(催奇形性試験)では、ミフェプリストンの薬効(妊娠中絶作用)のため、臨床等価用量を超える投与量での検討は実施していない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ミフェプリストン及びミソプロストールではヒトで乳汁中への移行が報告されている)〔16.3.2参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意〈ミフェプリストン〉PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して使用すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2. 薬剤投与時の注意〈ミソプロストール〉ミソプロストールバッカル錠は、有効成分を口腔粘膜から吸収させる製剤であるため、噛んだり、舐めたりしないこと。
光に不安定であるため、外箱開封後は個装箱に入れて保管すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 妊娠中期の中絶のために、ミソプロストールを投与後、まれに子宮破裂が報告又は妊娠後期の子宮内死亡胎児の分娩誘発のために、ミソプロストールを投与後、まれに子宮破裂が報告されている。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)ミフェプリストンの血中濃度
日本人健康成人女性を対象にミフェプリストン200mgを単回経口投与したとき、血漿中ミフェプリストン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
ミフェプリストン50mg、100mg及び200mgを単回経口投与したときの血漿中ミフェプリストンのCmax及びAUC0-∞は、50~200mgの用量範囲で用量比を下回って増加した。
(平均値+標準偏差、n=12)

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(2)ミソプロストール遊離酸の血中濃度
日本人健康成人女性を対象にミソプロストール800μgを単回バッカル投与したとき、血漿中ミソプロストール遊離酸濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
ミソプロストール200μg、400μg及び800μgを単回バッカル投与したときの血漿中ミソプロストール遊離酸のCmax及びAUC0-∞は、200~800μgの用量範囲で投与量に比例して増加した。
(平均値+標準偏差、n=12)

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16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
(1)ミフェプリストン
ミフェプリストン20mg投与後、絶対バイオアベイラビリティは69%である。(外国人データ)
16.2.2 食事の影響
(1)ミフェプリストン
日本人健康閉経女性を対象にミフェプリストン200mgを食後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して、ミフェプリストンのCmaxは、1.03倍、AUC0-∞は0.90倍であった。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合
(1)ミフェプリストン
ミフェプリストンのヒト血漿中蛋白結合率は99.5%であり、主な結合蛋白はアルブミン及びα1‐酸性糖タンパク(AAG)であった。
(2)ミソプロストール
ミソプロストール遊離酸のヒト血漿中蛋白結合率は81-88%であり、主な結合蛋白はアルブミンであった。
16.3.2 乳汁移行性
(1)ミフェプリストン
授乳中の健康成人女性にミフェプリストン600mgを単回経口投与したとき、投与6日後までミフェプリストンが乳汁中に検出されたが、ミフェプリストン200mgを単回経口投与したとき、乳汁中のミフェプリストンは検出下限未満であった。(外国人データ)[9.6参照]
(2)ミソプロストール
授乳中の健康成人女性にミソプロストール200又は600μgを単回経口投与したとき、乳汁中にミソプロストール遊離酸が検出され、投与5時間後には乳汁中からほとんど消失した。(外国人データ)[9.6参照]
16.4 代謝
16.4.1 ミフェプリストン
ミフェプリストンの主な代謝経路は肝臓における酸化的代謝であり、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験から、ミフェプリストンの脱メチル化及びヒドロキシル化にはCYP3Aが主に関与することが示された。[10.参照]
16.4.2 ミソプロストール
血漿中で速やかにミソプロストール遊離酸に代謝される。ミソプロストール遊離酸の主な代謝経路は肝臓におけるα鎖のβ酸化、β鎖のω酸化、及び還元である。
16.5 排泄
16.5.1 ミフェプリストン
3H‐標識ミフェプリストンを単回経口投与後、6~7日間で糞便中に90%が排泄された。(外国人データ)
16.5.2 ミソプロストール
3H‐標識ミソプロストールを単回経口投与した2つの臨床試験において、総放射能の63.7%及び73.2%が尿中に排泄された。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
(1)ミフェプリストン
中等度の肝機能障害(Child‐Pugh分類B)を有する女性8例にミフェプリストン200mgを単回経口投与したとき、正常肝機能を有する女性と比較して、ミフェプリストンのCmaxは51%低下し、AUC0-infは43%低下した。なお、血漿中蛋白非結合形のミフェプリストン濃度は測定されていない。また、軽度及び重度の肝機能障害(Child‐Pugh分類A及びC)を有する患者にミフェプリストンを投与したときの血中濃度に関するデータは得られていない。(外国人データ)[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
〈ミフェプリストン〉
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人女性18例にCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを反復経口投与後、イトラコナゾールと併用してミフェプリストン200mgを単回経口投与したとき、ミフェプリストン単独投与時に対する併用投与時のミフェプリストンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比(90%CI)は1.471(1.367-1.583)及び2.581(2.268-2.936)であった。(外国人データ)[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康成人女性18例にCYP3A誘導剤であるリファンピシン200mgを反復経口投与後、リファンピシンと併用してミフェプリストン200mgを単回経口したとき、ミフェプリストン単独投与時に対する併用投与時のミフェプリストンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比(90%CI)は0.5831(0.5380-0.6320)及び0.1737(0.1478-0.2042)であった。(外国人データ)[10.1参照]
16.7.3 In vitro試験
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、ミフェプリストンはCYP3A4に対する不可逆的な阻害作用を示し、IC50値は4.7μmol/Lであった。また、ヒト肝細胞を用いたin vitro試験において、ミフェプリストンはCYP3A4に対する誘導作用を示した。[10.参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
妊娠63日(妊娠9週0日)以下(ミフェプリストン投与時点)の子宮内妊娠が確認され、母体保護法に基づき人工妊娠中絶の適応となると判断された120例を対象に、ミフェプリストン200mgを単回経口投与し、その36~48時間後にミソプロストール800μgを単回バッカル投与(200μg錠を左右の頬の内側に2錠ずつ30分間静置した後、残留物を嚥下)したときの人工妊娠中絶の有効性及び安全性を検討する非盲検、前向き、多施設共同試験を実施した。
FAS120例(平均年齢28.1±6.84歳)において主要評価項目であるミフェプリストン投与からミソプロストール投与後24時間までに人工妊娠中絶が成功した被験者の割合は次表のとおりであった。ミソプロストール投与後の人工妊娠中絶が成功した被験者の割合は、ミソプロストール投与後0~4時間で61.7%(74/120例)、4~8時間で26.7%(32/120例)、8~12時間及び20~24時間で各1.7%(2/120例)であった。また、ミフェプリストン投与後ミソプロストール投与前に人工妊娠中絶が成功に至った被験者の割合は1.7%(2/120例)であった。当該2例にはミソプロストールを投与しなかったが、子宮内容物の遺残に起因した有害事象は認められなかった。
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また、本試験では、ミソプロストール投与前に全被験者に鎮痛剤を投与することを規定し、鎮痛剤としてジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム及びアセトアミノフェンが投与された。
全ての被験者で子宮出血及び下腹部痛が認められた。子宮出血の程度を評価したmodified Pictorial Blood Assessment Chart(PBAC)スコア(次の採点システムを用いて評価)及び下腹部痛の程度を評価したNumerical Rating Scale(NRS)を期間別に次に示す。
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なお、ミフェプリストン投与から初めて出血が発現するまでの時間(平均値±標準偏差)[中央値(最小値、最大値)]は34.362±12.2623時間[38.375(0.08、56.48)](120例)、ミフェプリストン投与後からミソプロストール投与まで出血が認められなかった被験者におけるミソプロストール投与から初めて出血が発現するまでの時間は2.426±2.0530時間[2.267(0.05、13.53)](47例)であった。また、これらの被験者における出血の持続時間(平均値±標準偏差)[中央値(最小値、最大値)]は614.860±392.7503時間[488.400(139.25、2392.48)](120例)であった。
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ミフェプリストン又はミソプロストールと因果関係ありと判断された副作用の発現割合は37.5%(45/120例)であった。主な副作用は、下腹部痛15.0%(18/120例)、下痢14.2%(17/120例)及び嘔吐10.8%(13/120例)であった。なお、本試験では、子宮出血については、治療を要するもの又は治験担当医師が異常な出血と判断したものを有害事象とし、下腹部痛については、より強い鎮痛剤の使用が必要になったもの又は治験担当医師が異常な痛みと判断したものを有害事象とした。[7.3、8.2、8.3.3-8.3.5参照]

18.1 作用機序
18.1.1 ミフェプリストン
プロゲステロン受容体、グルココルチコイド受容体及びアンドロゲン受容体に結合親和性を有し、それぞれの受容体に対してアンタゴニスト作用を示す。また、抗エストロゲン様作用を示す。人工妊娠中絶には、プロゲステロン受容体に対するアンタゴニスト作用に基づく子宮内膜の肥厚及び分化の抑制並びに脱落膜形成の抑制、妊娠維持の阻害や子宮頸管の熟化作用が寄与する。
18.1.2 ミソプロストール
プロスタノイド受容体EP3に結合親和性を有し、当該受容体に対してアゴニスト作用を示す。人工妊娠中絶には、子宮頸管の熟化や子宮筋の収縮が寄与する。
18.2 子宮内膜に対する作用
ミフェプリストンは、ウサギにおいて、プロゲステロンによる子宮内膜の肥厚及び分化を抑制した。ミフェプリストンは、マウスにおいて、プロゲステロンによる子宮内膜の脱落膜反応を抑制した。
18.3 子宮頸管熟化作用
妊娠マウスにおいて、ミフェプリストン投与後に摘出した子宮頸管の湿重量を増加させ、子宮頸管のコラーゲン繊維を減少させた。妊娠マウスにおいて、ミソプロストール投与後に摘出した子宮頸管標本の開口度及び伸展度を増加させた。
18.4 子宮収縮作用
ミソプロストールは、妊娠中のヒト又はモルモットから摘出した子宮筋標本において、プロスタノイド受容体EP3を介し子宮筋を収縮した(in vitro)。
18.5 妊娠動物に対する作用
ミフェプリストンは、妊娠動物(マウス、ラット、モルモット、イヌ及びサル)において、流産や早産を誘発する妊娠維持の阻害作用を示した。

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