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リュープリン注射用キット1.88mg

販売名
リュープリン注射用キット1.88mg
薬価
1.88mg1筒 18611.00円
製造メーカー
武田薬品

添付文書情報2023年05月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
一般名
リュープロレリン酢酸塩キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.3. 授乳中の患者〔9.6授乳婦の項参照〕。
2.4. 診断のつかない異常性器出血の患者[悪性疾患の可能性がある]〔8.3参照〕。
効能・効果
1). 子宮内膜症。
2). 過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善。
3). 中枢性思春期早発症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈子宮筋腫〉本剤による子宮筋腫に対する治療は根治療法ではないことに留意し、手術が適応となる患者の手術までの保存療法並びに閉経前の保存療法としての適用を原則とすること(なお、下腹痛、腰痛に対する効果は、投与初期には認められないので、その間は適当な対症療法を考慮すること)。
用法・用量
〈子宮内膜症〉
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。ただし、体重が50kg未満の患者では1.88mgを投与することができる。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
〈子宮筋腫〉
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に投与する。ただし、体重の重い患者、子宮腫大が高度の患者では3.75mgを投与する。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
〈中枢性思春期早発症〉
通常、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを皮下に投与する。なお、症状に応じて180μg/kgまで増量できる。
投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させ、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
投与量の調節が不可能なため、1回当たり全量投与が必要な患者にのみ使用すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤は4週間持続の徐放性製剤であり、4週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、4週に1回の用法を遵守すること。
7.2. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉一般的に投与量の増加に伴って副作用の発現率が高くなる傾向がみられるので、投与量の決定にあたっては、用法・用量に示された体重、子宮腫大の程度に留意すること〔17.1.2参照〕。
7.3. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉子宮内膜症、子宮筋腫の場合、治療に際しては妊娠していないことを確認し、必ず月経周期1~5日目より投与を開始すること。また、子宮内膜症、子宮筋腫の場合、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
7.4. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉エストロゲン低下作用に基づく骨塩量低下がみられることがあるので、6ヵ月を超える投与は原則として行わないこと(6ヵ月を超える投与の安全性は確立していない)〔8.5参照〕。
7.5. 〈中枢性思春期早発症〉適用にあたっては、患者の体重や症状等から適切と考えられた用量を超えないように注意して使用すること。
生殖能を有する者
8.1. 〈効能共通〉本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察すること。
8.2. 〈効能共通〉アナフィラキシーがあらわれることがあるので、問診を十分に行うこと〔11.1.2参照〕。
8.3. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること〔2.4参照〕。
8.4. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。
8.5. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉やむを得ず長期にわたる投与や再投与が必要な場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与すること〔7.4参照〕。
8.6. 〈中枢性思春期早発症〉初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による性腺ホルモン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。
8.7. 〈中枢性思春期早発症〉治療中は定期的にLH-RHテストを行い、血中LH及びFSHの反応性が抑制されない場合には、投与を中止すること。
9.1.1. 〈子宮筋腫〉粘膜下筋腫の患者:観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと、また、子宮筋腫の場合、出血症状が増悪した場合には連絡するよう患者に対し注意を与えること(出血症状が増悪することがある)。
9.1.2. 〈子宮内膜症〉粘膜下筋腫のある患者:出血症状が増悪することがある。
〈子宮内膜症、子宮筋腫〉生殖能を有する者:子宮内膜症、子宮筋腫の場合、治療に際しては妊娠していないことを確認し、子宮内膜症、子宮筋腫の場合、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること〔7.3、9.5妊婦の項参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:〈子宮内膜症、子宮筋腫〉性ホルモン剤(エストラジオール誘導体、エストリオール誘導体、結合型エストロゲン製剤、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤、両性混合ホルモン剤等)[本剤の効果を減弱することがある(本剤は性ホルモンの分泌を低下させることにより薬効を示す、したがって、性ホルモン剤の投与は本剤の治療効果を減弱する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 〈効能共通〉間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.2. 〈効能共通〉アナフィラキシー(0.1%未満)〔8.2参照〕。
11.1.3. 〈効能共通〉肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4. 〈効能共通〉糖尿病の発症又は糖尿病増悪(頻度不明)。
11.1.5. 〈効能共通〉下垂体卒中(頻度不明):下垂体卒中が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力障害・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
11.1.6. 〈効能共通〉心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症(頻度不明)。
11.1.7. 〈子宮内膜症、子宮筋腫〉更年期障害様のうつ状態(0.1~5%未満):エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 低エストロゲン症状:(5%以上)ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗、(0.1~5%未満)性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定。
2). 女性生殖器:(0.1~5%未満)不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房疼痛・乳房緊満感・乳房萎縮。
3). 筋・骨格系:(5%以上)関節痛、骨疼痛等の疼痛、(0.1~5%未満)手指のこわばり等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量低下、血清リン上昇、高カルシウム血症。
4). 皮膚:(0.1~5%未満)ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪異常。
5). 精神神経系:(0.1~5%未満)眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常。
6). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、そう痒。
7). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、AL-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、(0.1%未満)黄疸。
8). 消化器:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇。
9). 循環器:(0.1~5%未満)心悸亢進、血圧上昇。
10). 血液:(0.1~5%未満)赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長。
11). 泌尿器系:(0.1~5%未満)頻尿、排尿困難、BUN上昇。
12). 投与部位:(0.1~5%未満)疼痛、硬結、発赤、(頻度不明)膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応[中枢性思春期早発症患者において90μg/kgを超えて投与した場合、74例中8例(10.8%)で注射部位反応がみられたとの報告がある]。
13). その他:(0.1~5%未満)疲労、倦怠感、脱力感、口唇のしびれ・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症、(0.1%未満)体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常、(頻度不明)痙攣。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(LH-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎仔死亡増加及び胎仔体重低値(ラット、ウサギ)並びに胎仔骨格異常増加傾向(ウサギ)がみられている)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
投与しないこと(ラットで乳汁への移行がみられている)〔2.3参照〕。
小児等
〈中枢性思春期早発症〉低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮下注射のみに使用すること(静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある)。
14.2.2. 注射針は25ゲージ又はそれよりも太いものを用いること(25ゲージの注射針が装着されている)。
14.2.3. 皮下注射にあたっては次記の点に注意すること。
(1). 注射部位は上腕部・腹部・臀部の皮下とすること。
(2). 注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
(3). 注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
(4). 注射部位をもまないように患者に指示すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
〈中枢性思春期早発症〉
中枢性思春期早発症患者にリュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを4週ごとに12回皮下投与した場合の初回投与後の未変化体の血中濃度推移は次のとおりであった。
また、以降の未変化体の血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。
血中濃度推移
平均値(標準偏差)

〈前立腺癌〉
前立腺癌患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを単回皮下投与した場合の血中濃度推移は次のとおりであった。
なお、前立腺癌患者(17例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに3回皮下投与した時の血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。
血中濃度推移
平均値(標準偏差)、n=4

16.1.2 反復投与
〈子宮内膜症〉
子宮内膜症患者にリュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した場合の血中濃度推移は次のとおりであった。
なお、子宮内膜症患者(77例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した時の未変化体と代謝物M‐I(Tyr‐D‐Leu‐Leu‐Arg‐Pro‐NHC2H5)とを合せた血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。
血中濃度推移
平均値(標準偏差)

〈子宮筋腫〉
子宮筋腫患者における薬物動態は子宮筋腫と同様のエストロゲン依存性疾患であり患者の年齢層も比較的類似する子宮内膜症における薬物動態と同様と考えられる。
〈閉経前乳癌〉
閉経前乳癌患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに3回皮下投与した場合の未変化体の血中濃度推移は次のとおりであった。また、2回目及び3回目投与の4週後の血中濃度は初回投与4週後の血中濃度よりも高値を示さず蓄積性はないと考えられる。
血中濃度推移
平均値(標準偏差)、n=11

16.5 排泄
〈子宮内膜症〉
16.5.1 子宮内膜症患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週間ごとに6回皮下投与した場合、初回投与後24時間及び6回目投与後24時間の未変化体及び代謝物M‐Iの尿中排泄率は次のとおりであった。
投与後24時間までの尿中排泄率
→図表を見る(PDF)

〈子宮筋腫〉
16.5.2 子宮筋腫患者における薬物動態は子宮筋腫と同様のエストロゲン依存性疾患であり患者の年齢層も比較的類似する子宮内膜症における薬物動態と同様と考えられる。
〈中枢性思春期早発症〉
16.5.3 中枢性思春期早発症患者(1例)にリュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを単回皮下投与した場合の初回投与後28日までの未変化体及び代謝物M‐Iの尿中累積排泄率はそれぞれ1.8%及び7.1%であった。
〈前立腺癌〉
16.5.4 前立腺癌患者(2例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを単回皮下投与した場合、投与後28日までの未変化体及び代謝物M‐Iの尿中累積排泄率はそれぞれ2.9%及び1.5%であった。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈子宮内膜症〉
17.1.1 子宮内膜症患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを皮下に6回投与した国内臨床試験(第II相試験、第III相比較試験及び第III相一般臨床試験)における24週時点での全般改善率は次のとおりであり、3.75mgを投与した場合の改善率(著明改善+改善)は79.9%であった。
全般改善度(体重別)
→図表を見る(PDF)

1.88mgの臨床効果は3.75mgと比べるとやや低かったものの、体重別に検討したところ体重50kg未満では概ね同等の改善率が得られることが示唆された。
体重50kg未満の子宮内膜症の患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に6回投与した国内第III相一般臨床試験を更に行ったところ、82.0%(41/50例)の改善率(「改善」以上)が得られている。
なお、子宮内膜症患者を対象とした国内第III相比較試験の結果、本剤の有用性が認められている。
〈子宮筋腫〉
17.1.2 子宮筋腫患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを皮下に4回又は6回投与した国内臨床試験(第II相試験、第III相比較試験及び第III相一般臨床試験)において、判定不能例を除く最終投与後4週時点での全般改善率(著明改善+改善)は83.5%(259/310例)、著明改善率は39.7%(123/310例)であった。
投与量、体重及び投与前の子宮の大きさ(内診による)で層別した改善以上の改善率は次のとおりとなり、比較的体重の重い患者(55kg以上)及び子宮腫大が高度の患者(子宮の大きさが手拳大以上)では1.88mg群に比べ3.75mg群で高い改善率が得られている。
全般改善度(体重別、子宮の大きさ別)
→図表を見る(PDF)

なお、子宮筋腫患者を対象とした国内第III相比較試験の結果、本剤の有用性が認められている。
また、1回0.94mg、1.88mg、3.75mg又は5.63mgを4回投与した用量設定試験における集計では、それぞれ48例中35例(72.9%)、45例中36例(80.0%)、43例中39例(90.7%)及び49例中43例(87.8%)に、臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。[7.2参照]
〈中枢性思春期早発症〉
17.1.3 中枢性思春期早発症患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として30μg/kg~90μg/kgを皮下に投与した国内長期投与試験において、24週、48週、96週及び144週時点での有効率は次のとおりであった。
全般有効度の推移
→図表を見る(PDF)

144週までの国内長期投与試験における時期別の副作用の発現頻度は、投与開始から4週、24週、48週、96週、120週、144週まででそれぞれ12.8%(12/94例)、7.4%(7/94例)、2.2%(2/92例)、3.4%(1/29例)、7.7%(2/26例)、4.0%(1/25例)であった。
〈閉経前乳癌〉
17.1.4 閉経前乳癌患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に3回投与した国内第II相比較試験において、12週時点での完全例及び適格例に対する奏効率(CR+PR)はそれぞれ30.4%(14/46例)、28.6%(14/49例)であった。また、12週以降も引き続き本剤が単独投与され、長期投与時の評価が行われた症例及び投与開始12週時点で評価が終了した症例を合わせた完全例及び適格例全例の奏効率(全観察期間を通じてみたBest Responseによる評価)(CR+PR)はそれぞれ37.0%(17/46例)、34.7%(17/49例)であった。[「進行・再発乳癌患者における治療効果の判定基準」による評価。(CR:Complete Response(著効)、PR:Partial Response(有効))]
また、外国(欧州)においてリンパ節転移陽性の閉経前及び閉経周辺期乳癌術後患者を対象に、3ヵ月に1回リュープロレリン酢酸塩11.25mgの皮下投与又はCMF療法を行った海外第III相無作為割付群間比較試験における無再発生存率は次のとおりであった。
無再発生存率
→図表を見る(PDF)

副作用の発現頻度は、12週時点では3.75mg群で59.2%(29/49例)、12週以降も投与された症例を含む全例では3.75mg投与で65.3%(32/49例)であり、主な症状は熱感(ほてり・のぼせ)、頭痛・頭重感、めまい及び肩こり等の更年期様症状であった。
〈前立腺癌〉
17.1.5 前立腺癌患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に3回投与した国内第III相比較試験において、12週時点での完全例及び適格例に対する奏効率(CR+PR)はそれぞれ53.9%(55/102例)、48.2%(55/114例)であった。また、本剤による単独治療が継続された患者を対象に、4週に1回計5~46回皮下に投与された国内長期投与試験において、評価可能例の完全例に対する奏効率(全観察期間を通じてみたBest Responseによる評価)(CR+PR)は51.7%(15/29例)であった。[「前立腺癌の薬物療法における治療効果判定基準」による評価。(CR:Complete Response(著効)、PR:Partial Response(有効))]
なお、前立腺癌患者を対象とした比較対照試験の結果、本剤の有用性が認められている。
副作用の発現頻度は、国内第III相比較試験の3.75mg群で64.1%(41/64例)であり、主な症状は熱感・ほてり、性欲低下等であった。

18.1 作用機序
高用量のLH‐RH又は高活性LH‐RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を反復投与すると、初回投与直後一過性に下垂体-性腺系刺激作用(急性作用)がみられた後、下垂体においては性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。更に、卵巣及び精巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、エストラジオール及びテストステロン産生能が低下する(慢性作用)。リュープロレリン酢酸塩のLH放出活性はLH‐RHの約100倍であり、その下垂体-性腺機能抑制作用はLH‐RHより強い。リュープロレリン酢酸塩が高活性LH‐RH誘導体であり、下垂体-性腺機能抑制作用が強い理由は、リュープロレリン酢酸塩が、LH‐RHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、LH‐RHリセプターに対する親和性が高いことなどによる。更に、本剤は徐放性製剤であるので、常時血中にリュープロレリン酢酸塩を放出して効果的に卵巣及び精巣の反応性低下をもたらし、下垂体-性腺機能抑制作用を示す。
18.2 性腺ホルモン濃度抑制作用
18.2.1 子宮内膜症患者、子宮筋腫患者及び閉経前乳癌患者において、4週に1回の皮下投与により血清エストラジオール濃度は概ね閉経期レベル近くにまで低下し、卵巣機能抑制作用を認め、通常排卵は抑制され、月経は停止する。
18.2.2 前立腺癌患者において4週に1回の皮下投与により血清テストステロン濃度が持続的に去勢レベル以下に低下し、薬物的去勢作用が認められる。
18.2.3 中枢性思春期早発症の女児及び男児において、4週に1回の皮下投与により性腺ホルモン濃度は、前思春期レベルにまで低下し、二次性徴の進行抑制作用が認められる。

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