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リュープリンSR注射用キット11.25mg

販売名
リュープリンSR注射用キット11.25mg
薬価
11.25mg1筒 44498.00円
製造メーカー
武田薬品

添付文書情報2023年05月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
一般名
リュープロレリン酢酸塩キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.3. 授乳中の患者〔9.6授乳婦の項参照〕。
効能・効果
1). 前立腺癌。
2). 閉経前乳癌。
3). 球脊髄性筋萎縮症の進行抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈閉経前乳癌〉本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。
5.2. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉遺伝子検査により、アンドロゲン受容体遺伝子におけるCAGリピート数の異常延長が確認された患者に投与すること。
5.3. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉去勢術、薬物療法等により血清テストステロン濃度が去勢レベルに低下している患者では、本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。
用法・用量
通常、成人には12週に1回リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを皮下に投与する。
投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈前立腺癌、閉経前乳癌〉本剤は12週間持続の徐放性製剤であり、12週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、12週に1回の用法を遵守すること。
7.2. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉本剤は12週間持続の徐放性製剤であり、12週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、疾患が進行するおそれがあるので、12週に1回の用法を遵守すること。
生殖能を有する者
8.1. 〈効能共通〉本剤は12週間持続性の製剤であり、徐放性の薬剤が注射部位に長くとどまり、注射部位硬結等の注射部位反応が発現することがあるので、注射部位を毎回変更し、注射部位をもまないように患者に説明するなど十分注意して投与すること〔14.2.2参照〕。
8.2. 〈効能共通〉本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察すること。
8.3. 〈効能共通〉アナフィラキシーがあらわれることがあるので、問診を十分に行うこと〔11.1.2参照〕。
8.4. 〈前立腺癌〉本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
8.5. 〈前立腺癌〉初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪がみられることがある(また、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行うこと)〔11.1.8参照〕。
8.6. 〈閉経前乳癌〉本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
8.7. 〈閉経前乳癌〉初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪等がみられることがある。
8.8. 〈閉経前乳癌〉本剤で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、投与を中止すること。
8.9. 〈閉経前乳癌〉エストロゲン低下作用に基づく骨塩量低下がみられることがあるので、長期にわたり投与する場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与すること。
8.10. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉球脊髄性筋萎縮症に関する十分な知識を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
8.11. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って疾患が進行するおそれがあるため、本剤の初回投与初期は症状を十分に観察すること。
8.12. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉球脊髄性筋萎縮症の進行抑制の場合、本剤の投与により、血清テストステロン濃度が持続的に去勢レベル以下に低下し、性欲減退、男性性機能不全等の副作用が現れる可能性があるため、投与に際しては、患者に十分な説明を行うこと。
9.1.1. 〈前立腺癌〉脊髄圧迫による腎障害又は尿路閉塞による腎障害を既に呈している患者又は新たに発生するおそれのある患者:初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。
9.1.2. 〈閉経前乳癌〉粘膜下筋腫のある患者:出血症状が増悪することがある。
生殖能を有する者:治療に際しては妊娠していないことを確認し、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること〔9.5妊婦の項参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 〈効能共通〉間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.2. 〈効能共通〉アナフィラキシー(0.1%未満)〔8.3参照〕。
11.1.3. 〈効能共通〉肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4. 〈効能共通〉糖尿病の発症又は糖尿病増悪(頻度不明)。
11.1.5. 〈効能共通〉下垂体卒中(頻度不明):下垂体卒中が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力障害・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
11.1.6. 〈効能共通〉心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症(頻度不明)。
11.1.7. 〈前立腺癌〉うつ状態(0.1%未満)。
11.1.8. 〈前立腺癌〉骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫(5%以上):下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫がみられることがある〔8.4参照〕。
11.1.9. 〈前立腺癌〉心不全(0.1~5%未満)。
11.1.10. 〈閉経前乳癌〉更年期障害様のうつ状態(0.1~5%未満):エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがある。
11.1.11. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制の場合〉うつ状態(0.1~5%未満)。
11.1.12. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制の場合〉心不全(0.1~5%未満)。
11.2. その他の副作用
1). 〈前立腺癌〉①. 〈前立腺癌〉肝臓:(5%以上)LDH上昇、(0.1~5%未満)黄疸、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、AL-P上昇。
②. 〈前立腺癌〉内分泌系:(5%以上)ほてり、熱感、(0.1~5%未満)頭痛、不眠、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感。
③. 〈前立腺癌〉筋・骨格系:(0.1~5%未満)関節痛、骨疼痛、肩疼痛・腰疼痛・四肢疼痛等の疼痛、歩行困難、手指のこわばり等のこわばり、(0.1%未満)筋肉痛、骨塩量低下。
④. 〈前立腺癌〉皮膚:(0.1~5%未満)皮膚炎、頭部発毛。
⑤. 〈前立腺癌〉泌尿器系:(0.1~5%未満)頻尿、血尿、BUN上昇。
⑥. 〈前立腺癌〉循環器:(0.1~5%未満)心電図異常、心胸比増大。
⑦. 〈前立腺癌〉血液:(0.1~5%未満)貧血、血小板減少。
⑧. 〈前立腺癌〉消化器:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、便秘、(0.1%未満)下痢。
⑨. 〈前立腺癌〉過敏症:(0.1~5%未満)発疹、そう痒。
⑩. 〈前立腺癌〉投与部位:(5%以上)硬結、(0.1~5%未満)疼痛、発赤、(頻度不明)膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応。
⑪. 〈前立腺癌〉その他:(0.1~5%未満)浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇のしびれ・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇、(0.1%未満)脱力感、(頻度不明)痙攣。
2). 〈閉経前乳癌〉①. 〈閉経前乳癌〉低エストロゲン症状:(5%以上)ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗、(0.1~5%未満)性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定。
②. 〈閉経前乳癌〉女性生殖器:(0.1~5%未満)不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房疼痛・乳房緊満感・乳房萎縮。
③. 〈閉経前乳癌〉筋・骨格系:(5%以上)関節痛、骨疼痛等の疼痛、(0.1~5%未満)手指のこわばり等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量低下、血清リン上昇、高カルシウム血症。
④. 〈閉経前乳癌〉皮膚:(0.1~5%未満)ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪異常。
⑤. 〈閉経前乳癌〉精神神経系:(0.1~5%未満)眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常。
⑥. 〈閉経前乳癌〉過敏症:(0.1~5%未満)発疹、そう痒。
⑦. 〈閉経前乳癌〉肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、AL-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、(0.1%未満)黄疸。
⑧. 〈閉経前乳癌〉消化器:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇。
⑨. 〈閉経前乳癌〉循環器:(0.1~5%未満)心悸亢進、血圧上昇。
⑩. 〈閉経前乳癌〉血液:(0.1~5%未満)赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長。
⑪. 〈閉経前乳癌〉泌尿器系:(0.1~5%未満)頻尿、排尿困難、BUN上昇。
⑫. 〈閉経前乳癌〉投与部位:(5%以上)硬結、(0.1~5%未満)疼痛、発赤、(頻度不明)膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応。
⑬. 〈閉経前乳癌〉その他:(0.1~5%未満)疲労、倦怠感、脱力感、口唇のしびれ・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症、(0.1%未満)体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常、(頻度不明)痙攣。
3). 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉①. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉肝臓:(5%以上)肝機能異常。
②. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉内分泌系:(5%以上)ほてり、頭痛、性欲減退、(0.1~5%未満)めまい、発汗、不眠、男性性機能不全、勃起障害。
③. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉筋・骨格系:(5%以上)関節痛、背部痛、筋肉痛、(0.1~5%未満)骨粗鬆症、四肢痛、変形性脊椎症、筋骨格痛、筋骨格硬直。
④. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉投与部位:(5%以上)硬結、(0.1~5%未満)内出血、疼痛、(頻度不明)膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応。
⑤. 〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉その他:(5%以上)便秘、体重増加、高脂血症、高血圧、湿疹、(0.1~5%未満)胸痛、頻尿、貧血、感覚鈍麻、倦怠感、トリグリセライド上昇、血清リン上昇、末梢性浮腫、鼻咽頭炎、末梢冷感、呼吸困難、下痢、胃炎、血尿、(頻度不明)痙攣。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(LH-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎仔死亡増加及び胎仔体重低値(ラット、ウサギ)並びに胎仔骨格異常増加傾向(ウサギ)がみられている)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
投与しないこと(ラットで乳汁への移行がみられている)〔2.2参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮下注射のみに使用すること(静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある)。
14.2.2. 皮下注射にあたっては次記の点に注意すること〔8.1参照〕。
(1). 注射部位は上腕部・腹部・臀部の皮下とすること。
(2). 注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
(3). 注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
(4). 注射部位をもまないように患者に指示すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
〈前立腺癌〉
前立腺癌患者(未治療例)に、リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを単回皮下投与した場合の血中濃度[代謝物M‐I(Tyr‐D‐Leu‐Leu‐Arg‐Pro‐NHC2H5)注)を含む]は次のとおりであった。
血中濃度推移(代謝物M‐Iを含む)
平均値(標準偏差)、n=10

16.1.2 反復投与
〈前立腺癌〉
前立腺癌既治療患者(リュープリン注射用3.75mgの投与により抗腫瘍効果が安定して得られている患者)51例を対象に、リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週ごとに2回皮下投与した時の血中濃度(代謝物M‐I注)を含む)は、投与24週後までほぼ0.2~0.3ng/mLで推移した。血中濃度の推移からみて蓄積性はないと考えられる。
〈閉経前乳癌〉
閉経前乳癌患者(術後患者)に、リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週ごとに2回皮下投与(タモキシフェンクエン酸塩20mg/日を併用投与)した時の血中濃度(代謝物M‐Iを含む)は次のとおりであり、定常状態に達した投与16週後以降、投与24週後までほぼ0.2ng/mLで推移した。
血中濃度推移(代謝物M‐Iを含む)
平均値(標準偏差)

〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉
球脊髄性筋萎縮症患者(32例)にリュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週ごとに皮下投与した時の血中濃度(代謝物M‐Iを含む)は、3時間後に最高血中濃度(18.699±3.3050ng/mL)に到達して以降、12週後から48週後までの投与前値は0.153~0.213ng/mLで推移した。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈前立腺癌〉
17.1.1 前立腺癌患者を対象に、12週に1回、リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを皮下投与した国内第II相非盲検群間比較試験及び国内第II相非対照試験における抗腫瘍効果(奏効率)及び血清テストステロン濃度の去勢レベル維持率は次のとおりであった。
抗腫瘍効果(奏効率)及び血清テストステロン濃度の去勢レベル維持率
→図表を見る(PDF)

副作用の発現頻度は、既治療例を対象とした国内第II相非盲検群間比較試験で23.5%(12/51例)であり、主な症状は発汗、ほてり及び注射部位硬結(注射部疼痛性硬結を含む)であった。未治療例を対象とした国内第II相非対照試験では副作用はみられなかった。
〈閉経前乳癌〉
17.1.2 閉経前乳癌患者を対象に、12週に1回、リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを皮下投与(タモキシフェンクエン酸塩20mg/日を併用投与)した国内第II相非盲検群間比較試験及び国内第II相非対照試験における抗腫瘍効果(奏効率)及び血清エストラジオール濃度の閉経期レベル抑制率は次のとおりであった。
抗腫瘍効果(奏効率)及び血清エストラジオール濃度の閉経期レベル抑制率
→図表を見る(PDF)

前記の閉経前乳癌術後患者71例を対象に96週まで投与した試験における無再発生存率は93.5%であった。
また、外国(欧州)においてリンパ節転移陽性の閉経前及び閉経周辺期乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩の投与又はCMF療法を行った海外第III相無作為割付群間比較試験における無再発生存率は次のとおりであった。
無再発生存率
→図表を見る(PDF)

副作用の発現頻度は、ホルモン動態及び安全性に関する国内第II相非盲検群間比較試験では95.8%(68/71例)であり、主な症状は熱感、頭重(感)、頭痛、発汗及び腰痛であった。国内第II相非対照試験では100%(22/22例)であり、主な症状は熱感、頭重(感)、発汗、悪心、注射部位硬結、注射部位疼痛であった。海外第III相無作為割付群間比較試験では95.2%(280/294例)であり、主な症状はほてり、体重増加、多汗であった。
〈球脊髄性筋萎縮症の進行抑制〉
17.1.3 国内第III相臨床試験(医師主導二重盲検比較試験)
遺伝子検査にて診断が確定した球脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週に1回、48週間皮下投与したプラセボ対照の医師主導二重盲検群間比較試験において、主要評価項目である咽頭部バリウム残留率の変化量は次のとおりであった。解析1では群間差は有意だったが(2標本t検定:p=0.049)、本解析のみベースライン値の分布に群間で偏りがみられたため調整解析した結果、群間差は有意でなかった。解析2では群間差は有意でなく(2標本t検定:p=0.331)、解析3(開封後の追加解析)では群間差は有意であった(2標本t検定:p=0.063)。
咽頭部バリウム残留率変化量注1)
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、57.0%(57/100例)であり、主な副作用は、ほてり10%(10/100例)、頭痛、関節痛及び注射部位硬結が各7.0%(7/100例)、肝機能異常6.0%(6/100例)並びに背部痛、便秘及び血中トリグリセリド増加が各5.0%(5/100例)であった。

18.1 作用機序
高用量のLH‐RH又は高活性LH‐RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を反復投与すると、初回投与直後一過性に下垂体-性腺系刺激作用(急性作用)がみられた後、下垂体においては性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。更に、精巣及び卵巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、テストステロン及びエストラジオール産生能が低下する(慢性作用)。リュープロレリン酢酸塩のLH放出活性はLH‐RHの約100倍であり、その下垂体-性腺機能抑制作用はLH‐RHより強い。リュープロレリン酢酸塩が高活性LH‐RH誘導体であり、下垂体-性腺機能抑制作用が強い理由は、リュープロレリン酢酸塩が、LH‐RHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、LH‐RHリセプターに対する親和性が高いことなどによる。更に、本剤は徐放性製剤であるので、常時血中にリュープロレリン酢酸塩を放出して効果的に精巣及び卵巣の反応性低下をもたらし、下垂体-性腺機能抑制作用を示す。
18.2 性腺ホルモン濃度抑制作用
18.2.1 前立腺癌患者及び球脊髄性筋萎縮症患者において12週に1回の皮下投与により血清テストステロン濃度が持続的に去勢レベル以下に低下し、薬物的去勢作用が認められる。
18.2.2 閉経前乳癌患者において12週に1回の皮下投与により血清エストラジオール濃度は概ね閉経期レベル以下に低下し、卵巣機能抑制作用を認め、通常排卵は抑制され、月経は停止する。
18.3 球脊髄性筋萎縮症モデルマウスにおける薬理作用
変異アンドロゲン受容体を発現させた球脊髄性筋萎縮症モデルマウスにおいて、変異アンドロゲン受容体の核内への蓄積の低下、筋力低下の抑制が認められた。

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