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ピオグリタゾン錠15mg「武田テバ」

後発医薬品
販売名
ピオグリタゾン錠15mg「武田テバ」
識別コード
PG1 1 5
薬価
15mg1錠 10.10円
製造メーカー
武田テバファーマ

添付文書情報2020年02月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の糖尿病用剤
一般名
ピオグリタゾン塩酸塩15mg錠
禁忌
1.心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者[動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられており、また、臨床的にも心不全を増悪あるいは発症したとの報告がある]。
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となる]。
3.重篤な肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、蓄積する恐れがある]。
4.重篤な腎機能障害のある患者。
5.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
6.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
7.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
効能・効果
1.食事療法、運動療法のみで十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合の2型糖尿病。
2.食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用し十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合の2型糖尿病。
3.食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用し十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合の2型糖尿病。
4.食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用し十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合の2型糖尿病。
5.食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用し十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合の2型糖尿病。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意する。
用法・用量
1.食事療法、運動療法のみの場合及び食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤又はα-グルコシダーゼ阻害剤若しくはビグアナイド系薬剤を使用する場合:ピオグリタゾンとして15~30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。
2.食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用する場合:ピオグリタゾンとして15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.浮腫が比較的女性に多く報告されているので、女性に投与する場合は、浮腫の発現に留意し、1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。
2.1日1回30mgから45mgに増量した後に浮腫が発現した例が多くみられているので、45mgに増量する場合には、浮腫の発現に留意する。
3.インスリンとの併用時においては、浮腫が多く報告されていることから、1日1回15mgから投与を開始する。インスリンとの併用時、本剤を増量する場合は浮腫及び心不全症状・徴候を十分に観察しながら慎重に行う(但し、1日量として30mgを超えない)。
4.一般に高齢者では生理機能が低下しているので、1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。
慎重投与
1.次に掲げる患者又は状態:1).心不全発症の恐れのある心筋梗塞、心不全発症の恐れのある狭心症、心不全発症の恐れのある心筋症、心不全発症の恐れのある高血圧性心疾患等の心不全発症の恐れのある心疾患のある患者[循環血漿量の増加により心不全を発症させる恐れがある]。
2).肝機能障害又は腎機能障害。
3).脳下垂体機能不全又は副腎機能不全[低血糖を起こす恐れがある]。
4).栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態[低血糖を起こす恐れがある]。
5).激しい筋肉運動[低血糖を起こす恐れがある]。
6).過度のアルコール摂取者[低血糖を起こす恐れがある]。
7).高齢者。
2.他の糖尿病用薬投与中の患者。
重要な基本的注意
1.循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、次記の点に留意する。
1).心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者には投与しない。
2).投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状等がみられた場合には投与中止、ループ利尿剤(フロセミド等)の投与等適切な処置を行う。
3).服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意し、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導する。
2.心電図異常や心胸比増大が現れることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど十分に観察し、異常が認められた場合には投与を一時中止するかあるいは減量するなど慎重に投与する。
3.本剤は他の糖尿病用薬と併用した場合に低血糖症状を起こすことがあるので、他の糖尿病用薬との併用時には患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明し、注意を喚起する。
4.本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので、次の点に注意する。
1).膀胱癌治療中の患者には投与を避ける。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断する。
2).投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与する。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導する。
3).投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行い、また、投与終了後も継続して、十分な観察を行う。
5.本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮する。
6.本剤を使用する場合は、インスリン抵抗性が推定される患者に限定する。インスリン抵抗性の目安は肥満度(Body Mass Index=BMI kg/㎡)で24以上あるいはインスリン分泌状態が空腹時血中インスリン値で5μU/mL以上とする。
7.投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3カ月間投与して効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行う。
8.投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意する。
9.急激な血糖下降に伴い、糖尿病性網膜症が悪化する例があることが知られており、本剤においても報告例があるので留意する。
10.低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意する。
11.α-グルコシダーゼ阻害剤と本剤1日45mgの併用における安全性は確立していない(使用経験はほとんどない)。
12.α-グルコシダーゼ阻害剤、スルホニルウレア系薬剤及び本剤の3剤を併用投与する場合の安全性は確立していない(臨床試験成績より、副作用発現率が高くなる傾向が認められている)。
13.ビグアナイド系薬剤と本剤1日45mgの併用における安全性は確立していない(使用経験はほとんどない)。
相互作用
併用注意:1.糖尿病用薬:スルホニルウレア系薬剤(グリメピリド、グリベンクラミド、グリクラジド、トルブタミド等)、ビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩)、速効型インスリン分泌促進薬(ナテグリニド、ミチグリニドカルシウム水和物等)、α-グルコシダーゼ阻害剤(ボグリボース、アカルボース、ミグリトール)、DPP-4阻害剤(アログリプチン安息香酸塩、シタグリプチンリン酸塩水和物、ビルダグリプチン、リナグリプチン等)、GLP-1アナログ製剤(リラグルチド、エキセナチド)、インスリン製剤[これらの糖尿病用薬と併用した際に低血糖症状を発現する恐れがあるので、これらの薬剤との併用時には、低用量から投与を開始するなど慎重に投与する。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与する]。
2.糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強又は減弱する薬剤を併用している場合:1).糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤(β-遮断剤、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、フィブラート系の高脂血症治療剤、ワルファリン等)[糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強する薬剤の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用
薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤のインスリン抵抗性改善作用が加わることによる影響に十分注意する]。
2).糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等)[糖尿病用薬及びその血糖降下作用を減弱する薬剤の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤のインスリン抵抗性改善作用が加わることによる影響に十分注意する]。
3.リファンピシン等のCYP2C8を誘導する薬剤[リファンピシンと併用するとピオグリタゾンのAUCが54%低下するとの報告があるので、リファンピシンと併用する場合は血糖管理状況を十分に観察し、必要な場合には本剤を増量する]。
副作用
(試験結果、頻度はアクトス錠の添付文書より引用)承認時までのわが国での臨床試験では1日1回ピオグリタゾンとして15mg、30mg又は45mgが投与された1,368例中の364例(26.6%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
そのうち、浮腫は女性やインスリン併用時において多くみられており[本剤単独投与及びインスリンを除く他の糖尿病用薬との併用投与:男性3.9%(26/665例)、女性11.2%(72/643例)、インスリン併用投与:男性13.6%(3/22例)、女性28.9%(11/38例)]、また、糖尿病性合併症発症例での浮腫の発現頻度は非発症例に比べ高い傾向にある[糖尿病性網膜症合併例で10.4%(44/422例)、糖尿病性神経障害合併例で11.4%(39/342例)、糖尿病性腎症合併例で10.6%(30/282例)]。また、低血糖症状はインスリン併用時に多くみられている[本剤単独投与及びインスリンを除く他の糖尿病用薬との併用投与:0.7%(9/1,308例)、インスリン併用投与:33.3%(20/60例)]。
製造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では、3,421例中の556例(16.3%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
次の本剤での副作用は前記の調査あるいは自発報告等に基づくものである。
重大な副作用
1.重大な副作用
1).心不全増悪あるいは心不全が発症することがあるので、投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)がみられた場合には投与を中止し、ループ利尿剤等を投与するなど適切な処置を行う(特に心不全発症の恐れのある心疾患の患者に投与する際やインスリンと併用する際には、心不全の徴候に注意する)。
2).循環血漿量の増加によると考えられる浮腫(8.2%、112/1,368例)が現れることがあるので、観察を十分に行い、浮腫が認められた場合には、減量あるいは中止するなど適切な処置を行い、これらの処置によっても症状が改善しない場合には、必要に応じてループ利尿剤(フロセミド等)の投与等を考慮する。なお、女性やインスリン併用時、糖尿病性合併症発症例において浮腫の発現が多くみられており、本剤を1日1回30mgから45mgに増量した後に浮腫が発現した例も多くみられているので、これらの症例にあっては浮腫の発現に特に留意する。
3).著しいAST上昇(著しいGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいAl-P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)が現れることがあるので、基礎に肝機能障害を有するなど必要な場合には定期的に肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
4).他の糖尿病用薬との併用で、低血糖症状(0.1~5%未満)が現れることがあるので、低血糖症状が認められた場合、本剤あるいは併用している糖尿病用薬を一時的に中止するかあるいは減量するなど慎重に投与する。また、本剤の投与により低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与するが、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与する。なお、低血糖症状はインスリン併用時に多くみられている。
5).筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症(頻度不明)が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6).間質性肺炎(頻度不明)が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
7).胃潰瘍が再燃した例が報告されている。
2.その他の副作用
1).血液:(0.1~5%未満)貧血、白血球減少、血小板減少[血液検査を定期的(3カ月に1回程度)に行う]。
2).循環器:(0.1~5%未満)血圧上昇、心胸比増大、心電図異常、動悸、胸部圧迫感、顔面潮紅。
3).過敏症:(0.1~5%未満)発疹、湿疹、そう痒[このような場合には投与を中止する]。
4).消化器:(0.1~5%未満)悪心・嘔吐、胃部不快感、胸やけ、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、食欲亢進、食欲不振。
5).肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)[0.86%(11/1,272例)]、ALT上昇(GPT上昇)[0.94%(12/1,276例)]、Al-P上昇[0.47%(6/1,272例)]、γ-GTP上昇[0.95%(12/1,263例)]。
6).精神神経系:(0.1~5%未満)眩暈、ふらつき、頭痛、眠気、倦怠感、脱力感、しびれ。
7).その他:(5%以上)LDH及びCK(CPK)の上昇[LDH上昇(5.63%、71/1,261例)やCK上昇(CPK上昇)(5.00%、61/1,221例)が現れることがあるので、異常が認められた場合には、再検査を行うなど観察を十分に行う]、(0.1~5%未満)BUN上昇及びカリウム上昇、総蛋白低下及びカルシウム低下、体重増加及び尿蛋白増加、息切れ、(0.1%未満)関節痛、震え、急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症悪化、(頻度不明)*骨折[*:外国の臨床試験で、女性において骨折の発現頻度上昇が認められている]、※糖尿病性黄斑浮腫の発症又は※糖尿病性黄斑浮腫増悪[※:浮腫、体重増加に伴って現れることがあるので、視力低下等の異常が認められた場合には黄斑浮腫の可能性を考慮し適切な処置を行う]。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、1日1回15mgから投与を開始するなど、副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与する。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、また、ラット器官形成期投与試験では、40mg/kg以上の群で胚死亡率高値・胎仔死亡率高値、出生仔生存率低値が、ウサギ器官形成期投与試験では、160mg/kg群で親動物の死亡又は流産がそれぞれ1例、胚・胎仔死亡率の高値がみられている]。
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させる[ラットで乳汁中への移行が報告されている]。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
取扱い上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
1.安定性試験結果の概要:長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年)の結果、ピオグリタゾン錠15mg「武田テバ」及びピオグリタゾン錠30mg「武田テバ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
2.使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用する。
その他の注意
1.ラット及びマウスに24カ月間強制経口投与した試験では、ラット雄の3.6mg/kg/日以上の群に膀胱腫瘍がみられた。
2.海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究(10年間の大規模コホート研究)において、膀胱癌の発生リスクに統計学的な有意差は認められなかったが、膀胱癌の発生リスク増加の可能性を示唆する疫学研究も報告されている。
3.家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)のモデル動物であるMinマウスに類薬(トログリタゾン及びロシグリタゾン)を経口投与したところ、結腸腫瘍の数及び大きさを増大させたとの報告がある。

1.血中濃度
健康成人男子にピオグリタゾンを経口投与した時、血中には未変化体及び代謝物‐I~VI(M‐I~VI)が検出され、そのうちM‐II~IVは活性代謝物である。
健康成人男子(8例)に空腹時にピオグリタゾンとして1回30mgを単回経口投与した時、未変化体及び活性代謝物の血中濃度は添付文書の図のとおりである。
健康成人男子における血中濃度
→図表を見る(PDF)


また、健康成人男子(8例)に空腹時又は食後にピオグリタゾンとして1回30mgを単回経口投与した時、食後投与において未変化体のTmaxの延長がみられた以外に未変化体の薬物速度論的パラメータに大きな差はなく、摂食による影響はほとんどないと考えられる。
なお、Wistar fattyラットで調べた血糖低下作用において、M‐II~IVの活性は未変化体より弱い。
2.尿中排泄
健康成人男子(14例)に空腹時にピオグリタゾンとして1回30mgを単回経口投与した時、尿中には主としてM‐IV~VIが排泄され、投与後48時間までの累積尿中排泄率は約30%である。
3.反復投与時の血中濃度
健康成人男子(6例)に1日1回ピオグリタゾンとして30mgを9日間(2日目は休薬)反復経口投与した時、未変化体及び活性化合物合計(未変化体+M‐II~IV)の血中濃度は6~7日目でほぼ定常状態に達し、反復投与による蓄積性はないものと考えられる。
4.スルホニルウレア剤併用時の血中濃度
スルホニルウレア剤(グリベンクラミド、グリクラジド)使用中の2型糖尿病患者に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを7日間投与した時、本剤の未変化体及び活性化合物合計(未変化体+M‐II~IV)の血中濃度は食事療法のみの2型糖尿病患者での結果と近似しており、また、スルホニルウレア剤の血中濃度推移及び蛋白結合率に影響はみられていない。
5.α‐グルコシダーゼ阻害剤併用時の血中濃度
ボグリボース使用中の2型糖尿病患者に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを投与した時、本剤の活性化合物合計(未変化体+M‐II~IV)の血中濃度は食事療法のみ又はスルホニルウレア剤使用中の2型糖尿病患者での結果と近似している。
6.ビグアナイド系薬剤併用時の血中濃度
メトホルミン反復投与中の健康成人男子(14例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを投与した時、本剤の活性化合物合計(未変化体+M‐II~IV)の血中濃度は本剤単独投与時の健康成人男子(8例)での結果と近似している。
7.その他
ピオグリタゾンの代謝にはチトクロームP450 1A1、1A2、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4の複数の分子種が関与している。また、ピオグリタゾンはヒトチトクロームP450分子種発現ミクロゾームの代謝活性に対して、チトクロームP450 1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4にほとんど影響を与えない(in vitro)。

2型糖尿病患者を対象に、1日1回ピオグリタゾンとして15mg、30mg又は45mgを投与した二重盲検比較試験を含む各種臨床試験において、総合血糖改善度が評価された821例の改善率(「中等度改善」以上)は50.8%(417/821例)である。
さらに、長期投与試験(28~48週間以上投与)でも、空腹時血糖及びHbA1cの下降は持続し、作用の減弱はみられず、安定した血糖コントロールが得られている。
なお、次記の治療効果不十分例を対象とした二重盲検比較試験の結果は次のとおりである。
1.食事療法、運動療法のみの2型糖尿病
1日1回ピオグリタゾンとして30mgを12週間投与した結果、HbA1c(JDS値)は1.08±1.47%(63例の平均値±標準偏差)の下降が認められている。
2.食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用中の2型糖尿病
1日1回ピオグリタゾンとして30mgを12週間投与した結果、HbA1c(JDS値)は1.24±1.33%(56例の平均値±標準偏差)の下降が認められている。
3.食事療法、運動療法に加えてα‐グルコシダーゼ阻害剤を使用中の2型糖尿病
1日1回ピオグリタゾンとして30mgを16週間投与した結果、HbA1c(JDS値)は0.91±0.89%(55例の平均値±標準偏差)の下降が認められている。
4.食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用中の2型糖尿病
1日1回ピオグリタゾンとして15mgを12週間、その後30mgを16週間投与した結果、HbA1c(JDS値)は0.67±0.80%(83例の平均値±標準偏差)の下降が認められている。
5.食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用中の2型糖尿病
1日1回ピオグリタゾンとして30mgを16週間投与した結果、HbA1c(JDS値)は1.22±1.11%(45例の平均値±標準偏差)の下降が認められている。

本剤はインスリン受容体のインスリン結合部以降に作用してインスリン抵抗性を軽減し、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖利用を高め血糖を低下させる。この作用は、インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化することによると推測される。
1.糖代謝改善作用
(1)食事療法、運動療法のみの2型糖尿病患者に1日1回ピオグリタゾンとして30mgを12週間投与した二重盲検比較試験において、空腹時血糖、HbA1cの下降、1,5‐AGの上昇が認められている。
(2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用中の2型糖尿病患者に1日1回ピオグリタゾンとして30mgを12週間併用投与した二重盲検比較試験において、空腹時血糖、HbA1cの下降、1,5‐AGの上昇、血中インスリンの下降が認められている。
(3)食事療法、運動療法に加えてボグリボースを使用中の2型糖尿病患者に1日1回ピオグリタゾンとして30mgを16週間併用投与した二重盲検比較試験において、空腹時血糖、HbA1cの下降が認められている。
(4)食事療法、運動療法に加えてメトホルミンを使用中の2型糖尿病患者に1日1回ピオグリタゾンとして15mgを12週間、その後30mgを16週間併用投与した二重盲検比較試験において、空腹時血糖、HbA1cの下降が認められている。
(5)食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用中の2型糖尿病患者に1日1回ピオグリタゾンとして30mgを16週間併用投与した二重盲検比較試験において、空腹時血糖、HbA1cの下降が認められている。
(6)インスリン抵抗性を有する肥満型2型糖尿病モデル動物(KKAyマウス、Wistar fattyラット)において、高血糖及び高インスリン血症を軽減する。一方、インスリン欠乏の1型糖尿病モデル動物(ストレプトゾシン糖尿病ラット)の高血糖、正常ラット(Sprague‐Dawleyラット)の正常血糖には作用を示さない。
2.耐糖能改善作用
インスリン抵抗性を有し、耐糖能異常を示すWistar fattyラット及びZucker fattyラットにピオグリタゾンを10~12日間投与し、20時間絶食後にグルコースを経口投与したところ、グルコース投与後の血漿グルコース上昇の抑制及びインスリン過剰分泌の軽減が認められている。
3.インスリン抵抗性改善作用
(1)食事療法、運動療法のみ又は食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用中の2型糖尿病患者に1日1回ピオグリタゾンとして30mgを12週間投与した臨床薬理試験(グルコース・クランプ法)において、末梢組織及び肝の糖取り込み率の上昇が認められている。
(2)インスリン抵抗性を有し、肥満型糖尿病であるWistar fattyラット及び肥満であるZucker fattyラットにピオグリタゾンを14日間投与し、20時間絶食後にインスリンを投与したところ、インスリン投与後の血糖低下の増強が認められている。
(3)肥満型糖尿病であるKKAyマウスの横隔膜のグリコーゲン画分及び副睾丸周囲脂肪組織の総脂肪画分へのインスリン刺激時の糖取り込みを増加させる。
(4)肥満型糖尿病であるWistar fattyラットの肝からの糖産生を抑制し、末梢組織における糖の利用を高める。
4.作用機序
(1)末梢組織におけるインスリン作用増強
Wistar fattyラットの後肢ヒラメ筋において、インスリンの作用(グリコーゲン合成及び解糖亢進作用)を増強する(ex vivo)。また、Wistar fattyラットの副睾丸周囲脂肪組織由来の単離脂肪細胞において、インスリンの作用(グルコース酸化及び総脂質合成亢進作用)を増強する(ex vivo)。
(2)肝におけるインスリン作用増強
Wistar fattyラットにおいて、肝におけるグルコキナーゼの活性を亢進し、グルコース‐6‐ホスファターゼの活性を低下させ、糖産生を抑制する(in vivo)。
(3)インスリン受容体作用増強
Wistar fattyラットの骨格筋において、低下したインスリン受容体及びインスリン受容体基質のリン酸化を正常化し、ホスファチジルイノシトール‐3‐キナーゼの活性を亢進する(in vivo)。
(4)TNF‐α産生抑制作用
Wistar fattyラットに認められる骨格筋TNF‐α産生亢進を抑制し、これと並行して高血糖を軽減する(in vivo)。

一包可:不明

バラ包装

分割:可能
粉砕:可能
製造販売会社
武田テバファーマ
販売会社
武田薬品 

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