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オレンシア点滴静注用250mg

販売名
オレンシア点滴静注用250mg
薬価
250mg1瓶 54444.00円
製造メーカー
BMS

添付文書情報2023年06月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないその他の代謝性医薬品
一般名
アバタセプト(遺伝子組換え)注射用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を投与された患者に、重篤な感染症等があらわれることがあり、敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、日和見感染症等の致命的な感染症が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されていることを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで投与し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、担当医に連絡するよう患者に注意を与えること〔2.2、8.2.1、8.3、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.6参照〕。
1.2. 本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の経験をもつ医師が使用すること〔5.1参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔1.1、8.2.1、9.1.1、9.1.3、11.1.1参照〕。
効能・効果
既存治療で効果不十分な次記疾患:1)関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、2)多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること〔1.2参照〕。
5.2. 〈多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉若年性特発性関節炎のうち全身型若年性特発性関節炎については、全身症状に対する有効性及び安全性は確立していないので、全身症状が安定し、多関節炎が主症状の場合に投与すること。
用法・用量
〈関節リウマチ〉
通常、成人にはアバタセプト(遺伝子組換え)として次の用量を1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、4週に投与し、以後4週間の間隔で投与を行うこと。
1). 患者の体重60kg未満:投与量500mg(2バイアル)。
2). 患者の体重60kg以上100kg以下:投与量750mg(3バイアル)。
3). 患者の体重100kgを超える:投与量1g(4バイアル)。
〈多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉
通常、アバタセプト(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を点滴静注する。初回投与後、2週、4週に投与し、以後4週間の間隔で投与を行うこと。
ただし、体重75kg以上100kg以下の場合は1回750mg、体重100kgを超える場合は1回1gを点滴静注すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と抗TNF製剤の併用は行わないこと(海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本剤と抗TNF製剤の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった)。また、本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性は確立していないので、併用を避けること〔8.1参照〕。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること〔7.1参照〕。
8.2. 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。
8.2.1. 本剤投与中は、十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること〔1.1、2.2、9.1.1、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.2.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと〔9.1.2参照〕。
8.2.3. 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.4参照〕。
8.3. 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性があり、また、臨床試験において、悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.6参照〕。
8.4. 本剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は、生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので、生ワクチン接種を行わないこと(また、一般に本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は、予防接種の効果を低下させる可能性がある)〔9.7.1参照〕。
8.5. 本剤投与により既存の乾癬悪化又は乾癬新規発現が惹起される可能性がある。
既存の乾癬の悪化及び新規発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者、慢性感染、潜在性感染又は局所感染がある患者等):感染症の発現や感染症増悪に十分注意すること〔1.1、2.2、8.2.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させる可能性が否定できない〔8.2.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔8.2.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 易感染性の状態にある患者:感染症を誘発するおそれがある〔1.1、2.2、8.2.1、11.1.1参照〕。
9.1.4. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い、B型肝炎再燃の徴候に注意すること。なお、臨床試験では、ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された〔8.2.3参照〕。
9.1.5. 間質性肺炎の既往歴のある患者:定期的に問診を行うなど、注意すること(間質性肺炎が増悪又は再発することがある)〔11.1.3参照〕。
9.1.6. 慢性閉塞性肺疾患のある患者:慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症:敗血症(0.1%)、肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(0.9%)、蜂巣炎(0.4%)、局所感染(0.1%未満)、尿路感染(0.3%)、気管支炎(1.2%)、憩室炎(0.1%未満)、急性腎盂腎炎(0.1%未満)等の重篤な感染症があらわれることがあり、致命的経過をたどることがある(重篤な感染症の多くは、免疫抑制療法を併用している患者において認められている)〔1.1、2.2、8.2.1、9.1.1、9.1.3参照〕。
11.1.2. 重篤な過敏症:ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)及び低血圧、蕁麻疹、呼吸困難等の重篤な過敏症があらわれることがある。
11.1.3. 間質性肺炎(0.4%):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、速やかに胸部CT検査及び速やかに血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともに適切な処置を行うこと〔9.1.5参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液・リンパ系:(0.1~1%未満)白血球増加、リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、好中球減少、好酸球増加、貧血、鉄欠乏性貧血、(頻度不明)赤芽球癆。
2). 精神・神経系:(0.1~1%未満)頭痛、浮動性めまい、睡眠障害(不眠症を含む)、末梢性ニューロパチー、(0.1%未満)錯感覚、うつ病、味覚異常、片頭痛、脳梗塞、脳炎、(頻度不明)不安。
3). 眼:(0.1~1%未満)結膜炎、眼乾燥、角膜炎、結膜出血、(0.1%未満)麦粒腫、眼瞼炎、眼痛、細菌性結膜炎、(頻度不明)視力低下。
4). 耳:(0.1~1%未満)回転性めまい、中耳炎、(0.1%未満)耳鳴、耳不快感。
5). 循環器:(0.1~1%未満)血圧上昇、血圧低下、高血圧、動悸、(0.1%未満)徐脈、潮紅、頻脈、低血圧、ほてり、上室性期外収縮。
6). 呼吸器:(1%以上)上気道感染(鼻咽頭炎を含む)、上気道炎症、下気道感染(気管支炎を含む)、(0.1~1%未満)咳嗽、鼻炎、副鼻腔炎、鼻漏、口腔咽頭痛、アレルギー性鼻炎、(0.1%未満)気管支痙攣、咽頭膿瘍、高炭酸ガス血症、鼻閉、(頻度不明)咽頭絞扼感。
7). 消化器:(1%以上)口内炎、(0.1~1%未満)悪心、下痢、胃炎、腹痛、便秘、嘔吐、胃腸炎、齲歯、歯周炎、胃潰瘍、胃ポリープ、腹部不快感、腸炎、感染性腸炎、歯肉炎、逆流性食道炎、(0.1%未満)消化不良、アフタ性口内炎、歯感染、歯周病、舌炎、口唇炎、胃腸出血、歯痛、口腔内潰瘍形成。
8). 皮膚:(1%以上)発疹(湿疹、痒疹、紅斑を含む)、(0.1~1%未満)爪真菌症、皮膚白癬感染、爪囲炎、蕁麻疹、乾癬、(0.1%未満)脱毛症、ざ瘡、皮膚嚢腫、毛包炎、膿皮症、皮下組織膿瘍、発汗障害、白血球破砕性血管炎、爪障害、(頻度不明)感染性皮膚潰瘍、皮膚乾燥、挫傷発生増加傾向、多汗症。
9). 筋・骨格系:(0.1~1%未満)筋痙縮、背部痛、(0.1%未満)関節痛、骨髄炎、細菌性関節炎、(頻度不明)四肢痛。
10). 生殖器:(頻度不明)無月経、月経過多。
11). 泌尿器:(0.1~1%未満)尿中白血球陽性、膀胱炎、尿中赤血球陽性、尿中血陽性、BUN増加、尿中ブドウ糖陽性、血中クレアチニン増加、尿中蛋白陽性、腎盂腎炎、(0.1%未満)膿尿、頻尿、血尿、排尿困難。
12). 代謝:(0.1~1%未満)血中カリウム減少、血中ブドウ糖増加、高コレステロール血症、(0.1%未満)高脂血症、血中コレステロール増加、糖尿病、血中カリウム増加。
13). 肝臓:(0.1~1%未満)ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、脂肪肝、血中アルカリホスファターゼ増加、胆嚢ポリープ、(0.1%未満)胆石症、血中ビリルビン増加、胆管炎。
14). 投与部位:(0.1%未満)注射部位反応(そう痒感、紅斑、疼痛、丘疹、発疹等)。
15). 抵抗機構:(1%以上)帯状疱疹、(0.1~1%未満)ヘルペスウイルス感染、口腔ヘルペス、真菌感染、インフルエンザ、(0.1%未満)単純ヘルペス、創傷感染、水痘、(頻度不明)インフルエンザ様疾患、パルボウイルス感染。
16). その他:(0.1~1%未満)異常感、倦怠感、発熱、季節性アレルギー、末梢性浮腫、低体温、(0.1%未満)無力症、体重増加、胸痛、体重減少、総蛋白減少、胸部不快感、食欲不振、(頻度不明)疲労。
発現頻度は使用成績調査及び皮下注製剤の臨床試験を含む。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与し、適宜減量も考慮すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット及びウサギ)において本剤の胎盤通過性が認められている。また、動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg、ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが、投与量200mg/kg(ヒトに10mg/kg投与した場合の全身曝露量(AUC)の11倍のAUC)でラット雌出生仔自己免疫様所見が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行については不明であるが、動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている)。
小児等
9.7.1. 本剤投与前に必要なワクチンを接種しておくことが望ましい〔8.4参照〕。
9.7.2. 低出生体重児、新生児、乳児及び5歳未満の幼児に投与した国内臨床試験成績は得られていない〔17.1.5参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤の溶液中に浮遊物が生じることがあるため、本剤をシリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調製しないこと。シリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調製した溶液は廃棄すること。
14.1.2. 溶解方法:本剤に添付のシリコーン油を塗布していない専用ディスポーザブルシリンジと18~21G注射針を用いて本剤1バイアル当り10mLの注射用水(生食液も使用可)で溶解(アバタセプト(遺伝子組換え)25mg/mL濃度)する。
(1). 本剤のバイアルのフリップオフキャップを外し、ゴム栓表面をエタノール綿で清拭する。
(2). 注射針をゴム栓の中央に刺入し、1バイアル当たり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)をバイアルの壁面に沿って流れるように静かに注入する。その際に陰圧状態でないバイアルは使用しないこと。
(3). 内容物を泡立てないように注意し、バイアルを緩やかに渦をまくように回転させて完全に溶解する(決して激しく振らず、長時間振り混ぜないこと)。
(4). 完全に溶解した後、泡立ちがある場合にはバイアル内に針で通気して泡を消散させる。溶解後の液は、無色から微黄色の澄明な液である(微粒子、変色、異物を認めたものは使用しないこと)。
14.1.3. 希釈方法(1). 次の方法で溶解後速やかに総液量約100mLとなるように日局生理食塩液で希釈する。
・ あらかじめ日局生理食塩液100mLの点滴バッグ又はボトルから、注入する溶解液と同じ容量分を抜き取っておく。
・ 本剤に添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ及び18~21Gの注射針を用いて、必要量の溶解液をバイアルから採取し、点滴バッグ又はボトルに緩徐に注入し、緩やかに混和する。バイアル中の残液は廃棄すること。
(2). 希釈液に微粒子や変色がないか目視で確認すること(微粒子又は変色が認められた場合は希釈液を使用しないこと)。
(3). 希釈後は速やかに使用すること(なお、希釈後やむをえず保存する場合は、2~25℃で保存し、24時間以内に使用すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤の希釈液の全量を30分かけて点滴静注する。
14.2.2. 本剤は、無菌・パイロジェンフリーで蛋白結合性の低い0.2~1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
14.2.3. 本剤は、独立したラインにより投与するものとし、他の注射剤<日局注射用水・日局生理食塩液を除く>・輸液<日局注射用水・日局生理食塩液を除く>等と混合しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の臨床試験は、国内では37.7ヵ月(長期試験の投与期間1.0~45.1ヵ月の中央値)まで、海外では42.9ヵ月(長期試験の投与期間1.9~71.9ヵ月の中央値)までの期間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。
15.1.2. 本剤単剤投与での使用経験は限られている。
15.1.3. 本剤投与後、本剤に対する抗体が産生されることがある。海外臨床試験において投与期間として最長8年間、本剤による治療を行った関節リウマチ患者3985例について本剤に対する抗体の発現を評価したところ、投与期間中の抗体陽性率は3877例中187例(4.8%)、投与中断又は中止した患者における最終投与後43日以降の抗体陽性率は1888例中103例(5.5%)であった。また、評価が可能であった48例中22例に中和抗体活性が認められている。国内臨床試験では、投与期間中の抗体陽性率が231例中7例(3.0%)、投与中断(最長約3年)又は中止例を含めた全体の陽性率が231例中33例(14.3%)であり、評価が可能であった25例中8例に中和抗体活性が認められている。なお、抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。
15.1.4. 海外において、JCウイルスの発現は確認されていないものの本剤投与中に進行性多巣性白質脳症(PML)を再発した症例が市販後に報告されている。
15.1.5. 本剤とタクロリムス等のカルシニューリン阻害薬との併用について、安全性は確立していない。
15.1.6. 海外における関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照試験において、悪性腫瘍の発現率は、本薬を投与(中央値12ヵ月)した2111例のうち29例(1.4%)で、プラセボを投与した1099例のうち12例(1.1%)と同様であった(二重盲検試験及び非盲検試験において、本薬を投与した6028例(16671人・年)における悪性腫瘍の発現率は、100人・年当たり1.35であり、7年間ほぼ一定であった、このうち、黒色腫以外の皮膚癌が0.64、固形癌が0.62及び悪性血液疾患が0.10であった、主な固形癌は肺癌(0.14/100人・年)であり、主な悪性血液疾患はリンパ腫(0.06/100人・年)であり、7年間ほぼ一定であった)。二重盲検試験及び非盲検試験の累積データにおける、悪性腫瘍全体の発現率、主な癌種別(黒色腫以外の皮膚癌、固形癌及び悪性血液疾患)の発現率、個々の癌種の発現率はいずれも二重盲検試験と同様であった。なお、これらの悪性腫瘍の発現率は関節リウマチ患者から予測されるものと一致していた〔1.1、8.3参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. マウスのがん原性試験(投与量20、65及び200mg/kgで週1回、雄:84週間・雌:88週間、皮下投与)において、リンパ腫及び雌マウスの乳腺腫瘍の発生率上昇が報告されている。これら腫瘍の発生には、マウス白血病ウイルス及びマウス乳癌ウイルスと本剤の免疫抑制作用との関連が示唆されている。

16.1 血中濃度
〈関節リウマチ〉
関節リウマチ患者に本剤2~16mg/kgを30分かけて単回点滴静注したときの薬物動態パラメータを表1に示す。アバタセプトの薬物動態は線形性を示し、半減期(t1/2)は約10日であった。
表1 関節リウマチ患者にアバタセプトを単回投与したときの薬物動態パラメータ
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初回投与後2及び4週の負荷投与により、アバタセプトの血清中濃度は速やかに定常状態を超える濃度に達し、以後4週間隔の投与開始3回目までに定常状態に到達した。また、関節リウマチ患者から得られた血清中濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したときの定常状態時の薬物動態パラメータ推定値を表2に示す。定常状態における各患者(216例)のトラフ濃度(Cmin)推定値の平均値±標準偏差は24±10μg/mLであった。アバタセプトの薬物動態に対する年齢及び性別の影響はみられなかったが、クリアランスの変動要因として体重及び糸球体ろ過率(GFR)が選択された。体重別固定用量により用量を調整した場合、臨床上重要な体重の影響は認められていない。
表2 臨床用量で関節リウマチ患者にアバタセプトを反復投与したときの定常状態時の薬物動態パラメータ推定値(母集団薬物動態解析)
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〈多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者に、本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したとき、初回投与後2及び4週の負荷投与により、アバタセプトの血清中濃度は速やかに定常状態を超える濃度に達し、以後4週間隔の投与開始2回目までに定常状態に到達した。また、日本人を含む関節リウマチ患者及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者から得られた血清中濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したときの定常状態における日本人の薬物動態パラメータ推定値(20例)を表3に示す。定常状態におけるCmin推定値の幾何平均値(変動係数%)は14.4μg/mL(33.7%)であった。
表3 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者にアバタセプトを反復投与したときの定常状態における日本人の薬物動態パラメータ推定値(母集団薬物動態解析)
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈関節リウマチ〉
17.1.1 国内第II相試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした、メトトレキサート併用下(6~8mg/週)、プラセボ対照二重盲検比較試験における6ヵ月後のACR改善基準20%における有効率(ACR20)を表1に示す。本剤投与群におけるACR20は、プラセボ群に比較して有意に高かった(p<0.001)。
表1 ACR20(国内第II相試験)
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副作用発現頻度は、10mg/kg投与群で49.2%(30/61例)、2mg/kg投与群で59.7%(40/67例)であった。主な副作用は、10mg/kg群で鼻咽頭炎14.8%(9/61例)、上気道の炎症6.6%(4/61例)、頭痛、口内炎、浮動性めまい、湿疹、体重減少各3.3%(2/61例)、2mg/kg群で鼻咽頭炎20.9%(14/67例)、頭痛6.0%(4/67例)、膀胱炎、血圧上昇、上気道の炎症各4.5%(3/67例)、口内炎、浮動性めまい、異常感、足部白癬、咳嗽、咽喉頭疼痛、舌炎、潮紅、高血圧各3.0%(2/67例)であった。
17.1.2 国内第IV相試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした、メトトレキサート併用下(6mg/週以上)、プラセボ対照二重盲検比較試験における4ヵ月後のACR20を表2に示す。本剤投与群におけるACR20は、プラセボ群に比較して有意に高かった(p<0.001)。
表2 ACR20(国内第IV相試験)
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6ヵ月後の関節破壊進行を手及び足のX線スコア(modified Total Sharp Score:mTSS)で評価した結果を表3に示す。本剤投与群におけるmTSSのベースラインからの変化量は、プラセボ群に比較して有意に低かった(p=0.017)。
表3 6ヵ月時におけるmTSSのベースラインからの変化量(ITT集団、線形外挿法)(国内第IV相試験)
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本剤投与群における副作用発現頻度は、42.9%(87/203例)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎、肝機能異常各7.4%(15/203例)、口内炎6.9%(14/203例)であった。
17.1.3 海外第III相試験(メトトレキサートに効果不十分な患者)
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象に、本剤を承認された用量で投与した、メトトレキサート併用下(15mg/週以上)、プラセボ対照二重盲検比較試験(AIM試験)における6ヵ月後のACR20を表4に示す。本剤投与群におけるACR20は、プラセボ群に比較して有意に高かった(p<0.001)。
表4 ACR20(海外第III相試験)
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本剤投与群における副作用発現頻度は、49.4%(214/433例)であった。主な副作用は、頭痛9.5%(41/433例)、悪心6.7%(29/433例)、浮動性めまい4.4%(19/433例)、上気道感染4.2%(18/433例)、鼻咽頭炎3.5%(15/433例)、疲労3.2%(14/433例)、下痢、傾眠各2.8%(12/433例)、インフルエンザ2.5%(11/433例)、尿路感染、発疹各2.3%(10/433例)、高血圧2.1%(9/433例)であった。
17.1.4 海外第III相試験(抗TNF製剤に効果不十分な患者)
抗TNF製剤に効果不十分な関節リウマチ患者を対象に、本剤を承認された用量で投与した、DMARD併用下、プラセボ対照二重盲検比較試験(ATTAIN試験)における6ヵ月後のACR20を表5に示す。本剤投与群におけるACR20は、プラセボ群に比較して有意に高かった(p<0.001)。
表5 ACR20(海外第III相試験)
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本剤投与群における副作用発現頻度は、41.5%(107/258例)であった。主な副作用は、頭痛8.1%(21/258例)、浮動性めまい、悪心各3.5%(9/258例)、上気道感染、気管支炎、鼻咽頭炎各2.3%(6/258例)であった。
〈多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉
17.1.5 国内第III相試験
メトトレキサート又は生物製剤に対して効果不十分又は不耐容の多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者(4~17歳)を対象注1)に、本剤を承認された用量で投与した非盲検試験における投与16週後のACR改善基準30%による有効率(ACR Pedi 30)は90.0%(18/20例)であった。
副作用発現頻度は、30.0%(6/20例)であった。副作用の内訳は、胃腸炎、鼻咽頭炎、口腔カンジダ症、口腔ヘルペス、便秘、悪心、口内炎、低体温各5.0%(1/20例)であった。
注1)患者20例のベースライン時の年齢内訳は、5歳:1例、6~12歳未満:10例、12歳以上:9例
17.1.6 海外第III相試験
疾患修飾性抗リウマチ薬に対して効果不十分又は不耐容の多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者(6~17歳)を対象に、本剤を10mg/kg(ただし、体重100kg超は1gの固定用量)注2)で投与した非盲検導入期における投与16週後のACR Pedi 30は64.7%(123/190例)であった。
また、非盲検導入期(16週)でACR Pedi 30に達した患者を対象とした二重盲検期において、プラセボ群(62例)に対する本剤投与群(60例)の再燃リスクのハザード比は0.31(95%信頼区間:0.16、0.59)であり、本剤投与群はプラセボ群に比べて再燃までの期間が統計学的に有意に長かった(p=0.0002、log‐rank検定)。
二重盲検期における再燃までの期間のKaplan‐Meier曲線

非盲検導入期(投与開始後16週まで)における副作用発現頻度は、27.4%(52/190例)であった。主な副作用は、頭痛5.3%(10/190例)、浮動性めまい2.6%(5/190例)、悪心、副鼻腔炎各2.1%(4/190例)であった。また、二重盲検期における本剤投与群の副作用発現頻度は、15.0%(9/60例)であった。副作用の内訳は、副鼻腔炎、上気道感染、鼻炎、細菌尿、インフルエンザ、外耳炎、癜風、頭痛、低血圧、悪心、腹痛、アフタ性口内炎、粃糠疹、皮膚病変、白血球尿各1.7%(1/60例)であった。
注2)本剤の承認用量は、10mg/kg(ただし、体重75kg以上100kg以下は750mg、100kg超は1gの固定用量)である。

18.1 作用機序
アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害する。その結果、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し、さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ、炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられる。
18.2 T細胞活性化抑制作用
アバタセプトはin vitroにおいて抗原特異的なナイーブT細胞及びメモリーT細胞の増殖を減弱させ、IL‐2、TNF‐α及びIFN‐γなどの炎症性サイトカインの産生を抑制した。また、コラーゲン誘発関節炎ラットにおいて、病態の進行、抗コラーゲン抗体の産生及び関節破壊を抑制した。

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