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レンビマカプセル4mg

販売名
レンビマカプセル4mg
識別コード
E LENV 4mg
薬価
4mg1カプセル 3421.70円
製造メーカー
エーザイ

添付文書情報2024年02月改定(第5版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
レンバチニブメシル酸塩カプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な肝細胞癌、切除不能な胸腺癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈根治切除不能な甲状腺癌〉放射性ヨウ素による治療歴のない分化型甲状腺癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 〈根治切除不能な甲状腺癌〉臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.3. 〈切除不能な肝細胞癌〉局所療法の適応となる肝細胞癌(経皮的エタノール注入療法の適応となる肝細胞癌、ラジオ波焼灼療法の適応となる肝細胞癌、マイクロ波凝固療法の適応となる肝細胞癌、肝動脈塞栓療法の適応となる肝細胞癌/肝動脈化学塞栓療法の適応となる肝細胞癌、放射線療法の適応となる肝細胞癌等)患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.4. 〈切除不能な肝細胞癌〉臨床試験に組み入れられた患者の肝機能障害の程度等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3参照〕。
5.5. 〈切除不能な胸腺癌〉本剤の術前補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.6. 〈切除不能な胸腺癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.4参照〕。
5.7. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.8. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.9. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.5参照〕。
5.10. 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
用法・用量
1). 根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌:通常、成人にはレンバチニブとして1日1回24mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
2). がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはレンバチニブとして1日1回20mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
3). 切除不能な肝細胞癌:通常、成人には体重にあわせてレンバチニブとして体重60kg以上の場合は12mg、体重60kg未満の場合は8mgを1日1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて次の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止し、減量して投与を継続する場合には、1日1回20mg、14mg、10mg、8mg又は4mgに減量すること。
[減量、休薬及び中止基準]
1). 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉高血圧〔8.1、9.1.1、11.1.1参照〕:
①. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき:本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
②. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉降圧治療にも係らず収縮期血圧160mmHg以上又は降圧治療にも係らず拡張期血圧100mmHg以上のとき:収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行い、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
③. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉Grade4の高血圧が発現した場合:本剤の投与を中止する。
2). 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉前記以外の副作用:
①. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉忍容性がないGrade2の副作用又はGrade3の副作用が発現した場合:本剤の投与開始前の状態又はGrade1以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する(根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌の場合、忍容性がないGrade2の悪心又はGrade3の悪心・忍容性がないGrade2の嘔吐又はGrade3の嘔吐・忍容性がないGrade2の下痢又はGrade3の下痢に対しては休薬の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬すること)。
②. 〈根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌〉Grade4の副作用が発現した場合:本剤の投与を中止する(根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌で生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade3の副作用と同じ処置(本剤の投与開始前の状態又はGrade1以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する)とする)。
GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version4.0に準じる。
7.3. 〈切除不能な肝細胞癌〉本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.4. 〈切除不能な肝細胞癌〉臨床試験において、中等度<Child-Pughスコア7~8>の肝機能障害を有する肝細胞癌患者に対する最大耐用量は1日1回8mgであることが確認されている〔9.3.2参照〕。
7.5. 〈切除不能な肝細胞癌〉副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて次の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止すること。
[減量段階基準]
1). 〈切除不能な肝細胞癌〉開始用量12mgを1日1回投与:1段階減量は8mgを1日1回投与、2段階減量は4mgを1日1回投与、3段階減量は4mgを隔日投与。
2). 〈切除不能な肝細胞癌〉開始用量8mgを1日1回投与:1段階減量は4mgを1日1回投与、2段階減量は4mgを隔日投与、3段階減量は投与を中止する。
[減量、休薬及び中止基準]
1). 〈切除不能な肝細胞癌〉高血圧〔8.1、9.1.1、11.1.1参照〕:
①. 〈切除不能な肝細胞癌〉収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき:本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
②. 〈切除不能な肝細胞癌〉降圧治療にも係らず収縮期血圧160mmHg以上又は降圧治療にも係らず拡張期血圧100mmHg以上のとき:収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行い、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
③. 〈切除不能な肝細胞癌〉Grade4の高血圧が発現した場合:本剤の投与を中止する。
2). 〈切除不能な肝細胞癌〉血液毒性及び蛋白尿〔8.2、8.3、11.1.8、11.1.14参照〕:
①. 〈切除不能な肝細胞癌〉Grade3の血液毒性<臨床的に意義がない臨床検査値異常の場合を除く>及びGrade3の蛋白尿<臨床的に意義がない臨床検査値異常の場合を除く>が発現した場合:本剤の投与開始前の状態又はGrade2以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、初回の副作用発現時は減量せず、2回目以降の副作用発現時は1段階減量する。
②. 〈切除不能な肝細胞癌〉Grade4の血液毒性及びGrade4の蛋白尿が発現した場合:本剤の投与開始前の状態又はGrade2以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
3). 〈切除不能な肝細胞癌〉前記以外の副作用:
①. 〈切除不能な肝細胞癌〉忍容性がないGrade2の副作用が発現した場合:本剤の投与開始前の状態若しくはGrade1以下に回復するまで休薬する、又は本剤の投与量を1段階減量して投与を継続し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する(切除不能な肝細胞癌の場合、忍容性がないGrade2の悪心・忍容性がないGrade2の嘔吐・忍容性がないGrade2の下痢・忍容性がないGrade2の甲状腺機能低下に対しては休薬又は減量の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬又は減量すること)。
②. 〈切除不能な肝細胞癌〉Grade3の副作用<臨床的に意義がない臨床検査値異常の場合を除く>が発現した場合:本剤の投与開始前の状態又はGrade1以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する(切除不能な肝細胞癌の場合、Grade3の悪心・Grade3の嘔吐・Grade3の下痢・Grade3の甲状腺機能低下に対しては休薬の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬すること)。
③. 〈切除不能な肝細胞癌〉Grade4の副作用が発現した場合:本剤の投与を中止する(切除不能な肝細胞癌で生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade3の副作用と同じ処置(本剤の投与開始前の状態又はGrade1以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する)とする)。
GradeはCTCAE version4.0に準じる。
7.6. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて次の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止し、減量して投与を継続する場合には、1日1回14mg、10mg、8mg又は4mgに減量すること。
[減量、休薬及び中止基準]
1). 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉高血圧〔8.1、9.1.1、11.1.1参照〕:
①. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき:本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
②. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉降圧治療にも係らず収縮期血圧160mmHg以上又は降圧治療にも係らず拡張期血圧100mmHg以上のとき:収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行い、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
③. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉Grade4の高血圧が発現した場合:本剤の投与を中止する。
2). 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉前記以外の副作用:
①. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉忍容性がないGrade2の副作用又はGrade3の副作用が発現した場合:本剤の投与開始前の状態又は忍容性のあるGrade2以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する(がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合、忍容性がないGrade2の悪心又はGrade3の悪心・忍容性がないGrade2の嘔吐又はGrade3の嘔吐・忍容性がないGrade2の下痢又はGrade3の下痢・忍容性がないGrade2の甲状腺機能低下又はGrade3の甲状腺機能低下に対しては休薬又は減量の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬又は減量すること)。
②. 〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉Grade4の副作用が発現した場合:本剤の投与を中止する(がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌で生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade3の副作用と同じ処置(本剤の投与開始前の状態又は忍容性のあるGrade2以下に回復するまで休薬し、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する)とする)。
GradeはCTCAE version4.0に準じる。
生殖能を有する者
8.1. 〈効能共通〉血圧上昇が認められることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧測定を行うこと〔7.2、7.5、7.6、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察すること〔7.5、11.1.8参照〕。
8.3. 〈効能共通〉骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.5、11.1.14参照〕。
8.4. 〈効能共通〉肝障害があらわれることがあるので、本剤の投与期間中は定期的に肝機能検査、血中アンモニア値の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.6参照〕。
8.5. 〈効能共通〉心機能不全があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に心エコー、十二誘導心電図検査等の心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.11参照〕。
8.6. 〈効能共通〉創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断し、外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること〔9.1.4、11.1.16参照〕。
8.7. 〈効能共通〉疲労、無力症、めまい、筋痙縮等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.8. 〈効能共通〉定期的に血清カルシウム濃度を測定すること〔11.1.15参照〕。
8.9. 〈効能共通〉甲状腺機能低下があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.18参照〕。
8.10. 〈根治切除不能な甲状腺癌〉根治切除不能な甲状腺癌の場合、本剤投与前には頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤を十分確認するとともに、本剤の投与期間中は患者の状態の観察や瘻孔形成の有無の確認を十分に行うこと〔9.1.5、11.1.3参照〕。
9.1.1. 高血圧症の患者:高血圧が悪化するおそれがある〔7.2、7.5、7.6、8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 脳転移のある患者:転移部位出血があらわれるおそれがある〔11.1.3参照〕。
9.1.3. 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者:血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある〔11.1.4、11.1.5参照〕。
9.1.4. 外科的処置後創傷が治癒していない患者:創傷治癒遅延があらわれることがある〔8.6、11.1.16参照〕。
9.1.5. 頸動脈への腫瘍浸潤・頸静脈への腫瘍浸潤等の腫瘍浸潤のある患者:腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。なお、甲状腺未分化癌患者では、頸動脈・静脈への腫瘍浸潤例が多いので、特に注意すること〔8.10、11.1.3参照〕。
9.1.6. 肺転移を有する患者:気胸が発現するおそれがある〔11.1.9参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者:減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。なお、重度の肝機能障害を有する肝細胞癌患者に対する臨床試験は実施していない)〔16.6.2参照〕。
9.3.2. 中等度肝機能障害のある肝細胞癌患者:減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(なお、中等度(Child-Pughスコア9)の肝機能障害を有する肝細胞癌患者に対する臨床試験は実施していない)〔7.4参照〕。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項、15.2.1参照〕。
相互作用
本剤はP糖蛋白(P-gp)及びCYP3Aの基質となる〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). P-gp阻害剤(ケトコナゾール、イトラコナゾール、リファンピシン、アミオダロン、クラリスロマイシン、シクロスポリン、キニジン、ベラパミル等)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(これらの薬剤が消化管のP-gp活性を阻害することによる)]。
2). CYP3A/P-gp誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’sWort)等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下する可能性がある(これらの薬剤がCYP3A及びP-gp等を誘導することによる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高血圧:高血圧(56.8%)、高血圧クリーゼ(0.2%)等があらわれることがあるので、必要に応じて降圧剤の投与を行うなど適切な処置を行い、重症、持続性あるいは通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合には、減量、休薬又は投与を中止すること。また、高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔7.2、7.5、7.6、8.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 動脈解離(頻度不明):大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある。
11.1.3. 出血(14.9%):鼻出血、血尿、消化管出血、喀血、脳出血、肺出血、腫瘍出血等の出血があらわれることがある。また、甲状腺癌患者において、腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがあり、頸動脈露出部位より大量出血や皮膚瘻形成部位より大量出血した例が認められており、気管瘻や食道瘻を形成している場合には、喀血や吐血のおそれがある。重篤な出血があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.10、9.1.2、9.1.5参照〕。
11.1.4. 動脈血栓塞栓症(1.8%):心筋梗塞、脳血管発作、脾臓梗塞等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある〔9.1.3参照〕。
11.1.5. 静脈血栓塞栓症(2.4%):肺塞栓症、深部静脈血栓症、門脈血栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある〔9.1.3参照〕。
11.1.6. 肝障害:AST上昇、ALT上昇等を伴う肝障害(20.1%)、アルブミン低下(3.8%)、肝性脳症(1.1%)、肝不全(0.4%)等があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.7. 急性胆嚢炎(0.6%):無石胆嚢炎を含む急性胆嚢炎があらわれることがあり、胆嚢穿孔に至った例も報告されている。
11.1.8. 腎障害:蛋白尿(29.7%)、腎機能障害(1.8%)、腎不全(0.7%)、ネフローゼ症候群(0.2%)等があらわれることがある〔7.5、8.2参照〕。
11.1.9. 消化管穿孔、瘻孔形成、気胸:腸管穿孔(0.4%)、気胸(0.2%)、痔瘻(0.1%)、腸膀胱瘻(0.1%)等があらわれることがある〔9.1.6参照〕。
11.1.10. 可逆性後白質脳症症候群(0.3%):痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害、皮質盲等が認められた場合には投与を中止し、血圧のコントロールを含め、適切な処置を行うこと。
11.1.11. 心障害:心電図QT延長(4.1%)、駆出率減少(0.9%)、心不全(0.6%)、心房細動・心房粗動(0.4%)等があらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.12. 手足症候群(29.1%)。
11.1.13. 感染症:気道感染(1.4%)、肺炎(1.3%)、敗血症(0.4%)等があらわれることがある。
11.1.14. 骨髄抑制:血小板減少(17.2%)、好中球減少(8.2%)、白血球減少(7.8%)、貧血(7.2%)、リンパ球減少(4.2%)等があらわれることがあるので、感染症、出血傾向等の発現に留意すること〔7.5、8.3参照〕。
11.1.15. 低カルシウム血症(2.5%):副甲状腺機能低下症の既往歴がある患者で高発現したことが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、血清カルシウム濃度を確認し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.8参照〕。
11.1.16. 創傷治癒遅延:治癒不良(0.3%)、創離開(0.2%)等があらわれることがあるので、創傷治癒遅延があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること〔8.6、9.1.4参照〕。
11.1.17. 間質性肺疾患(1.8%)。
11.1.18. 甲状腺機能低下(37.5%)〔8.9参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(30%以上)下痢(45.1%)、(10~30%未満)悪心、口内炎、嘔吐、腹痛、(5~10%未満)口腔内乾燥、便秘、血中リパーゼ上昇、口腔咽頭痛、消化不良、血中アミラーゼ上昇、(5%未満)嚥下障害、舌痛、膵炎。
2). 全身症状:(30%以上)疲労(30.6%)、(10~30%未満)無力症、(5~10%未満)浮腫、発熱、(5%未満)疼痛、創傷。
3). 精神神経系:(10~30%未満)発声障害、頭痛、味覚異常、(5~10%未満)めまい、(5%未満)睡眠障害。
4). 代謝:(30%以上)食欲減退(36.9%)、(5~10%未満)血中コレステロール上昇、血中トリグリセリド上昇、(5%未満)血中カリウム低下、脱水。
5). 筋骨格系:(10~30%未満)関節痛、筋肉痛、(5%未満)四肢痛、筋痙縮、背部痛。
6). 呼吸器:(5%未満)咳嗽、呼吸困難。
7). 皮膚:(10~30%未満)発疹、(5~10%未満)皮膚そう痒症、皮膚乾燥、皮膚病変、(5%未満)脱毛症、皮膚炎。
8). その他:(10~30%未満)体重減少、(5%未満)CRP上昇、(頻度不明)甲状腺炎。
高齢者
患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。外国臨床試験において、本剤の投与終了後に妊娠が判明し、自然流産となったことが報告されている。ラット及びウサギにおいて胚毒性・催奇形性が報告されている。なお、ラットでは臨床曝露量以下で認められた〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
授乳しないことが望ましい(ラットにおいて乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない(幼若ラットを用いた反復投与毒性試験において、切歯異形成及び骨短小など成長を阻害する影響が認められ、成熟ラットに比較し、致死量での死亡がより早期にみられた)〔15.2.2参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤は湿気に不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 反復投与毒性試験(ラット、イヌ及びサル)の病理組織学的検査において、精巣変化(精上皮細胞減少)及び卵巣変化(卵胞閉鎖)が認められており、生殖機能障害を及ぼす可能性が示唆されている〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
15.2.2. 反復投与毒性試験において、ラット及びサル(成長板が残存する場合)に骨端軟骨成長板肥厚が認められた〔9.7小児等の項参照〕。
15.2.3. ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、副腎出血(イヌ)及び副腎皮質壊死(ラット)が認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
(1)固形がん患者
日本人固形がん患者9例に本剤20mg注)又は24mg注)を1日1回経口投与したときの、初回投与時の血漿中レンバチニブ濃度推移を添付文書の図に示した。初回投与時及び1日1回反復投与した15日目の薬物動態パラメータを表に示した。レンバチニブのCmax及びAUC(0-24h)には用量比例性が認められた。反復投与15日後の薬物動態は、初回投与の結果から推測可能であり、Cmax及びAUC(0-24h)の累積係数の平均値は、20mg投与群で1.27及び1.44、24mg投与群で1.42及び1.32であった。
日本人固形がん患者に本剤を経口投与したときの血漿中レンバチニブ濃度(1日目)(平均値±標準偏差)

日本人固形がん患者に本剤を反復経口投与したときの血漿中レンバチニブの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

注)本剤の承認された用法及び用量は、「根治切除不能な甲状腺癌」、「切除不能な胸腺癌」は24mg/日、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」はペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において20mg/日、「切除不能な肝細胞癌」は体重60kg以上の場合は12mg/日、体重60kg未満の場合は8mg/日である。
(2)肝細胞癌患者
国際共同第III相試験において、日本人及び外国人肝細胞癌患者に開始用量として本剤8mg(体重60kg未満)又は12mg(体重60kg以上)を1日1回反復経口投与したときのレンバチニブの血漿中トラフ濃度を開始用量ごとに表に示した。開始用量8mgとした場合と12mgとした場合との間でレンバチニブの血漿中トラフ濃度に明確な差異は認められなかった。
国際共同第III相試験におけるレンバチニブの血漿中トラフ濃度
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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
外国人健康成人16例に本剤10mg注)をクロスオーバー法により、空腹時又は食後(高脂肪食)に単回経口投与した。空腹時と比較して、食後投与のCmax及びAUC(0-inf)の臨床的に意味のある変化は認められなかった。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「根治切除不能な甲状腺癌」、「切除不能な胸腺癌」は24mg/日、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」はペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において20mg/日、「切除不能な肝細胞癌」は体重60kg以上の場合は12mg/日、体重60kg未満の場合は8mg/日である。
16.3 分布
レンバチニブの蛋白結合率は97.9~98.6%(in vitro試験)、96.6~98.2%(日本人固形がん患者)であった。主な結合蛋白はアルブミンであった。
16.4 代謝
本剤は主にアルデヒドオキシダーゼ、CYP3Aにより代謝され、グルタチオンが非酵素的に結合する(in vitro試験)。
外国人固形がん患者6例に14C標識‐レンバチニブ24mgを単回経口投与した結果、血漿中の放射能の大部分は未変化体であった。[10.参照]
16.5 排泄
外国人固形がん患者6例に14C標識‐レンバチニブ24mgを単回経口投与したとき、投与10日後までに投与した総放射能の25%が尿中に、64%が糞中に回収された。また、尿及び糞中に排泄された未変化体は投与量のそれぞれ0.38%及び2.5%であった。未変化体の血漿中消失半減期は、約35.4時間であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
レンバチニブ24mgを外国人の腎機能が正常な被験者(クレアチニンクリアランス[CLcr]:≧90mL/min、n=8)、軽度(CLcr:60~89mL/min)、中等度(CLcr:30~59mL/min)及び重度(CLcr:15~29mL/min)の腎機能障害を有する被験者(各6例)に単回投与した。
軽度、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者におけるCmaxは健康被験者のそれぞれ1.0、0.61及び0.87倍であり、AUC(0-inf)は、健康被験者のそれぞれ1.0、0.90及び1.2倍であった。
16.6.2 肝機能障害患者
本剤10mgを外国人の肝機能が正常な被験者(n=8)、軽度(Child‐Pugh分類A)及び中等度(Child‐Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者(各6例)に単回投与した。また、本剤5mgを外国人の重度(Child‐Pugh分類C)の肝機能障害を有する被験者(6例)に単回投与した。
軽度、中等度及び重度の肝機能障害を有する被験者における投与量補正したCmaxは健康被験者のそれぞれ0.97、0.79及び1.1倍であり、投与量補正したAUC(0-inf)は健康被験者のそれぞれ1.2、1.1及び1.8倍であった。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール
外国人健康成人16例に、レンバチニブをケトコナゾールと併用投与した際のCmax及びAUC(0-inf)は、レンバチニブをプラセボと併用した場合と比べてそれぞれ19%及び15%上昇した。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
外国人健康成人15例に、レンバチニブをリファンピシンと単回同時併用投与した際のCmax及びAUC(0-inf)は、レンバチニブを単独投与した場合と比べてそれぞれ33%及び31%上昇した。リファンピシンの反復投与後に、レンバチニブをリファンピシンと同時併用投与した際のCmax及びAUC(0-inf)は、レンバチニブをリファンピシンと単回同時併用投与した場合と比べてそれぞれ24%及び37%減少した。[10.2参照]
16.7.3 その他
レンバチニブは、乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質となること、及びUGT1A1を阻害すること(IC50値:10.6μmol/L)が示されている(in vitro)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈根治切除不能な甲状腺癌〉
17.1.1 国際共同第III相試験
放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性(ヨウ素の取込みが認められない、放射性ヨウ素治療後12ヵ月以内に病勢の進行が認められた、又は累積線量が600mCi[22GBq]を超える放射性ヨウ素治療を受けている)の分化型甲状腺癌患者(乳頭癌、濾胞癌、Hurthle細胞癌、及び低分化癌)392例(本剤群261例[日本人患者30例]、プラセボ群131例[日本人患者10例])において、プラセボを比較対照として本剤24mgを1日1回投与した場合の有効性と安全性を評価した。
なお、心不全の既往、心血管系疾患の既往、不整脈、出血性疾患、血栓性疾患又は活動性の喀血がある患者、抗凝固剤を投与されている患者、3週間以内に大手術を受けた患者、及びQTc間隔が480ms超の患者は除外された。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は本剤投与群で18.3ヵ月、プラセボ群で3.6ヵ月であり、本剤はプラセボ群に対してPFSを有意に延長した(P<0.0001;層別Log Rank検定、ハザード比:0.21、99%信頼区間:0.14、0.31)。
無作為化期において、本剤が投与された261例(日本人30例を含む)中254例(97.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧177例(67.8%)、下痢159例(60.9%)、食欲減退135例(51.7%)、体重減少123例(47.1%)、悪心107例(41.0%)、疲労104例(39.8%)、口内炎96例(36.8%)、蛋白尿85例(32.6%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群83例(31.8%)等であった。[5.2参照]
無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

17.1.2 国内第II相試験
甲状腺癌(放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性の分化型甲状腺癌[ヨウ素の取込みが認められない、放射性ヨウ素治療後12ヵ月以内に病勢の進行が認められた、又は累積線量が600mCi[22GBq]を超える放射性ヨウ素治療を受けている]、切除不能の甲状腺髄様癌及び切除不能の甲状腺未分化癌)43例に対し、本剤24mgを1日1回投与した場合の安全性と有効性を評価した。主要評価項目を安全性とし、副次評価項目として有効性を評価した。有効性解析対象例はそれぞれ23例、8例及び11例であった。
43例中全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧37例(86.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群34例(79.1%)、食欲減退33例(76.7%)、疲労31例(72.1%)、蛋白尿25例(58.1%)、口内炎24例(55.8%)及び下痢22例(51.2%)であった。[5.2参照]
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〈切除不能な肝細胞癌〉
17.1.3 国際共同第III相試験
全身化学療法歴のないChild‐Pugh分類Aの切除不能な肝細胞癌患者954例(本剤群478例[日本人患者81例]、ソラフェニブ群476例[日本人患者87例])において、ソラフェニブを比較対照として本剤の有効性と安全性を評価した。本剤群では体重60kg以上の患者には本剤12mgを1日1回、体重60kg未満の患者には本剤8mgを1日1回投与した。
なお、局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる患者は除外された。主要評価項目である全生存期間(OS)において、ハザード比(95%信頼区間)は0.92(0.79、1.06)であり、95%信頼区間の上限が事前に規定した非劣性マージンの1.08を下回ったことから、本剤群のソラフェニブ群に対する非劣性が統計学的に検証された(OSの中央値:本剤群13.6ヵ月、ソラフェニブ群12.3ヵ月)。
本剤が投与された476例(日本人81例を含む)中447例(93.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧189例(39.7%)、下痢143例(30.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群126例(26.5%)、食欲減退122例(25.6%)、蛋白尿114例(23.9%)、疲労111例(23.3%)、発声障害104例(21.8%)等であった。[5.4参照]
全生存期間のKaplan‐Meier曲線

〈切除不能な胸腺癌〉
17.1.4 国内第II相試験
プラチナ製剤を含む化学(放射線)療法歴を有する切除不能な胸腺癌患者注)42例に対し、本剤24mgを1日1回投与した場合の安全性と有効性を評価した。主要評価項目である奏効率(RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定によるCR又はPR)は38.1%(90%信頼区間:25.6、52.0)であった。また安全性評価対象42例中全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧37例(88.1%)、蛋白尿30例(71.4%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群29例(69.0%)、甲状腺機能低下症27例(64.3%)、血小板数減少22例(52.4%)及び下痢21例(50.0%)であった。[5.6参照]
注)正岡‐古賀分類IIIa~IVb又は術後再発の患者が臨床試験に組入れられた。
→図表を見る(PDF)

〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉
17.1.5 国際共同第III相試験
プラチナ製剤を含む化学療法歴のある切除不能な進行・再発の子宮体癌患者827例(日本人104例を含む)を対象に、本剤20mg1日1回投与とペムブロリズマブ200mg3週間間隔投与の併用療法の有効性及び安全性が、化学療法(ドキソルビシン又はパクリタキセル)注)を対照として検討された。化学療法は担当医師が患者ごとに選択した。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、OSの中央値は本剤とペムブロリズマブの併用群では18.3ヵ月、化学療法群では11.4ヵ月(P<0.0001;層別Log Rank検定、ハザード比:0.62、95%信頼区間:0.51、0.75)、PFSの中央値は本剤とペムブロリズマブの併用群では7.2ヵ月、化学療法群では3.8ヵ月(P<0.0001;層別Log Rank検定、ハザード比:0.56、95%信頼区間:0.47、0.66)であり、本剤とペムブロリズマブの併用群は化学療法と比較してOS及びPFSを有意に延長した。また、無作為化前に選択された化学療法群の薬剤(①ドキソルビシン(605例)又は②パクリタキセル(222例))別の部分集団解析を事後的に実施した結果、化学療法群に対する本剤とペムブロリズマブの併用群のPFSのハザード比[95%信頼区間]は、それぞれ①0.47[0.39、0.58]及び②0.85[0.61、1.20]であった。また、OSのハザード比[95%信頼区間]は、それぞれ①0.49[0.39、0.61]及び②1.40[0.93、2.12]であった。(2020年10月26日カットオフ)。
安全性解析対象例406例中395例(97.3%)(日本人52例中51例を含む)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧249例(61.3%)、甲状腺機能低下症222例(54.7%)、下痢171例(42.1%)、悪心158例(38.9%)、食欲減退151例(37.2%)、疲労113例(27.8%)、蛋白尿105例(25.9%)、嘔吐98例(24.1%)、体重減少91例(22.4%)、関節痛87例(21.4%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群84例(20.7%)であった(2021年2月8日カットオフ)。[5.9参照]
注)ドキソルビシン塩酸塩60mg/m2を3週間隔投与、又はパクリタキセル80mg/m2を各コース(1コース28日間)の1、8、15日目に投与した。
全生存期間のKaplan‐Meier曲線

無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
17.1.6 国際共同第III相試験
化学療法歴のない根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者注)712例(日本人73例を含む)を対象に、本剤20mg1日1回投与とペムブロリズマブ200mg3週間間隔投与の併用療法の有効性及び安全性が、スニチニブを対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで投与を継続することが可能とされた。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、本剤とペムブロリズマブ併用群では23.9ヵ月、スニチニブ群では9.2ヵ月(P<0.0001;層別Log Rank検定、ハザード比:0.39、95%信頼区間:0.32、0.49)であり、本剤とペムブロリズマブの併用群はスニチニブ群と比較して有意に延長した。
安全性解析対象例352例中341例(96.9%)(日本人42例中42例を含む)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢192例(54.5%)、高血圧184例(52.3%)、甲状腺機能低下症150例(42.6%)、食欲減退123例(34.9%)、疲労113例(32.1%)、口内炎113例(32.1%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群99例(28.1%)、蛋白尿97例(27.6%)、悪心94例(26.7%)、発声障害87例(24.7%)、発疹77例(21.9%)、無力症71例(20.2%)等であった。
注)腫瘍組織において組織学的又は細胞学的に淡明細胞が確認された患者が対象とされた。
無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

18.1 作用機序
レンバチニブは、腫瘍血管新生及び腫瘍増殖等に関与する、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体(VEGFR1‐3)、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体(FGFR1‐4)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、幹細胞因子受容体(KIT)、Rearranged During Transfectionがん原遺伝子(RET)等の受容体チロシンキナーゼを阻害した。また、レンバチニブは、VEGF及びFGFによって誘導される血管内皮細胞の血管様管腔構造の形成を阻害した。
18.2 抗腫瘍効果
レンバチニブは、ヒト甲状腺乳頭癌由来細胞株(K1)、ヒト甲状腺濾胞癌由来細胞株(RO82‐W‐1)、ヒト甲状腺髄様癌由来細胞株(TT)、ヒト甲状腺未分化癌由来細胞株(8305C)、ヒト甲状腺由来扁平上皮癌由来細胞株(SW579)、ヒト肝細胞癌由来細胞株(Hep 3B2.1‐7、LIXC‐012及びPLC/PRF/5)、肝細胞癌患者由来腫瘍組織片(LI0050及びLI0334)、ヒト胸腺癌由来細胞株(Ty‐82)及びマウス腎細胞癌由来細胞株(RAG)を移植したマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。

一包可:不可

抗悪性腫瘍剤@湿気に不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導する。

分割:不可
粉砕:不可

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