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ラゲブリオカプセル200mg

販売名
ラゲブリオカプセル200mg
識別コード
82
薬価
200mg1カプセル 2357.80円
製造メーカー
MSD

添付文書情報2024年02月改定(第7版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
モルヌピラビルカプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
SARS-CoV-2による感染症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 臨床試験における主な投与経験を踏まえ、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者に投与すること。また、本剤の投与対象については最新のガイドラインも参考にすること〔17.1.1参照〕。
5.2. 重症度の高いSARS-CoV-2による感染症患者に対する有効性は確立していない。
用法・用量
通常、18歳以上の患者には、モルヌピラビルとして1回800mgを1日2回、5日間経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること(臨床試験において、症状発現から6日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)〔17.1.1参照〕。
生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔2.2、9.5妊婦の項参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
アナフィラキシー(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(1%以上2%未満)下痢、悪心、(1%未満)嘔吐。
2). 神経系障害:(1%以上2%未満)浮動性めまい、(1%未満)頭痛。
3). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、蕁麻疹、(頻度不明)中毒性皮疹、紅斑、そう痒。
4). 過敏症:(頻度不明)血管性浮腫。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で胎仔毒性が報告されている。妊娠ラットの器官形成期にモルヌピラビルを投与した実験において、N-ヒドロキシシチジン(NHC)の臨床曝露量の8倍に相当する用量で催奇形性及び胚致死・胎仔致死が、3倍以上に相当する用量で胎仔発育遅延が認められている。また、妊娠ウサギの器官形成期にモルヌピラビルを投与した実験において、NHCの臨床曝露量の18倍に相当する用量で胎仔体重低値が認められている)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットの授乳期にモルヌピラビルを投与したとき、出生仔の血漿中にNHCが検出されており、ヒト乳汁中への移行の有無及び乳汁産生への影響に関するデータはない)。
小児等
18歳未満を対象とした臨床試験は実施していない。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. モルヌピラビル及びNHCの細菌を用いた変異原性試験の結果は変異原性試験陽性であった。しかし、げっ歯類を用いた2種の変異原性試験(Pig-a試験及びBig Blueトランスジェニック動物を用いたc2遺伝子座における試験)を実施した結果、変異原性は認められなかった。In vitro小核試験及びラットを用いた小核試験の結果は陰性であった。加えて、rasH2トランスジェニックマウスを用いた6ヵ月間投与がん原性試験において、発がん性は認められなかった。
15.2.2. 3ヵ月間投与毒性試験において、NHCのAUCに基づく臨床曝露量の5.4倍に相当する用量の投与で急速に成長しているラットの大腿骨に骨端軟骨成長板肥厚及び脛骨に骨端軟骨成長板肥厚が認められた。同様の変化は、ラットの1ヵ月間投与試験(曝露量は前記試験と同程度)並びにマウス(臨床曝露量の19倍までを1ヵ月間投与)及びイヌ(臨床曝露量の1.6倍までを14日間投与)の試験では認められていない。
15.2.3. イヌにNHCの臨床曝露量の0.4倍以上に相当する用量を投与した際に回復性のある骨髄毒性(すべての造血系細胞に影響)が認められた。モルヌピラビルを7日間投与した際に循環血の軽度の血球系細胞数減少及び血小板数減少がみられ、14日間の投与で循環血により重度の変化がみられた。同様の変化は他の動物種では認められていない。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
モルヌピラビルはNHCのプロドラッグであり、全身循環へ到達する前に主要代謝物であるNHCへ加水分解され細胞内に取り込まれた後、活性型であるリボヌクレオシド三リン酸化体(NHC‐TP)にリン酸化される。
(1)単回投与
健康成人にモルヌピラビル800mgを単回経口投与した際のNHCの血漿中濃度推移を添付文書の図1に、血漿中薬物動態パラメータを表1に示す。モルヌピラビル200~1600mgの範囲で、NHCのCmax及びAUCは概して用量に比例して増加した。
図1 健康成人にモルヌピラビル800mgを単回経口投与した際のNHCの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

表1 健康成人にモルヌピラビル800mgを単回経口投与した際のNHCの血漿中薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)反復投与
健康成人にモルヌピラビル800mgを12時間ごとに反復経口投与した際のNHCの血漿中薬物動態パラメータは表2のとおりであった。1日2回の反復経口投与で得られたNHCのAUC0-12hrの累積係数(1.05)に基づく有効半減期は2.73時間であった。
表2 健康成人にモルヌピラビル800mgを12時間ごとに反復経口投与した際の定常状態におけるNHCの血漿中薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人にモルヌピラビル800mgを単回経口投与注)した際、高脂肪食摂取後投与では空腹時投与に比べてNHCのCmaxは24%減少し、AUCは両条件下で同程度であった。本剤は、食事とは関係なく投与可能である。
16.3 分布
NHCのヒト血漿蛋白に対する結合率は0%であった(in vitroデータ)。
16.4 代謝
モルヌピラビルはNHCのプロドラッグであり、全身循環へ到達する前に主要代謝物であるNHCへ加水分解される。NHCは内因性ピリミジンの代謝と同じ経路でウリジン及びシチジンへ代謝され、消失する。
16.5 排泄
健康成人にモルヌピラビル800mgを1日2回5.5日間反復経口投与注)した際、NHCの尿中排泄率は3%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
モルヌピラビル及びNHCの主要な消失経路は腎排泄ではないため、腎機能障害がこれらの排泄に影響を及ぼす可能性は低い。母集団薬物動態解析の結果、軽度及び中等度の腎機能障害がNHCの薬物動態に及ぼす意味のある影響はみられなかった(外国人データ)。重度腎機能障害患者(eGFR30mL/min/1.73m2未満)又は透析を必要とする患者におけるモルヌピラビル及びNHCの薬物動態の評価は実施していない。
16.6.2 肝機能障害者
肝機能障害者におけるモルヌピラビル及びNHCの薬物動態の評価は実施していない。非臨床試験の結果、NHCの主要な消失経路は肝代謝ではないと考えられた。また、モルヌピラビルは主に消化管及び肝臓でNHCへ代謝される一方、モルヌピラビルの加水分解に必要な代謝酵素は広範な組織に分布しているため、肝機能障害がモルヌピラビル及びNHCの曝露量に影響を及ぼす可能性は低い。
16.6.3 高齢者
母集団薬物動態解析の結果、高齢者におけるNHCの薬物動態は若年者と同様であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験成績
モルヌピラビル及びNHCは主要な薬物代謝酵素及びトランスポーターの基質ではない。また、モルヌピラビル及びNHCは主要な薬物代謝酵素及びトランスポーターに対する阻害作用又は誘導作用を示さなかった。
16.7.2 臨床における薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験は実施していない。
注)本剤の承認された用法及び用量は、1回800mgを1日2回5日間経口投与である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第II/III相試験[MOVe‐OUT(002)試験]
18歳以上のSARS‐CoV‐2による感染症患者を対象に、モルヌピラビルの有効性、安全性等を評価することを目的として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、無作為化29日目までの理由を問わないすべての入院又は死亡した被験者の割合とした。第III相パートでは、モルヌピラビル800mgを1日2回(12時間ごと)5日間経口投与した。主要な解析である中間解析では775例が無作為割り付けされ、無作為化29日目までの追跡を完了した時点(日本人被験者は含まれなかった)での主要評価項目の結果は、モルヌピラビル800mg群7.3%(28/385例)及びプラセボ群14.1%(53/377例)であり、割合の群間差は-6.8%(95%信頼区間:-11.3、-2.4)であった(表1)。なお、無作為割り付けされた1433例(日本人被験者8例を含む)全例における補足的な解析での主要評価項目の結果は、モルヌピラビル800mg群6.8%(48/709例)及びプラセボ群9.7%(68/699例)であり、割合の群間差は-3.0%(95%信頼区間:-5.9、-0.1)であった。内訳は、モルヌピラビル800mg群で入院48/709例(6.8%)、死亡1/709例(0.1%)であり、プラセボ群で入院67/699例(9.6%)、死亡9/699例(1.3%)、不明1/699例(0.1%)であった。
表1 中間解析の主要評価項目の結果(Modified Intent‐To‐Treat集団)
→図表を見る(PDF)

なお、本試験の主な選択・除外基準は表2のとおりであった。
表2 第III相パートの主な選択・除外基準
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、モルヌピラビル800mg群で8.0%(57/710例)であり、主な副作用(発現割合1%以上)は、下痢1.7%(12/710例)、悪心1.4%(10/710例)、浮動性めまい1.0%(7/710例)であった。[5.1、7.参照]

18.1 作用機序
モルヌピラビルはプロドラッグであり、NHCに代謝され細胞内に取り込まれた後、活性型であるNHC‐TPにリン酸化される。NHC‐TPがウイルス由来RNA依存性RNAポリメラーゼによりウイルスRNAに取り込まれた結果、ウイルスゲノムのエラー頻度が増加し、ウイルスの増殖が阻害される。
18.2 In vitro抗ウイルス作用
NHCはVero E6細胞を用いた細胞培養系でSARS‐CoV‐2(USA‐WA1/2020株)に対して抗ウイルス作用を示し、50%有効濃度(EC50値)は0.78~2.03μmol/Lであった。
NHCはSARS‐CoV‐2の変異株であるalpha株(B.1.1.7系統)、beta株(B.1.351系統)、gamma株(P.1系統)、delta株(B.1.617.2系統)、lambda株(C.37系統)、mu株(B.1.621系統)並びにomicron株(B.1.1.529/BA.1、BA.1.1、BA.2及びBA.4系統)に対して抗ウイルス作用を示し、EC50値の範囲は従来株(USA‐WA1/2020株)では0.63~2.26μmol/L、変異株では0.92~5.5μmol/Lであった(Vero E6細胞)。また、NHCはSARS‐CoV‐2の変異株であるomicron株(B.1.1.529/BA.4及びBA.5系統)に対して抗ウイルス作用を示し、EC50値の範囲は従来株では0.65~0.93μmol/L、変異株では0.28~0.71μmol/Lであった(Vero E6‐TMPRSS2細胞)。
18.3 In vivo抗ウイルス作用
SARS‐CoV‐2感染マウス、ハムスター及びフェレットモデルを用いてモルヌピラビルの抗ウイルス作用を確認した。マウスでは、モルヌピラビルはウイルスを接種した移植ヒト肺組織でのSARS‐CoV‐2の感染性ウイルス量を減少させた。SARS‐CoV‐2感染フェレットモデルでは、モルヌピラビルは上気道でのSARS‐CoV‐2の感染性ウイルス量を減少させ、同居させたウイルス非接種薬物非投与動物での感染性ウイルス量(感染フェレットから隔離後4日目)は検出限界未満であった。SARS‐CoV‐2感染シリアンハムスターモデルでは、モルヌピラビルは肺でのウイルスRNA及び感染性ウイルス量を減少させた。感染後に摘出した肺組織の病理組織学的検査で、媒体群と比較してモルヌピラビル群ではSARS‐CoV‐2のウイルス抗原量の低下及び肺病変の軽減が認められた。
18.4 薬剤耐性
NHCの存在下でSARS‐CoV‐2(USA‐WA1/2020株)をVero E6細胞培養系にて30回継代した結果、NHCのEC50値の変化は2倍未満であった。30回継代したSARS‐CoV‐2ではゲノム全体にランダムに変異が認められた。

一包可:不明

バラ包装

分割:可能
粉砕:可能

脱カプセルや懸濁、簡易懸濁して投与することは、十分に検討したデータがないため、やむを得ない場合を除き、勧められない。

製造販売会社
MSD
販売会社
 

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