ヒダントール錠25mg
添付文書情報2024年02月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者。
2.2. タダラフィル投与中<肺高血圧症を適応とする場合>、マシテンタン投与中、チカグレロル投与中、アルテメテル・ルメファントリン投与中、ダルナビル・コビシスタット投与中、ドラビリン投与中、ルラシドン投与中、イサブコナゾニウム投与中、エンシトレルビル投与中、ニルマトレルビル・リトナビル投与中、ミフェプリストン・ミソプロストール投与中、リルピビリン投与中、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン投与中、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド投与中、DRV・COBI・FTC・TAF投与中(ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、EVG・COBI・FTC・TAF投与中(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、ソホスブビル・ベルパタスビル投与中、ソホスブビル投与中、レジパスビル・ソホスブビル投与中、ドルテグラビル・リルピビリン投与中、カボテグラビル投与中、レナカパビル投与中の患者〔10.1参照〕。
- 効能・効果
- 1). てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む)。
2). 自律神経発作。
3). 精神運動発作。
- 用法・用量
- フェニトインとして、通常成人1日200~300mg、小児には次記用量を毎食後3回に分割経口投与する。
症状、耐薬性に応じて適宜増減する。
学童:100~300mg。
幼児:50~200mg。
乳児:20~100mg。
(用法及び用量に関連する注意)
眼振、構音障害、運動失調、眼筋麻痺等の症状は過量投与の徴候であることが多いので、このような症状があらわれた場合には、至適有効量まで徐々に減量すること(用量調整をより適切に行うためには、本剤の血中濃度測定を行うことが望ましい)〔10.2、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 混合発作型では、単独投与により小発作の誘発又は増悪を招くことがある。
8.2. 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと〔9.1.4、9.8.2参照〕。
8.3. 連用中は定期的に肝機能・腎機能、血液検査を行うことが望ましい〔9.1.1、9.3肝機能障害患者の項、11.1.4、11.1.5、11.1.10参照〕。
8.4. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.5. 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続した本剤の血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.8参照〕。
8.6. 複視、視覚障害、眼振、白内障があらわれることがあるので、定期的に視力検査を行うことが望ましい〔11.2参照〕。
9.1.1. 血液障害のある患者:血液障害が悪化するおそれがある〔8.3、11.1.4参照〕。
9.1.2. 甲状腺機能低下症の患者:甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。
9.1.3. 糖尿病の患者:2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。
9.1.4. 虚弱者:連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある〔8.2参照〕。
肝機能障害患者:肝機能障害の悪化、また、血中濃度上昇のおそれがある〔8.3、11.1.5参照〕。
- 相互作用
- 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9及び一部CYP2C19で代謝される。また、CYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する〔16.4.2、16.7参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). タダラフィル<肺高血圧症を適応とする場合><アドシルカ>、マシテンタン<オプスミット>、チカグレロル<ブリリンタ>、アルテメテル・ルメファントリン<リアメット配合錠>、ダルナビル・コビシスタット<プレジコビックス配合錠>、ドラビリン<ピフェルトロ>、ルラシドン<ラツーダ>、リルピビリン<エジュラント>、イサブコナゾニウム<クレセンバ>、エンシトレルビル<ゾコーバ>、ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッド>〔2.2参照〕[これらの薬剤の代謝が促進され血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による)]。
2). ミフェプリストン・ミソプロストール<メフィーゴ>〔2.2参照〕[ミフェプリストンの血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤を中止してミフェプリストンを用いる場合は、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による)]。
3). リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン<オデフシィ配合錠>〔2.2参照〕[リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
4). ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド<ビクタルビ配合錠>〔2.2参照〕[ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
5). ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド<シムツーザ配合錠>〔2.2参照〕[ダルナビル・コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
6). EVG・COBI・FTC・TAF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)<ゲンボイヤ配合錠>〔2.2参照〕[エルビテグラビル・コビシスタット・テノホビルアラフェナミドの血中濃度低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
7). ソホスブビル・ベルパタスビル<エプクルーサ配合錠>〔2.2参照〕[ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による)]。
8). ソホスブビル<ソバルディ>、レジパスビル・ソホスブビル<ハーボニー配合錠>〔2.2参照〕[これらの薬剤の血中濃度が低下することがある(本剤のP糖蛋白誘導による)]。
9). ドルテグラビル・リルピビリン<ジャルカ配合錠>〔2.2参照〕[ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による)]。
10). カボテグラビル<ボカブリア>〔2.2参照〕[カボテグラビルの血中濃度が低下するおそれがある(本剤のUGT1A1誘導作用によると考えられている)]。
11). レナカパビル<シュンレンカ>〔2.2参照〕[レナカパビルの血中濃度が低下するおそれがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用、P糖蛋白誘導作用
及びUGT1A1誘導作用による)]。
10.2. 併用注意:1). ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール:①. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている)]。
②. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている)]。
2). クロバザム、タクロリムス、テラプレビル:①. クロバザム、タクロリムス、テラプレビル[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(機序は不明である)]。
②. クロバザム、タクロリムス、テラプレビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
3). ルフィナミド:①. ルフィナミド[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(機序は不明である)]。
②. ルフィナミド[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
4). カルバマゼピン:①. カルバマゼピン[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(カルバマゼピンが肝代謝を抑制する)]。
②. カルバマゼピン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること(カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
③. カルバマゼピン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
5). ネルフィナビル:①. ネルフィナビル[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(ネルフィナビルが肝代謝を抑制すると考えられている)]。
②. ネルフィナビル[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
③. ネルフィナビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明であるが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導等が考えられている)]。
6). バルプロ酸:①. バルプロ酸[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(バルプロ酸が肝代謝を抑制する)]。
②. バルプロ酸[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること(バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、遊離フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている)]。
③. バルプロ酸[バルプロ酸の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
④. バルプロ酸[バルプロ酸による高アンモニア血症のリスクが増加するとの報告がある(機序は不明である)]。
7). クマリン系抗凝血剤:①. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[フェニトインの血中濃度が上昇することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること;フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する)]。
②. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること(本剤による蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する)]。
③. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
8). CYP2C9を阻害する薬剤又はCYP2C19を阻害する薬剤(アミオダロン、クロラムフェニコール、シメチジン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、チクロピジン、フルコナゾール、フルボキサミン、ホスフルコナゾール、ミコナゾール、セリチニブ、アシミニブ、ニチシノン)、アロプリノール、イソニアジド、エトスクシミド、オメプラゾール、ジスルフィラム、ジルチアゼム、スルチアム、パラアミノサリチル酸、メチルフェニデート、エソメプラゾール[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている)]。
9). フルオロウラシル系薬剤(テガフール製剤、ドキシフルリジン等)、三環系抗うつ剤(イミプラミン等)、四環系抗うつ剤(マプロチリン等)、トラゾドン[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、13.1、16.8.1、16.8.2参照〕(機序は不明である)]。
10). テオフィリン、アミノフィリン:①. テオフィリン、アミノフィリン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
②. テオフィリン、アミノフィリン[テオフィリンの血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
11). リファンピシン、アパルタミド、レテルモビル[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
12). ジアゾキシド、シスプラチン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン等)、シプロフロキサシン、ビガバトリン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
13). イリノテカン[イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
14). 主にCYP3Aの基質となる薬剤(アゼルニジピン、イトラコナゾール、イマチニブ、オンダンセトロン、キニジン、クエチアピン、ジソピラミド、ニソルジピン、ニフェジピン、フェロジピン、プラジカンテル、ベラパミル等、副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)、卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等)、PDE5阻害剤(タダラフィル<勃起不全・前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合><シアリス、ザルティア>、シルデナフィル、バルデナフィル))、パロキセチン、フレカイニド、メキシレチン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
15). CYP3A及びP糖蛋白の基質となる薬剤(アピキサバン、ミラベグロン、レンバチニブ等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素及びP糖蛋白誘導による)]。
16). P糖蛋白の基質となる薬剤(グレカプレビル・ピブレンタスビル、テノホビルアラフェナミド、ニンテダニブ等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤のP糖蛋白誘導による)]。
17). ラモトリギン、デフェラシロクス、カナグリフロジン、ラルテグラビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する)]。
18). ポサコナゾール[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤のUGT1A4及び/又はP糖蛋白誘導による)]。
19). シクロスポリン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による、また、本剤が吸収を阻害する)]。
20). 甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序は不明である)]。
21). カスポファンギン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤がカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている)]。
22). ドルテグラビル、ドルテグラビル・ラミブジン、ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン[ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による)]。
23). ドキシサイクリン[ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある(本剤の肝薬物代謝酵素誘導による)]。
24). アルベンダゾール[アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し効果が減弱することがある(機序は不明である)]。
25). 非脱分極性筋弛緩剤(ベクロニウム等)[フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある(機序は不明である)]。
26). 血糖降下剤(インスリン、経口血糖降下剤)[血糖降下剤の作用が減弱され高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること(本剤のインスリン分泌抑制作用による)]。
27). アセタゾラミド〔11.2参照〕[くる病、骨軟化症があらわれやすい(本剤によるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている)]。
28). アセトアミノフェン[本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝機能障害を生じやすくなる(本剤の肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている)]。
29). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[フェニトインの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.2. 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が、投与中止後も再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.1.3. SLE様症状(頻度不明):発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等のSLE様症状があらわれることがある。
11.1.4. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)〔8.3、9.1.1参照〕。
11.1.5. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ-GTP上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.3、9.3肝機能障害患者の項参照〕。
11.1.6. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7. 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹(いずれも頻度不明)。
11.1.8. 小脳萎縮(頻度不明):長期投与例であらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.9. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.10. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.11. 悪性症候群(頻度不明):発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)猩紅熱様発疹・麻疹様発疹・中毒疹様発疹。
2). 血液:(頻度不明)巨赤芽球性貧血。
3). 肝臓:(頻度不明)AST上昇・ALT上昇・γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸。
4). 腎臓:(頻度不明)蛋白尿等の腎障害。
5). 精神神経系:(頻度不明)不随意運動(ジスキネジア、舞踏病アテトーゼ、アステリキシス(asterixis)等)、ニューロパシー、眩暈、運動失調、注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等、頭痛、神経過敏、不眠、けいれん増悪・てんかん増悪。
6). *眼:(頻度不明)複視、視覚障害、眼振、白内障。
7). 消化器:(頻度不明)歯肉増殖[連用により、歯肉増殖があらわれることがある]、悪心・嘔吐、便秘。
8). 骨・歯:(頻度不明)※くる病、※骨軟化症、歯牙形成不全[連用により、これらの症状があらわれることがあるので、異常(血清アルカリフォスファターゼ値上昇、血清カルシウム低下・血清無機リン低下等)があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与など適切な処置を行うこと]。
9). 内分泌系:(頻度不明)甲状腺機能検査値異常(血清T3値異常、血清T4値異常等)、高血糖。
10). その他:(頻度不明)発熱、多毛、血清葉酸値低下、CK上昇、免疫グロブリン低下(IgA低下、IgG低下等)。
*)〔8.6参照〕。
※)〔10.2参照〕。
- 高齢者
- 9.8.1. 少量から投与を開始するなど慎重に投与すること(生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い)。
9.8.2. 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある)〔8.2参照〕。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中に本剤を投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある)。
9.5.2. 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい(妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある)。
9.5.3. 妊娠中の投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
9.5.4. 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
9.5.5. 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。
授乳しないことが望ましい(ヒトで乳汁中への移行が報告されている)。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 血清免疫グロブリン異常(IgA異常、IgG異常等)があらわれることがある。
15.1.2. 経腸栄養剤投与中の患者で、本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。
15.1.3. 本剤と他の抗てんかん薬(フェノバルビタール、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
15.1.4. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6~3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。
16.1 血中濃度
ヒダントール錠25mg8錠、錠100mg2錠(フェニトインとして200mg)をそれぞれ健康成人男子6名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は次記のとおりである。
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
約90%(in vitro、ヒト血漿、約20μg/mL、限外ろ過法)
16.4 代謝
16.4.1 主な代謝産物及び代謝経路
主として肝臓でフェニル基の一つが水酸化され、5‐(p‐hydroxyphenyl)‐5‐phenylhydantoin(HPPH)が生成した後、大部分はグルクロン酸抱合される。
16.4.2 代謝酵素
主としてCYP2C9及び一部CYP2C19[10.参照]
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
主として尿中
16.5.2 排泄率
投与後6日間における排泄率は、尿中に総HPPHとして97.6~98.2%、フェニトインとして0.3~0.6%、糞中に総HPPHとしてtrace~1.6%、フェニトインとして0.7%であった。(健康成人、ヒダントール錠25mg4錠、1回経口投与)
16.7 薬物相互作用
フェニトインはCYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する。[10.参照]
16.8 その他
16.8.1 有効血中濃度
てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に成人の強直間代発作に対しては10~20μg/mLが目安として示されている。[7.、10.2、13.1、16.8.2参照]
16.8.2 投与量と血中濃度との関係
定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis‐Menten式(C=Km・D/(Dmax-D))を用いた曲線(添付文書の図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい。また、定数Dmax、Kmの個人差は大きく、さらに成人に比較して年少児ほどDmaxの値は大きくなる。このため、フェニトインの血中濃度測定が、至適投与量の検討ないしは中毒症状発現防止に役立てられている。[7.、10.2、13.1、16.8.1参照]
18.1 作用機序
フェニトインはマウス、ラット等の最小電撃けいれん閾値やペンテトラゾールけいれん閾値に対してほとんど作用を及ぼさないが、最大電撃けいれんに対してそのパターンを変える作用があり、最大電撃けいれんの強直相を強く抑制する。
また、本剤は神経膜を安定化し、シナプスにおけるpost‐tetanic potentiation(PTP)を抑制する。
これらのことから、本剤の抗てんかん作用は、けいれん閾値を上昇させることによってもたらされるのではなく、発作焦点からのてんかん発射のひろがりを阻止することによるものと考えられている。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- 藤永製薬
- 販売会社
- 第一三共
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