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フィコンパ錠4mg

販売名
フィコンパ錠4mg
識別コード
E 277 4
薬価
4mg1錠 319.70円
製造メーカー
エーザイ

添付文書情報2024年02月改定(第5版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗てんかん剤
一般名
ペランパネル水和物錠
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重度肝機能障害のある患者〔9.3.1、16.6.2参照〕。
効能・効果
1). てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)。
2). 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法。
用法・用量
〈部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合〉
[単剤療法]
通常、成人及び4歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。維持用量は1日1回4~8mgとする。
なお、症状により2週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高8mgまでとする。
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回4~8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。
なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。
通常、4歳以上12歳未満の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回4~8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。
なお、症状により2週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。
〈参考:成人及び12歳以上の小児における部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合〉
1). 単剤療法:
①. 投与方法:1日1回就寝前経口投与。
②. 開始用量:2mg/日。
③. 漸増間隔:2週間以上。
④. 漸増用量:2mg/日。
⑤. 維持用量:4~8mg/日。
⑥. 最高用量:8mg/日。
2). 併用療法:
①. 投与方法:1日1回就寝前経口投与。
②. 開始用量:2mg/日。
③. 漸増間隔:1週間以上。
④. 漸増用量:2mg/日。
⑤. 維持用量:
a. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬*の併用なし:4~8mg/日。
b. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬*の併用あり:8~12mg/日。
⑥. 最高用量:12mg/日。
用量はペランパネルとしての量を示す。
*)本剤の代謝を促進する抗てんかん薬:フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン。
〈参考:4歳以上12歳未満の小児における部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合〉
1). 単剤療法:
①. 投与方法:1日1回就寝前経口投与。
②. 開始用量:2mg/日。
③. 漸増間隔:2週間以上。
④. 漸増用量:2mg/日。
⑤. 維持用量:4~8mg/日。
⑥. 最高用量:8mg/日。
2). 併用療法:
①. 投与方法:1日1回就寝前経口投与。
②. 開始用量:2mg/日。
③. 漸増間隔:2週間以上。
④. 漸増用量:2mg/日。
⑤. 維持用量:
a. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬*の併用なし:4~8mg/日。
b. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬*の併用あり:8~12mg/日。
⑥. 最高用量:12mg/日。
用量はペランパネルとしての量を示す。
*)本剤の代謝を促進する抗てんかん薬:フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン。
〈強直間代発作に用いる場合〉
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。
なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。
〈参考:成人及び12歳以上の小児における強直間代発作に用いる場合〉
併用療法:
1). 投与方法:1日1回就寝前経口投与。
2). 開始用量:2mg/日。
3). 漸増間隔:1週間以上。
4). 漸増用量:2mg/日。
5). 維持用量:
①. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬*の併用なし:8mg/日。
②. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬*の併用あり:8~12mg/日。
6). 最高用量:12mg/日。
用量はペランパネルとしての量を示す。
*)本剤の代謝を促進する抗てんかん薬:フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤を強直間代発作に対して使用する場合には、他の抗てんかん薬と併用して使用すること(臨床試験において、強直間代発作に対する本剤単独投与での使用経験はない)。
7.2. 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン)との併用により本剤の血中濃度が低下することがあるので、本剤の投与中にカルバマゼピン、フェニトイン又はホスフェニトインを投与開始又は投与中止する際には、慎重に症状を観察し、必要に応じて1日最高用量である12mgを超えない範囲で適切に用量の変更を行うこと〔8.4、10.2、16.7.1参照〕。
7.3. 軽度肝機能障害及び中等度肝機能障害のある患者に本剤を投与する場合は、ペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増すること。また、症状により2週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、軽度肝機能障害のある患者については1日最高8mgまで、中等度肝機能障害のある患者については1日最高4mgまでとする〔9.3.2、16.6.2参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 易刺激性、攻撃性・敵意、不安、自殺企図等の精神症状があらわれ、自殺に至った例も報告されているので、本剤投与中及び投与終了後一定期間は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること〔8.2、11.1.1、15.1.1参照〕。
8.2. 患者及びその家族等に易刺激性、攻撃性・敵意、不安、幻覚(幻視、幻聴等)、妄想、せん妄、自殺企図等の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること〔8.1、11.1.1、15.1.1参照〕。
8.3. 運動失調(ふらつき)等が高頻度で認められ、転倒等を伴うおそれがあるので、あらかじめ患者及びその家族に十分に説明し、必要に応じて医師の診察を受けるよう、指導すること。
8.4. 本剤を増量した場合に易刺激性、攻撃性・敵意、不安等の精神症状、運動失調(ふらつき)等が多く認められ、特に本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン)を併用しない患者では多く認められるため、患者の状態を慎重に観察すること〔7.2、10.2、16.7.1参照〕。
8.5. めまい、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う操作に従事させないよう注意すること。
8.6. 連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、発作頻度増加する可能性があるので、投与を中止する場合には徐々に減量することも考慮し、患者の状態を慎重に観察すること。
9.2.1. 重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎障害患者:重度腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎障害患者を対象とした臨床試験は実施していない(代謝物の排泄が遅延するおそれがある)。
9.3.1. 重度の肝機能障害のある患者:重度肝機能障害のある患者では投与しないこと(ペランパネルの血中濃度が上昇するおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。
9.3.2. 軽度肝機能障害及び中等度肝機能障害のある患者:本剤のクリアランスが低下し、消失半減期が延長することがある〔7.3、16.6.2参照〕。
相互作用
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3Aで代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物〔7.2、8.4、16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が低下するので、必要に応じて本剤の用量を調節すること(相手薬剤により薬物代謝酵素CYP3Aが誘導され、本剤の代謝が促進される)]。
2). CYP3A誘導作用を有する薬剤等(リファンピシン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)等)[本剤の血中濃度が低下する可能性がある(相手薬剤により薬物代謝酵素CYP3Aが誘導され、本剤の代謝が促進される可能性がある)]。
3). CYP3A阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(相手薬剤により薬物代謝酵素CYP3Aが阻害され、本剤のクリアランスが低下する)]。
4). 経口避妊薬(レボノルゲストレル)〔16.7.4参照〕[相手薬剤の血中濃度が低下し効果が減弱する可能性がある(機序は不明である)]。
5). アルコール(飲酒)〔16.7.5参照〕[精神運動機能の低下が増強することがある(本剤及びアルコールは中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 攻撃性等の精神症状:易刺激性(6.8%)、攻撃性(3.5%)、不安(1.5%)、怒り(1.1%)、幻覚(幻視、幻聴等)(0.6%)、妄想(0.3%)、せん妄(頻度不明)等の精神症状があらわれることがある〔8.1、8.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1~5%未満)発疹、(1%未満)そう痒症。
2). 精神神経系:(5%以上)浮動性めまい(35.4%)、傾眠(19.8%)、(1~5%未満)頭痛、運動失調、平衡障害、構語障害、痙攣、(1%未満)振戦、気分動揺、感覚鈍麻、嗜眠、過眠症、感情不安定、気分変化、神経過敏、健忘、記憶障害、異常行動、錯乱状態、睡眠障害、錯感覚、自殺企図、注意力障害、精神運動亢進、協調運動異常、てんかん増悪、自殺念慮、多幸気分。
3). 消化器:(1~5%未満)悪心、嘔吐、(1%未満)腹部不快感、腹痛、下痢、口内炎、便秘、流涎過多。
4). 肝臓:(1%未満)肝機能異常、γ-GTP増加、AST増加、ALT増加。
5). 血液:(1%未満)貧血、低ナトリウム血症、好中球減少症。
6). 眼:(1~5%未満)複視、(1%未満)眼振、霧視。
7). 筋骨格:(1%未満)筋力低下、筋肉痛、(頻度不明)関節痛。
8). その他:(1~5%未満)疲労、体重増加、回転性めまい、歩行障害、食欲減退、食欲亢進、(1%未満)心電図QT延長、異常感、倦怠感、尿中蛋白陽性、体重減少、不規則月経、鼻出血、転倒、酩酊感、挫傷、無力症、発熱、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、尿失禁、(頻度不明)上気道感染。
高齢者
9.8.1. 一般に高齢者では生理機能が低下している〔16.6.3参照〕。
9.8.2. 観察を十分に行うなど慎重に投与すること(臨床試験において、高齢者は非高齢者と比較して転倒のリスクが高いという結果が得られている)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットの妊娠及び授乳期間中に投与したとき、一般状態の悪化の認められる用量(3mg/kg/日以上)で分娩異常及び哺育状態異常、死亡産仔数増加、出生率減少及び生存率減少、10mg/kg/日で出生仔体重抑制と出生仔形態分化遅延がみられ、妊娠ウサギに投与したとき、体重及び摂餌量の減少が認められる用量(10mg/kg)で、早産がみられた)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(授乳ラットに投与したとき、ペランパネル又はその代謝物が乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
9.7.1. 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 幼児又は小児<4歳未満>を対象とした国内臨床試験は実施していない。
9.7.3. 4歳以上12歳未満の部分発作を有する小児を対象とした単剤療法に関する臨床試験は実施していない。
9.7.4. 4歳以上12歳未満の強直間代発作を有する小児を対象とした国内臨床試験は実施していない。
9.7.5. 臨床試験において、小児における易刺激性、攻撃性・敵意等の精神症状の発現割合が成人に比べて高くなることが示唆されているので、観察を十分に行うこと。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照比較試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現リスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている〔8.1、8.2参照〕。
15.1.2. 薬物乱用経験のある外国人健康成人にペランパネル8~36mgを単回経口投与したとき、薬剤嗜好性、薬剤購入希望、多幸気分及び鎮静スコアの評価指標において、プラセボを投与したときと比較して大きな作用が認められた。ペランパネル24~36mgを投与したときに認められた作用は陽性対照(アルプラゾラム1.5~3mg、ケタミン100mg)と同程度であった。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ラットを用いた身体依存性試験において、ペランパネル13.3~43.5mg/kg(摂餌量から換算)を混餌投与した際に、退薬症候が認められた。また、サルを用いた静脈内自己投与試験において、ペランパネル0.016~0.004mg/kgを漸減投与した際に、自己投与回数増加(強化効果)が認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
〈フィコンパ錠〉
日本人健康成人にペランパネル2~8mgを絶食下単回経口投与注)したときの血漿中濃度推移を添付文書の図に示し、薬物動態パラメータを表に示した。ペランパネルは単回経口投与後速やかかつほぼ完全に吸収され、初回通過効果はほとんど受けない。
図 健康成人に単回経口投与したときの血漿中濃度推移(Mean+S.D.)

表 単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
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注)承認された本剤の1日投与量は2~12mgである。
〈フィコンパ細粒〉
日本人健康成人に細粒1%0.4g又は錠4mg(いずれもペランパネルとして4mg)を絶食下単回経口投与したときの血漿中濃度推移を添付文書の図に示し、薬物動態パラメータを表に示した。細粒1%0.4gと錠4mgは生物学的に同等であることが確認された。
図 健康成人に単回経口投与したときの血漿中濃度推移

表 単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
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16.1.2 反復投与
日本人健康成人にペランパネル2mgを1日1回14日間又は2mgを1日1回14日間経口投与後に4mgを1日1回14日間経口投与注)したときの、2mg及び4mg投与開始後14日における定常状態の薬物動態パラメータは次記のとおりである。
表 反復経口投与したときの定常状態の薬物動態パラメータ
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注)承認された本剤の1日投与量は2~12mgである。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
(1)健康成人24名にペランパネル1mgを絶食下及び摂食下単回経口投与したとき、摂食下では絶食下と比較しペランパネルのCmaxは40%低下し、tmaxは2時間遅延したが、AUC(0-t)は同様であった(外国人データ)。
(2)健康成人16名にペランパネル6mgを絶食下又は摂食下単回経口投与したとき、摂食下では絶食下と比較しペランパネルのCmaxは28%低下し、tmaxは3時間遅延したが、AUC(0-24h)は同様であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率(in vitro、ヒト血漿、濃度20~2000ng/mL)は95~96%であった。
16.3.2 ラットにペランパネル(14C標識体)1mg/kgを単回経口投与したとき、組織中放射能濃度はほとんどの組織で投与1時間後に最高値を示し、投与1週間後までにほとんどの組織で定量下限未満となったが、大動脈では投与3週間後においても投与6時間後と同程度の放射能が検出された。
16.4 代謝
ペランパネルの主代謝経路はピリジン環、ベンゼン環、ベンゾニトリル環における酸化反応とそれに続く抱合反応である。酸化反応に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP3Aである。ペランパネルは血中で主に未変化体として存在する。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男性8名(24~49歳)に14C‐ペランパネル約4mgを単回経口投与したとき、投与後768時間までに投与放射能の28%が尿中から、69%が糞中から回収された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
プラセボ対照試験でペランパネル12mg/日までの用量を投与された日本人を含む患者(部分発作又は強直間代発作)を対象とした母集団薬物動態解析において、ペランパネルのみかけのクリアランスにクレアチニンクリアランス(範囲:38.6~160mL/min)の有意な影響は認められなかった。
16.6.2 肝機能障害患者
軽度(Child‐Pugh A群)及び中等度(Child‐Pugh B群)の成人の肝機能障害患者それぞれ6例にペランパネル1mgを摂食下単回経口投与したとき、それぞれの被験者背景に対応する健康成人と比較して非結合型ペランパネルのAUC(0-inf)はそれぞれ81%及び228%増加、みかけのクリアランスは45%及び70%低下した。t1/2は軽度及び中等度の肝機能障害患者でそれぞれ306時間及び295時間、対照となる健康成人ではそれぞれ125時間及び139時間であり、肝機能障害患者で延長が見られた。重度(Child‐Pugh C群)の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない(外国人データ)。[2.2、7.3、9.3.1、9.3.2参照]
表 健康成人及び肝機能障害患者の薬物動態パラメータ
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16.6.3 高齢者
(1)健康高齢者8名(65~76歳)にペランパネル2mgを絶食下単回経口投与したとき、ペランパネルのCmax、AUC(0-inf)及びt1/2の平均値はそれぞれ73.6ng/mL、3570ng・hr/mL及び110時間であった(外国人データ)。[9.8.1参照]
(2)プラセボ対照試験でペランパネル12mg/日までの用量を投与された日本人を含む12~74歳の患者(部分発作又は強直間代発作)を対象とした母集団薬物動態解析において、ペランパネルのみかけのクリアランスに年齢の有意な影響は認められなかった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 抗てんかん薬
(1)健康成人14名において、カルバマゼピン300mgを1日2回反復経口投与時にペランパネル2mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルのCmax、AUC(0-inf)及びt1/2はそれぞれ26%低下、67%減少及び56%短縮し、みかけのクリアランスは203%増加した(外国人データ)。[7.2、8.4、10.2参照]
(2)母集団薬物動態解析において、ペランパネルの定常状態の血漿中濃度に及ぼす他の抗てんかん薬の影響、及び他の抗てんかん薬の血漿中濃度に及ぼすペランパネルの影響について検討した。
結果は次のとおりである。
表 抗てんかん薬との相互作用の一覧表a)
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16.7.2 ケトコナゾール
健康成人26名において、ケトコナゾール400mg/日を反復経口投与時にペランパネル1mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルのAUC(0-inf)は20%増加し、t1/2は15%延長した。Cmaxに影響は認められなかった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 ミダゾラム
健康成人35名において、ペランパネル6mg/日を反復経口投与時にミダゾラム4mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してミダゾラムのCmaxは15%低下し、AUC(0-inf)は13%減少した(外国人データ)。
16.7.4 経口避妊薬(エチニルエストラジオール30μg及びレボノルゲストレル150μg合剤)
健康成人女性28名において、ペランパネル8mg/日を反復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したとき、単独投与時と比較してエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルのCmax及びAUC(0-24hr)に影響は認められなかった。ペランパネル12mg/日を反復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したとき、単独投与時と比較してレボノルゲストレルのCmax及びAUC(0-24hr)がそれぞれ43%低下及び41%減少した。エチニルエストラジオールのCmaxの低下幅は20%未満であり、AUC(0-24hr)は影響を受けなかった。健康成人女性24名において、経口避妊薬を反復投与時にペランパネル6mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルのCmax及びAUC(0-72hr)に影響は認められなかった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 アルコール
健康成人35名において、ペランパネル4~12mg/日を単回経口投与時に、アルコールを単回経口投与したとき、アルコール単独投与時と比較して精神運動機能の低下が認められた。健康成人22名において、ペランパネル12mg/日を反復経口投与時にアルコールを単回経口投与したとき、アルコール単独投与時と比較して精神運動機能は低下し、怒り、混乱及び抑うつは増悪した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 CYPの誘導及び阻害
ヒト肝ミクロソームにおいて、ペランパネルは30μmol/Lの濃度でCYP2C8及びUGT1A9に弱い阻害活性を示した。ヒト初代培養肝細胞系において、CYP2B6に対してペランパネルは30μmol/Lの濃度で、CYP3Aに対して3~30μmol/Lの濃度範囲で弱い誘導能を示した(in vitro)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈部分発作(二次性全般化発作を含む)〉
17.1.1 国際共同第III相試験(単剤療法)
12歳以上の部分発作(二次性全般化発作を含む)を有する未治療のてんかん患者89例(うち日本人43例)を対象に本剤4~8mg/日を26週間就寝前に経口投与する非盲検非対照試験(単剤療法)を実施した。その結果、有効性の主要な解析対象において、主要評価項目である4mg治療維持期26週間における部分発作に対する完全発作消失割合は、63.0%(46/73例)であった。また、副次評価項目である4又は8mg治療維持期26週間における部分発作に対する完全発作消失割合は、74.0%(54/73例)であった。本剤が投与された安全性解析対象症例89例において、副作用は56.2%(50/89例)に認められた。主な副作用は、浮動性めまいが32.6%(29/89例)、傾眠が11.2%(10/89例)であった。
17.1.2 国際共同第III相試験(併用療法)
12歳以上の部分発作(二次性全般化発作を含む)を有するてんかん患者710例(うち日本人245例)を対象に本剤4mg/日、8mg/日、12mg/日又はプラセボを19週間就寝前に経口投与する二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)を実施した。その結果、主要評価項目である28日あたりの部分発作頻度減少率は次表のとおりであり、プラセボ群と本剤8mg/日群及び12mg/日群で統計学的な有意差が認められた。なお、各群における50%レスポンダー率(28日あたりの発作回数が観察期と比べて50%以上改善した患者の割合)は、プラセボ群19.4%(34/175例)、4mg/日群23.0%(40/174例)、8mg/日群36.0%(63/175例)、12mg/日群43.3%(78/180例)であった。
→図表を見る(PDF)

また、治療期のあとに最大12mg/日まで投与した結果、有効性は長期(最大75週間)にわたり維持された。
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本剤が投与された安全性解析対象症例531例において、副作用は57.6%(306/531例)に認められた。本剤投与群における主な副作用は、浮動性めまい、傾眠、易刺激性、頭痛、疲労等であった。
→図表を見る(PDF)

17.1.3 国際共同第III相試験(小児対象:併用療法)
4歳以上12歳未満のコントロール不十分な小児てんかん患者180例注)(うち日本人65例)を対象に本剤(最大12mg/日)を23週間就寝前に経口投与する非盲検非対照試験(他の抗てんかん薬との併用療法)を実施した。その結果、日本人集団65例における28日間あたりの部分発作頻度変化率の中央値は、-36.97%(95%信頼区間:-52.55%、-25.48%)であった。また、全体集団148例における28日間あたりの部分発作頻度変化率の中央値は-40.11%(95%信頼区間:-52.55%、-31.38%)であった。本剤が投与された安全性解析対象症例180例において、副作用は68.9%(124/180例)に認められた。主な副作用は、傾眠が22.2%(40/180例)、浮動性めまいが12.8%(23/180例)、易刺激性が11.7%(21/180例)、攻撃性が9.4%(17/180例)であった。
注)部分発作(二次性全般化発作を含む)又は強直間代発作を有するてんかん患者が対象とされ、日本人では部分発作(二次性全般化発作を含む)を有するてんかん患者のみが対象とされた。
〈強直間代発作〉
17.1.4 国際共同第III相試験
12歳以上の強直間代発作を有するてんかん患者164例(うち日本人11例)を対象に本剤(最大8mg/日)又はプラセボを17週間就寝前に経口投与する二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)を実施した。その結果、主要評価項目である28日あたりの強直間代発作頻度減少率は次表のとおりであり、プラセボ群と本剤群で統計学的な有意差が認められた。なお、各群における50%レスポンダー率(28日あたりの発作回数が観察期と比べて50%以上改善した患者の割合)は、プラセボ群39.5%(32/81例)、本剤群64.2%(52/81例)であった。
→図表を見る(PDF)

また、治療期のあとに最大12mg/日まで投与した結果、有効性は長期(最大127週間)にわたり維持された。
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本剤が投与された安全性解析対象症例81例において、副作用は69.1%(56/81例)であった。本剤投与群における主な副作用は、浮動性めまい、疲労、頭痛、易刺激性、傾眠等であった。
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18.1 作用機序
ペランパネルは、シナプス後膜に主として存在するAMPA(α‐amino‐3‐hydroxy‐5‐methyl‐4‐isoxazolepropionic acid)型グルタミン酸受容体に選択的な非競合的拮抗剤として抗てんかん作用を発揮すると推定されている。
18.2 抗痙攣作用
18.2.1 マウスにおける音誘発強直性痙攣を抑制した。
18.2.2 マウスにおける最大電撃痙攣を抑制した。
18.2.3 マウスにおけるペンチレンテトラゾール誘発痙攣を抑制した。
18.2.4 ストラスブール遺伝性欠神発作ラット(GAERS)では、痙攣抑制作用を示さなかった。
18.2.5 角膜キンドリングマウスにおいて、キンドリング形成の遅延及び痙攣重症度の軽減が認められた。
18.2.6 扁桃核キンドリングラットにおいて、後発射閾値の上昇、後発射持続時間の短縮及び痙攣重症度の軽減が認められた。

一包可:不明

バラ包装

分割:可能
粉砕:可能
製造販売会社
エーザイ
販売会社
 

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