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ジクトルテープ75mg

販売名
ジクトルテープ75mg
識別コード
ジクトルテープ 75mg
薬価
75mg1枚 154.50円
製造メーカー
久光製薬

添付文書情報2024年10月改定(第6版)

商品情報

薬効分類名
フェニル酢酸系製剤
一般名
ジクロフェナクナトリウム貼付剤
禁忌
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある]〔9.1.1、9.1.11、11.1.2、11.1.3参照〕。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を悪化させるおそれがある]〔9.1.2、11.1.4参照〕。
2.3. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1、9.2.2、11.1.6参照〕。
2.4. 重篤な肝機能障害のある患者〔8.3、9.3.1、9.3.2、11.1.11参照〕。
2.5. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.4参照〕。
2.6. 重篤な心機能不全のある患者〔9.1.5、11.1.9参照〕。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.8. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する]〔9.1.7、11.1.7参照〕。
2.9. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5.1、9.5.2参照〕。
2.10. トリアムテレン投与中の患者〔10.1参照〕。
効能・効果
1). 各種がんにおける鎮痛。
2). 腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎。
用法・用量
〈各種がんにおける鎮痛〉
通常、成人に対し、1日1回、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。なお、症状や状態により1日3枚(ジクロフェナクナトリウムとして225mg)に増量できる。
〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎〉
通常、成人に対し、1日1回、1枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg)又は2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。
7.2. 〈各種がんにおける鎮痛〉本剤3枚貼付時の全身曝露量がジクロフェナクナトリウム経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は3枚を超えないこと。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 〈効能共通〉過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、使用後の患者の状態に十分注意すること〔9.8高齢者の項参照〕。
8.3. 〈効能共通〉重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。特に連用する場合は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい〔2.4、9.3.1、9.3.2、11.1.11参照〕。
8.4. 〈効能共通〉本剤使用中に眠気、めまい、霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。
8.5. 〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎〉漫然とした使用は避ける、次の事項を考慮すること。
・ 〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎〉長期使用する場合には、定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。
・ 〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎〉薬物療法以外の療法も考慮すること。
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させるおそれがある〔2.1、9.1.11、11.1.2、11.1.3参照〕。
9.1.2. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2、11.1.4参照〕。
9.1.3. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.4. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧をさらに上昇させるおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.5. 心機能障害<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある〔2.6、11.1.9参照〕。
9.1.6. SLE(全身性エリテマトーデス)の患者:SLE症状(腎機能障害等)を悪化させるおそれがある〔11.1.10参照〕。
9.1.7. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重症喘息発作を誘発させることがある)〔2.8、11.1.7参照〕。
9.1.8. 潰瘍性大腸炎の患者:症状が悪化したとの報告がある。
9.1.9. クローン病の患者:症状が悪化したとの報告がある。
9.1.10. 消化管手術後の患者:消化管縫合不全を起こすおそれがある。
9.1.11. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期使用が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続使用する場合には、十分経過を観察し、慎重に使用すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)〔2.1、9.1.1参照〕。
9.1.12. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に使用すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
9.1.13. 次の腎血流量低下しやすい患者[1)心機能障害のある患者、2)利尿剤投与中や腎機能に著しい影響を与える薬剤投与中の患者、3)腹水を伴う肝硬変のある患者、4)大手術後の患者、5)高齢者〔9.8高齢者の項参照〕]:有効循環血液量が低下傾向にあり、腎不全を誘発するおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:使用しないこと(腎血流量低下作用により、腎機能障害を悪化させることがある)〔2.3、10.2、11.1.6参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎血流量低下作用により、腎機能障害を悪化又は誘発することがある〔2.3、10.2、11.1.6参照〕。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:使用しないこと(肝機能障害を悪化させることがある)〔2.4、8.3、11.1.11参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害を悪化又は再発させることがある〔2.4、8.3、11.1.11参照〕。
相互作用
本剤は主に代謝酵素CYP2C9で代謝される。
10.1. 併用禁忌:トリアムテレン<トリテレン>〔2.10参照〕[急性腎障害があらわれたとの報告がある(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、トリアムテレンの腎機能障害を増大すると考えられる)]。
10.2. 併用注意:1). CYP2C9を阻害する薬剤(ボリコナゾール等)[本剤のCmaxとAUCが増加することがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素であるCYP2C9を阻害する)]。
2). ニューキノロン系抗菌剤(レボフロキサシン等)[痙攣を起こすおそれがあるので、痙攣が発現した場合には、気道を確保し、ジアゼパムの静注等を行う(ニューキノロン系抗菌剤が脳内の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体結合を濃度依存的に阻害し、ある種の非ステロイド性抗炎症剤との共存下ではその阻害作用が増強されることが動物で報告されている)]。
3). リチウム、強心配糖体(ジゴキシン等)、メトトレキサート[これらの薬剤の血中濃度を高めその作用を増強することがあるので、必要に応じて、これらの薬剤の用量を調節する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の腎クリアランスが低下するためと考えられる)]。
4). アスピリン:①. アスピリン[相互に作用が減弱されることがある(アスピリンは本剤の血漿蛋白結合を減少させ、血漿クリアランスを増加させることにより、その血中濃度を減少させ、逆に、本剤により、アスピリンの尿中排泄量が増加するとの報告がある)]。
②. アスピリン[消化器系の副作用を増強させるおそれがある(両剤とも消化管の障害作用をもつため、併用した場合その影響が大きくなるおそれがある)]。
5). 非ステロイド性消炎鎮痛剤[相互に胃腸障害等が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用をもつため、併用した場合その影響が大きくなるおそれがある)]。
6). 副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[相互に副作用<特に胃腸障害等>が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用をもつため、併用した場合その影響が大きくなるおそれがある)]。
7). 降圧剤:①. 降圧剤(β-遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[これらの薬剤の降圧作用を減弱することがあるので、用量に注意すること(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の血圧低下作用を減弱するおそれがある)]。
②. 降圧剤(β-遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[腎機能を悪化させるおそれがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる<危険因子>高齢者〔9.8高齢者の項参照〕)]。
8). 利尿剤(ヒドロクロロチアジド、フロセミド等)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあるので、血圧、利尿効果を観察し、必要に応じてこれらの薬剤の増量を考慮する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の利尿効果を減弱するおそれがある)]。
9). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸等)、抗アルドステロン剤(エプレレノン等)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用
による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害〔9.2.1、9.2.2参照〕)]。
10). 抗凝血剤及び抗血小板薬(ワルファリン、レビパリン、クロピドグレル、エノキサパリン等)、デフィブロチド[出血の危険性が増大するとの報告があるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行う(本剤の血小板機能阻害作用とこれらの薬剤の作用により、出血の危険性が増大するおそれがある)]。
11). シクロスポリン:①. シクロスポリン[シクロスポリンによる腎機能障害を増強するとの報告があるので、腎機能を定期的にモニターしながら慎重に使用する(機序は十分解明されていないが、本剤はシクロスポリンによる腎機能障害に対して保護的な作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、腎機能障害を増大すると考えられる)]。
②. シクロスポリン[高カリウム血症があらわれるおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
12). ドロスピレノン・エチニルエストラジオール[高カリウム血症があらわれるおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
13). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミン、パロキセチン等)[消化管出血があらわれることがあるので、注意して使用すること(これらの薬剤の投与により血小板凝集が阻害され、併用により出血傾向が増強すると考えられる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック(胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、四肢冷却、血圧低下、意識障害等)、アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.2. 出血性ショック又は穿孔を伴う消化管潰瘍(いずれも頻度不明)〔2.1、9.1.1参照〕。
11.1.3. 消化管の狭窄・閉塞(頻度不明):消化管潰瘍に伴い、消化管狭窄・消化管閉塞があらわれることがある〔2.1、9.1.1参照〕。
11.1.4. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少症(いずれも頻度不明)〔2.2、9.1.2参照〕。
11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 急性腎障害(間質性腎炎、腎乳頭壊死等)、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれることがある〔2.3、9.1.13、9.2.1、9.2.2参照〕。
11.1.7. 重症喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明)〔2.8、9.1.7参照〕。
11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明)。
11.1.9. うっ血性心不全(頻度不明)〔2.6、9.1.5参照〕。
11.1.10. 無菌性髄膜炎(頻度不明):項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等があらわれることがある(特にSLE又は混合性結合組織病等のある患者では注意すること)〔9.1.6参照〕。
11.1.11. 重篤な肝機能障害(頻度不明):劇症肝炎、広範な肝壊死等に先行して、あるいは同時に急激な意識障害があらわれることがある〔2.4、8.3、9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.12. 急性脳症(頻度不明):かぜ様症状に引き続き、激しい嘔吐、意識障害、痙攣等の異常が認められた場合には、ライ症候群の可能性を考慮すること。
11.1.13. 横紋筋融解症(頻度不明):急激な腎機能悪化を伴うことがある。筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれることがある。
11.1.14. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(5%以上)適用部位そう痒感、(1~5%未満)適用部位紅斑、(1%未満)適用部位発疹、適用部位丘疹、適用部位皮膚炎、適用部位皮膚剥脱、皮膚そう痒症、紫斑、(頻度不明)光線過敏症、多形紅斑。
2). 消化器:(1%未満)上腹部痛、口内炎、腹部不快感、悪心、便秘、下痢、嘔吐、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、食欲減退、(頻度不明)胃痛、腹痛、消化性潰瘍、口角炎、軟便、口渇、胃腸出血、胃炎、小腸潰瘍・大腸潰瘍、出血性大腸炎、クローン病悪化又は潰瘍性大腸炎悪化、膵炎、食道障害、吐血、下血。
3). 肝臓:(1~5%未満)ALT上昇、AST上昇、(1%未満)肝機能異常、γ-GTP上昇、ALP上昇、(頻度不明)肝障害、黄疸。
4). 腎臓:(1%未満)クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、尿中血陽性、BUN上昇。
5). 血液:(1%未満)貧血、好酸球増加、血小板減少、リンパ球減少、白血球減少、(頻度不明)出血傾向、血小板機能低下(出血時間延長)。
6). 精神神経系:(1%未満)傾眠、(頻度不明)頭痛、不眠、めまい、神経過敏、しびれ、振戦、錯乱、幻覚、痙攣、抑うつ、不安、記憶障害。
7). 感覚器:(頻度不明)視覚異常(霧視等)、耳鳴、味覚障害、聴覚障害。
8). 循環器:(1%未満)血圧上昇、(頻度不明)血圧低下、動悸、頻脈。
9). 過敏症:(1%未満)顔面浮腫、薬疹、潮紅、じん麻疹、(頻度不明)発疹、喘息発作、アレルギー性紫斑、血管浮腫。
10). その他:(1%未満)倦怠感、末梢性浮腫、浮腫、発熱、CK上昇、LDH上昇、血中カリウム増加、CK減少、(頻度不明)夜間頻尿、発汗、脱毛、胸痛、血管炎。
高齢者
高齢者:少量から使用を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に使用すること(副作用、特に過度の体温下降・血圧低下によるショック症状があらわれやすい)〔8.2、9.1.13、10.2参照〕。
授乳婦
9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと(妊娠中のジクロフェナクナトリウム製剤の投与で、胎児に動脈管収縮・動脈管閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、胎児死亡例も報告されている。また、分娩に近い時期での投与で、胎児循環持続症(PFC)、動脈管開存、新生児肺高血圧、乏尿が起きたとの報告があり、新生児死亡例も報告されている)〔2.9参照〕。
9.5.2. 子宮収縮を抑制することがある〔2.9参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが報告されている)。
小児等
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. ジクロフェナクナトリウム製剤を小児等の解熱目的で投与後にライ症候群を発症したとの報告があり、また、同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告がある。(ライ症候群:水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST、ALT、LDH、CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態)。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 貼付部位(1). 創傷面又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位及び放射線照射部位は避けて貼付すること。
(2). 貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと。
(3). 本剤の貼付による皮膚刺激を避けるため、貼付箇所を毎回変更すること。
14.1.2. 貼付時(1). 本剤を包装袋から取り出した後は、速やかに貼付すること。
(2). 本剤を使用する際には、ライナーをはがして使用すること。
(3). 本剤は1日毎に貼り替えるため、貼付開始時刻の設定にあたっては入浴等の時間を考慮することが望ましい。
14.1.3. 貼付期間中:本剤が途中ではがれ落ちた場合は、直ちに新たな本剤を貼付し、また、次の貼り替え予定時間には新たな本剤に貼り替えること。
20.1. 〈包装共通〉高温を避けて保管すること。
20.2. 〈1袋7枚包装〉1袋7枚包装開封後はチャックを閉め密封して保管し、1袋7枚包装は開封日より30日を超えて使用しないこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 外国において、肝性ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがあるとの報告がある。
15.1.2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与(健康成人)
健康成人男性の腰背部に本剤1枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg)を1日1回14日間反復投与したときの血漿中ジクロフェナク濃度推移は添付文書の図、投与1、7及び14日目の薬物動態パラメータは次表のとおりであった。
血漿中ジクロフェナク濃度推移(平均値+標準偏差)

投与1、7及び14日目の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与(がん疼痛患者)
がん疼痛患者の胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部等に本剤1枚、2枚又は3枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg、150mg又は225mg)を症状や状態に応じ1日1回、最長12週間反復投与したときの、各患者の各投与量の最終測定時点における血漿中ジクロフェナク濃度、並びに各測定時点及び最終測定時における投与量75mg換算した血漿中ジクロフェナク濃度は次表のとおりであった。
注)本剤の各種がんにおける鎮痛に対して承認された1日量は2枚又は3枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg又は225mg)である。
各患者の各投与量の最終測定時点における血漿中ジクロフェナク濃度
→図表を見る(PDF)

各測定時点及び最終測定時における投与量75mg換算した血漿中ジクロフェナク濃度
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 投与部位
がん疼痛患者の胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部等に本剤1枚、2枚又は3枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg、150mg又は225mg)を症状や状態に応じ1日1回、最長12週間反復投与したときの、投与量75mg換算した投与部位別の血漿中ジクロフェナク濃度は次表のとおりであった。
注)本剤の各種がんにおける鎮痛に対して承認された1日量は2枚又は3枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg又は225mg)である。
投与部位別の投与量75mg換算した血漿中ジクロフェナク濃度
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
16.3.1 組織分布
ラットの背部皮膚に[14C]ジクロフェナクナトリウム含有経皮吸収型製剤を単回経皮投与したときの組織中放射能濃度は、ほとんどの組織で投与後12時間又は24時間に最高濃度を示し、投与部位皮膚が最も高く、次いで腎臓及び肝臓の順であった。製剤剥離後、投与部位皮膚を除く各組織の放射能濃度は血漿中放射能濃度と同様に減少した。また、反復投与による投与部位皮膚への顕著な蓄積は認められなかった。
16.3.2 血漿蛋白結合率
In vitro試験において、ヒト血漿蛋白結合率は99.5%以上であり、結合蛋白は主にアルブミンであることが報告されている。
16.4 代謝
ジクロフェナクは主に肝臓にて代謝され、皮膚中で代謝される可能性は低いと考えられた。ジクロフェナクの代謝には主としてCYP2C9が関与し、代謝物は4’‐水酸化体であることが報告されている。
16.5 排泄
ヒトに[14C]ジクロフェナクナトリウムを静脈内投与したとき、尿中に投与量の約60%の放射能が排泄されたことが報告されている。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈各種がんにおける鎮痛〉
17.1.1 国内第III相臨床試験(ランダム化治療中止プラセボ対照二重盲検比較試験)
がん疼痛患者を対象に、非盲検下で2~4週間かけて本剤2枚又は3枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg又は225mg)で用量を検討した後、二重盲検期への移行基準を満たした患者240例を本剤群又はプラセボ群に無作為に割付け、用量調節期終了時と同用量の本剤又はプラセボを胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部等に1日1回、4週間投与した(本剤群120例、プラセボ群118例)。二重盲検期における鎮痛効果不十分となるまでの期間は、プラセボ群と比較し本剤群で有意な延長を示し、プラセボ群に対する優越性が検証された(二重盲検期移行時の投与量を層別因子とした層別一般化Wilcoxon検定:p=0.0016)。
副作用発現頻度は用量調節期で21.2%(72/339例)、二重盲検期で12.5%(15/120例)あり、主な副作用は用量調節期で適用部位紅斑5.0%(17/339例)、適用部位そう痒感3.8%(13/339例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加2.1%(7/339例)等、二重盲検期で適用部位紅斑4.2%(5/120例)、適用部位そう痒感2.5%(3/120例)等であった。
二重盲検期における鎮痛効果不十分となるまでの期間のKaplan‐Meier曲線

17.1.2 国内第III相臨床試験(非盲検長期投与試験)
がん疼痛患者を対象に、本剤を1日1回、1枚、2枚又は3枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg、150mg又は225mg)の範囲で適宜増減して最長12週間a)投与したときのVAS値(平均値±標準偏差)は、投与前27.1±23.0mm、投与2週後(14日目)19.7±20.3mm、投与4週後(28日目)18.2±21.0mm、投与8週後(56日目)15.2±18.0mm、投与12週後(84日目)11.7±14.3mmであった。
副作用発現頻度は20.2%(22/109例)あり、主な副作用は適用部位そう痒感4.6%(5/109例)、適用部位紅斑2.8%(3/109例)、上腹部痛2.8%(3/109例)等であった。
a)症例登録時にオピオイド鎮痛剤を使用していない患者は12週間、症例登録時にオピオイド鎮痛剤を使用している患者は8週間
〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎〉
17.1.3 国内第III相臨床試験(プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験:腰痛症)
腰痛症の患者を対象に、本剤1枚、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg、150mg)又はプラセボを胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部等に1日1回、2週間反復投与した。投与2週後における3日間平均疼痛VAS値のベースラインからの変化量の群間比較において、本剤1枚群及び本剤2枚群のプラセボ群に対する変化量の最小二乗平均値の群間差はそれぞれ-5.68mm、-5.67mmであり、本剤1枚群及び本剤2枚群とプラセボ群との対比較において、統計学的に有意な差が認められ、プラセボに対する本剤の優越性が検証された。
副作用発現頻度は本剤1枚群で14.0%(19/136例)、本剤2枚群で12.6%(17/135例)あり、主な副作用は本剤1枚群で適用部位そう痒感、適用部位紅斑が各4.4%(6/136例)、本剤2枚群で適用部位そう痒感、血中クレアチンホスホキナーゼ増加が各2.2%(3/135例)等であった。
投与2週後における3日間平均疼痛VAS値のベースラインからの変化量(FAS)
→図表を見る(PDF)

17.1.4 国内第III相臨床試験(プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験:肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱鞘炎)
肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎の患者を対象に、本剤2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)又はプラセボを胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部等に1日1回、2週間反復投与した。投与2週後における3日間平均疼痛VAS値のベースラインからの変化量の群間比較において、本剤2枚群のプラセボ群に対する変化量の最小二乗平均値の群間差(95%信頼区間)は-4.10mm(-8.64、0.44)であった。
副作用発現頻度は本剤2枚群で11.5%(9/78例)あり、主な副作用は適用部位そう痒感、尿中血陽性、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加が各2.6%(2/78例)等であった。

18.1 作用機序
ジクロフェナクナトリウムはシクロオキシゲナーゼを阻害することから、プロスタグランジンの生合成抑制により鎮痛効果を示すと考えられる。
18.2 鎮痛作用
ラットイースト炎症足疼痛モデルにおいて、本剤の背部への経皮投与は用量依存的な鎮痛作用を示し、その作用は単回投与後24時間まで持続した。
18.3 抗炎症作用
ラットアジュバント関節炎モデル等の炎症モデルにおいて、本剤の背部への経皮投与は抗炎症作用を示した。

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久光製薬
販売会社
 

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