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アジレクト錠0.5mg

販売名
アジレクト錠0.5mg
識別コード
GIL 0.5
薬価
0.5mg1錠 509.60円
製造メーカー
武田薬品

添付文書情報2025年01月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗パーキンソン剤
一般名
ラサギリンメシル酸塩錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 他のMAO阻害薬投与中(セレギリン塩酸塩及びサフィナミドメシル酸塩)の患者〔10.1参照〕。
2.2. ペチジン塩酸塩含有製剤投与中、トラマドール塩酸塩投与中又はタペンタドール塩酸塩投与中の患者〔10.1参照〕。
2.3. 三環系抗うつ薬投与中(アミトリプチリン塩酸塩、アモキサピン、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩、ドスレピン塩酸塩、トリミプラミンマレイン酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩及びロフェプラミン塩酸塩)、四環系抗うつ薬投与中(マプロチリン塩酸塩、ミアンセリン塩酸塩及びセチプチリンマレイン酸塩)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬投与中(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物、セルトラリン塩酸塩及びエスシタロプラムシュウ酸塩)、セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬投与中(ボルチオキセチン臭化水素酸塩)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与中(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩及びベンラファキシン塩酸塩)、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与中(アトモキセチン塩酸塩)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩投与中、メチルフェニデート塩酸塩投与中、メタンフェタミン塩酸塩投与中、マジンドール投与中、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬投与中(ミルタザピン)、塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン投与中、ナファゾリン硝酸塩投与中、トラマゾリン塩酸塩投与中又はアプラクロニジン塩酸塩投与中の患者〔10.1参照〕。
2.4. 中等度以上の肝機能障害<Child-Pugh分類B又はC>のある患者〔9.3.1、16.6.4参照〕。
2.5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
パーキンソン病。
用法・用量
通常、成人にはラサギリンとして1mgを1日1回経口投与する。
肝機能障害患者
8.1. 起立性低血圧又は低血圧があらわれることがあるため、めまい、立ちくらみ、ふらつき、失神等の起立性低血圧の徴候又は症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.2. 日中の傾眠、前兆のない突発的睡眠又は睡眠発作があらわれることがあるため、本剤投与中の患者には自動車の運転、機械の操作、高所での作業等、危険を伴う作業には従事させないように注意すること〔11.1.2参照〕。
8.3. 病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害の症状について説明すること〔11.1.4参照〕。
9.1.1. 低体重の患者:患者の状態を観察し、低用量での投与も考慮すること(本剤の血中濃度が上昇する可能性があり、副作用の発現が多く認められている)〔16.6.1参照〕。
9.3.1. 中等度以上の肝機能障害<Child-Pugh分類B又はC>のある患者:投与しないこと(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔2.4、16.6.4参照〕。
9.3.2. 軽度肝機能障害<Child-Pugh分類A>のある患者:低用量での投与も考慮すること(本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)〔16.6.4参照〕。
相互作用
本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP1A2により代謝される。
10.1. 併用禁忌:1). MAO阻害薬(セレギリン塩酸塩<エフピー>、サフィナミドメシル酸塩<エクフィナ>)〔2.1参照〕[高血圧クリーゼ等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(相加作用のおそれがある)]。
2). ペチジン塩酸塩含有製剤<ペチロルファン>、タペンタドール塩酸塩<タペンタ>〔2.2参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(機序は不明である)]。
3). トラマドール塩酸塩<トラマール>〔2.2参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、トラマドール塩酸塩の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、2~3日間の間隔を置くこと(機序は不明である)]。
4). 三環系抗うつ薬(アミトリプチリン塩酸塩<トリプタノール>、アモキサピン<アモキサン>、イミプラミン塩酸塩<トフラニール>、クロミプラミン塩酸塩<アナフラニール>、ドスレピン塩酸塩<プロチアデン>、トリミプラミンマレイン酸塩<スルモンチール>、ノルトリプチリン塩酸塩<ノリトレン>、ロフェプラミン塩酸塩<アンプリット>)〔2.3参照〕、四環系抗うつ薬(マプロチリン塩酸塩<ルジオミール>、ミアンセリン塩酸塩<テトラミド>、セチプチリンマレイン酸塩<テシプール>)〔2.3参照〕[他のMAO-B阻害薬との併用により高血圧、他のMAO-B阻害薬との併用により失神、他のMAO-B阻害薬との併用により不全収縮、他のMAO-B阻害薬との併用により発汗、他のMAO-B阻害薬との併用によりてんかん、他のMAO-B阻害薬との併用により動作・精神障害の変化及び他のMAO-B阻害薬との併用により筋強剛等の副作用があらわれ、さらに他のMAO-B阻害薬との併用により死亡例も報告されているので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、2~3日間の間隔を置くこと(機序は不明であるが、相加・相乗作用のおそれがある)]。
5). 選択的セロトニン再取り込み阻害薬:①. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬〔2.3参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある)]。
②. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(フルボキサミンマレイン酸塩<ルボックス、デプロメール>)〔2.3参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも7日間の間隔を置くこと(セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある)]。
③. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(パロキセチン塩酸塩水和物<パキシル>、セルトラリン塩酸塩<ジェイゾロフト>、エスシタロプラムシュウ酸塩<レクサプロ>)〔2.3参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある)]。
6). セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬(ボルチオキセチン臭化水素酸塩<トリンテリックス>)〔2.3参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある)]。
7). セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:①. セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬〔2.3参照〕[重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
②. セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ミルナシプラン塩酸塩<トレドミン>)〔2.3参照〕[重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、2~3日間の間隔を置くこと(モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
③. セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(デュロキセチン塩酸塩<サインバルタ>)〔2.3参照〕[重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも5日間の間隔を置くこと(モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
④. セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ベンラファキシン塩酸塩<イフェクサー>)〔2.3参照〕[重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも7日間の間隔を置くこと(モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
8). 選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(アトモキセチン塩酸塩<ストラテラ>)〔2.3参照〕[重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに少なくとも14日間の間隔を置くこと(モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
9). リスデキサンフェタミンメシル酸塩<ビバンセ>、メチルフェニデート塩酸塩<コンサータ、リタリン>、メタンフェタミン塩酸塩<ヒロポン>、マジンドール<サノレックス>〔2.3参照〕[高血圧クリーゼ等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと(モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
10). ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬(ミルタザピン<レメロン、リフレックス>)〔2.3参照〕[セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがあるので、本剤の投与を中止してから併用薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと、また、併用薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに少なくとも14日間の間隔を置くこと(脳内ノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達が増強され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある)]。
11). 塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン<コールタイジン>、ナファゾリン硝酸塩<プリビナ>、トラマゾリン塩酸塩<トラマゾリン>、アプラクロニジン塩酸塩<アイオピジン>〔2.3参照〕[急激な血圧上昇を起こすおそれがある(カテコールアミンの蓄積をおこし、併用薬剤の交感神経刺激作用を増強するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:1). レボドパ含有製剤[ジスキネジア等のレボドパ由来の副作用が増強されるおそれがある(脳内のドパミン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりドパミン濃度が更に高まるおそれがある)]。
2). トラゾドン塩酸塩[トラゾドン塩酸塩の中止直後に本剤を投与又は併用する場合には、脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある(セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある)]。
3). デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物[脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある(脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりセロトニン濃度が更に高まるおそれがある)]。
4). 交感神経刺激薬(エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩含有医薬品、フェニルプロパノールアミン塩酸塩含有医薬品)[高血圧クリーゼを含む血圧上昇が報告されている(本剤のMAO-B選択性が低下した場合、交感神経刺激作用が増強されるおそれがある)]。
5). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有飲食物(St.John’s Wort)[脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある(脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりセロトニン濃度が更に高まるおそれがある)]。
6). CYP1A2阻害薬(シプロフロキサシン)[本剤の血中濃度が上昇する可能性があるため、低用量での投与も考慮すること(シプロフロキサシンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある)]。
7). CYP1A2誘導薬(タバコ(喫煙)、フェニトイン)[本剤の血中濃度が低下する可能性がある(CYP1A2を誘導するため、本剤のクリアランスを増加させる可能性がある)]。
8). チラミンを多く含有する飲食物(チーズ、ビール、赤ワイン等)[チラミン含有量の高い飲食物を摂取した患者において、高血圧クリーゼを含む血圧上昇が報告されている(本剤のMAO-B選択性が低下した場合、チラミンの代謝が抑制されるおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 起立性低血圧(2.4%):パーキンソン病患者では運動機能障害による転倒のリスクが高いので、起立性低血圧があらわれた場合には、転倒により骨折又は外傷に至るおそれがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 傾眠(1.4%)、突発的睡眠(0.4%):日中に傾眠があらわれることがあり、さらに前兆のない突発的睡眠があらわれることもある〔8.2参照〕。
11.1.3. 幻覚(2.7%):幻覚、幻視、せん妄、幻聴、錯覚、失見当識等の精神症状があらわれることがある。
11.1.4. 衝動制御障害(0.1%):病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.5. セロトニン症候群(頻度不明):不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、ミオクロヌス、発汗、頻脈等のセロトニン症候群が疑われる症状が認められた場合には、投与を中止し、体温冷却及び補液等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと。
11.1.6. 悪性症候群(頻度不明):急激な減量又は中止により、無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合があり、また、本症発現時には白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることもあるので、このような症状が認められた場合には、体温冷却及び補液等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(5%以上)ジスキネジア、(5%未満)頭痛、めまい、ジストニア、異常な夢、(頻度不明)うつ病、平衡障害、錯乱。
2). 消化器:(5%未満)悪心・嘔吐、便秘、腹痛、口内乾燥、(頻度不明)鼓腸。
3). 筋・骨格系:(5%未満)関節痛、関節炎、筋骨格痛、頚部痛。
4). 心血管系:(5%未満)狭心症、心筋梗塞、(頻度不明)脳卒中。
5). その他:(5%未満)転倒、皮疹、食欲減退、結膜炎、発熱、体重減少、アレルギー、倦怠感、水疱性皮疹、白血球減少症、インフルエンザ、(頻度不明)鼻炎、尿意切迫、手根管症候群、皮膚癌、悪性黒色腫、高血圧。
高齢者
患者の状態を観察し、低用量での投与も考慮すること(副作用の発現が多く認められている、また、一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(ウサギ)において、本剤とレボドパ/カルビドパを併用投与した場合、本剤の最大臨床用量(ラサギリンとして1mg/日)における曝露量(AUC)の約8倍を超える曝露量で、着床後胚死亡率増加が認められた)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行は不明であり、また、動物試験(ラット)でプロラクチン分泌阻害が認められた)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報海外臨床試験において悪性黒色腫が報告された。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にラサギリンとして1mg及び0.5mg(各8例)を単回投与した時のラサギリンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは次のとおりであった。
血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

薬物動態学的パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
健康成人にラサギリンとして1mg及び0.5mg(各8例)を1日1回10日間反復投与した時のラサギリンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは次のとおりであった。
血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

薬物動態学的パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
ラサギリンとして2mg注)を単回経口投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは約35%であった。
16.2.2 食事の影響
健康成人(18例)にラサギリンとして2mg注)を単回経口投与した時のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を検討した。空腹時投与と比較して、ラサギリンのCmaxの平均値は食後投与で約60%の低下が認められ、AUClast及びAUC∞の平均値は食後投与でそれぞれ約23%及び約22%の低下が認められた(外国人データ)。
16.3 分布
14C‐ラサギリン塩酸塩をin vitroでヒト血漿に添加し、限外ろ過法により蛋白結合率を評価した。14C‐ラサギリンのヒト血漿蛋白結合率は0.83、8.26及び82.6ng/mLの濃度において、男性で90.4~93.7%、女性で88.6~92.8%であった。
健康成人(14例)にラサギリンとして2mg注)を単回静脈内投与した時のラサギリンの定常状態における分布容積は86.7±39.0L(平均値±標準偏差)であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、ラサギリンの代謝に主に関与するCYP分子種はCYP1A2であることが示唆された。
ラサギリンの主な消失経路は酸化的代謝又は抱合であると考えられる。
16.5 排泄
健康成人(2例)に14C‐ラサギリン2mg注)を単回投与した時、38日間の採取期間を通じて、尿中に投与放射能の62.6%、糞便中に投与放射能の21.8%が排泄された。また、尿中に未変化体はほとんど認められなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 低体重の患者
パーキンソン病患者(352例)にラサギリンとして1、2mg注)及びプラセボを1日1回52週間(プラセボ投与群においては27週目は1mg、28週目から2mg)投与した時の母集団薬物動態解析の結果、ラサギリンの定常状態におけるCL/Fの低下は体重低下と関連した。解析対象集団の中で最も体重が軽かった42.3kgの患者で予測される定常状態におけるCL/Fは70kgの患者よりも約30%低いと推定された(外国人データ)。[9.1.1参照]
16.6.2 高齢者
パーキンソン病患者(352例)にラサギリンとして1、2mg注)及びプラセボを1日1回52週間(プラセボ投与群においては27週目は1mg、28週目から2mg)投与した時の母集団薬物動態解析の結果、ラサギリンの定常状態におけるCL/Fの低下は年齢増加と関連した。79歳の患者で予測される定常状態におけるCL/Fは60歳の患者よりも約11%低く、32歳の患者よりも約30%低いと推定された(外国人データ)。
16.6.3 腎機能障害患者
中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:30~49mL/min)(12例)にラサギリンとして1mgを1日1回8日間反復投与した時、ラサギリンのAUCτ及びCmaxは健康成人と比較しそれぞれ92.6%及び79.0%であった(外国人データ)。
16.6.4 肝機能障害患者
軽度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類A)(8例)にラサギリンとして1mgを投与した時、ラサギリンのAUClast及びCmaxは健康成人と比較し、単回投与時でそれぞれ134.7%及び115.0%、1日1回7日間反復投与時でそれぞれ180.2%及び138.1%であった。中等度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B)(8例)にラサギリンとして1mgを投与した時、ラサギリンのAUClast及びCmaxは健康成人と比較し、単回投与時でそれぞれ217.8%及び196.1%、1日1回7日間反復投与時でそれぞれ668.2%及び183.2%であった(外国人データ)。[2.4、9.3.1、9.3.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 レボドパ/カルビドパ
パーキンソン病患者(21例)にレボドパ/カルビドパ併用投与下でラサギリンとして1mgを1日1回反復投与した時、ラサギリンとして1mgを単独投与した時と比較して、ラサギリンの定常状態におけるCmax及びAUCτはそれぞれ107.8%及び106.2%であった(外国人データ)。
16.7.2 シプロフロキサシン
健康成人(13例)を対象にシプロフロキサシン500mg(CYP1A2阻害薬)がラサギリンとして2mg注)を1日1回反復投与した時の薬物動態に及ぼす影響を評価した。シプロフロキサシンと併用投与した時、ラサギリン単独投与時と比較して、定常状態時のラサギリンのAUCτ及びCmaxはそれぞれ197.5%及び98.2%であった(外国人データ)。
16.7.3 テオフィリン
健康成人(18例)を対象にテオフィリン(1回250~500mgを1日2回反復投与、CYP1A2基質)とラサギリン(1mgを1日1回反復投与)を併用投与した時の薬物相互作用を評価した。テオフィリンの薬物動態はラサギリンによる影響を受けなかった。同様にラサギリンの薬物動態はテオフィリンによる影響を受けなかった(外国人データ)。
16.7.4 チラミン
健康成人にセレギリン5mgを1日2回14日間投与した時(15例)と、ラサギリンとして1、2、4、6mg注)を1日1回14日間(2mgのみ1日1回14日間又は30日間)投与した時(各15、27、17、12例)のチラミン(12.5~800mg)感受性を比較した。ラサギリンとして1mgを投与した時とセレギリン5mgを1日2回投与した時とでチラミンに対する感受性は同様であった。また、ラサギリンとして2mgを1日1回30日間投与した時のチラミンに対する感受性はラサギリンとして2mgを1日1回14日間投与した時と比較して低く、ラサギリンのチラミン感受性に対する影響は投与2週間以内に定常状態に達することが示唆された。本剤群のチラミンに対する感受性は、用量に応じて増加する傾向がみられた(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 喫煙の影響
パーキンソン病患者(352例)に本剤1、2mg注)又はプラセボ錠を1日1回52週間(プラセボ投与群においては27週目は1mg、28週目から2mg)投与した母集団薬物動態解析の結果、喫煙者におけるラサギリンの定常状態におけるCL/Fは非喫煙者及び元喫煙者と比較して39.1%高いと推定された(外国人データ)。
注)本剤の国内承認用量は1日1回1mgである。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 レボドパ含有製剤非併用
(1)国内第III相試験(二重盲検比較試験)
レボドパ含有製剤非併用のパーキンソン病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、治療期26週(LOCF)におけるMDS‐UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量について、プラセボ群と比較して本剤1mg群で統計学的に有意な改善がみられた(p<0.0001、治療期26週(LOCF)におけるMDS‐UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量を応答、投与群及び観察期終了時におけるMDS‐UPDRS Part II+Part III合計スコアを因子とした共分散分析モデル)。
治療期26週(LOCF)及び観察期終了時におけるMDS‐UPDRS Part II+Part III合計スコア
→図表を見る(PDF)

治療期26週(LOCF)におけるMDS‐UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量(主要評価項目)
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、39.3%(46/117例)であり、主な副作用は、鼻咽頭炎4.3%(5/117例)、湿疹4.3%(5/117例)であった。
(2)国内第III相試験(継続長期投与試験)
無作為化二重盲検比較試験完了後の継続長期投与試験において、本剤1mg群(二重盲検比較試験で本剤1mg群に割り付けられ、継続長期投与試験でも引き続き本剤1mgが投与された群)のMDS‐UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量(平均値(標準偏差))は、初回評価時点である治療期6週で-2.9(5.78)(115例)、52週(LOCF)で-2.8(9.62)(115例)であり、長期投与時も効果が持続した。
副作用発現頻度は、49.6%(58/117例)であり、主な副作用は、鼻咽頭炎6.8%(8/117例)、頭痛5.1%(6/117例)、湿疹4.3%(5/117例)であった。
17.1.2 レボドパ含有製剤併用
(1)国内第II/III相試験(二重盲検比較試験)
Wearing off現象を伴うレボドパ含有製剤併用のパーキンソン病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量について、プラセボ群と比較して本剤1mg群及び0.5mg群でそれぞれ統計学的に有意な短縮がみられた(p=0.0006及びp=0.0140、治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量を応答、投与群及び観察期終了時における1日あたりの平均オフ時間を因子とした共分散分析モデル(対比係数は、投与群(プラセボ群、本剤0.5、1mg群)に対してそれぞれ(-1、0、1)及び(-1、1、0)とした)、第一種の過誤確率を抑制するため、閉検定手順により、高用量から順に各本剤群とプラセボ群の比較を行った)。
治療期及び観察期終了時における1日あたりの平均オフ時間
→図表を見る(PDF)

治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量(主要評価項目)
→図表を見る(PDF)

本剤1mg群の副作用発現頻度は、51.2%(66/129例)であり、主な副作用は、ジスキネジア16.3%(21/129例)、鼻咽頭炎3.9%(5/129例)、頭痛、傾眠及び幻覚が各3.1%(4/129例)であった。
本剤0.5mg群の副作用発現頻度は、44.4%(59/133例)であり、主な副作用は、ジスキネジア8.3%(11/133例)、幻覚3.8%(5/133例)、鼻咽頭炎、悪心、転倒及び浮動性めまいが各3.0%(4/133例)であった。
(2)国内第III相試験(非盲検長期投与試験)
レボドパ含有製剤併用のパーキンソン病患者を対象として本剤1mgを投与した非盲検長期投与試験において、1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量(平均値(標準偏差))は、初回評価時点である治療期6週で-0.93(2.689)(105例)、52週(LOCF)で-0.89(2.537)(106例)、MDS‐UPDRS Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量(平均値(標準偏差))は、初回評価時点である治療期6週で-5.5(7.89)(213例)、52週(LOCF)で-7.6(10.45)(215例)であり、長期投与時も効果が持続した。
副作用発現頻度は、63.1%(140/222例)であり、主な副作用は、ジスキネジア10.8%(24/222例)、転倒8.6%(19/222例)、起立性低血圧5.4%(12/222例)、食欲減退4.1%(9/222例)、幻覚及び高血圧が各3.2%(7/222例)であった。

18.1 作用機序
ラサギリンは非可逆的かつ選択的なMAO‐B阻害作用を示し、線条体における細胞外ドパミン濃度を増加させる。ドパミン濃度の上昇により、ドパミン作動性運動機能障害を改善する。
18.2 MAO‐B阻害作用
ラサギリンのヒト及びラットにおけるin vitro脳内MAO‐B阻害のIC50値は2.5~20nmol/Lである。MAO‐A阻害における同値と比べると0.01~0.05であることから、MAO‐Bに対する高い選択性を有する。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明
製造販売会社
武田薬品
販売会社
 

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