アタラックス錠10mg

添付文書情報2020年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分、セチリジン、ピペラジン誘導体に対し過敏症、アミノフィリンに対し過敏症、エチレンジアミンに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. ポルフィリン症の患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)。
2). 神経症における不安・神経症における緊張・神経症における抑うつ。
- 用法・用量
- 皮膚科領域には、ヒドロキシジン塩酸塩として、通常成人1日30~60mgを2~3回に分割経口投与する。
神経症における不安・緊張・抑うつには、ヒドロキシジン塩酸塩として、通常成人1日75~150mgを3~4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械類の操作には従事させないよう注意すること。
8.2. 〈蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)〉本剤投与により皮膚疾患の改善が認められない場合には、本剤による皮膚症状を考慮し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。
9.1.2. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者:QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある〔10.2、11.1.2参照〕。
9.1.3. 次記の患者[1)緑内障の患者、2)前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者、3)重症筋無力症の患者、4)認知症の患者、5)狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞等消化管運動低下している患者、6)不整脈を発現しやすい状態にある患者]:本剤の抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。
腎機能障害患者:中等度又は重度の腎障害のある患者で血中濃度半減期が延長したとの報告がある〔16.6.1参照〕。
肝機能障害患者:血中濃度半減期が延長したとの報告がある〔16.6.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤は、in vitro試験において、主としてCYP3A4/CYP3A5及びアルコール脱水素酵素で代謝されることが報告されているため、CYP3A4/CYP3A5を阻害する薬剤及びアルコール脱水素酵素を阻害する薬剤と併用した場合、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔16.4.2参照〕。
10.2. 併用注意:1). バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤、アルコール、モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤[相互に作用を増強するおそれがあるので減量するなど慎重に投与すること(両剤ともに中枢神経抑制作用を有するため、併用により作用が増強されるおそれがある)]。
2). ベタヒスチン、抗コリンエステラーゼ剤(ネオスチグミン臭化物等)[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある(本剤はこれらの薬剤の作用と拮抗することがある)]。
3). シメチジン[シメチジンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある(シメチジンは本剤の肝臓での主な代謝酵素であるCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5を阻害し、本剤の代謝、排泄を遅延させる)]。
4). 不整脈を引き起こすおそれのある薬剤(シベンゾリンコハク酸塩等)[併用により心室性不整脈等の副作用があらわれたとの報告がある(ともに心血管系の副作用を起こすおそれがある)]。
5). QT延長を起こすことが知られている薬剤〔9.1.2、11.1.2参照〕[QT延長、心室頻拍<torsade de pointesを含む>を起こすおそれがある(併用によりQT延長作用が増強されるおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsade de pointesを含む)(頻度不明)〔9.1.2、10.2参照〕。
11.1.3. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4. 急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 精神・神経系:(1%以上*)眠気、倦怠感、(1%未満*)めまい、(頻度不明)不安、不随意運動、振戦、痙攣、頭痛、幻覚、興奮、錯乱、不眠、傾眠。
2). 消化器:(1%未満*)口渇、食欲不振、胃部不快感、嘔気・嘔吐、(頻度不明)便秘。
3). 循環器:(頻度不明)血圧降下。
4). 過敏症:(1%未満*)発疹、(頻度不明)紅斑、多形滲出性紅斑、浮腫性紅斑、紅皮症、そう痒、蕁麻疹。
5). その他:(頻度不明)霧視、尿閉、発熱。
*)副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度については再評価時における文献を参考に集計した。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)〔16.6.3参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠初期<約3ヵ月>に本剤を投与された女性が、口蓋裂等の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、妊娠中の投与により、出産後新生児に傾眠、筋緊張低下、離脱症状、錐体外路障害、間代性運動、中枢神経抑制等の精神神経系症状、新生児低酸素症があらわれたとの報告がある〔2.3参照〕。
授乳を避けさせること(本剤がヒト母乳中に移行するかどうかは知られていないが、授乳中の新生児に中枢神経抑制、緊張低下があらわれたとの報告がある)。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
ヒドロキシジン塩酸塩を健康成人(7人)に0.7mg/kg単回経口投与(シロップ液)した結果、投与後1時間の血中濃度は42.6ng/mL、2時間で70.0ng/mL、24時間で13.6ng/mLとなり、その消失半減期は20.0時間であった(高速液体クロマトグラフ法)(外国人データ)。
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16.3 分布
16.3.1 血液-脳関門通過性
通過する。
16.3.2 胎児への移行性
通過する。但し、ヒドロキシジン塩酸塩注射の成績により、分娩前投与で新生児のapgar指数に特に影響を与えないと考えられる。
16.4 代謝
16.4.1 代謝経路
ヒドロキシジンは肝で代謝される。
16.4.2 代謝に関与する酵素
主としてCYP3A4/CYP3A5及びアルコール脱水素酵素で代謝される。[10.参照]
16.4.3 代謝物の活性の有無
ヒトの主要代謝物として、中枢抑制作用がなく抗ヒスタミン作用をもつ活性物質セチリジンがあるが、代謝過程等の詳細については明らかでない。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
ヒドロキシジンを腎機能障害患者に投与し、体内薬物動態を検討した報告はない。但し、次の結果より、腎機能障害患者ではヒドロキシジンの活性代謝産物であるセチリジンの投与時に、セチリジンのt1/2を延長させること等が報告されているので、腎機能障害患者への投与は、ヒドロキシジンの作用が延長する可能性がある。
セチリジン10mgを、健康成人(Normal,Group I)、腎機能障害患者(Mild,Group II、Moderate,Group III)に投与し、体内動態を検討した結果、健康成人に比較し、腎機能障害患者では、分布容積Vd/Fには、差がみられないが、t1/2は延長し、総クリアランスTBC/Fは低値となった(外国人データ)。[9.2参照]
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16.6.2 肝機能障害患者
ヒドロキシジン塩酸塩0.7mg/kg(シロップ液)を原発性胆汁性肝硬変の患者8人に単回投与した結果、t1/2の平均値は36.6±13.1hrであり、健康成人のt1/2 20.0±4.1hrに比較して延長した。また、ヒドロキシジンの活性代謝産物であるセチリジンのt1/2も同患者群では健康成人のt1/2 11.4±3.1hrと比較し25.0±8.2hrに延長した(外国人データ)。[9.3参照]
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16.6.3 高齢者
ヒドロキシジン塩酸塩を高齢健康者9名(平均69.5歳)に0.7mg/kg(平均49mg)単回経口投与した結果、加齢による分布容積の増加から半減期の延長が認められた(外国人データ)。[9.8参照]
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18.1 作用機序
18.1.1 中枢抑制作用
ヒドロキシジンは、視床、視床下部、大脳辺縁系などに作用し、中枢抑制作用を示すものと考えられている。
18.1.2 抗アレルギー作用
ヒドロキシジンは、標的細胞のヒスタミン受容体においてヒスタミンと競合し、ヒスタミンが受容体に結合するのを阻害することで抗ヒスタミン作用(H1受容体拮抗作用)を示す。
18.2 薬効を裏付ける試験成績
18.2.1 中枢抑制作用
ヒドロキシジンは、電気刺激によるマウス情動行動に対し優れた静穏効果を示す。電撃闘争ラットにおける馴化作用は、クロルジアゼポキシドとほぼ同等である。
ヒドロキシジンは、ラットのアポモルヒネによるそしゃく運動に対して抑制作用を示すが、カタレプシー作用は認められていない。
18.2.2 抗アレルギー作用
ヒドロキシジンは、モルモット卵白感作喘息に対して、強力な抗アレルギー作用を有することが確認されている。
in vitro(摘出腸管)でみた抗ヒスタミン作用はジフェンヒドラミンとほぼ同程度にとどまるが、モルモットのヒスタミン致死量(皮下注射)を指標に、ヒドロキシジンの抗ヒスタミン作用を検討すると、ヒドロキシジン経口投与1時間後のヒスタミン致死量は、対照の1,200倍、24時間後のそれは600倍となり、本剤が強力で持続的な抗ヒスタミン作用を有することが明らかにされている。
抗ヒスタミン作用(対照のヒスタミンの致死量の倍数)
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- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
【添】味は苦い。@【IF】潮解性がある。@粉砕しての投与は弊社としては推奨していない。
- 製造販売会社
- ファイザー
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
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